そういえば、借り物なんだけどずっと放置している端末が1台あった。
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今回は、Huaweiが日本向けに作ったとされる、STREAM S 302HW(右)を少し書いてみようかと。

悲願の2013年モデルは2014年夏に発売された。

うんちく話。
おなじみ、先代となるGL07SはAscend P2をベースにしています。GL07Sのリリースが2013年3月。思えば発売直後になんか買ってしまい、色々な方がこのblogを見るきっかけの一つになった端末でした。
まあ、端末そのものは非常に無難なスペックで、ガラスマ機能はおサイフケータイぐらいと、グローバルモデルとそれほど変わらないモデルでした。

一方、そのころ海外モデルでは、Ascend P6というモデルが登場しています。これが2013年6月。P6はK3V2の1.5GHzを搭載しているんですが3Gのみの対応となり、さらにP6SなるLTE対応モデルが2014年1月に発表されています。
そして2014年5月にAscend P7が発表され、次いで5月30日にはHuaweiがSIMフリー端末を日本市場に投入決定。廉価版のG6が投入され、P7の投入予告も行っています。

当初、GL11Sという新型として投入される予定だったモデルが、Ascend P6Sに当たるモデルです。P6Sの発表時期から推測すると、おそらく2013年年末には日本市場に先行投入される予定だったのだと思われます。
この時、K3V2Proという謎のSoCを搭載しているという話だったのですが、いつのまにやらKirin910へ名称が変わっています。ちなみにP7にはクロックアップ版のKirin910Tが搭載されています。
さらに、GL11Sではなく302HWというモデルに型番変更はされていたものの、やはり発表されておらず、いよいよ幻の端末という扱いになりかけます。

こうした紆余曲折とキャリア統合などの諸事情によって2014年7月まで発表は伸び、ワイモバイルの最初のラインナップの1台として、302HWはついに登場することになります。この時2014年8月...

専用APNしか使えない。なのにSIMフリー端末

さかのぼって2014年3月12日。イーモバイルは「em.lite」というAPNのみGL07Sで使えるようにするという制限をかけます。
SIMの転用が一気に出来なくなり、GL07S難民がりんご狩りに走ったり、GL07Sが一時的にヤフオクで高値が付くという珍現象がおきます。

そんな時に救世主的扱いを受けるはずだったGL11Sは上記の件で発表されず。このままGL07Sだけが使うAPNになるんだろうと誰もが思っていたはずです。

そしていざ発売された302HW。プランはワイモバイルなのだけど、APN設定には「em.lite」の文字がある。そしてGL07SのSIMとも互換がある。そしてスペックを見ると、LTEはB3のみ対応と。

これは発表会でも一部の記者が指摘した内容なのですが、同時に発表された302KCは、Hybrid 4G LTE端末として登場しています。しかしSIMフリーではないのです。
この頃からにわかにSIMフリーモデルでもB41で使える端末が出てきていたりしていますが、4G-SプランではIMEI制限を撤廃し、現在ではそれらの端末でもAXGPでもLTEでも勝手に接続しています。(AXGPはB41対応モデルでも使える場合があるレベル)

そういうわけで、
  • SIMフリー端末なのにAPNロックがかけられている302HW
  • SIMロック端末なのにAPNロックが解除されている302KC
という2つの不可解モデルが世に出てしまったわけです。
後にNexus6を除いて、基本的にはSIMロックがかかっている端末が発売されている、さらにSIM単独購入でもSIMフリー端末で使えるとなると、基本的には302KCの方向性なんでしょうね。4バンド(B1/3/8/41)使えるというのは結構デカイです。


その影で、イーモバLTEのスマホとして華々しく登場してしまった悲運の端末、それがGL07Sと302HWなのですね。


おおよその弱点を克服してきた堅実なスマホ

それでは、実機の話をしましょうか。

まず確実にマイナス点ですが、おサイフケータイが省略されグローバルモデルと同じになってしまったことです。
とはいえ、ワイモバ以降の端末は基本的にガラスマ機能はないです。ARROWS Sのように型落ちモデルが入ればそれもありうる話ですが、現状は考えにくいですね。

それを差っ引いて、スマホの基本的な性能は着実に上がっています。
SoCにkirin910を搭載、ある程度の3Dゲームなどもこなすことが出来ます。更に待望となるメインメモリ2GBにより、もっさり感がほぼなくなったのは大きいです。ストレージは8GBとGL07Sの32GBより大幅に減少していますが、microSDスロットが別途あります。GL07Sにはなかった点です。
OSはAndroid4.4。4以降のAndroidであれば特に問題なく今後も使えると思います。

まあ、ちなみに、
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ごちうさfone化しても全く問題なく動きます。
(anifoneの問題点はUIとして使い物にならないページが必ず1枚出来てしまうことだと思う。)

なにせサイズがいいのか、非常に持ちやすく、軽い。
縦横幅が133×66×6.8mm、110gという数値通りで、4.7インチ液晶を搭載してるので、画面が大きく見える。Z3Cが127×65×8.6mmで、4.6インチ液晶搭載。なんか小さく見えるZ3Cに比べると液晶サイズほとんど変わらないのにね。微妙な液晶サイズと筐体の差が結構な視覚の違いを生み出しています。
ああ、iPhone6とサイズがかなり近似値だね。(138×67×6.9mm)

バッテリー容量がGL07Sよりも少ないですが、GL07Sとそんなに変わらず、ほぼ1日持つレベルです。もっとも、ファームウェアのアップでバッテリー持ちがどんどん改悪していくGL07Sに比べると、最初からほぼ変わらずにこの状態ですから、間違いなくバッテリー持ちがよくなってるんだと思われます。

スマホとしては正常進化させてきたところに評価すべき反面、(中華スマホを使った後だけに)中華スマホのハイエンド機と考えると、今は物足りないスペックかな。
余談だけど、Ascend Mate 7も実機も触ってますけど、こっちは値段の折り合いつけば結構買ってしまおうかなというぐらいいいと思ってます。というか、ズルトラとisaiFLを埋めるぐらいのサイズが必然的に3機種ぐらいしかないわけでw

バッテリー交換する?302HW買う?

最後に、誰が買ったらいいのか書いておきましょう。
(キャリアの機種変更は考慮されていません。あくまで端末だけ買う場合。)

すごく限定的な条件となりますが、
  • GL07Sの購入時期が2014/1のもう一台無料キャンペーン前の人
  • GL07Sを1年以上使ってきて、バッテリー持ちが悪いと感じる人
  • SIMの延命をするためだけに170円SIMとかで運用している人
170円運用は多分今は225円運用だと思う。
条件下に置かれてる場合の3番目に当たる人はもう一台無料キャンペーンで貰ってる人が多いと思うので、延命させるぐらいなら玉にでもしちゃうのが本当はいいですけどね。170円運用してる人たちは元々2台持ちが想定されるので、寝かせてSIMだけという人もいるとは思います。まあ、だからといって302HWを買う理由には弱すぎるというかね。俺も現実に解約しちゃおうか迷ってる。

しかし、アマゾンで白ロムが20K、じゃんぱらで13Kか。
うーん。電池交換で7560円取られるのとどっちがいいだろ。
迷わず白ロム派ではあるんですが、他人にこの話を振られたら正直答えに悩む。

とりあえず、GL07Sでも302HWでも、メインで使ってるなら迷わずMNPしてください。互換するスマホがGL07Sと302HWしかないのは悲しすぎる。



おしまい