さてと、なんかよくわからんけど、気づいたらXBA-300まで買ってました。
音楽専用になった、本気で作った折半の産物「NW-ZX100」
歴代のZXシリーズではAndroid4.2を搭載し、音楽を中心としたAV機能をサポートするという使命がありました。
まあ、それはそれとして間違ってはいないのですが、Google Playを搭載したらそれ相応になんでもこなす必要があるわけです。
流石にNW-ZX3が出ることがあれば、Android搭載のエンターテインメント機器とする必要はあると思うのですね。(ONKYOのハイレゾプレイヤーDP-X1はAndroid 5.1にS800という超ハイエンド仕様です)
対して、NW-ZX100はハイエンドなウォークマンなのです。
NW-A20シリーズでは動画なども再生出来るんだけど、NW-ZX100はその機能が一切ない。128GBの容量はすべて音に使える。(録音もできるので)
他のハイレゾプレイヤーもそうなんだけど、この機械自体、すごく贅沢な機器、こだわりの強い機器。ウォークマンであればいい。ただひたすらに音楽を聞くだけに作ったと思えば、十分過ぎる機能です。
まあ、とはいえZX100は「ハイエンドウォークマン」なんですよね。
必ずしもハイエンドなハイレゾプレイヤーではないんです。結局FLACも24bit/192kHzまでの出力、DSDもPCM変換で再生と、この辺はスマホとあまり大差ないです。
大きな違いがあるとすれば、
- 稼働時間の長さ
- DNCの実装
- LDACとともにこっそりaptXに対応した
- 筐体が小さくなった
ということにあります。
まず稼働時間、公称70時間という、普通のオーディオプレーヤー並のバッテリーの持ちが一番大きい。買って半月、曲を転送した最初の数時間を除けば、ほぼ1日1~2時間程度使ってますけど、電池が本当に減らないです。未だに買っておいたウォークマン専用充電器を開けてないレベル。昔からそうなんだけど、ウォークマンの電池の持ちと言うのは、本当におかしなレベルで感心します。
ちょっと前にNW-F886を買ったんだけど、これは結構バッテリーの持ちが良くない感じだったので、この辺Androidを搭載したスマホっぽいものと、音楽プレイヤーとの違いなのかなと思ったりします。
DNCの実装。いやこれはXPERIAやウォークマンでも対応してたでしょという話ですが、NW-ZXシリーズには必要ないと判断されていたらしく、初実装となります。これは後述するMDR-NW750Nあっての機能追加となるわけですが、ハイレゾ出力をしつつ、ノイズキャンセリング機能を使えるのは、手軽です。ましてイヤホンが付属してないですから、特に自分の気に入っているイヤホンやヘッドホンがなければ、とりあえずこれを選んで使っていいと思います。この点は後述します。
LDACはもうNW-Aシリーズでも対応してるので、それほど珍しくないのですが、いかんせんLDACの対応ヘッドホンがMDR-1ABTしかなく、その他はスピーカーとなるので、使い勝手があまり良くない部分があります。
が、これもNCと一緒で、NW-ZXシリーズではなぜかaptXに対応してなかったのです。Androidでもコーデックを足すだけで対応出来たはずなので、これは案外疑問に感じるところでした。
制御ソフトがNW-Aシリーズと同じになったことによって、aptXにも対応。aptX対応機器の数のほうが圧倒的に多く、好みに応じてヘッドホンを選べるのは大きいです。(とはいえ、MDR-1RBTMK2でaptXのサポートをしてるし、MDR-1ABTをaptXで接続することもできるので別にSONY自体が嫌っているわけではないのでしょうけど。)
そして筐体の小型化。見た目で分かるところは非常にいいです。スマホほど大きくもないですし、胸ポケットに入れられるサイズなのは好印象です。
マイナス点としては、
- サイドボタンに音量とHoldスイッチしかないところ
- サイズの割に、ウォークマンとしては140gと多少重いところ
- 純正ケース以外に選択肢がいい加減でないところ
の3点。実質的には1点なのですが、今回限りで終わってほしくないモデルではあるので、あえて3つ。
まず右サイドに音量ボタンとHoldスイッチ、それとmicroSDスロットがカバーに隠れているのですが、ここに再生/一時停止と早送り/巻き戻しのボタンが欲しかったかなという気がします。
NW-ZXシリーズがタッチパネルUIゆえ、物理ボタンをつけてオーディオプレーヤーとしての使い勝手を上げているのはわかりますし、NW-Aシリーズの制御ソフトを使っているために同じようなボタン配列にしないといけないというのも分かります。この辺はコストとソフト面での兼ね合いなのでしょうけど、ちょっと頑張って欲しいかなという感じはあります。
2つ目はウォークマンとして考えた時に、約2倍ほどの重量がしっかりと音に還元されていれば問題ないです。どうなのかなあという疑問は尽きませんが、XPERIAに比べるのが失礼なほど十分にいい音なので、そこはしっかりしてるかなと。
3つ目、これは保護フィルムは結構いろいろ出てるんだけども、なぜかケースが出ないです。いやこれにプラケースとかつけるなよって思うかもしれませんけど、やっぱり傷や汚れはできるだけ付いてほしくないので、せめて何か出してくれないものかなと思います。
