本当だったらもう少し書けるものがあるんでしょうけど、今回は再びオーディオ沼の一品、FiioのUTWS3をレビューしていきます。
未だに決定打に欠ける、MMCX接続タイプのTWSアダプタ
2018年の年末に発売されたTRN BT20を発端として、続くFOSTEX TM2を始めとしたMMCX接続タイプのTWSアダプタは、2020年に入って選択肢が増え、iBasso CF01、Shure RMCE-TW1、TRN BT20S/BT20 Proなどが発売されました。これらのモデルで、前者の2つがハイエンドにあたる価格、後者の2つはミドルエンドに近い価格と、ある程度の住み分けが出来ていました。
前者の2つは別にアンプチップを搭載し、高解像度のイヤホンでも十分音を出せるようになっており、それがそのまま価格に乗っているという感じです。まあ、TM2が3万することを考えると、第二世代としては十分に価格が下がったとは言えるものの、2万程度はしてしまうため、買うにはどうしてもためらいました。
一方、TRNのBT20シリーズは、その辺を考慮してチップ内蔵のアンプで出力していますが、こちらは国内入手となると価格が若干上乗せとなり、更に現在はProか、蟹チップのBT20しか入手出来ないのがややネックになっていました。
ただ、FOSTEX TM2と、これら4つのTWSアダプタには決定的な差があります。それがQCC3026とQCC3020の差です。Qualcommの公式発表によると、両者の差はチップサイズの大きさだけと言われており、QCC3026はいわゆる先発品、QCC3020は安定供給品というのが、ある程度広まっている見解だと思われます。
しかし、その間にQCCシリーズはもう1世代ほど進歩し、aptX Adaptive対応が主流となり、TWS向けには、QCC3040がメインストリーム、BTアンプやネックバンドタイプではQCC5124/5125へと移行しています。
枯れた技術の最新モデルは、当時の先進モデルが超えられるのか?
では、QCC3026のTM2持ちで、更にリケーブルまでしてしまっている人間が、UTWS3を買った理由ですけど、単純にセカンドロットの在庫が確保出来てしまったというだけでは動機が弱いので、もっともらしい理由をでっち上げてみます。
正直を言うと、もうすぐQCC3040を搭載したTWSアダプタはほぼ出るだろうし、BTアンプではQudelix-5Kを持っているし、更にネックバンドではないけど、ケーブル型のBGVP M2も持っているため、UTWS3を買う必要はまずないんです。さらに言えば、HiBy R6と有線バランス接続すれば、その辺の出る幕すらないわけで、本当に理由はないんですよ。
強いて、でっち上げ出来る理由は、アンプチップが明言されていて、TIの「TPA6140A2」を使っているという点。枯れたアンプチップですが、もうすでに性能を引き出すだけの年月は経っているのと、そこにほぼ2年経ったQCC3020という枯れたBTチップと組み合わせることで、ド定番なアイテムが出来たんじゃないかと思い、QCC302*世代はこれで終わりにしようと。いわば幕引きを託すだけのモデルとして買ってみたわけです。
ハイレベルな音質ではあるが、接続に難がある気もする
というわけで、構成としては、以下の写真の通り。
もうAKGはN5005もディスコンになっているはずなので、これかK3003がAKGのイヤホンでは最高峰だと思います。毎度言っておりますが、あらゆる音楽ジャンルやソースを聞くという点では、N40のほうが適していると思いますけど、音の解像度などは明らかにこちらのほうが上ですし、何より耳との相性がいいです。
親機は、XPERIA 1 II。LHDCとUATを除く、現行のBluetoothコーデックは搭載しています。
比較対象としては、
また、ソフトウェアによるイコライザはすべてなし、もしくはフラット設定とします。
まず、UTWS3の音の特性としては、まんべんなく出る。N5005の特性となる高音質の抜けもよく、低音域は他のアダプターに比べると、より強調されている感じがあります。また、かなり気になるのは、曲によっては中音域の音がくどい感じに聞こえる点です。イヤホン次第ですけど、この辺ががっちり合えば、唯一無二になるであろう感じはあります。
で、好みで言うとどうなのか、というと、その辺は少し変わってきます。
圧倒的に好みの音になるのは、1のQudelix-5Kです。これはDACにES9218Pをデュアルで搭載しており、もともとの音作りが好みなので当たり前ですね。次点が悩むところで、実はそれぞれに甲乙付けがたいところがあります。ちなみに最下位はDR-30です。これはQCC3034だけで鳴らしているため、単純に出力不足だからという点です。
じゃあ、2と4はというと、なぜかそれを感じないで、それぞれに個性があります。4のTM2はリケーブルしたせいもありますけど、中音域の抜けがよく、音の輪郭もはっきりするというのが特徴です。
TM2は単純に音圧が強く、逆に出口がショボいと、ショボい音にしかならない感じがあります。試しに2DDの中華イヤホンで鳴らすと、その音しか出ないです。これが5のUTWS3と違う点。TM2は出口が強ければ強いほどいい音が出てくるけど、UTWS3では出口のスペックは覆せるレベルではないけど、聞き難いほどにひどくならない音が鳴らせます。
