今回は、Bose Frames Rondoというサングラス型スピーカーを、度付きメガネにして使用しているものをご紹介してみようと思います。
にわかに信じがたい、かけるだけで音が出てくるメガネの登場
ぶっちゃけ、最初は気に留めることなく「変なものを出してるな」ぐらいのレベルで見てました。事実、これはもう1年も前に発売されたモデルであり、大手メディアなり、アフィブロガーなりがもっと詳しく書いているでしょう。
ただ、なかなかこれと接触する機会がなかったのも事実で、そのときはとうとう2020年の9月に、ビックカメラのメガネコーナーに行ったことで実現します。
家電量販店のフロアというのは、結構うるさいのですが、掛けてみたところ、しっかりと音が出てるじゃないですかwで、友人には音が聞こえてない。これは画期的なメガネです。しかも、度付きレンズにすることが可能だという話を聞きました。
しかし、これは結構罠で、あくまでBOSEはサングラスとして使うことを想定しているため、レンズを交換することで、BOSEの保証がなくなるというものです。とはいえ、乱視である僕は、サングラスとしてこれをかけることで、おそらく視界がゼロになる可能性が高いであろうと思い、買うなら度付きレンズにしようと思っていました。ただ、そうそう出物があるわけもなければ、金額的にちょっと躊躇する値段だったので、これはそのうち買ってみようかなレベルでした。
が、まさか近くのハードオフに売ってたじゃないですかwwwしかも交換レンズ付き。まあ、安くはないですけど、ちょっと高いメガネフレームを買うと考えればいいじゃないかと思い、1日悩んで購入。
度付きレンズは同じく取り扱いがあって、持ち込み可能なJINSに度付きレンズの製作をお願いすることにしました。
今回は度付きレンズも入れて2,2万円(税込)。JINSのメガネは1本5,500円なので、4倍にはなるものの、16,500円はTWSイヤホンだと思えばいいかなとも思いました。
思ったより自然に使えるけど、用途に向く場所と向かない場所がある
さて、Rondoですけど、単純にハードオフで売ってたというのもあるんですが、基本的にALTOっぽいメガネをいつも作るので、「あいつが丸メガネをかけてるときは、なんか聞いてるとき」というイメージが作りやすいだろうと思って買いました。副産物ですが、メガネが多少下がっても、レンズが大きくなったため、普通に見えるので、あまり気にしないようになりました。
ただ、これはメガネとしての一般論で、コイツは掛け方により音の聞こえが変わってくるようなアイテムなので、「頻繁に直しているときは、なんか聞いてるとき」というイメージのほうが伝わりそうです。
音はBOSEっぽくないですが、いわゆるスピーカータイプのモデルなので、音はかなりフラットです。普通にRadikoとかを聞くぶんには全く問題ないですが、例えば普通に音楽を聞く場合とかは、さすがにイヤホンなりヘッドホンなりを使うほうがいいです。もうお気づきかと思いますけど、そもそもこのサングラスは、音楽を楽しむのではなく、適当にながら聞きをするのに適しているというわけです。ただ、ラジオでも曲が流れてくると、随所でいい音が聞こえてくるわけです。このいい音がニクいです。
耳を塞がない、ないしはイヤホンなりヘッドホンなりを付ける、外すの1アクションを省くことが出来るのはデカイかもしれないですね。耳も塞がないので、会話なんかも普通に出来ます。
ちなみに、これをかけた状態でスピーカー付近を覆ってみると、BOSEっぽい音が出てくるのも面白いですね。フラットと言っても実際にはちゃんとBOSEの特徴は受け継いでいる感じです。
問題は音漏れ、というか基本オープンイヤーではなく、フレームにスピーカーがついてるわけですから、電車で座ったときにちょっと聞こえてしまう感じはあるかもしません。また、繁華街や街道沿いなどを歩くと、音そのものが聞こえないということもちょいちょいあります。休日の秋葉原ではまず聞こえないレベルです。電車の中とかでも実際にはほとんど聞こえないです。まあ、外的要因に左右されるのはどうしようもないことではあるんですが、音を上げすぎても漏れるからダメ、小さい音だと聞こえないのでダメと、さじ加減が結構難しいです。
散歩で音楽を聞くとかは特に問題ないでしょうけど、そのままコンビニに行くと、コンビニのBGMのほうがデカイという現象も普通にあったりします。どうしたもんだろうかな。
コーデックはSBCとAAC。対応している端末では、ほぼAACが選択されます。好みですが、SBCでもAACでもそこまで気にするほどの音の違いはないです。気持ちAACのほうがBOSEっぽく聞こえるので、AACをベースに音質調整されてるのかもしれません。
