2016/6/26、一週間使ってみてのあらかたのレビューを更新しました。
2016/8/21、2ヶ月使って見て気づいた点を付け加えました。
今回は久々の最新型XPERIAのハイエンドモデル、XPERIA X Performanceの海外モデル、F8132をレビューします。
新品を買ったので開封の儀
今回は主力スマホがこぞって実家に戻ってしまってるので、簡易的にHTC Oneと並べてみた。
価格はEXPANSYSで72200円、10ドル割引きですが送料が1600円、そこに税金が3300円ほどかかりました。
明らかに国内版より安いですね。
新シリーズの旗艦モデルでも日本ではこれ以外に選択肢はなく...
ご存知のとおり、XPERIA Zシリーズの後継モデルを担うのが、今回のXPERIA X Perfomanceです。
防水仕様な上、S820を搭載したハイエンドモデルではありますが、スペックが若干ちぐはぐです。
Snapdragon 820 2.2+1.6GHz クアッドコア
メモリ 3GB LPDDR4
内蔵ストレージ 64GB eMMC
5インチFHD液晶
無線LAN 11acデュアルバンド対応、Bluetooth4.2
SONY製IMX230カメラモジュール搭載2300万画素アウトカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー
microUSBポート
nanoSIMスロット/nanoSIM兼microSDカード
2700mAh内蔵バッテリー
144 × 76 × 8.7 mm 165g
FD-LTE B1/3/7/8/17/19/21/28
TD-LTE B41
(日本国内で利用できそうなLTEバンドのみ上げています)
まあ、いつものことですけど、そろそろメモリ4GBにしてほしいという気持ちはありますね。
どうなんこれ。猛烈に疑問なんだけど。
SDカードの相性が凄まじく、東芝の赤色EXCERIAの64GBだけしか認識出来ず。なぜか64GBが2枚、32GBが1枚再起不能になってしまいました。安くなったとはいえ泣けます。
ちなみにXPERIA Z5で使っていたデータが全部吹っ飛んでますので、SDカードの流用前にはバックアップをオススメします。
アンテナ表記を見て分かる通り、3G(ドコモ)+4G(ワイモバイル)/4G+3Gのデュアルスタンバイを確認。
普通に両方の番号で電話が受けられます。
バンド的にはドコモかSB系で使うのが良さそうですね。
CAに関しては、自宅でLe2がCAしている時と速度が変わらないのを見る限り、おそらくはB1-B3のサポートはしてそう。
au系に関しては今回SIMがないので、確認していません。
ベンチマーク、ゲームやアプリ動作感など
とはいえ不自由するレベルではなく、S810にはあった変な引っ掛かりなども起こってないですね。
デレステはGALAXY S7 Edgeのおかげで到着時点ではS820に対応済みとなっており、3DMVでエフェクトをフルにしても問題なく見ることが出来ます。
プラシーボレベルだと思ってたんですけど、Le2やNexus6、LeMAXなどとくらべて、データロードの速度が若干上がっている感じはあります。XPをメインにしてから、事務所以外ではNow Loading...の表示が揺れるのを1回以上見たことがないかもしれない。
長時間プレイ(2時間程度)すると、3曲に1曲ぐらいの割合で譜面落ちが起こったりと、XPERIA Z4以降で起こったような急な処理落ちのようなものが起こります。
極論としてZ4以降のモデルとは動作は変わらないのですが、処理落ちまでの時間は非常に長くなったのは幸いといったところ。相変わらず長時間プレイにはZ3が最適だったりするのかな。
魔法科高校の劣等生LZ Ver3.2.5。動作が若干軽くなったかなという気がする。
とはいえ、3D表示はあまり多くないので、あまりスクロールで引っかかるようなことも実感がなく。
ハードのスペックに合わせてゲームエンジンが最適化されてるような感じなので、おそらくはそんなにどれでも違いのない感じ。Le2よりは明らかに動きが良いのはわかります。
体感の問題が続いて申し訳ないですが、本当に色々なアプリのスクロールの引っ掛かりやアプリ起動などでの「間」がほぼないというのが大きな違いだと思います。S810でも実感できるような「間」がある感じはそこまでないんですが、Z4やZ5などであった0.5秒程度の間がほとんどないです。これだけで快適だと思えてしまう。
スモールアプリとかはまあなくなってもやむなしの使用率だったんでそんなに支障ないんですが、気になったのはこれ。
タスクの削除ボタンが、アプリを完全に下までスクロールしないと出てこない点。これはどうしてこうなったんだろう。
結構地味なんだけどよく使ってた機能だったんで、これが改悪されてるのが結構不満です。
