さて、どうしたものか。
超マイナーなタブレット、イー・モバイルのGT01をレビューします。
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・購入の経緯

N-06Dを購入後、どういうわけかF-01Dを買ったわけですね。
これが思った以上に使い勝手もよく、何よりスタンドアロンでXiまで接続出来るというのがいいですね。

普通ならこれで完結なんですけど、10インチでWXGAだとなんか変にドットが粗いのですね。
このへんはWindowsではわからない感覚なのですが、いわゆるiPad2からiPad3に変わった時の「ザラザラ感」がよく分かるというもの。
これまで7インチWXGAという世界が、そのままインチアップすれば当然そうなるわけですね。

選択肢的には10インチでWUXGA以上のもの。基本はF-01Dの代替品という扱い。
F-01Dの後継ってことで考えればF-05Eという選択肢なのだろうと思うわけですけど、いかんせん高い。(この時点では白ロム即入手で5万ジャストぐらい)
最初は5万ぐらいでもいい気がしたのでNexus10とも思ったわけだけど、これも数がないわけでどうしようもない。最近ようやく…いや店がやってないからいけないんだよw

となるとと選択肢的にはICOTAB A700、TF700しかないだろと思い、ヨドバシへ。
実際見てみようと思った結果、偶然ヨドバシアキバで見つけたのがこれ。

その存在自体は発表時点では異質とも思われていたのですが、その後上記のハイエンドタブが登場。
おまけに発売日が延々未定だったまま。発売されたものの通常のイー・モバイル取扱店ではほぼ扱っていないという特異性。
謎すぎるタブレットだけに、中華タブの値段をはるかに超える金額でありながら、これは買うべきと勢い良くポチってみた。
ヨドバシアキバにも在庫はなく、結局イー・モバイルから直接購入することになった。

26日の23:59に注文して28日の21:30ごろには届いた(受け取れず)ので、本当に1日でやってくるらしい。34800円。

・開封の儀
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到着!!

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普通だ。

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開封

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付属品ね。


・スペック
HuaweiのMediaPad 10 FHDをベース…というかまんまですね。
クアッドコアである、Hisilicon K3V2 1.4GHzにDDR3 2GBメモリー、ストレージに16GB。
メモリ2GBで64bit接続。GPUは16コア、液晶がWUXGA(1920x1200)と、これまでの廉価版中華タブに比べて圧倒的なスペックです。

というわけで、どれぐらいの性能なのか簡単にベンチを測ってみる。
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結構いい。世代的にはSnapdragon S4ぐらいあってもおかしくないスペックなんだろうけどね。

参考までに他のスマホで調べてみた。

機種名 Quadrant Standard2.1.1 Antutu3.0.3の順
Huawei GT01(4.0.4) 4620 13213(ベンチ上では1280x768で計測と表記あり)
LG NitroHD(4.1.2) 2491 8272
Samsung GALAXY S2(4.0.4) 3270 10310(800x480のため参考)
LG OptimusG(4.0.4) 7655 20328

APQ8064は別格として、K3V2はExynos 4210よりも性能がいいということになる。

・体感速度
とはいえ、1920x1200という解像度。いくら性能が良くてもTegra3ぐらいの性能がないと厳しいと思うんですよ。
上記ベンチを見る限りは本当にTegra3より性能が良いということ(Quadrant Standard2.1.1で大体4000ぐらい)なのですね。
結局ほとんど手を加えていない素のAndroid4.0.4なので、まず動作が遅いわけがない。

実際気になるのは傾きセンサーの遅さによる縦/横の切り替え部分なんで、動作そのものは非常に快適です。

・液晶の表示、動画再生機能など
10.1インチFHD液晶。IPSディスプレイなので、ほぼ180度傾けても問題ありません。発色も良好です。
もっとも、最近のタブレットで中華タブではないものはほぼIPSですし、まんまRetinaディスプレイ搭載の中華タブが登場してるぐらいなので、今となってはそれほど凄いとも言えないですね。
4:3のQXGAと16:10のWUXGAを並べてみたい感じはするんだけど、さすがにもう1台10インチクラスを買うのもどうかと思うので、これは比べることはないと思います。

動画プレイヤーのコーデックは基本的に対象外。SW処理でMX動画プレイヤーなどを基本としているのですが、ぶっこ抜きTSも再生可能。mp4やFHDのWMVなどもHWデコード出来るっぽい。
無線LANに11nが必要となりますが、Twonky BeamでAVC限定ながらDTCP-IPに対応しており、BD-BR600よりAVCの再生もサクサク。ほぼ何も問題ないレベルです。
DIXIM Playerでも実装してくれるとDRも対応してくれるので、販売してほしいなあと思っていますね。

・タッチパネルの感度、操作性
凄さを感じたのはここ。今までの中華タブなどは言わずもがな、前に購入してるN-06DやF-01Dですらタッチパネル感度で劣る部分があったわけですよ。
Nexus7はこのあたりが非常に優秀で、タッチパネル動作の散漫さは見られない。静電式タッチパネルゆえの問題や保護フィルムを貼った時の感度の問題もあるとは思うんですが、まずスクロールやフリックでズレがない。
ほぼソフトウェアキーボードでも間違いなく入力できる。精度はiPad2並だと思われます。
結構いろんなタブレットやスマホを使ってますけど、スマホでできてタブレットで割とできない部分がこれです。
このへんはN-06DやF-01DのようにOSとハードとのチューニング具合でなんとでもなるらしいのですよ。そういうこともあってOSアップデートなどで精度が変わる可能性もあるわけですね。
とりあえず、現在販売されているレベルのものは全く問題なしです。