バッテリー持ちは、やっぱり3.5時間連続再生と公証されていますが、本当にその時間ぐらいは連続再生出来てしまうというのが強いです。目安として、シン・ゴジラ(2時間)を見て、バッテリーが60%ぐらい消費という具合。待受だけなら13時間と書いてありますが、スリープ状態からの復帰もスムーズです。
唯一、めんどくさいのが、任意で電源を切る場合、スマホのアプリから接続を切るか、メガネをテーブルにひっくり返して2秒置くか、ボタンを2回押したあとに長押しをするというのが、意外と分かりづらいです。特にボタンは明確に表記されてないので、分からない人もいると思います。まあ、電源を入れたまま、放っておけば5分で勝手にスリープモードになるようです。(これもBose Connectで任意選択出来る)
あと、これを中古で売る人は、Bose Connectの接続履歴をしっかり消したほうがいいです。
どうも接続履歴が8台まで残るのですが、この履歴は本体側に残るようで、前の持ち主の接続先が表示されていました。明確な初期化方法も書いている時点では見つからないので、BOSEはアナウンスしたほうがいいんじゃないかと思います。
まとめ
ながら聞きにおいてこれ以上のガジェットはないが、そもそも人を選ぶアイテム
メガネとして使うのはどうかなと思ったんですけど、わざわざイヤホンを持ち歩かなくて済むだけでも、かなり大きいです。常時メガネをしていて、日に2時間ぐらい音楽を聞きたいという人には向いているとは思います。もちろんサングラスとして使うのにもいいですし、僕は電源が切れても、イヤイヤメガネで使う選択肢があるので、逃げ場なしといったところです。
あとは、バッテリーが弱くなってきたときに、バッテリー交換はしてもらえるかどうかになるんですが、まあその点はそこまで心配しなくてもいいかなと思います。
例えばの話、サーバー室に籠もって監視するようなお仕事の人はANCイヤホンのほうがいいと思いますが、普通の事務仕事で、コッソリ音楽を聞きたい人だったら、これはベストに近い選択肢だと思います。調子に乗って音量を上げすぎるとバレると思います。
あと、意外とここまで書いていませんでしたけど、一人でいるときに、ハンズフリーでしゃべるのには「あいつエア友と喋ってるよ」感が出ますけど、非常に快適です。
一方で、BOSEの看板が付いてるから、いい音がするといった概念はちょっとどこかにおいて置くべきかなと思います。音楽をガッツリ外で聞くとか、そういう用途でこれを購入すると、早々にがっかりします。
なので、かんたんに言ってしまうと、「タクシーでAMラジオが流れているのが好み」かどうか、あるいは「クリニックや美容室で流れているFMラジオが好み」かどうかぐらいのレベルで判断していいと思います。今は珍しいですけど、昔結構お店のBGMってラジオだったじゃないですか。あれぐらいの使い方で使っていくのが正しいのであって、電車での行き帰りや、繁華街の散策には別途イヤホンなりを用意したほうが、多分幸せになれます。
レビューを書く上で思ったのが、「BGMに対する価値観の共有」がどこまで出来るか?ということなんですけど、僕の中では、ラジオリスナーにはかなり刺さるけど、オーディオリスナーには刺さらないレベルの商品であり、そこに、普通のメガネの5倍近い価値観を求められるか?というのは、甚だ疑問ではあります。Radikoやポッドキャストメインなら、このサングラスが最適解という人もいると思います。でもストリーミングオーディオを聞くには多分適していない。いろいろなレビューで「日常にBGMを付けられるガジェット」扱いされていますが、本質は「日常のBGMをどうやったら苦労せずに聞くことが出来るか考えた結果、出来たガジェット」だと思います。本気でながら聞きを楽しむことが、日本社会でどこまで許されるのかということも踏まえると、やっぱり刺さる人にしか刺さらないニッチな商品だとは思いますが、その刺さる人にとっては、非常に代え難いものになるんじゃないかと思います。
これはガジェットとして面白いとか、サングラスやメガネとして使えるから実用的とか、そういう概念で買ってしまうと、割と後悔すると思います。
買って思ったのは、いい音でスキな音楽を聞きたいからこそ、イヤホンやヘッドホンをしたいのであって、別にRadikoはスマホスピーカーでも十分だけど、これは周りに音が出てしまうから、イヤイヤながらイヤホンをしていたのがわかりました。そして、付けたり外したりというアクションに、自分の中でそんな消極的なことだったのがわかったのが、一番の収穫だったかなと思います。
まあ、マネしないほうがいいです。選択肢が多くても、多分こういう使い分けをしたがるユーザーは非常に少ない。雑多でいいなら、普通のイヤホンのほうがより多くを与えてくれます。
