別に理由なんていらないですな。今回はXiaomi Redmi Note 3 Proをレビュー。
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(サイズ比較。Z5 Premiumと液晶サイズは一緒。)

まあ、特に理由はないです。安かったから。
GearBestにてケースとガラス(割れてたけど)、配送オプションを入れて216.27ドルぐらいみたいです。
本体は204.73ドル。はっきり言うと、これ本当にこの値段で売っていいのかどうかという話ですね。(今は199ドルぐらいだったかもしれない)

MIUIの初期状態、いつでも日本上陸可能?

とりあえずスペック。
Snapdragon 650 1.8GHz Cortex-A72x2+1.4GHz Cortex-A53x4
2GBメモリー
16GBストレージ(microSDスロットあり)
5.5インチFHD IPS液晶
IEEE802.11acデュアルバンド対応無線LAN
Bluetooth4.0/GPS
4000mAhバッテリー(交換不可)
1600万画素背面カメラ
LTE B1/B3/B41(国内対応バンド)
150 x 76 x 8.7 mm、164g
MIUI7.1 グローバル版(Android 5.1.1ベース)

基本的にGoogle Play対応なので、面倒なgappのインストールはなくて大丈夫です。その上以下のように日本語対応されています。
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ちなみにロケールはないので、適当に中国にしておいてあります。

APNも初期設定はこんな感じ
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IIJmioが入ってるのが意外でした。普通にSIMさえ契約してAPNを選べば使えるというのは大きいですね。

夢幻SIMテストの話ですが、
  • ドコモ(SPモード)
  • mineo-d
  • ワイモバイル
以上のカードでLTE対応している気がします。
au(mineo-a)ではLTEを掴んでくれない不思議な現象となり、LTE Onlyにしても結局アンテナは立たないままです。ただ起動時に一瞬KDDI 44151 4Gという表示とアンテナが出るため、おそらくはネットワーク認証が通らないのではないかと思われます。

なお、ワイモバではCAなのかAXGPなのかはわかりませんが、4G+という表示も出ます。回線速度の特性から、AXGPだと思われます。
このあとRBB TODAY スピードテストを回すんだけど、最近のソフトバンクの場合はテスト終了直前に接続切断をするため、はっきりとした結果は出ません。
しかしながら、動作を見る限り、Downが50Mbps、Upが8MbpsというのはAXGPの特性なので、まず間違いないかとは思います。

回線を掴むのが3Gから昇格しないことが多いのと、昇格すると思いきやすぐに戻ってしまうことなど、SIMフリー機のあるあるは一通りありますね。

出荷時からVoLTE対応ですが、テストをする限りでは、ドコモが都心部を中心に3Gの巻取りを開始しているというのに、残念ながら日本では今のところ利用不可となっています。VoLTE対応はそんなに難しいことじゃないんですけどね。

もはや土俵が違い過ぎる!Snapdragon650の脅威
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参考までに友人が持っているmi4c(S808/2GB/16GB)にて行ったベンチ結果が以下。
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3D Markに関してはIce storm Unlimitedで行ってます。
XPERIA Z5を初期状態で上回るというのは決してブラフではなく、実測に基づいたレベルに到達していることを確認できます。
3DMarkの傾向を見る限り、Adreno418よりやや劣るAdreno510ですが、Coretex-A72とCoretex-A57の性能差が意外とあることが分かります。

結果が出た以上、Snapdragon650は本当にミドルハイの性能を持っていると俺も認めざるを得ないですね。


実用レベルでのテストはどうか?

上の結果を踏まえると、Snapdragon 805あたりはほぼ互角、801は完全に上回ると思われるので、そういう意味では、2GBモデルではなく3GBモデルを買えばよかったかなあという気はします。Androidはメモリの容量で体感のレベルが変わってしまうということがあるので、その辺は運用でカバーすることも十分可能です。

MIUIの完成度がもう高いのもあるし、別にiOS型UIでもいいや感があるので、そのせいでまずストレス溜まることが無いですね。
指紋認証センサーも、XPERIA Z5 Premiumに比べて感度がよく、非常に正確に読み取ります。中国製のセンサーってみんな感度良すぎじゃね。

バッテリーの持ちもよく、2日半ぐらいは平気で持つと思われます。普通に通勤に使い、ゲームもやりつつ、100%から10%に落ちるまでだいたい60時間前後なので、3Gに降格させてるから持つのか、それともスリープ時の処理が上手い具合にカスタマイズされてるのか、それともSoCが優秀なのか、とにかく驚異です。
まあ、弊害として、スリープ解除がやたら時間がかかる時があることがありますが、それは許容範囲です。というより中国製の廉価スマホではよくあることなのでしょうがないかなと思ってます。

あとは、メタルボディなのもありますけど、熱を持たないですね。
サイズもデカイからそうなんですけど、長時間のゲームで全く熱を持たないというのは驚異的。MEIZU PRO5よりも更に熱を持たないで85%ぐらいの性能だとすれば、今のリッチコンテンツにも十分対応可能ということになります。

さて、最も問題である、デレステ解像度の話。
といっても、基本的には動作に問題があるわけではなく、非常にサクサク動きます。が、これがどうしてサクサク動くのかというのが、下の画像。

デレステのSS比較d5805d0e.png
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上、Redmi Note 3 Pro
下、XPERIA Z5 Premium(4KのSSとかwww)