思った以上にMDR-NW750Nの音が良かった件
んで、最初に一緒に頼んでいたのが、MDR-NW750Nです。
もともとXBA-H3+HPC-MXを基本にしていたので、長距離移動のお供やある意味XPERIAシリーズとのテストに買っています。
まあ、とはいえ純正で付属しなかった理由も何かしら存在するはず。
プレイヤーはNW-ZX100、XPERIA Z4、XPERIA Z3を用意。
ハイレゾ音源はL'Arc~en~Ciel/the fourth avenue cafe(24bit/96kHz)を使用しています。その他聞き流しで1日2時間ぐらいのテスト。
まず、ZX100とのテストですが、
これはもう純正としてセットしてもいいんじゃないかというぐらい、NCと音の聞こえ方がマッチしています。フルオートNCの威力が絶大。街中での使用は控えたほうがいいレベルです。
MDR-NWNC31にあった変なデジタルNCによる圧迫感といかにもデジタルアンプを通しました的な音ではないです。
ホワイトノイズはなくならないですが、聞こえ方がそっちに寄せてあるんだろうか不思議とノイズより音のメリハリ感に気が行くんですよね。音の作りとしてはNCを使用した状態のK391NCに近いです。普通NCを使用するとアンプを通るので、変に低音ブーストしたり、急にドンジャリ感がでたりとかするんですが、こっちはNCを使用すると全体的に音の出方がキレイに揃えようとするんですよね。加工してる様子はないのに、NCで整えて行くと音もそういう味付けになってしまっているのかなと。まあ、聞いてて嫌味なくのは好印象です。
で、注目のXPERIA軍団ですが、
まずプロファイルがないので、イヤホンに対して最適化が出来ない状態。MDR-NWNC31のプロファイルを使用しています。(XPERIA Z5ではプロファイルあり)
こっちのほうがわかりやすく、NCを付けたEHP-CH2000という感じ。可もなく不可もなく、当たり障りのないように素材を調理してますね。
面白いのは、DSEE-HXをONにしたときに、ZX100ではなんとなくだったビットレート拡張が明らかに効いてる感じがすることです。NWNC31のプロファイルではあんまり効果がないと思ってたんですが、特に帯域制御などでNCをしているわけではないような感じはします。
で、電車・バスのNCの感覚としてはZ3のほうがNC性能がいい。また一つZ4がダメな理由が出来てしまったんだけど、ガッツリNC効かせてますって感じのZ3に対して、Z4は差し支え無い程度にNCしている感じに聞こえる。
結局両方ともNC機能は違いないんだろうけど、スマホのイヤホンジャックの最大出力とかにもよるのかな。説明の付け方が曖昧ですけど、それぐらいしか違いないはずなんですけどね。
一応、買ったからにはとも思いますが、クラス的にはEHP-CH2000とも十分戦っていけるだけのポテンシャルはありますね。ただ、機能を加味した場合であるのと、NCに魅力を感じない人がZX100ぐらいのプレイヤーに付属しててうれしいのかな?ということを考えると、非常に購入対象者は狭くなると思います。
そうだなあ、やっぱりXPERIAユーザーが1台で済ませるために必要とするのが一番自然かなと思います。手軽にNCという点ではZX100とこれでも良さは十分味わえるんだけど、それであれば別にZX100選ばないでA20シリーズでワンパッケージ化されたものを買えばいいんじゃね?ってなるので、その判断に迷うところ。
これは立派なイヤホンというより、まだまだウォークマンのオプション製品なんですよね。
ただ、そのオプションが、ガンダムでいうビームライフルの他に、ハイパーバズーカが有ります的な感じ。決してジムのビームスプレーガンではないという点は考慮したい。(どっちもそれ相応にいいところあるじゃんかというニュアンスが分かるでしょうか)
ちなみに、最初はこれを売ってしまおうかどうか迷ったんですけど、上記のような解釈で手持ちラインナップにしました。それも含めてCH2000相当と考えてください。
どうもこの男、XBA-300が無駄に好きらしい
はい、友人とのSkypeのログでこんなことを書いています。
どうでもいいけど、XBA-300は腐ってもH3には勝てないね
好みの問題だけど、耳引っ掛けが嫌いなだけでH3は音自体すごく良かったんだと思うw
あっちは比較的低音に寄ってたけど、XBA-300は高音域がキレイに出る
本気で好みだわ
そこまで来ちゃった俺も嫌だw
偉そうに何を言ってやがると思いますがw
でもあながち間違ってない感想です。
プレイヤーは当然NW-ZX100。
試聴にあたっては、ハイレゾ音源として
宇多田ヒカル/Automatic(24bit/96kHz)
L'Arc~en~Ciel/the fourth avenue cafe(24bit/96kHz)
LOREN&MASH/TANATOS -IF I CAN'T BE YOURS-(24bit/192kHz)
を用意。驚くべきことに15年以上も前の曲ばかりw
