前もって書いておきますけど、今回は褒めてないです。
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XPERIA ZLとXPERIA Z5の並び

資金力が不足した時、ハイエンド機は資金となる

そもそも、XPERIA Z5 Premiumをなぜ手放すことになったのかというと、単にお金がなくなってしまったからです。Redmi Note 3 Proで代替できる目処がたったというのも大きいですが、実機レビューするというのはこういうことだと思い知らされますね。
こういう時、わざわざ高いカネを突っ込んでスマホを思い切って買うと、割となんとかなる資金が手に入るんですね。今回は65,000円ほど回収しました。

で、別にいいじゃないという意見もありますが、VoLTEが使えないのは非常に痛いので、最初はF-04Gとかでもいいかなとは思ってたんですね。
VoLTEどうのこうのじゃなくて、S810搭載の不良スマホはどこまで行けるのか?という話が面白そうだったのもあります。

が、同時期にドコモの愚行というか、XPERIA Z5(SO-01H)が新規で1万という話となり、ガチで使うという場合、それと単純にZ2を除いてZシリーズを制覇してきてるからには、当然Z5も買うだろうという変なプライドがあります。

今回は同時にXPERIA Z4 tablet(SO-05G)を買って、F-02Fをリプレースするという思惑もあったんですが、2016/3/21にアキバヨドバシに行ったところ、2台同時に契約するとZ5は一括0(端末購入サポート)、Z4 tabletは実質0(月サポ相殺)という、まあ割と好条件だったんで契約しました。

一応理論上は12ヶ月の機変不可という問題はありますが、その回線で機変しなければいいだけで、それはRedmi Note 3 Proにおさめて使ってます。そして今後もなんかしらのSIMフリー機に入れるSIMにはなるわけです。

かくして、XPERIA Z5 PremiumからXPERIA Z5への前代未聞のダウングレードを敢行した結果が、今回のレビューとなります。


まだ成熟しきっていないS810対策を除けば問題ないスペック

根本的にZ4から何にも変わってないため、ざっとスペックをおさらい。
Snapdragon 810 2GHz+1.6GHzオクタコア
メモリ 3GB LPDDR4
内蔵ストレージ 32GB eMMC
5.2インチFHD液晶
無線LAN 11acデュアルバンド対応、Bluetooth4.1
SONY製IMX230カメラモジュール搭載2300万画素アウトカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー
microUSBポート
NanoSIMスロット/microSDカード
2900mhA内蔵バッテリー
146 × 72 × 7.3 mm 154g
FD-LTE B1/3/7/17/19/21/28
フルセグ、NOTTV、おさいふケータイ、VoLTE対応、防水/防塵

まあ、根本的にカメラモジュールが違う程度で、Z4とはほぼ違いがないのですね。
筐体が大きくなり、ヒートパイプを設計しなおしたということで、十分排熱処理ができるとの目算があったんだと思います。

実際のところ弊害は全く無いですし、6.0アップデート後にXPERIA Z5 Premiumは若干不安定なところがあり、突然再起動がかかったり、ホームボタンを押すとフリーズしたりと、今ひとつなところがあったんですが、それが無いのは立派かなと思います。

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むしろ、Z5 Premiumよりベンチ結果がいいというのもありますね。
なお、Antutuは6.1がリリースされているのですが、Z5だけ突出したどうもおかしなスコアが出てくるため、今回までは6.0.4としています。また3DMarkはIce Stome Unlimitedです。

とはいえ、Z4で指摘した点は依然として改善されないのが現状で、例えばZ5 Premiumでも起こるようなデレステの2D軽量での不規則なフレーム落ちや、Z4であった高負荷時のNFCモジュールの発熱など、そこはもうちょっと進歩して欲しかったという点は結構あり、個人的には納得いかない部分があります。
普通に使う分には、おそらくZ5 Premiumよりは安定していますが、そうすると特に不満なくZ4を使っていた立場からすれば、どうなんだろうと思いますね。

極端な話を言ってしまうと、俺自身はXPERIA Z4という機種のほうが、使い勝手に優れていると感じています。
フルサイズ機にして最薄最軽量、そして持った時にそれ以上に軽く感じることを評価しています。それでもって無駄に使い切れないS810を搭載するところにハイエンド機の意地みたいなものを感じますし、何よりCompactとネームドモデルの中間を狙ったモデルだったので、本当に完成形だったんだと思います。
そこのところ、Z5はカジュアル化したZ3の筐体にZ4のスペックを押し込めただけという、なんかクアルコムのロードマップ通りにS810が完成していたら実現出来たZ3ともまた違う微妙なラインのモデルになってしまったんだなという思いがあります。確かにこの機種はZファンからしたら「どうしてこうなった!」なんだろうなあ。

半年で新規一括0円になる機種はやはり何かダメ?

