あるさんのレビューblog

買ったものをレビューするページです。 読み物blogは「日常のblog」よりどうぞ。

カテゴリ: オーディオ関係のレビュー

今回は、Bose Frames Rondoというサングラス型スピーカーを、度付きメガネにして使用しているものをご紹介してみようと思います。

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にわかに信じがたい、かけるだけで音が出てくるメガネの登場
ぶっちゃけ、最初は気に留めることなく「変なものを出してるな」ぐらいのレベルで見てました。事実、これはもう1年も前に発売されたモデルであり、大手メディアなり、アフィブロガーなりがもっと詳しく書いているでしょう。
ただ、なかなかこれと接触する機会がなかったのも事実で、そのときはとうとう2020年の9月に、ビックカメラのメガネコーナーに行ったことで実現します。
家電量販店のフロアというのは、結構うるさいのですが、掛けてみたところ、しっかりと音が出てるじゃないですかwで、友人には音が聞こえてない。これは画期的なメガネです。しかも、度付きレンズにすることが可能だという話を聞きました。

しかし、これは結構罠で、あくまでBOSEはサングラスとして使うことを想定しているため、レンズを交換することで、BOSEの保証がなくなるというものです。とはいえ、乱視である僕は、サングラスとしてこれをかけることで、おそらく視界がゼロになる可能性が高いであろうと思い、買うなら度付きレンズにしようと思っていました。ただ、そうそう出物があるわけもなければ、金額的にちょっと躊躇する値段だったので、これはそのうち買ってみようかなレベルでした。

が、まさか近くのハードオフに売ってたじゃないですかwwwしかも交換レンズ付き。まあ、安くはないですけど、ちょっと高いメガネフレームを買うと考えればいいじゃないかと思い、1日悩んで購入。
度付きレンズは同じく取り扱いがあって、持ち込み可能なJINSに度付きレンズの製作をお願いすることにしました。
今回は度付きレンズも入れて2,2万円(税込)。JINSのメガネは1本5,500円なので、4倍にはなるものの、16,500円はTWSイヤホンだと思えばいいかなとも思いました。

思ったより自然に使えるけど、用途に向く場所と向かない場所がある
さて、Rondoですけど、単純にハードオフで売ってたというのもあるんですが、基本的にALTOっぽいメガネをいつも作るので、「あいつが丸メガネをかけてるときは、なんか聞いてるとき」というイメージが作りやすいだろうと思って買いました。副産物ですが、メガネが多少下がっても、レンズが大きくなったため、普通に見えるので、あまり気にしないようになりました。
ただ、これはメガネとしての一般論で、コイツは掛け方により音の聞こえが変わってくるようなアイテムなので、「頻繁に直しているときは、なんか聞いてるとき」というイメージのほうが伝わりそうです。
音はBOSEっぽくないですが、いわゆるスピーカータイプのモデルなので、音はかなりフラットです。普通にRadikoとかを聞くぶんには全く問題ないですが、例えば普通に音楽を聞く場合とかは、さすがにイヤホンなりヘッドホンなりを使うほうがいいです。もうお気づきかと思いますけど、そもそもこのサングラスは、音楽を楽しむのではなく、適当にながら聞きをするのに適しているというわけです。ただ、ラジオでも曲が流れてくると、随所でいい音が聞こえてくるわけです。このいい音がニクいです。
耳を塞がない、ないしはイヤホンなりヘッドホンなりを付ける、外すの1アクションを省くことが出来るのはデカイかもしれないですね。耳も塞がないので、会話なんかも普通に出来ます。
ちなみに、これをかけた状態でスピーカー付近を覆ってみると、BOSEっぽい音が出てくるのも面白いですね。フラットと言っても実際にはちゃんとBOSEの特徴は受け継いでいる感じです。

問題は音漏れ、というか基本オープンイヤーではなく、フレームにスピーカーがついてるわけですから、電車で座ったときにちょっと聞こえてしまう感じはあるかもしません。また、繁華街や街道沿いなどを歩くと、音そのものが聞こえないということもちょいちょいあります。休日の秋葉原ではまず聞こえないレベルです。電車の中とかでも実際にはほとんど聞こえないです。まあ、外的要因に左右されるのはどうしようもないことではあるんですが、音を上げすぎても漏れるからダメ、小さい音だと聞こえないのでダメと、さじ加減が結構難しいです。
散歩で音楽を聞くとかは特に問題ないでしょうけど、そのままコンビニに行くと、コンビニのBGMのほうがデカイという現象も普通にあったりします。どうしたもんだろうかな。

コーデックはSBCとAAC。対応している端末では、ほぼAACが選択されます。好みですが、SBCでもAACでもそこまで気にするほどの音の違いはないです。気持ちAACのほうがBOSEっぽく聞こえるので、AACをベースに音質調整されてるのかもしれません。

バッテリー持ちは、やっぱり3.5時間連続再生と公証されていますが、本当にその時間ぐらいは連続再生出来てしまうというのが強いです。目安として、シン・ゴジラ(2時間)を見て、バッテリーが60%ぐらい消費という具合。待受だけなら13時間と書いてありますが、スリープ状態からの復帰もスムーズです。
唯一、めんどくさいのが、任意で電源を切る場合、スマホのアプリから接続を切るか、メガネをテーブルにひっくり返して2秒置くか、ボタンを2回押したあとに長押しをするというのが、意外と分かりづらいです。特にボタンは明確に表記されてないので、分からない人もいると思います。まあ、電源を入れたまま、放っておけば5分で勝手にスリープモードになるようです。(これもBose Connectで任意選択出来る)

あと、これを中古で売る人は、Bose Connectの接続履歴をしっかり消したほうがいいです。
どうも接続履歴が8台まで残るのですが、この履歴は本体側に残るようで、前の持ち主の接続先が表示されていました。明確な初期化方法も書いている時点では見つからないので、BOSEはアナウンスしたほうがいいんじゃないかと思います。

まとめ
ながら聞きにおいてこれ以上のガジェットはないが、そもそも人を選ぶアイテム

メガネとして使うのはどうかなと思ったんですけど、わざわざイヤホンを持ち歩かなくて済むだけでも、かなり大きいです。常時メガネをしていて、日に2時間ぐらい音楽を聞きたいという人には向いているとは思います。もちろんサングラスとして使うのにもいいですし、僕は電源が切れても、イヤイヤメガネで使う選択肢があるので、逃げ場なしといったところです。
あとは、バッテリーが弱くなってきたときに、バッテリー交換はしてもらえるかどうかになるんですが、まあその点はそこまで心配しなくてもいいかなと思います。