おしまい
にわかに信じがたい、かけるだけで音が出てくるメガネの登場
ぶっちゃけ、最初は気に留めることなく「変なものを出してるな」ぐらいのレベルで見てました。事実、これはもう1年も前に発売されたモデルであり、大手メディアなり、アフィブロガーなりがもっと詳しく書いているでしょう。
ただ、なかなかこれと接触する機会がなかったのも事実で、そのときはとうとう2020年の9月に、ビックカメラのメガネコーナーに行ったことで実現します。
家電量販店のフロアというのは、結構うるさいのですが、掛けてみたところ、しっかりと音が出てるじゃないですかwで、友人には音が聞こえてない。これは画期的なメガネです。しかも、度付きレンズにすることが可能だという話を聞きました。
しかし、これは結構罠で、あくまでBOSEはサングラスとして使うことを想定しているため、レンズを交換することで、BOSEの保証がなくなるというものです。とはいえ、乱視である僕は、サングラスとしてこれをかけることで、おそらく視界がゼロになる可能性が高いであろうと思い、買うなら度付きレンズにしようと思っていました。ただ、そうそう出物があるわけもなければ、金額的にちょっと躊躇する値段だったので、これはそのうち買ってみようかなレベルでした。
が、まさか近くのハードオフに売ってたじゃないですかwwwしかも交換レンズ付き。まあ、安くはないですけど、ちょっと高いメガネフレームを買うと考えればいいじゃないかと思い、1日悩んで購入。
度付きレンズは同じく取り扱いがあって、持ち込み可能なJINSに度付きレンズの製作をお願いすることにしました。
今回は度付きレンズも入れて2,2万円(税込)。JINSのメガネは1本5,500円なので、4倍にはなるものの、16,500円はTWSイヤホンだと思えばいいかなとも思いました。
思ったより自然に使えるけど、用途に向く場所と向かない場所がある
さて、Rondoですけど、単純にハードオフで売ってたというのもあるんですが、基本的にALTOっぽいメガネをいつも作るので、「あいつが丸メガネをかけてるときは、なんか聞いてるとき」というイメージが作りやすいだろうと思って買いました。副産物ですが、メガネが多少下がっても、レンズが大きくなったため、普通に見えるので、あまり気にしないようになりました。
ただ、これはメガネとしての一般論で、コイツは掛け方により音の聞こえが変わってくるようなアイテムなので、「頻繁に直しているときは、なんか聞いてるとき」というイメージのほうが伝わりそうです。
音はBOSEっぽくないですが、いわゆるスピーカータイプのモデルなので、音はかなりフラットです。普通にRadikoとかを聞くぶんには全く問題ないですが、例えば普通に音楽を聞く場合とかは、さすがにイヤホンなりヘッドホンなりを使うほうがいいです。もうお気づきかと思いますけど、そもそもこのサングラスは、音楽を楽しむのではなく、適当にながら聞きをするのに適しているというわけです。ただ、ラジオでも曲が流れてくると、随所でいい音が聞こえてくるわけです。このいい音がニクいです。
耳を塞がない、ないしはイヤホンなりヘッドホンなりを付ける、外すの1アクションを省くことが出来るのはデカイかもしれないですね。耳も塞がないので、会話なんかも普通に出来ます。
ちなみに、これをかけた状態でスピーカー付近を覆ってみると、BOSEっぽい音が出てくるのも面白いですね。フラットと言っても実際にはちゃんとBOSEの特徴は受け継いでいる感じです。
問題は音漏れ、というか基本オープンイヤーではなく、フレームにスピーカーがついてるわけですから、電車で座ったときにちょっと聞こえてしまう感じはあるかもしません。また、繁華街や街道沿いなどを歩くと、音そのものが聞こえないということもちょいちょいあります。休日の秋葉原ではまず聞こえないレベルです。電車の中とかでも実際にはほとんど聞こえないです。まあ、外的要因に左右されるのはどうしようもないことではあるんですが、音を上げすぎても漏れるからダメ、小さい音だと聞こえないのでダメと、さじ加減が結構難しいです。
散歩で音楽を聞くとかは特に問題ないでしょうけど、そのままコンビニに行くと、コンビニのBGMのほうがデカイという現象も普通にあったりします。どうしたもんだろうかな。
コーデックはSBCとAAC。対応している端末では、ほぼAACが選択されます。好みですが、SBCでもAACでもそこまで気にするほどの音の違いはないです。気持ちAACのほうがBOSEっぽく聞こえるので、AACをベースに音質調整されてるのかもしれません。
