マイナースマホシリーズの3弾、Softbankの102Pをレビューしてみようと思います。
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・購入の経緯
なんだったかなあ。単に新規0円で007Zと抱合せで買ったんだっけか。
最初はDELLの101DLが欲しかったんだけど、UltraSpeed(21Mbps)に対応していたということで、こっちを購入してみたということです。
この時買った007Zは結構使うんだけど、102Pはその後いろいろな問題が発覚したため、現在に至るまで部屋の肥やしという酷い扱いを受けています。現実問題そこまでひどくない出来なんだけどね。

・スペック
TiのOMAP4430 1GHz。なんとデュアルコア搭載。
メインメモリは1GB、保存用メモリが大容量の16GB。まあここまでは許せるところ。
4.3インチqHD液晶で103gという軽さ、7.8mmの薄型ボディ。更に防水とおサイフケータイまで入っている。
一応海外ではELUGA dL1という名称のベースモデルがあり、ドコモにも完全同一スペックのP-04D、さらにディズニー・モバイル向けのP-05Dもある。パナソニックお得意の3G規格はいっしょだから同じの出しても問題ないよねシリーズの現在のところ最後になったモデルです。

ここまで書くと結構欲しがる方もいると思うのですが、重要なポイントとして、
・バッテリー内蔵式(交換は修理扱いで7,500円)
・バッテリー容量は1150mAh
・microSDスロットなし
・有機EL液晶で長時間使用していると、液晶面の焼き付きが酷い
と、薄さと軽さをとった結果としてこうなってしまった感じです。もっとも某林檎のなんとか電話も標準では外部ストレージないし、内臓でも16GBあるし、バッテリもそんなに多いという話は聞いたことないし、なにせ、SONYがacroHDで同じようなことをしてるので、メーカーとしてはそのへんは気にするところではないんでしょう。

・体感速度
サクサク、と書きたいが、スピートタッチセレクターがあまりに遅い。(後述)
ADW Lancherに入れ替えると別物のように速くなるお粗末さ。このハードにソフトが追いついてない感がWindowsXPの最終期を見てるような感じですね。
とにかくLancherを入れ替えるのが最初の仕事。あとはデュアルコアと1GBメモリで押しきれる感じです。

・液晶の表示、動画再生機能など
結構有機ELをボロクソ書いてるんだけど、同じ韓国企業が作ったのかと思うぐらい、異様に綺麗な4.3型qHD液晶です。動画プレイヤーとか、デジタルフォトフレームとか、そういう感覚だったら十分使える仕様です。
OMAP4430は動画再生支援も働くので、ほぼMX動画プレイヤーで無双かと。まあ流石にFHD動画とかは無理だけど、不足はないですね。

・オリジナルUIの使い勝手
P-07Cが少し前にワンハンドすいすい的なCMをしていたと思うのですが、これがスピートタッチセレクターという名称のものらしいです。聖剣伝説2とかのリングUIを思い出すとわかりやすいですね。
えらくエフェクトに富んだものなのですがP-07Cのシングルコア1GHzで全く快適さを欠いていたということで、さすがにデュアルコアでチューニングも進んだんだろうなと思っていたのですが・・・。

これはヒドイwww

そもそもこのUIってくるくるが快適に動くことが前提として考えられてると思うんですよ。ガクガクだぜw
何重にもリングが重なってるって作りがすでに重そうだし、そこから更にリンクを出すこともなかなか難しいUIが快適に動くとは思えないんですよね。
しかも隣にスクロールすれば、もう一つのUIであるフィットホーム的なものが出てくるし。

今はどうだか知らないですけど、携帯のUIと比べるまもなく、これじゃあ初期のガラスマと大差ない操作感です。少なくともこれがヌルヌル動くように作らないと、普通の人はイラッと来るはずです。