例えばの話、サーバー室に籠もって監視するようなお仕事の人はANCイヤホンのほうがいいと思いますが、普通の事務仕事で、コッソリ音楽を聞きたい人だったら、これはベストに近い選択肢だと思います。調子に乗って音量を上げすぎるとバレると思います。
あと、意外とここまで書いていませんでしたけど、一人でいるときに、ハンズフリーでしゃべるのには「あいつエア友と喋ってるよ」感が出ますけど、非常に快適です。

一方で、BOSEの看板が付いてるから、いい音がするといった概念はちょっとどこかにおいて置くべきかなと思います。音楽をガッツリ外で聞くとか、そういう用途でこれを購入すると、早々にがっかりします。
なので、かんたんに言ってしまうと、「タクシーでAMラジオが流れているのが好み」かどうか、あるいは「クリニックや美容室で流れているFMラジオが好み」かどうかぐらいのレベルで判断していいと思います。今は珍しいですけど、昔結構お店のBGMってラジオだったじゃないですか。あれぐらいの使い方で使っていくのが正しいのであって、電車での行き帰りや、繁華街の散策には別途イヤホンなりを用意したほうが、多分幸せになれます。

レビューを書く上で思ったのが、「BGMに対する価値観の共有」がどこまで出来るか?ということなんですけど、僕の中では、ラジオリスナーにはかなり刺さるけど、オーディオリスナーには刺さらないレベルの商品であり、そこに、普通のメガネの5倍近い価値観を求められるか?というのは、甚だ疑問ではあります。Radikoやポッドキャストメインなら、このサングラスが最適解という人もいると思います。でもストリーミングオーディオを聞くには多分適していない。いろいろなレビューで「日常にBGMを付けられるガジェット」扱いされていますが、本質は「日常のBGMをどうやったら苦労せずに聞くことが出来るか考えた結果、出来たガジェット」だと思います。本気でながら聞きを楽しむことが、日本社会でどこまで許されるのかということも踏まえると、やっぱり刺さる人にしか刺さらないニッチな商品だとは思いますが、その刺さる人にとっては、非常に代え難いものになるんじゃないかと思います。
これはガジェットとして面白いとか、サングラスやメガネとして使えるから実用的とか、そういう概念で買ってしまうと、割と後悔すると思います。

買って思ったのは、いい音でスキな音楽を聞きたいからこそ、イヤホンやヘッドホンをしたいのであって、別にRadikoはスマホスピーカーでも十分だけど、これは周りに音が出てしまうから、イヤイヤながらイヤホンをしていたのがわかりました。そして、付けたり外したりというアクションに、自分の中でそんな消極的なことだったのがわかったのが、一番の収穫だったかなと思います。


まあ、マネしないほうがいいです。選択肢が多くても、多分こういう使い分けをしたがるユーザーは非常に少ない。雑多でいいなら、普通のイヤホンのほうがより多くを与えてくれます。





おしまい

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いつかは書こうと思いつつ、もう1年経ちました。
今回は、FOSTEX TM2の長期実機レビューを紹介していきたいと思います。

度肝を抜いた、2019年のThe NAMM Show 2019発表
まず、かんたんな今までまでの経緯をまとめてみましょう。
2019年1月24日、日本では決してメジャーではない、アメリカのThe NAMM Show 2019で、FOSTEXが発表したのが、このTM2です。
モノそのものは単なるTWSですが、決定的に違うところは、当時最新鋭だったQualcommのQCC3026というBluetoothチップを搭載し、TWS Plusに対応したことと、イヤホンにおける規格の一つであるMMCXに対応したということでした。

そこまでに、TRN BT20というMMCXに対応したTWSアダプタは存在していましたが、これはRealtekのチップを搭載していたので、SBCまでの対応とされています。こちらは後にBT20SというQCC3020搭載モデルが発売され、さらにFiioがBT20Sに独自ファームを入れたUTWS1という商品まで発売しています。

以降、どこかのメーカーが続くと思いきや、ShureのAONIC 215はリコール対象となり、iBassoのCF01が世に出ていないということで、実はTM2は現時点でもQCC3026を唯一搭載したMMCXアダプタとして、ハイエンドに属するモデルということになります。

さて、そこから半年、5月末に発売となります。
当初より約2ヶ月ほど遅れましたが、そもそもこの頃には、QCC3026搭載モデルのTWSは先発品らしく接続性の問題などや、各メーカーのコスト面で、QCC3020搭載のTWSが続々と発売されていました。
そんな中、発売されたファーストロットは即完売。以降、数ヶ月の品切れを起こしたまま、セカンドロットあたりからファームアップされたバージョンが出荷され、既存ユーザーには「Fostex TM Sound Support」によるアップデートで対応。しかし、それ以降は特にトピックもなく、当初の接続不具合などかがだいぶ安定したことにより、ある種、刺さっている人だけが使い続けているという感じです。

ちなみに発売1ヶ月後にSONYのWF-1000XM3が発表され、現在ではANC搭載のTWSの定番となり、セカンドロットが出回っていた11月にはAppleがAir Pod Proを発売。各社とも現在はQCC5100シリーズによるANCや、TWSの複数ドライバー化、ハイブリッドドライバー化などを経て、今後もこっちは伸びて行きそうな分野ではあります。

一方で、MMCXアダプタにはANCなどが必要ないことや、ネックバンドタイプに別のDACを搭載し、長時間再生を可能としたケーブル形が主流となっており、そちらには上位コーデックであるaptX HD搭載やLDAC搭載などといったモデルも出てきています。
現時点でAONIC 215(RMCE-TW1)の再発売後にまた新勢力が出てくる可能性がありますが、そもそもTWSタイプのMMCXアダプタというニッチな市場で、今後似たような商品が出ることは望み薄なのかもしれません。

TM2のここが良かった点
簡単には、以下の点です。
  • MMCXである点
  • ショートケーブルをリケーブルすることで、2pinやFitearなどにも対応する点
  • バッテリーの持ちがすこぶる良い点
まず、ショートケーブルをモジュール化したことにより、ほぼ何らかの形でリケーブル出来るイヤホンには対応できているという点は大きいです。有線ベースで使っているイヤホンをそのままTWS化出来る、ソケット問わずほぼ出来るというのは、現在でも大きなメリットであります。