バッテリー持ちは、やっぱり3.5時間連続再生と公証されていますが、本当にその時間ぐらいは連続再生出来てしまうというのが強いです。目安として、シン・ゴジラ(2時間)を見て、バッテリーが60%ぐらい消費という具合。待受だけなら13時間と書いてありますが、スリープ状態からの復帰もスムーズです。
唯一、めんどくさいのが、任意で電源を切る場合、スマホのアプリから接続を切るか、メガネをテーブルにひっくり返して2秒置くか、ボタンを2回押したあとに長押しをするというのが、意外と分かりづらいです。特にボタンは明確に表記されてないので、分からない人もいると思います。まあ、電源を入れたまま、放っておけば5分で勝手にスリープモードになるようです。(これもBose Connectで任意選択出来る)
あと、これを中古で売る人は、Bose Connectの接続履歴をしっかり消したほうがいいです。
どうも接続履歴が8台まで残るのですが、この履歴は本体側に残るようで、前の持ち主の接続先が表示されていました。明確な初期化方法も書いている時点では見つからないので、BOSEはアナウンスしたほうがいいんじゃないかと思います。
まとめ
ながら聞きにおいてこれ以上のガジェットはないが、そもそも人を選ぶアイテム
メガネとして使うのはどうかなと思ったんですけど、わざわざイヤホンを持ち歩かなくて済むだけでも、かなり大きいです。常時メガネをしていて、日に2時間ぐらい音楽を聞きたいという人には向いているとは思います。もちろんサングラスとして使うのにもいいですし、僕は電源が切れても、イヤイヤメガネで使う選択肢があるので、逃げ場なしといったところです。
あとは、バッテリーが弱くなってきたときに、バッテリー交換はしてもらえるかどうかになるんですが、まあその点はそこまで心配しなくてもいいかなと思います。
例えばの話、サーバー室に籠もって監視するようなお仕事の人はANCイヤホンのほうがいいと思いますが、普通の事務仕事で、コッソリ音楽を聞きたい人だったら、これはベストに近い選択肢だと思います。調子に乗って音量を上げすぎるとバレると思います。
あと、意外とここまで書いていませんでしたけど、一人でいるときに、ハンズフリーでしゃべるのには「あいつエア友と喋ってるよ」感が出ますけど、非常に快適です。
一方で、BOSEの看板が付いてるから、いい音がするといった概念はちょっとどこかにおいて置くべきかなと思います。音楽をガッツリ外で聞くとか、そういう用途でこれを購入すると、早々にがっかりします。
なので、かんたんに言ってしまうと、「タクシーでAMラジオが流れているのが好み」かどうか、あるいは「クリニックや美容室で流れているFMラジオが好み」かどうかぐらいのレベルで判断していいと思います。今は珍しいですけど、昔結構お店のBGMってラジオだったじゃないですか。あれぐらいの使い方で使っていくのが正しいのであって、電車での行き帰りや、繁華街の散策には別途イヤホンなりを用意したほうが、多分幸せになれます。
レビューを書く上で思ったのが、「BGMに対する価値観の共有」がどこまで出来るか?ということなんですけど、僕の中では、ラジオリスナーにはかなり刺さるけど、オーディオリスナーには刺さらないレベルの商品であり、そこに、普通のメガネの5倍近い価値観を求められるか?というのは、甚だ疑問ではあります。Radikoやポッドキャストメインなら、このサングラスが最適解という人もいると思います。でもストリーミングオーディオを聞くには多分適していない。いろいろなレビューで「日常にBGMを付けられるガジェット」扱いされていますが、本質は「日常のBGMをどうやったら苦労せずに聞くことが出来るか考えた結果、出来たガジェット」だと思います。本気でながら聞きを楽しむことが、日本社会でどこまで許されるのかということも踏まえると、やっぱり刺さる人にしか刺さらないニッチな商品だとは思いますが、その刺さる人にとっては、非常に代え難いものになるんじゃないかと思います。
これはガジェットとして面白いとか、サングラスやメガネとして使えるから実用的とか、そういう概念で買ってしまうと、割と後悔すると思います。
買って思ったのは、いい音でスキな音楽を聞きたいからこそ、イヤホンやヘッドホンをしたいのであって、別にRadikoはスマホスピーカーでも十分だけど、これは周りに音が出てしまうから、イヤイヤながらイヤホンをしていたのがわかりました。そして、付けたり外したりというアクションに、自分の中でそんな消極的なことだったのがわかったのが、一番の収穫だったかなと思います。
まあ、マネしないほうがいいです。選択肢が多くても、多分こういう使い分けをしたがるユーザーは非常に少ない。雑多でいいなら、普通のイヤホンのほうがより多くを与えてくれます。
おしまい