バッテリー消費に関して
前代未聞の約1割減(2700mAh)で、本当にZ3(3100mAh)やZ5(2900mAh)並にバッテリーが持つのかどうかというのは結構気になるところ。S820、5インチディスプレイを考慮すると、確かに1割減でも問題ない可能性はあります。
以下が実機の実測。
ディスプレイ輝度50%、WiFi/BT/Android Wear接続/GPSがON、21時頃デレステを延々とやってる以外はほぼ何もやってない状態。
3日後のバッテリー消費量
同じ条件で7時より動作、8時ぐらいにデレステを10分やったあとはずっと待ち受け。
さらに5日目、この日も朝にデレステ10分やっただけでこんな感じ。
さて、この状態を考えると何が問題かって、劣化はしにくくても、基本的に容量の分をカバーできていないあたりに大きな問題を抱えているのが明白です。
キャリア版は更に少ない2570mAh(SB版は非公開だがおそらく同じ)で、通信最適化しているものの、CAなどでFDDとTDDの両方を掴む場合は消費電力量も増えることが予想されます。
5日目の予測値からするとおおよそ60時間程度は待受が可能だと思いますが、3日目のようにセルスタンバイの消費が半端ない日があることも考慮すると、48時間程度が安心して利用できる時間かなと考えられます。
そう考えるとZシリーズと大差ない感じはしますけど、根本的にZ2あたりからほぼ稼働時間が伸びてない感じや、Le2(3000mAh)のように3日目でもほぼ安心なバッテリー持ちとそこそこのパフォーマンスを発揮するモデルがあることを考えると、やはりハイエンドモデルはその辺りのバランスが難しいと考えさせられます。
質感、サイズなど
サイズは上下左右はそれほどZ5と変わらないですが、8.6mmという厚さ、165gが気になる方も多いと思います。
Z4の時に散々書いた気がしますが、サイズと厚さ、重さの関係は、筐体のバランスや手の負担に関わってきます。Z4のサイズが俺にはよくて、Z5のサイズが受け付けなかったのは、これまでのレビューの通り。
現実問題として、液晶が5インチになったことによる幅7.1mmと、2.5Dガラスによる効果か、思った以上に左右の額縁を感じさせない気がしますね。それでもって、全体的な筐体の丸さとメタルボディの質感で、ホールド感もよくて重さをそこまで感じさせないです。速報で出てきたカラーリングや、実際のモックを持った時には「これはどうかなあ」という感じがあったんですが、いざ使い始めてみると、これはZ5 Premiumの系統に十分値するハイエンドの質感があります。Z4まであった、中身が詰まってる感じですね。
背面ガラスを廃してまでメタルボディにしただけのことはあるんですが、シリーズが変わったんだからこれぐらい目に見えた変更しても文句無しです。
やっぱりZ5が相当な折半デザインにしすぎたんだろうなあと、そこで質感を落としたイメージを覆すには、Xシリーズのようなデザインにするしかなかったんだろうなと、いい方に解釈すればそうなるかな。
まあ、あとは嫌味とすれば、世界的にメタルボディが流行ってるからというのもあったんだろうけどね。
その他、気になる点
やはり、というか大体予想はしていましたが、高負荷時はカメラの右側あたりがかなり熱くなります。メタルボディだからといって排熱処理がうまくいくなんていう虫のいい話はないですね。
指紋認証の精度がよくなった、そして電源ボタンがどうも押しやすい感じなのは好印象。今のところSmart Lockと合わせて、ロックが解除できなかったこともなかったですし、若干省電力につながってるのかな。
Z5は精度があんまり良くなかったのと、電源ボタンが筐体に対して若干めり込んでいる感じだったので、そこはきっちりと修正してきたのでしょう。
結構色んな所で話題になってるけど、2.5Dガラスの弊害。個人的にはMeizu Pro5で同じ目にあってるし、まあ、iPhoneが採用してるだけあって、デザイン性を重視するあまり、利用者心理がわからないというかね。画面を保護する目的以外にも、外観をキレイなまま保ちたいという心理から保護フィルムやガラスフィルムは付けたくなるものなので、割と迷惑を被る気がします。
一方で、この2.5Dに対応した前面保護ガラスとフィルムのハイブリッド型も登場してるのですが、これも前面のSONYロゴが消えてしまうので、悩ましいですね。
純正フルウィンドウ付きカバーケースなんてものも出てるぐらいなので、メーカーとしてはケースをつけて保護して欲しいというスタンスなんだろうなと思います。
もう一点、イヤホンの自動最適化が購入時にはOFFになっている点は気になるかな。設定が「音と通知」の「アクセサリー設定」にあり、Z4から続けて3回も設定配置が変わることになります。いい加減固定できないものかと思いますね。
まとめ、買ってもいいけど国内版が素直にいいかわからない?