さらに、ショートケーブルをリケーブル出来る=予算さえあればケーブルをイヤホン分買えば、イヤホン側のコネクタの抜き差しを減らすこともできます。現在では、WAGNUS.などの受注注文のオーディオケーブルメーカーや、個人作成によるオークション出品などで、リケーブルも購入することができます。(写真のケーブルはWAGNUSのTM2 Meridian、現在ケーブルの供給終了により入手不可)

さらに、外観はそれほどでもないですが、このサイズのおかげで大容量バッテリーを搭載しているため、連続して7~8時間程度はまず問題なく利用可能です。(コーデックはaptX)

TM2のここがダメな点
改善の余地というか、出た当時からなんとかなっただろうにというのが以下の点。
  • ケースがデカく、充電クレードルの役割しかない点
  • イヤホンによりホワイトノイズがひどくなる点
  • ちょっとした磁力により、本体のON/OFFがされてしまう点
  • 当初予定されていた、アプリによるエコライザが実装されない点
まず、世の中の人が絶対に思うであろう、ケースの問題。
イヤホン側のサイズの問題もあるので、そういう点でこのサイズのケースが必要なのは分かるのですが、これが充電クレードルとしての役割しかないというのは、やっぱり問題だと思います。シートタイプのモバイルバッテリーなどでごまかしていますが、メーカーがオプションで、バッテリ内蔵タイプのケース、あるいはもっと簡易なクレードルを用意してくれると、使い勝手がいいんですけどね。
また、取り出しやすさを優先したのか、レシーバーの収まりがあまり良くなく、ちゃんと充電されていないということもしばしばあります。

イヤホンによってホワイトノイズが大きくなるという点。UE900sで確かにそんな感じだったのですが、基本的に使っているN5005では、(リケーブル化も含め)ほぼ問題ないと思います。これはイヤホン側のスペックに依るので、合わないならしょうがないかなとも思います。

磁石によるON/OFF。これは磁力によりON/OFFスイッチが入るという仕組みで、クレードルにはめ込んだら自動的に電源OFFするためのものです。ただ、これにより本体ボタンでの電源OFFをしたあと、イヤホンケースに入れ、持ち運びしていると、勝手に電源がONになっていたり、ペアリングされたままになっていたりします。さらに、ケース内で、ボタンが意図しない操作をしてしまうと、勝手に音楽再生されるようなこともあります。この仕組みって、TWSだと充電接点に触れたらOFFという感じになりますけど、別に磁石などを使うことなくできているんですよね。

最後に、かなり遅れて完成したFostex TM Sound Supportにて、エコライザがいつまで経っても提供されない点。当初はどこまで想定していたんでしょうか。まあ、これのために会社のリソースを割くわけにもいかないし、外注するにしても、イヤホンに依存するレシーバーのためにエコライザがそもそもいらないと判断された可能性もあります。TM2に後継モデルでも出れば別なんでしょうけど、おそらくこれはこのままでしょうね。


特に文句はない点
Bluetooth接続の安定性は並。これは難しいところで、例えばスマホとDAPではBluetooth強度なども変わるため、それにより安定性が大きく違うところはあります。鞄の中のHiby R6では、秋葉原で致命的なほど途切れますが、XPERIA XZ2 Compactでは割と途切れる程度です。参考までに、WH-1000XM3ではLDAC接続の660kbpsで、同じ秋葉原の場合、Hiby R6では割と途切れる。XPERIA XZ2 Compactでも同じぐらい途切れるという感じです。なので、物理的にアンテナサイズが小さいものの、それ相応には接続できている感じです。
使わないときでも、10日に1回ぐらい充電しないと、バッテリーがないということが多いです。なんか最近買った武蔵野レーベルのCP-BTR-01もそうなんだけど、たまに充電してあげないと使えなくなるという周期が、非常に短いのが気になります。TRN BT20や、WI-1000Xなどは、60日に1回ぐらい充電すれば、あるいはしなくても、普通に電源ONが出来るのですが、これをバッテリーの消耗で片付けていいものか微妙なところです。
ちなみに、BT20シリーズは、本体にmicroUSBがついているため、クレードルなどを必要とせず、付属の二股充電ケーブルで充電出来るため、わかりやすくて便利です。


総評
さらなる作り込みをお願いしたいけど、多分単発で終わるだろう迷機

なまじながらに1年売らずに済んでいるのは、なにより不満はあれど、そのギミックと音楽を聞く環境として、非常に安定したモデルであることが下支えとなっています。
ただ、正直なところ、FiioのUTWS1の使い勝手もかなりいいとの評判で、あちらTRNの初代BT20から3回のブラッシュアップがされています。ゆえにかなりいいモデルであるのは間違いないと思います。
値段差、アプリなど含め、これから買うのであれば、UTWS1(もしくはBT20S)でいいと思います。

いい点にメリットを感じるかどうかもそうですけど、これを検討する人は、単純に沼に浸かってる人だと思いますので、付け直したイヤホンの細かい違いなんかや、リケーブルによる効果も十分楽しめる要素として捉えられるかもしれません。価値であり、真価はそこにあるのだと思います。

1年も使っていると、ケースやギミックで悪目立ちが多く、アダプターとしての良さを打ち消すレベルでがっかりすることも多いです。使いたい時にそうなるから、より印象が悪いです。代わりを買おうと思えないから、現状維持で使っている感じです。まあ、それに耐えきれなくなって、CP-BTR-01買って、似たような問題があるから、残念ながら消極的にそうなるかな。

まあ、やっぱりメーカーに頑張ってもらって、ケースの改善と、さらなるリケーブルの種類、それとアプリやファームウェアのアップデートをお願いしたいところです。もしくは同じ規格での上位後継モデルを望みたいところです。高級イヤホンでも耐えうるLDACやaptX HDの実装などもできれば面白そうですけどね。





おしまい

まあ、今更感が非常に高いですけど。
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今回は、もう生産終了となっている、中国Hibyの唯一となる、2.5mmバランス端子+Android搭載+ESS DAC搭載の、Hiby R6の実機レビューです。