結論ありきで書いてしまいますが、ドコモがなんでラインナップをPremiumとCompactに絞ることをしなかったのか、甚だ疑問に感じますね。
結構ボロクソに書いた割に、それなりの愛着というか、物自体への満足感はPremiumにはあって、そこんところZ5では(新規一括0円というところも重なって)なんか物自体の満足感が低いのかなあと思ったりします。言うに及ばず、Z3はおろか、失敗作とも言われるZ4ですら満足感が得られたはずが、Z5ではそれほどではないことに、自身でも驚くほかないですね。
例えば、Z3→Z4→Z5 Premiumというのは流れとして自然だったが、Z4→Z5だと、そのデザインや質感が逆に安っぽくなってしまっていると感じてしまうのかなあと。
無論、機能なんて違いは無いんですし、完成度なんかむしろZ5のほうが当たり前にいいんですが、Z4にもZ5 Premiumにもあるはずの質感がZ5には足りない感じがしてしまう。なるほどZ5はカジュアル化したXPERIAと半年前に書いたのは、感覚的に間違ってなかったわけです。
良い意味で万人向け。万人受けがターゲット。悪くないけど無闇矢鱈な質感の良さみたいなものは特にないのがむしろハイエンド機として引き立つ面もあり、それが俺みたいに質感で埋められない溝になったりするのかなと。


で、そこまで書いてしまったわけで、やはり根本的な何かをこの機種は失ってしまっていると思うんです。ゆえにXPERIA Z5がドコモでは新規一括0円という戦略機種に充てがわれてしまったのだと思います。ドコモがXPERIAの価値を失墜させたと書いても過言じゃないですが、それ以上にこの機種の立ち位置が曖昧すぎて、結果としてキャリアも困ってしまったという可能性はあります。ヘタするとauとソフトバンクもどうしたらいいかわからない状態じゃないかな。

さて、これを書いているのは3月末ですけど、4月に端末購入サポートに入っていなければ、XPERIAを選ぶ場合、ドコモであればXPERIA Z5 Premiumか、XPERIA Z5 Compactを強く勧めます。とはいえ、Z5 CompactはZ1fかA2ぐらいからのステップアップかなあ。このサイズでハイエンドというのが少ないからしょうがないというのもあるんだけど、別に無茶せずiPhoneSEでも買ってろよって評価ができるようにもなってしまっているので、そこは察してください。

新たにわかったことは、XPERIA Zシリーズを使ってる方は迷わずXPERIA Z5 Premiumを使うのがベストだということ。
Z4以前のZからZ5はちょっと所有欲が耐えられない可能性が高いです。あえて、ガラリとイメージの変わるXPERIA X Performanceを待つというのもありですね。

じゃあ、となると、やっぱりプラスチッキーなモデルからのステップアップとしてのZ5は悪くない選択肢じゃないかと思ったり。GALAXY S5とか、ARROWS NXとか、そのへんの2014年モデルから買い換えても悪くはないですね。ただスペック的にはS600あたりからだと変化が大きいので、そこは2013年夏モデルあたりからの買い替えをオススメしたいです。XPERIA Aとかがターゲットになるべきでしょうね。
念押しとして、あえて「機変するほど好きだ!」って思えない限りは、スルーしてXPERIA X Performanceか、Z5 Premiumを機変したほうが満足できると思います。



しかし、XPERIAの、しかもZシリーズで落差を覚えることになろうとは本気で思ってなかったですね。これは意外と教訓というか、勉強になったなと思います。

Android6.0にアップデートされたらもう一回XPERIA Z4買うんだ。





おしまい