まんべんなく音が出る感じのXBA-H3。ダイナミック+2基のBA型から構成されるハイブリッドタイプなので、正直なところ弱点がないし、しいて言えばSONYの味付けはあるけど、それも結構薄味で、音の出方は解像度が上がったNCを使ってないK391NCとかを研ぎ澄ましたキレイさがあります。(とは言えベースがK3003だと考えるとそのライン上にあるのは妥当ではあるんだが)
逆にキレイ過ぎるキライはあるんですね。mp3とかもDSEE-HXで拡張された部分にはナチュラルな雑音を並べた感じがしてしまう、何がなんだかよくわからないけどなんかビットレート拡張に失敗してね?って感覚になるんです。
だからむやみにハイレゾ音源買って、高音域がキレイだと感じるのかもしれないですね。
対して、BAを3基搭載しているという点で、実は比較対象ではないXBA-300ではあるんですが、H3に比べると装着し易いこと、単純に耳の奥まで押し込めること、それとたまたまですがコンプライのイヤーチップを装着してることで、遮音性が高いので、音楽に集中できる環境が出来たから、そう思えたという気がします。
実際に上から下まですべてがいい音ではなく、どうしてもなんとなく低音域に不足感を感じるんですが、「ドン」が「トン」のほうが心地いい音に聞こえる感覚でごまかすことができているとか、そんな感じなんですよね。ごまかし方も言い換えれば味付けのうまさになりますから、それを好むかどうかですね。
おそらくは「Automatic」のようにボーカルメインのリズム音でそれが実感出来るはず。何よりダラダラと音楽を垂れ流すのには適したイヤホンです。
総合的な好みがたまたまXBA-300なだけで、XBA-H3も十分ハイレベルです。
ただ、決定的に違うかなと思ったのは、「聞きたい」のか「流したい」のかの違いかなと思ったりします。
装着感含め、メリハリが効いて全体的に音楽を聞く態勢をつくるXBA-H3。
延々ただ曲を流しているような時にいい音に気づくXBA-300。
参考までに、MDR-NW750Nは後者に当たるものです。
思えば、XBA-H3にあった泥沼感はXBA-300ではあんまり感じないんですよね。もっといい音という追求がそこでストップしてしまったというか、変にごまかされたというか、その気になってしまうというか。
試しにリケーブルでXBA-300+HPC-MXもやってみたんだけど、逆にあっさりしすぎて本当に垂れ流してる感じになったので、そこまで含めてきちんとパッケージ化したんだろうなと思います。(そりゃメーカーは純正で使って欲しいだろうけど)
本気で作った折半の産物の先に見えたもの(まとめ)
というわけで、やや収拾が着かない感じになってきたので。
まず全体的にSONYがカジュアル路線に舵を取り始めて、その先鋒として発表したのがZX100だったりXPERIA Z5だったりなのだと思います。
XPERIAと大きく異る点。それは妥協と折半、それとまだ見ぬフラグシップモデルへの、とりあえずのSONYの意思表示なのかなと。
正直なところ、ZX100にAndroidが搭載されなかったことで、例えばノンストップで端末に音源を落としてくるということは出来なくなったりのデメリットは生じているのですが、普通のメーカーならその辺をフラグシップモデルのラインナップに加えることに躊躇すると思うんです。よく出来たNW-A20シリーズです、と言ってしまえばそれまでですからね。
あと、絶対的にZX2よりハイエンドにしないという割り切りと、ZX1の音質のさらなる追求という点で、うまいことラインナップから抜けていたのもセールス的にラッキーなところだったかもしれません。
NW-ZX3はZX2の後継機ではない最上位モデルとして出すための挑戦の最中なのかなと。その過程でどうしても必要な技術を、あえてZX1の後継機として音楽専用機にして、集めてパッケージ化したら、ZX100が出来ましたという話も考えられなくはないわけです。そういう意味では折半と妥協と本気とタイミングがうまく合致したという話ですね。おそらくはもっと早い時期に発表しても技術的にダメ、遅くなれば単純にもっと安く売る必要が出てくるのでダメかと。
まあ、ずらずら書いててアレですが、ZX1のユーザーの方がこれを気に入るかどうかというのは、正直なところ微妙じゃないかと思います。初期のAndroidが搭載されたXシリーズやFシリーズからのステップアップとして買い替えるというのが一番的を射ているかなと思います。
XBA-300はどうなんだろ。これも本流のXBA-Z/AシリーズのようなハイブリッドモデルのBAを改良していく過程で、3基の違うBAユニットを作れる技術が出来たから、そのまま製品にしましたという感じもなくはないですね。
デザインもそうなんだけど、量産型っぽくない感じで、まだまだいろいろ手を加える余地は残しつつ、現時点での最高技術で作ったBAユニットを搭載してますと言ってる気がします。
こっちは特に好みにもよりますが、モニター系のイヤホンが好きな人はこれを選ばずに、XBA-A3を買ったほうがよほど忠実にキレイな音が出ます。
ただ、こういう音の出力が好きという人もいるでしょうから、試聴してなんとなく音楽に浸れる方には向いていると思います。
う~ん、今回もまとまりがないな。
もうちょい落ち着いたらもう一回ぐらい書こうかと思いますけど、とりあえずのレビューということで。
おしまい。