Hiby R3のイライラを解決するところから始まった、R6購入記
まず、根本的な話をすると、「ほしかったからかった」という元も子もない話になってしまうので、それとなく雑記で悩んでいたことを延々と見直し。
Hiby R3はめちゃくちゃ出来のいいオーディオプレーヤーで、バランス接続が出来て、3万そこそこという価格もあり、飛ぶように売れたというのは、入手の難しさから感じました。とはいえ、使ってるとだんだん見えてくる問題点が色々ありました。
簡単に書くと、
  • SONYのアプリによるANC機能が専用機ゆえ使えないこと
  • Bluetooth周りがアップデートするごとに改悪していること
  • Hiby Linkの接続の不安定、Bluetooth接続ごとにON/OFFしなければいけないこと
まあ、1番は完全なお門違いではあるんですが、もともとの発端なので書いておきました。Headphones Connectの恩恵を受ける機種が2つあり、これらを使う場合はスマホで使う必要があったことがまず第一にあります。
そうなると、microSDなどの問題も出てきて、同一のデータをクローンのように入れておく必要があり、R3側のmicroSDが200GBに対して、スマホ側が128GBで、データがあふれてしまっていたことが結構不満だったという話です。管理が非常にめんどい。

2番目と3番目、単純に色々できるようになったのは嬉しいかもしれませんが、基本的なBluetoothの接続などがうまく動かず、BluetoothイヤホンをONにした場合に自動接続が出来ないことが多く、自動接続が出来ない場合は手動接続しなきゃいけないのですが、その場合にHiby LinkをOFFにしないとBluetoothの手動接続が出来ないという、一見不思議な仕様になってしまいました。これはいつからなのかよく分かってないのですが、ある日突然アップデートしたことでこういう感じになったので、最初からじゃないと思うのです。(この辺はR3のレビューも参照)

で、後継モデルというと、R5がシーラス・ロジックのDACということ、そして4.4mmバランス端子ということで、早々に選択肢から外しました。
Hibyで選択するとなると、R6かR6 Proということになるのですが、音の面で、若干味付けが異なっているというのが、結構色々なところで書かれていたので、そこはR3と同時期のモデルのほうが、耳馴染みがいいんじゃないかということ、そして2.5mmバランス端子が決め手となるわけですね。


まあいいんです。子供の頃欲しかったBB戦士やミニ四駆を大人になったら衝動買いするのと大差ないです。R3を買ったあのとき、俺はR6が欲しかったんです。多分それだけなんだと思います。


わがままニーズを満たした、完璧なオーディオプレーヤー
俺得なニーズを満たすR6ですが、なぜ、そんなにいいと思ったのか?という話です。
  • Android、およびGoogle Play導入済みで、ストリーミング再生や他社アプリが使える
  • LDACやaptXはもちろん、Hiby musicを使えばUATやHWAなどもサポートするBluetooth
  • 2.5mmバランス端子、DACにESSのES9028Q2Mを左右1基ずつ搭載
  • SoCにSnapdragon 425を搭載し、QC3.0に対応
いや、じゃあスマホでいいじゃんのレベルなんですよねこれw
2.5mmバランス端子搭載で、AbemaTVだろうがYoutubeだろうがRadikoだろうが、スタンドアロンでバランス出力できちゃうって話です。スタンドアロンというのがポイントなんです。
どうしても1回Bluetooth、もしくはUSBを介することの煩わしさにイライラしちゃうタイプなので、それができるというのは、(意味もなく)非常に気分がいい。
標準でLDACに対応しているので、Headphones ConnectでLDAC接続しつつ、ANC機能も使える。これも気分がいい。(端末のセンサーなどの都合上、アダプティブサウンドコントロールの詳細設定が出来ないのは問題だが。)

そして、なんやかんやで一番気分がいいのは、Hiby Musicを使わず、他社の音楽プレーヤーを利用できるという点です。無論、2.5mm接続ではHiby Musicを使うのがベストな環境なのですが、このアプリの根本的問題として、中華アプリらしく日本語の対応がうまく出来ず、曲の並び順などがめちゃくちゃになっていることと、シャッフル再生がだんだんと規則性を帯びてくることなんです。
言ってることがわけわからないでしょうけど、A~Fの曲があったとして、シャッフルのAから始まる曲順と、Fから始まる曲順が、途中から全く同じ選曲になってくるんです。
ACDFBEの順で曲が流れるとして、Fから始まればFBEACDの順で流れるという感じです。まあ、シャッフル使ってると同じ並びの時があるなあと思いますが、R6では結構な確率でそれを感じてしまうところに問題があります。
そこらへんは一日の長があるSONYやONKYOのプレーヤーのほうが、日本向けカスタマイズが進んでいるので、気分がいい。

Androidが入っていることで生まれる利点は他にもあり、ほとんどのUSB DACを接続して使うことができるのが大きいです。
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Hiby R6にiBasso DC01を接続している図です。
ある意味、言っていることとやっていることが全く違うのですが、こういうことも普通にできるうえ、最近はヘッドホンアンプなども専用のアプリがリリースされているため、専用機以上に好みを反映しやすいです。たまにAK4493の出る音が聞きたくなるときに、これだけで済んでしまうのは気分がいい。

そして、何より使い慣れたAndroidで、普通の端末として扱えるという点も、中途半端と言われる反面、使い勝手で大きなメリットなのかなと思います。

要注意点として、WiFiのAPに対して、凄まじい相性があることが気になります。総じてNECのルーターは駄目だし、11acでの接続もバッファロー以外のメーカーではなんとなく出来ない感じがあり、これをどう見るかという点があります。もっとも、2.4GHz帯の11nでもストリーミング再生レベルでは問題ないと思いますので、素直にそれを使うほうがいいでしょう。
それに関連して、BluetoothとWiFiの同時接続で、猛烈に動作が不安定になるという問題点もあります。LDACだけの問題なのかなと思ってたんですけど、aptXでもAACでもSBCでも起こるのが解せない。ましてQualcommのSoC使っててこうなる理由がよくわからないです。
LDACに限ってはさらに音質重視の990Kbpsが全く使い物にならないレベルで、660Kbpsでは安定します。この辺はSONY製品じゃないのでしょうがないのかな。

バッテリーはハッキリ言ってものすごく持ちが悪い。性能面で問題ないのに、おそらくメディアプレーヤーとして使えない最大の問題点はこれなんだと思います。バランス端子側だけで、音楽を聞いてると4~5時間でアウトです。まあ、スプリントレース向きですね。
ならば充電しながらという方法もあるにはあるんですが、有線ならともかく、Bluetoothではしょっちゅう切れるようになるため、モバイルバッテリー併用での運用も結構厳しいんじゃないかなと思います。