ドコモにしろauにしろ、ツートップ戦略が図らずとも実証されてしまったラインナップで、結局SamsungかSONYか。シャープも頑張ってるんだけど、ハイエンドモデルではこの2機種に勝るモデルが今の日本では非常に少ないと思いますね。
まあ、だからといって擁護できるものでもなく、GALAXYもS6 Edgeほどのインパクトはないし、XPERIAも現段階ではZ3以上のモデルが出てないと個人的には思います。ただ選択肢として出されたらその2つしか選べる機種がないという状態だから、同じブランドを買い続けようという受動型ユーザーも多いはずです。
もうすぐ2年ですし、ようやくZ2世代からの買い替えも検討できるモデルかなと思う一方で、Zシリーズから大きく変更されたデザインや材質など、抵抗感を持つユーザーもおそらくいらっしゃるでしょう。
それよりもメモリ3GBだったり、ストレージの初期使用量がやたら大きいことに対して日本モデルは32GBしかないこと、アプリや設定など細かいレベルで変更されていることなど、そっちのほうが気になります。メモリは特にAndroid 6.0では3GBでも苦しい場面があったり、ストレージ使用量は今後のアップデートで更に逼迫するでしょうし、せっかく高いお金を出すのだから、今後のアップデートにも多少なり考慮したスペックにすべきかなあと思います。世代遅れでないが、スマホは2年ぐらい使うことを考慮すると、必要最低限でコストダウンを図る必要はないはず。
今まではあまり苦言を呈することはなかったんですが、さすがにハイエンドのメインメモリとストレージが2年も変わらないのはいかがなものかと思います。
う~ん、万人向けにまとまっていて、質感も悪く無い。ある意味ハイエンドの質感が戻ってきたのに、今度はスペックが残念でオススメできないところがあって、非常にもどかしい。
なんか今のSONYの限界が見えてきそうな端末なのが、名実共に考えちゃいますね。
買うな、とはいいませんが、正直なところ俺は国内モデルに限れば、GALAXY S7 EdgeでもAQUOSでも浮気してもしょうがないかなと思うモデルかな。
海外スマホなら言うに及ばず、いくらでもスペックや質感がいいものが多いので、選択肢は多いはずです。
アドバンテージがあるとすれば防水防塵仕様なぐらいなので、ここに価値を見出して追加でお金を払えるかどうかにかかってくると思います。
まあ、でもこれだけ最後にボロボロ文句を言ってますけど、個人的には割と気に入っているモデルです。長く付き合えるかどうかはともかく、半年ぐらいはこれでも十分だなとは思わせてくれるので、その点はいい買い物だったかなと思います。
ーーーーーー2ヶ月使って気づいた点ーーーーーー
というわけで、あっという間に2ヶ月。
LeMAX2の画面不良なんかもあって、結局これ以降のスマホを何にも買ってないです。やはりそこそこ安定してるんだけど、気になる点はあるので、ちょっと書いておきます。
1.バッテリーが本当に持たない。
別に普通の使い方だと思うんだよなあ。WiFi/BT/GPSがON、壁紙をほぼ真っ黒の物に変えて、基本ドコモのSIMで運用してるんだけど、どうも同じ条件で夕方には50%を切るような状況が結構続いています。
涙ぐましい努力で開発者モードでアニメーションをカットしたりとかもしたり、スタミナモードもONにしたりするんだけど、結局それほど違いがないんだよね。
まあ、2日持つと言われているけど、毎日充電してるのはXPERIAシリーズでもふつうのコトなので、そんなに問題ないです。
2.明るさ調整がうまく働かない。
これも誤差程度、と思ったんだけど明らかにXPERIA Z4に比べ、Z5あたりから改悪していると思う。
例えば屋内でやたら明るくなってたり、かたや屋外で真っ暗になってたり、諦めて手動で調節し始めるとバックライトが途端に明るくなったりする感じ。バックライトが選択出来るよりも暗くなるのは結構なのだけど、それが晴れてる屋外で起こってしまうのはどうなのかなと。Z4はこのあたりを評価してたはずなんだけど、OS側のバグなのか、それともSONYのソフト作りの甘さなのか。
3.充電時のタッチパネルの誤タッチが非常に多い。
主にデレステ、時々ポケモンgo。
充電した時に起こるとわかったのはポケモンgo遠征をした時で、モバイルバッテリーで充電した時です。その後家で充電しながらデレステをやり始めて起こったんだけど、どうもQC2.0対応の充電器で充電しながらだと問題なくて、ここまで気づいてなかっただけですね。
症状としてはスライドが正確に反応しない、1タップが長押しになったりする、長押しが途中で切れてしまうなどです。
バッテリー動作ではなぜか起こらないし、充電でも2A安定しない条件だけな気がする。
もう少し条件を詰めたいけど、寝るときに充電するから、これもそこまで困ってない感じです。
ということで、総じて不自由なく使える感じではあるんですが、フリーズする頻度や、SmartLockと指紋認証が変に競合してうまくロック解除できないなど、変な癖があるのがちょっとした謎ではあります。
あとがデレステの動作確認なんかでもわかったけど、メモリ3GBだとS820の性能は生かし切れないのかなというのが素直な感想。とはいえ手元にまともに動作するS820端末はこれしかないのと、比較がLeMAX2だったのが、よりがっかり感を際立たせたのかなあ。
XPERIA XZと呼ばれてる次期モデルのスペックでもメモリ3GBな感じなので、このまま次のモデルも買うべきではないのかなあと思いつつ、カラーリングだけで言えば欲しいというのがかなりジレンマですな。
まあ、しばらくお付き合いするXPERIA XPをもう少し自分でチューニングするしかないか。
キャリア版は当然おすすめしません。素直にGALAXY S7 Edgeのがいいと思うよ。
おしまい。