ちなみにフィットホームは及第点です。遅くはないけど的な感じで、初期のISW11FのNX ComfortUIと近い感じ感じです。とりあえず通常標準ランチャーとほぼ使い勝手は変わらないので、基本的にはこっちを使うことが多いと思います。


・筐体の特徴(ボタンやスピーカーなど)
とにかく薄い。背面が緩やかに丸くなっている「ラウンドフォルム」というデザイン。これは使い勝手より携帯することを重視すると、これでOKだと思ったりします。
7.8mmの筺体でスピーカーは通話スピーカーと共通、筐体右背面に電源と音量UP/DOWNボタンがあります。
液晶下部にメニュー、ホーム、戻るボタンが小さく配置。非常にスタンダードです。
不満があるとすれば、大体の機種でサイドにある電源ボタンが背面にあり、握った場合には押せないことが問題です。

・電池の持ち
当たり外れが非常に大きい端末のようで、僕が買ったのは非常に電池が悪い。3GをONにしてひと月使いましたけど(注:購入は5月ごろです)、ISW11Fとも比べることなく、だいたい朝8時に充電ケーブルを外して、気づけば12時間後の20時ぐらいにはバッテリが残り15%ぐらいになってしまいました。
最近もう1台ISW11Fを買ったんだけど、こっちは3G/WiMAX通信を行なっても12時間で残り35%でここまで悲惨なことにはならないので、(最近のモデルからしたら結構酷いと思うけど)明らかにバッテリ容量が少ないことが問題なんじゃないかと。
せめてユーザーが交換出来ないのであれば、1500mAhぐらい積んでおいても文句はないと思うんだよね。


・総評(点数とその理由)
「曖昧なターゲットの中途半端な存在」50点です。
まあ、とりあえずグロスマベースと筐体が変わらない薄いボディにおサイフケータイを載せたことが一番評価できるポイントでしょう。
スペック過剰となった今でも全く見劣りしないスペックは立派なのですが、評価できるポイントが少なく、魅力に欠ける感があることと、始めに書いた通りの弱点があり、長期使用に不安が残ることに尽きると思います。
薄型スリムという非常に女性目線の商品でありながら、(少なくとも102P/P-04Dでは)ビジネスユースをターゲットにしている点に不自然さを感じます。正直ヘビーユーザーはこれを選択肢に入れないでしょうし、ソフトやデザインなどに女性向けの配慮がされているにもかかわらず、全くそういった層には訴えかけない、したがって、ターゲットが曖昧になりすぎてしまったのではないかと思います。
このときパナソニックはP-02D/101PやP-01Dをラインナップに据えているのですが、調べてみるとこの時はF-05D(ARROWS X)やSO-03D(Xperia acroHD)などがラインナップ。正直このラインナップでは後発のパナソニックは非常に厳しいです。
ディズニー・モバイルの同型機P-05Dもあまり店頭では見ない機種ではあるのですが、ターゲットに一番近いのはこの機種だと思われます。これぐらい特化してしまえば、インパクトは強かったと思います。

点数は50点。電話としての致命的な弱点であるバッテリ容量が克服できないという点が非常に問題です。
電池パックが2,000円そこそこで買えるのに交換が修理扱いで7,350円掛かるというのは売る方の姿勢がオカシイ。
いろいろ中途半端すぎるんだよなあ。これだけ軽ければ売れる要素があっていいはずなのに、本当にもったいない存在になってしまっているんですよね。今は1万あればお釣りが来るぐらいで回線なしでも買えますし、前述のとおり携帯する動画プレーヤーや便利なデジタルフォトフレームなんかで使うなら申し分ないでしょう。
やっぱり交換できない容量の少ないバッテリが致命的だったのではないかと思えてならないです。ちなみに、ELUGAシリーズではこのあとバッテリ交換可能となっており、102P/P-04Dはおそらく失敗作の烙印を押されていますね。

結論として、買ってはいけないスマホの1台ということでしょう。事情がわかっていて、初めて買ってください。