どうでもいいですけど、3.5mmイヤホンジャックはヘッドホンで使うことを推奨したいです。プラシーボレベルではあるんですが、2.5mmバランス端子で出るイヤホンの音に対して、3.5mm側は力で押し出している感じがあり、結果としてイヤホンでは力不足を感じるのかなと思います。
R3で3.5mmがスカスカという話を書いたと思うんですけど、もしかすると単純にでっかい出口で出してなかったからという可能性もさもありなん。


まとめ:あえて今、R6を買う必要性はあるのか?
ずらずらと俺的メリットを書いておきましたけど、ぶっちゃけ2.5mmバランス端子か、4.4mmバランス端子にするのか、という点でR6 ProとR6を天秤に掛けるというのが本当はいいんだと思いますが、R6 Proはアンプ部のチップが違うため、味付けが微妙に違う感じです。
それならそれでAK4493搭載、2.5mm&4.4mm出力可能なFiio M11あたりを買ってしまうというのもいいんでしょうけど、そこはHibyのR5を押しておこうかなw
旭化成もシーラス・ロジックも音の傾向は同じ方向なので、いわゆるキレイ系に鳴らす音が好きなら、1年の年月分、そっちのほうがDAPとして完成度は高いです。ましてAndroidじゃなくてもいいなら、iBasso DX160なんかも、このレンジのコスト面では有利ですね
さらに言えば、上位のHiby R8なんかも出ます。これは普通にS625搭載のスマホ、通話まで出来れば、今風のGRANBEATと考えられるので、面白いのかなと思います。値段が10万ぐらいしそう。

結局のところ、メリットで上げた点以上のセールスポイントがないです。
多分、使えば使うほどアラが見えるとは思いますし、Hiby R3からのアップグレードとしての選択だったので、利便性を考えればそこまで悪くはないです。
5万そこそこで今はミドルエンドのDAPもラインナップが増えてきていますので、今他の人にすすめるという点で見た場合、本当にあえてR6をすすめるのは、ちょっと気が引けるかな。
ESSのDACを搭載して、2.5mmバランス端子があって、BluetoothでLDAC接続までサポートして、素のAndroidが入っているDAPが欲しいのであれば、ピンポイントで刺さるんじゃないかなと思います。




おしまい

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---2018/09/26---
Ver.1.15にアップデートしないとmicroSDにアクセスできない不具合があったそうです。
基本的な変化はなさそうなので、掲載時の1.14のままのレビューを載せておきます。

---2018/09/29---
Bluetoothの自動接続に変化があったので、1.15版で記載を加えました。

---2019/07/22---
Ver.3.3に関して、現行の問題点を記載。


まあ、買うと言っていたので、そんなに驚きはないと思いますけど。

今回はHiby R3というDAPの実機レビュー。


一度ハマると抜けるのに苦労するDAP選び

さかのぼること3年前、NW-ZX100を買った時のこと。
アンバランス接続ながら、LDACが使えて、ストレージが128GBという点で、その時点ではかなりオーバースペックかなと思いつつ、買ってしまった思い出があります。確か140gぐらいだったんですけど、サイズ感が良かったんで、結構重宝したんですが、資金難に陥り、LG V20 Proのオーディオ機能でもその代役が務まるということもわかり、結局は手放すことになってしまいました。

その後、V20 Proも手放し、XPERIA XZ Premiumで音楽を聞く期間もありつつ、microSDの200GBを持っていたので、NW-A45を買います。Bluetooth機能の充実と、バッテリーの持ちでは半端ないレベルで、おおよそこれとMDR-1000X、もしくはXBA-300で問題なく使っていたわけです。

転機となったのは、XHA-9000というaptX HD対応のBluetoothアダプタ兼ヘッドホンアンプを買ったこと。この製品には2.5mmバランス接続が付いており、試しにどんなもんかとXBA-300にバランスケーブルを買い足して使ってみたところ、前々から気づいてはいたんですが、自分の左耳が若干弱いことと、それを差し引いても顔の中心で鳴っていた音が、頭の上やら下やらから鳴ってくるような、疑似立体音響的な感覚になりました。(これはXHA-9000の味付けが良かったのだろうと思うがw)

ただ、知っての通り、そのときにはShanling M0を予約していて、一気にBluetoothに傾いた時期ではあったため、それっきりにしようとは思ったのですが、結局LDACで利用するためにはLDAC対応の機器を持っていないといけないわけで、そのときにはMUC-M2BT1を持っていなかったので、一時は無駄にM0→aptX接続でXHA-9000→バランス接続でXBA-300という、非常に煩わしい感じになっていました。

もともとM0を買った理由ってのが、ESSのDACを搭載し、かつサイズ的に小さく、さらにBluetoothの機能充実だったわけですけど、イヤホンを挿さない=DACの意味がない、という点と、細かいレベルでの使い勝手の悪さがやはり耐えられなかったのが、M0の代わりを探そうって話になります。

で、この間にFiio X3 3rdも買ってるんですが、こっちはこっちで音は申し分ないものの、使い勝手が悪く、一時はもう諦めてM0とX3の併用も考えたのですが、やはり納得が行かないという理由で、Hiby R3を購入するに至ったというわけです。

実際、紆余曲折があって、発売初日にeイヤホンに予約を入れたものの、そのタイミングでFiio X3が値下げされ、たまたまヤフオクで凄まじく安い値段で即決できるのが出てたので、即落札したあと、15分ぐらいしてeイヤホンからキャンセル分の配当が回ってきて、結局その時はキャンセルしてしまいました。その後、グレーを買う予定でeイヤホンには予約を入れたものの、グレーは9月になっても発売されず、我慢できずにやはりヤフオクより国際版を入手。そしてデジャブのごとくeイヤホンからグレーの入荷があったものの、その時には今度は仕事のドタバタがあり、結局のところeイヤホンには申し訳ないと思いつつ受け取りにいけず、ヤフオクの商品も受け取ったのは9月8日と。