・オリジナルUIの使い勝手
オリジナルUIがありません。基本はデフォルトなので省略。

・筐体の特徴(ボタンやスピーカーなど)
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正面左にイヤホン端子。右側に電源と音量のボタン。右上にSIM?スロット(封印)/microSDスロット。背面真ん中にカメラ。背面左右にステレオスピーカー。
中央下に充電コネクタ。形状はギャラタブのコネクタと全くなんですけど、どうもSC-01Cの周辺機器ではダメな模様。確かどっかでSC-01D以降とコネクタの規格が違うと書いてあったような気がするので、別途試してみようかと。
ちなみに中国では、このコネクタを経由してHDMI変換コネクタや、キーボードドック(いわゆるASUS Transformer的なもの)なども発売されている。欲しい。欲しいなあw

→実際に買って使ってみた。(続レビューはこちら

・電池の持ち
公称6400mAhと割に大容量。F-01Dが6560mAhなので、。iPad2と同じく3Gがないのでえらく長持ちするのではないかと。
基本的に満充電から1日約5時間ぐらい(11n接続、ディスプレイの明るさ30%)使って、約4日使って残り30%ぐらい。
ゲームなどもやっていながらこのバッテリの持ちは結構良好とも言えますね。

・筐体の重さ、厚さなど
筐体は8.8mmとiPad2とほぼ同じ薄さ。これで589gとiPad2(601g)より軽い。
防水加工されているとはいえF-01Dが11.3mmとかなり厚いので、重さ以上に筐体の違いを感じる。(サイズは全く同じ)
両手で使うのが基本のF-01Dに比べると、片手でも十分ホールド出来るのは大きい。ちなみにN-06Dもあるけど、こっちも9.9mmと結構分厚いけど、片手で操作可能。
そう考えると片手でなんとか操作出来るのが10mm程度なのではないかと思っています。

・珍しく音に関する評価
ドルビーモバイルを搭載していて、エフェクトの効きがあるせいか、かなり音がいい。内蔵スピーカーですら侮れない感じ。
ただこのへんは同じ機能があるF-01Dよりはスピーカー位置の問題もあってやや劣る。国産メーカーの面目躍如。
中華タブ特有のノイズ音も見られず。いいヘッドホンがあるのであれば、映画や音楽のストリーミングなどでも十分に使える。
さすがにXperia系には負けるとは思うけど、それにしたって十分。

・その他
ACアダプタは5V2Aと非常に高出力型。実はF-01Dの専用ACアダプタ(5V1.6A)より高出力。
とにかくケースや保護フィルムが致命的で、海外から取り寄せる必要がある。
が、前述のとおりほぼSC-01Dとほぼサイズが同じため、すっぽり収めるタイプのケースが使える。またインカメラや光センサーを塞いでも問題なければ、保護フィルムも使える。
実は中国のタオバオあたりで売っているケースはほぼ同じ寸法でできているのですね。いかにもという感じ。

CPUの関係で対応出来ないゲームなどが幾つかあり、個人的にはFIFA12が動かなかったのが残念なところ。
FF3なんかは対応出来ているか確認したいところなんだけど、なにせ値段が結構するので難しい。

初期状態だといわゆる広告アプリが結構入っているものの、ほとんどが削除可能になっているのは大きい。
もっとも、メモリ2GBあって、ストレージが16GB+microSD分あるので、そこまでシビアになる場面は少ないと思います。

・総評
正直期待していた以上のものが出てきてしまった…。
高いお金を叩くにはそれなりに理由があって然るべきなんですが、今回は実物を見てIYHしてる感なので、特に問題ないのはそのとおりなんですよね。
期待値は正直高くなかったし、まだまだWindowsのほうが使い勝手良く、割にタブレット端末が急務じゃない状態で買ってますからね。
幸いハイエンドに近いスペックだったこともあって今回はなんとか落とし所が見つかったという感じではあります。これが変にWXGAだったりしたらきっと完全に扱いに困ってたと思います。

結構褒めています。いや褒めていいと思います。今回は中華タブとの大きな違いとして見せつけられた気がします。
中華タブには悪いですけど、決定的に品質が違います。Huaweiと侮るなかれ。
いわゆる国産と中華タブ系とのちょうど中間層であり、もう1万払ってF-05Eを買うなり、1万下げてTegra3のICONIA Tab A700を買うなり、このへんは好みの問題です。

まあ、そういう意味で、ONDAのA31搭載QXGAタブレットは興味を惹かれてるわけですけどね。値段も手軽ですし、Androidの4:3は面白いと思います。

総評として、そうだなあ、あらゆる意味で素に近いタブレットですので、もうある程度ソフトなり環境なりが整っているならありでしょう。
ネットを見るとか、動画を見るとか、そういうレベルなら全く問題なし。ゲーム機としては不安ですが、ブラウザアプリなゲームであれば大抵問題無いと思います。
(ちなみに参考として、恋愛リプレイは全く問題なし。)
液晶が非常に解像度が高いので、ブラウザとして持ってるだけでもいいかもしれないです。いわゆる寝モバ的な使い方でいいでしょう。

というわけで、これを買っていい人を挙げますので、コレに当てはまらないかたは買わないほうがいいです。
・特にTegra3だったりSnapdragonだったりじゃなくてもOK。アプリが多少動かなくとも問題ない人。
・通信がWiFiのみなので家で使う、またはモバイルルーターやテザリング前提で使える人。
・いわゆる素のAndroidが好きな人。(と言っても、広告アプリは多い)
・Nexus10が国内販売開始された時に泣かない強い心を持てる人(Nexus10は36800円)

回線前提でPocketWiFiと同時購入はやめたほうがいいと思います。(金額が非常に高価になってしまうし、分割で2年使うにはおそらくスペック不足ではないかと。)
一括34800円払えなければ悪いですけど買う価値は一切無いですね。