お分かりいただけるかちょっとわからないんですが、通常ドットバイドットで表示されるゲーム画面がなぜかHD解像度に落とされ、Redmi Note 3のほうが全体的にジャギー感が出ています。(フルサイズ版はtwitterで確認してください)
というわけで、パワーの割に解像度が低く、それに対してドットバイドットで表示してないため、サクサク動くというからくりです。

ちなみに
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3DMVではこの2つが選択できない問題もあります。解像度の問題ですね。

納得いかないのは、TCL M3Gでこの辺りは選択可能、しかしパワー不足という問題が起こるのに、ハイエンドに迫る性能のRedmi Note 3 Proでは選択ができないというこのジレンマ感ですね。

Snapdragon 820とか、GALAXY A9とかどうなんだろ。Adreno500シリーズの問題だとすれば、同じことが起こるはずなんですけどね。
少なくとも、バンナム側がそこら辺のレンダリングに手を加えない限り、残念な感じになってしまいます。まあ、出回ってくれば改善されるかなとは思ってますけど。


魔法科高校の劣等生LZなんかも特に問題なし。
さすがスクエニというか、全く問題なくFHD表示。しかもコマ落ちなし。こっちはデレステほどバリバリの3Dではないので、特に心配なく遊べます。

ま、なのでクレタクとかFF3とかは当然快適に遊べます。いい加減FF3やろうかしら。


まとめ、日本市場にも現れるであろう救世主SoCの実力と、Xiaomiの脅威。

まずSnapdragon 650の性能に関しては満足ですね。XPERIA Z5並と言われた噂通りの性能に加え、リッチコンテンツでも十分通用するという点で、XPERIA Xに採用されてもおかしくはない実力に納得です。

さて、それはそれとしてRedmi Note 3 Proですね。
文句なく、これは自己責任の範疇で買いです。3万で3GB/32GB版が思わず欲しくなりました。

メタルボディに持ちやすいラウンド型、背面に指紋認証センサーを搭載、ホームボタンなども画面外のタッチセンサーで対応し、XPERIA Z5 Premiumよりもサイズが小さいながら、画面サイズがほぼ同じ、しかも15gも軽いと。
正直なところ、使い道のない4K液晶を抜いてしまうと、機械としてのZ5 Premiumの存在価値がなくなってしまいますね。(もちろん、ブランドとしてのXPERIAは絶大ですが)
やはり数値上は164gでも重い気がするんですが、持ちやすいので、それを感じさせないあたりに、伸びてるスマホメーカーの違いを感じますね。

良い意味で199ドルのスマホではないです。日本市場じゃヘタすると5万で売っても通用しちゃう質感、パフォーマンス、使い勝手のよさです。
これが日本市場に投入されたら、悪いけどAndroid市場のバランスが大きく変わってくる感じです。(例えばASUSとHuaweiのシェアが一気に崩れ去る可能性ですらある)
イメージとしては、HuaweiのGR5の高性能版で、価格が1万安くなったといった感じ。中国では当たり前のように売られているのに、以前のエントリーのように日本市場向けSIMフリー端末はどのメーカーも舐めプと技適マークのせいで非常に低スペック高価格化が進んでいるという話になっています。今でもS410やMTK6735搭載のスマホが3万して、それが当たり前のように売られていることに疑問を感じざるを得ないです。

残念ながらスペックで置いて行かれ、更に質感などでも置いて行かれるとなると、一気にスマホスペックの貧困国となってしまい、リッチコンテンツの大幅見直しをしないといけない時代がきっとくる可能性が高いんです。産業として相当な業界がダメージを食らって、キャリアもハードメーカーもソフトメーカーも、販売店も、利用してる我々も苦難しながらスマホを使うなんて世界になってしまうのです。
少なくとも「格安スマホ」に踊らされてる方々にその価値観を分かって欲しい。やすかろう悪かろうではなく、安くても光る物がある商品が必ずあるんだから、そこまでの本質を見抜く眼力を持ったうえで、SIMフリーに手を出して欲しいです。これはイチモバイルガジェットヲタクからの切なる願いです。
今後AQUOSやらARROWSやらでS410どころか、S808を搭載したモデルですらほぼこのSoCに完敗、しかも半値で買えるハイエンドレベルの商品がいざ日本にやってきたら、SONYとタフネススマホの京セラ以外はスマホ撤退というのも十分有り得るシナリオです。個人的にはXiaomiがもしこれを日本市場に投入したら、アグレッシブな価格のZTE以外は生き残れない気がしてならないです。ASUSやHuawei、Freetelなんかは即ヨドバシでも片隅に行ってしまいます。

それぐらい、今回のRedmi Note 3 Proには無闇矢鱈な高級感と、価格のバランスが絶妙すぎますね。興味前提で買ったスマホが、(いろいろなタイミングがあったとはいえ)やはり自分の所持欲のために買ったXPERIA Z5 Premiumを駆逐してしまう勢いというのがすごい。少なくともZ5 Premiumの代替機として十分な性能を満たしているところに今回は白旗を揚げるとともに、もう少し頑張って3GB/32GBモデルを買わなかったかなあという後悔が出てきました。
250ドルでこれだけのスマホが買えてしまう、世界は広いな。そして日本市場いい加減しがらみとかそういうのがなくなればいいのにとか思いますね。


しかし、LeECO、Meizu、Xiaomiと、一通り中国製スマホを使ってきましたけど。
これらのメーカーが日本市場に入ってこないってのがやっぱり新興メーカーだから中国国内シェアを重要視してるからなんでしょうけど、今年あたりに考えてもらえると一気に風穴が開くんだけどなあと思ったりするんですよね。日本市場のリサーチとかやる人いないのかなあ。





おしまい