かくして、無駄なお金を使いつつも、最終的には辿り着いたというわけです。


程よいサイズにして、充実の機能
さて、このR3の何がいいかというと、
  • 3.2インチタッチパネル液晶を搭載していること
  • 82(縦)x61(横)x13(幅)mm、95gとコンパクトサイズであること
  • Hiby Linkが使えること
  • ESS ES9028Q2Mを搭載していること
  • 2.5mmバランス接続端子があること
  • LDACやUSB type-C接続で外部出力、本体側音量調節も可能なこと
至れり尽くせりの高機能。それでもって26,800円(税抜)という価格。
DAP入門にもよし、ハイエンドユーザーのサブ機としてもよしと、従来の中華DAPを覆す、驚きの商品となっています。Fiio X3 3rdを値下げせざるを得ない理由なんかがある意味わかってしまうぐらい、出来がいいです。

まずタッチパネル液晶。これはウォークマンでもNW-A30シリーズから採用されています。今回M0を使っていて思い出したのは、iPod shuffleを使わなくなった理由とも似ていて、タッチパネル液晶のサイズが小さいと、自分の手では操作が極端にしにくいということです。
ま、つまり1インチ台のサイズだと操作が厳しく、2インチだと文字が若干読みづらい。そこが3インチ台に入ると、極端な話、昔のiPhone3GSサイズ(3.5インチ)なわけですから、操作も出来て、ある程度文字もはっきり見えるという点では、同クラスではFiio M7ぐらいしかない感じです。

サイズ感。流石にNW-Aシリーズほどコンパクトではありませんが、それでも100gをギリギリ切るのは立派だと思います。

Hiby Linkへの対応。簡単に言ってしまうとDAPのフルコントロールがBT経由でスマホで出来てしまうというソフトです。フルとは一応言っていますけど、若干制限もあります。
これがM0にはなかった大きな機能です。Shanling製品はアップデートにより、このHiby Link機能が使えるようになっているのですが、M0ではなぜかその機能がない感じでした。おそらく、そもそもそのサイズの商品、単なるレシーバーと変わらないのだから、特に操作には支障ないでしょうと、メーカー側が考えた感じだと思います。が、実際のところ、このサイズの商品にその機能がないのが、上記のサイズによる使い勝手の悪さにつながることになってしまったわけですね。
ただ、この機能、便利は便利なんですけど、ある問題により、一旦お預けとなっています。後述。

ESSの話はもういいでしょう。V20 ProでもShanling M0でも話はしました。

そして、買い替えるに値するワンピースだった、2.5mmバランス接続端子の搭載。音以外のメリットとしては、MMCXのイヤホンケーブルの交換回数を減らすことにありますね。と言っても、別にアダプタをつければ3.5mmにも対応はできるので、ある意味言い訳ではあります。

LDACには当初から対応する予定もあったこともあり、現在の1.14ではLDACには対応しています。他はaptXとSBCです。BTレシーバー機能はSBCのみ対応。USB DAC機能ももちろんあります。
あとは、USB type-Cから外部ヘッドホンアンプに出力する場合でも、本体音量が上下できるのはポイントです。まあ、あまりメリットはありませんが、type-C→3.5mm端子ケーブルなど、音量が一定にしか出力されないケーブルなどでで直接ヘッドホンをつなげる場合などでは、本体側の音量が変えられない場合は、使い物にならないこともしばしばあります。それが防げるだけでも、かなりメリットはあります。
当然のことながら、DAC搭載のケーブルじゃないとダメなので、最近のAndroidスマホのUSB Audio Class 3.0アダプタなんかでは、音が出ないこともあります。ここは注意。

と、いろいろ能書きをしてきましたが、音はどうなのよ?という話。
ここではLDAC出力は出力側依存なため、3.5mmと2.5mmのみに絞って書きます。
EQはかけず、基本フラット出力しています。

まず、3.5mmのアンバランス接続。
とりあえずXBA-300+NOBUNAGA Rabs TR-SE2 BALANCE+Fiio L26との組み合わせ。
うーん。これは本当にDACを通している音なのか?と疑問になるぐらい中音だけがよく聞こえる感じです。良く言えば音の密集している場所だけをターゲットにしている。悪く言えば音域が狭い。Fiio X3 3rdは両方とも音の通りは同じだった感じがあるだけに、なんか気持ちが悪いですね。

AKG Y23との組み合わせ。
これだとイヤホンの限界が低いのもあるのか、イヤホンの周波数特性なのか、異様に音がキレイに聞こえます。本当に20~20KHzだけに特化してる感はありますね。

マイナーどころ、ZODIC ET2202+Earmax MMCX-2.5mmバランスケーブル+Fiio L26との組み合わせ。
簡単にイヤホンを説明すると2DD+2BAという今どきのスペックバカ中華イヤホンなんですが、ドンシャリ大好き中華イヤホンの同価格帯では珍しい高音域側に強いタイプのイヤホンです。僕が定義する「音楽をしっかり聞く時に使う」ガッツリ系のイヤホンです。
これも、なんか物足りない感じが異様にします。XBA-300のように全方向3BAドライバーではなく、DDとBAの音域の使い分けをしっかりしている感じもあって、より迫力に欠ける感じが否めないです。音に元気がないと表現するとしっくり来るのかな。イヤホンの音なのに、適当にやってますよ感がしてどうしたもんかなあと思えてしまいますね。

ちなみに参考まで、MDR-1Rで聞いてみたところ、漠然とした「いい音」が鳴っている感じで、音情報量や音密度みたいなギュッと固まった感じがなく、個々の大きい音が目立つような感じです。

---2018/09/29追記---
AKG N40+純正付属ケーブル
細かい音の鳴り分けはしていませんが、3.5mmでも2.5mmアンバランス接続に近い感じに出るとは思います。ただ、やっぱり音に元気がない。2.5mmに対して、音圧的なものや、R3側の出力が絶対的に低いのかもしれないと思われます。
ちなみに、この組み合わせをXPERIA XZ1 Compactで聞いてみると、イヤホン最適化と相まって、フラットながら左右の鳴り分けもしっかり出来ています。

XBA-300+純正付属ケーブル
この純正ケーブルはアンバランスながら、L側とR側のグラウンドが分かれてる4芯型なのですが、イヤホン特性を無視したように、なぜか低音域の通りがすごく良く聞こえる感じになります。これはなんでなんだろうかな。この組み合わせとR3が単に合わないだけなのかな。それともR3が微妙に低音域寄りの中音域なのか。いまいちどこを中心とした音なのかはっきりしない感じがします。


この点に関しては、3.5mmアンバランス出力しかないM0や、両端子があるのにそれほど特性に違いの見られなかったFiio X3 3rdやXPERIA XZ1 Compactなんかの音がいいとされるスマホに比べると、明らかに中音域特性に絞られている感じが否めないです。それゆえにY23で意外なほどいい音(ちなみにY23はエレコムのCH2000並に衝撃だった)が出るのも、なんとなく納得がいきます。


真骨頂はやはり2.5mmなんでしょうね。
XBA-300+NOBUNAGA Rabs TR-SE2 BALANCEの組み合わせ。
ああ、これがXHA-9000で最初に聞いた時に感銘を受けた音だと言わんばかりの脳内上下左右からそれぞれ出てくる音の応酬。そしてやっぱりSONYのイヤホンの中では異質な高音域の響き。それで耳障りもないという。きっとNW-ZX300+XBA-300の純正ケーブルでもこんな感じには浸れるとは思いますが、とにかくクセもなければ見落としもない音。ダラダラ聞いていられる贅沢な環境であります。

ZODIC ET2202+Earmax MMCX-2.5mmバランスケーブルの組み合わせ。
やる気スイッチが入ったのか、低音域までガンガン出てきます。高音域の聞こえ方は輪郭がはっきりとしたシャープな音に変わり、ピアノの音なんかは鍵盤の押してる強さが違うんじゃないかというぐらいバンと出てきます。ただ、高音が刺さる感じは否めないのがポイント。
これで接続して思ったのですが、このイヤホン、結構丁寧な仕事をしている感じです。EDMを聞いてる分にはそれほど違いはないのですが、ロックやジャズなどの曲では、それぞれの楽器の音を出そうとしていて、伊達に2DD+2BAじゃないなと感心させられます。
なんにも作業せずにガッツリ聞きたい時。移動中にこれをしているだけで、少しは気分が変わるかなという感じのイヤホンなのかもしれないですね。

最後に書き途中で入手出来たAKG N40+Earmax MMCX-2.5mmバランスケーブルの組み合わせ。
僕の今回のオーディオ沼最終到達点は、このイヤホンとWH-1000XM3と決めていますので、とりあえず条件的には2つまで揃った形にはなります。
3.5mmを聞いていないという違いはありますが、耳から入る情報量が今までのイヤホンやヘッドホンと比べ物にならないぐらいで、正直僕のほうが追いつかない気がします。分不相応とはまさにこのこと。ただ、AKGのイヤホン作りや特性は理解しているつもりなので、暫定的設置ではあるものの、これ以上のイヤホン環境を望むには、もっと自身が音を聞き分ける能力がないと厳しいのではないかと思います。全方位にまんべんなくいい音を鳴らす。ハイレゾ音源ならともかく、MP3ですら、音の輪郭がはっきりするというのは、XBA-300やXBA-H3なんかでも感じたことがない。ましてDSEE HXなどのアップコンバートもしていないところ、Hiby R3とAKG N40をバランス接続した時のポテンシャルの高さを実感できると思います。



とまあ、ケーブル接続の場合は、完全に2.5mmバランス接続に集中をした作りとなっているようです。値段と売りを考えると、どっちに集中させるべきなのかはメーカー側でもやむなしな感じはしますが、ここまでバランス接続に振ってもいいものなのかなと、少々心配しますね。
エントリークラスのDAPにミドルハイのイヤホン、そこに2.5mmのバランスケーブルと相応の容量のmicroSD。システム全体を考えると、思った以上に高価すぎやしないかと思うのですが。


ここはなおして欲しい、もうちょっと頑張ってほしい点

まず、Bluetooth問題ですが、特定のワイヤレスイヤホン(手持ちではWF-1000Xが該当)では、24bit以上のFLACファイル(未確認だけどMP3でもそうなのかも)では、なぜか再生速度が遅くなるという問題がありました。これはWF-1000Xに関しては、1.14で解決しているので、特に不問ではあります。
ただ、やっぱりアンテナ配置が悪いのか、ジーパンのポケットに入れてHiby Linkでスマホと接続しながらLDAC標準でフラフラしてても、頻繁に接続が切れたり、遅延が発生したりと。
別の日にHavit G1でもやったんですけど、やっぱり同じような感じなんですよね。不思議なのはHiby Linkは切れないのに、イヤホン側が切れることが多く、これも謎ですね。
んじゃHiby Link切ったらどうよと思ったんですけど、残念ながらそういうものなんでしょうね。対策としては本気で物理的距離を縮めるぐらいしかなくて、結果としてワンショルダーバッグのベルト部にあるポケットに入れるとか、そんなのでしのぐ感じです。
またShanling M0よりひどく、SBCですら自動接続してくれないです。ただ、忘れた頃に接続することもあったり。なんか不安定な感じです。
---2018/09/29追記---
1.15にアップしたことで、Bluetoothの自動接続の機能がアップデートされた模様で、一つ前に接続したBluetooth機器は、コーデック不問で自動接続する感じになりました。ただ、手持ちのbluetoothイヤホンやヘッドホンで、できるものと出来ないものがあるため、まんべんなく、というわけではないようです。
ちなみに、現在のところWF-1000X、MDR-1000Xは自動接続出来ず、MUC-M2BT1、Havit G1、SOUL Invibeは自動接続可能。ソニー系と相性が悪い気がしますけど、MUC-M2BT1はソニーのアダプターなので、なんかもうちょっと詳しく各イヤホン機能とか、カタログスペックとかを比較しないとわからない点が多いです。


音量ノーマライズがない点も地味に痛いです。まあ、これも地味にCPUパワーのいる仕事なので、廉価DAPではないほうが多いです。日本産のDAPが優位なのはこの辺の細かいところだったりしますね。

内蔵ストレージがない割に、microSDのスロットがむき出しになって、カバーがないのも気になる点ですね。底面にあるので、フットプリントやスロットの関係もあったのかもしれませんが、もうちょっとなんとか出来なかったものなのかと思います。

やはり日本語ローカライズが最大の難関で、現在のところ(国際版では)例えば「A」の欄にメタデータのaがあればそこに入る感じになり、アルファベット→漢字→ひらがな/カタカナの順に並ぶようです。あと並び順もアルファベット→数字→特殊文字という感じで、ウォークマンなどに慣らされた人間としては、どこにどの曲があるかを逆引きするような事態も結構あります。んで、検索機能は当然ないので、アルバム名とか歌手名とかで調べなきゃいけないという、本末転倒なこともしばしば。
コンフィグなんかも翻訳が結構適当で、「Standby」を「待機」と直訳してたり、スリープタイマーと電源切タイマーが両方共「電源を切る時間」なんて訳されていたりするので、わからなくなった場合は英語表記にして確認するのがいいと思います。だいたいわかります。

あと、これはパッケージが非常に良く出来てるゆえの問題なのですが、専用ケースや専用保護フィルムなどのアクセサリーがほとんどなく、香港のオフィシャル、もしくはここぞとばかりのミヤビックスが出しているだけと、非常に幅が狭い状況です。
特にガラスフィルムは付属のもの以外に、メーカーに問い合わせて入手するぐらいしか方法がなかったり、ハードカバーと合成皮カバーがあるだけで、TPU派には厳しいです。
どうでもいいですけど、海外ではストラップやカラビナとかつけるような文化がいい加減浸透しないものかと思いますね。仕方なく穴あけパンチとか買って加工するしかないのがなんとも。

バッテリー持ちはいいほうではありますが、待機状態でのバッテリー消費が音楽を聞いているのと大差ないのは異様に感じます。(注:WiFiをOFF、BTをON、Hiby LinkをON)
まあ、原因はなんとなくわかるんですけど、起動時間が30秒程度かかること、スリープからの復帰後に高確率でBluetoothの接続がうまくできないという、中華DAP独特の問題もあるので、極力こっちとしては電源を入れっぱなしで待機状態にしておきたいと言うのが本音です。
気づいたらバッテリーが切れてるということもよくありますが、利便性を考えるとやむなしですね。
ちなみに、再生時間で切れることはなく、完全ワイヤレスイヤホンなんかで使う分には、そっちのほうが先に切れるレベルです。まあ、おおよそ東京-博多間を新幹線で往復するぐらいは持ちそうですね。

Ver.3.3における現在の問題点(2019/07/22追記)
約1年ほど使ってみましたが、現行に至るまでの問題点を追記します。
以下、現状でも残っている(もしくは新たに問題になった)点です。
  1. Bluetoothデバイス、及びHiby Linkが自動でデバイス認識できなくなる
  2. Hiby LinkをONにした状態で、スマホとの接続がOFFの場合、LDAC、aptXで接続しようとすると、必ずHiby Linkサーバーの機能をOFFにしろとアラームが出る
  3. 曲を転送したあと、30分ぐらいおいて曲スキャンを行っても、導入したオーディオファイルがライブラリーに登録されない(数回スキャンすると出てくる)
1は、ワイヤレスヘッドホンで、最後に接続したものが自動で接続できるものの、別のデバイスで接続しようとしても、何も起こらず、さらにBluetoothのメニュー上から接続しようとしても、接続に失敗しましたと出てくる。再起動すると、手動での接続はできます。
2は、1で説明したように、自動的に接続したデバイスの状態で、かつHiby Linkに関しても自動的に接続できるのですが、手動での接続を行う場合には必ずHiby Linkを切る必要があります。
Bluetoothに関しては、その他にメニューを開いても、メニューそのものが何も表示されないため、そもそも使えなくなることがよくあります。
3は、自動スキャンの設定をしてある場合であっても、当然のようにライブラリー更新はされないので、手動スキャンを行うのですが、これでファイルを完全に読み取ることができていない感じです。

Bluetooth周りに関しては、Ver.1台の頃のほうが総じてよく、接続安定性は格段に上がったものの、デバイス認識に難ありという問題のほうが大きくなっています。
特に、使い勝手を向上するはずのHiby Linkがデバイス認識しないで、いちいちBluetooth接続を切ったり、Bluetoothのデバイス一覧から該当スマホを削除して、認識させ直したり、本体を再起動したりと、かえって煩わしくなる点は、果たしてどうなのかなあって思います。


まとめ、総じて高いポテンシャル、値段以上の満足感はあるが...

概ね、同価格帯のFiio M7に比べ、2.5mmバランス接続ができるという点で優位ですが、反面BluetoothではNW-Aシリーズなどに及ばない感じであり、どこに焦点を当てるかによって、最適解がある感じはあります。

Fiio M7はAndroidベースで、変にマニアックな方向へ行けそうな感じはするし、やはりボリュームダイヤルの実装やExynos搭載ということで、Androidに慣れ、動作安定を求めるユーザーにはいいと思います。単体完結型としては非常にいい出来だと思います。
NW-A50シリーズ。S-Master HXやDSEE HX、ノーマライザーやCLEARAUDIO+など、ほぼフルデジタル化で最適化されていて、サイズも割と無駄のないサイズ。3.5mmといえども、日本人好みの侮れない音が出るので、割と万人向けです。Bluetoothレシーバー機能まで付いて、割とトレンドは網羅している感じです。ただ、昔は凄まじかったバッテリー持ちがタッチパネル化によってだんだんと失われているのは、ちょっと気になる点です。
Hiby R3は2.5mmバランス接続とHiby Linkによる使い勝手の良さで優位にあるのですが、細かいところの甘さはどうしても拭いきれない感じがありますね。懐の深さはありますが、総じてマニアックな感じもあり、これがベストと言い切るには非常に難しいです。

で、書いてる現在、Bluetooth接続だけなら小型で操作性に難はあるものの、Shanling M0があり、同じくDACチップが異なり、独特な操作性ですが、2.5mmバランス接続だけならFiio X3 3rdがあり、双方とも15,000円を切ってしまう点は、少し考えるものがあります。

書いてる本人の要求レベルが今回は無駄に高いということで、Hiby R3に行き着いた感じですが、実際のところ、Bluetoothは受信側のDACが音の出来のほぼ大半を占めることもあり(ウォークマンの最近のモデルはBTでもEQ機能が使えたりする)、本来のDAPの選び方としては、ワイヤードでどこまでいい音を鳴らすか?という点で比較するべきなのかなとも思います。
ただ、これまでウォークマンかスマホしか選択肢がなかったLDACやaptX HDなどがDAPに実装されたことも、また大きな進歩とも言えるし、この分を上乗せして買う場合に、3万以内のレンジは存在しているのでしょう。

あとは不安定な供給状況と、Hibyだけで言えばR6 Proに4.4mmバランス接続出力が搭載されて、今後4.4mmバランス接続に行くのかどうかがはっきりとすれば、もう少しオススメと言えるのですが、現状を考えると、やはりマニアックなDAP止まりになっちゃうかなと思います。






おしまい

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