つまり、こういう使い方でも、TM2以上にいい音が聞こえるというのがポイントです。
そういう意味で、ハマれば強いのは両方とも同じなのですが、守備範囲が広いのがUTWS3、活かせる環境を整えると他を圧倒できるのがTM2という感じですかね。ゆえ、TM2がファーストチョイスから外れる人が多いのも、なんとなく理由付け出来る気がします。
最後に2のM2がこの2つとタメを張れるのは、どこまでもフラットで、上から下までまんべんなく平均的に鳴らせる点です。TM2やUTWS3を使った後だと物足りない感じは否めないのですが、一方で長時間聞いていても、聴き疲れしないというのが大きな特徴です。N5005はもともと音の出方が、上から下まで食傷気味になるぐらいに緻密な音を出すイヤホンですが、TM2もUTW3もそこに味付けをするので、長時間聞いていると疲れる感じがあります。良くも悪くも、BTアダプタ以上のことをしないし、QCC5125の性能以上のことをしない。音圧感があって、聴き疲れしないという矛盾が、なぜか出来てしまっている。そこに強みがあります。この辺は、もしかするとaptX AdaptiveコーデックのビットレートとaptX TWS+のビットレートの差で、TWS+のほうが1基当たりの情報量が多いゆえなのかもしれない。
では、接続性はどうか?というと、不思議と2のM2がまず途切れない。途切れないという凄さですよね。通勤時間がピークからやや外れているとはいえ、山手線でもM2で途切れる場面には未だに会ってないです。
次が4のTM2。これは最新ファーム(Ver.3.2)適用後に、劇的とは行かないまでも、途切れにくくなりました。発売当初の悲惨な接続性からすると、TWS+とファーム改良の結果が着実に出ています。
1のQudelix-5KはLDACだからしょうがないというのもありますけど、意外に音が途切れる場面があります。周りの干渉にも弱い感じはありますね。送受信場所さえ固定出来れば問題ないですけど、そういう場面は長距離移動しかないですよね。
それほど変わらないのが4のUTWS3。TM2とほぼ同じ構成、アンテナの向きとかサイズとかの違いなのか分からないですけど、QCC3020を使っていて、ノウハウもそれなりに持ってるFiioなので、ファームアップで対応出来るんじゃないかと思います。
3のDR-30は、何がダメなんでしょうね。ちゃんとしたメーカーじゃないということを差し引いても、aptX HDがLDACと真っ向勝負して廃れたのは、この辺りに問題があったと思うんですよね。結果としてTWS+やaptX Adaptive、Snapdragon Audioへ還元されたと考えれば、存在意義は十分あったとは思います。
何度も言ってますけど、TM2のケースがもう少し小さいなら実用的かなと思うんで、そういう点では、UTWS3は許容範囲ではあります。そういう意味では、過去モデルよりはずっとマシにはなったけど、現状は発展途上であるということですね。
専用アプリによるボリュームコントロールだけでも価値はあるか
一方で、それならばイコライザで好みの音に合わせればいいじゃない、という話も当然出ます。
現状、Fiio Controlというアプリで、このUTWS3でまともに使える機能は、実はこのボリュームコントロールとマイク音量コントロール、左右バランスの調整だけです。ボリュームコントロールが26段階あり、スマホの音量コントロールはだいたい10段階なので、よほど特殊なイヤホンを使わない限りは、ほぼ理想の音量に出来るんじゃないかと思います。
イコライザは使えるけど、プリセットのものしか使えないという状況です。BTアンプなんかはカスタム出来るのかな。まあ、FOSTEXが2年近く掛かったわけですから、ここは気長に待つのがいいのかな。
あとは、スマホ側やプレイヤーアプリのサウンドエフェクトをいじるという手もあります。例えばXPERIA 1 IIにはDolby Atmosが付いていて、Bluetoothでも適用出来ます。ただ、こういうのが製品の個性を殺してしまう行為なので、ジレンマに陥りますね。好みを取るか、個性を取るか。
まとめ、現時点で購入出来る、コストパフォーマンスのバランスに即した製品
というわけで、まだファームの改善も必要ですし、アプリもUTWS3で使うには不十分という状況ではありますが、1万そこそこでこれが買えてしまうというのは、ちょっと異常かなとも思います。ある意味枯れたチップを使ったからこそ出せた製品なのかな。現時点で、QCC3020搭載なのはやっぱり気になるポイントではあります。どうしても、そこが気になってしまうんですよね。
今のTWSイヤホンのトレンドは、ANCやaptX Adaptive、Qi内蔵ケースなど、また独自の流れになっています。あくまで手軽で、そこそこというのが悪いとは思わないですけど、中華TWSイヤホンのように複数のハイブリッドドライバーを搭載したモデルも出ているわけで、多少の稼働時間を捨てて、音質側に振り切った高級モデルが出るのも時間の問題ではあると思います。ただ、その時間がどれぐらいかは、やっぱり読めないところがあります。その間を埋める時間として、MMCX接続(2pin接続版も発売されたけど)で、気に入ったイヤホンを持っていて、それをTWSイヤホン化したい、というニッチな要求には、十分応えてくれる製品です。
SBCとかAACで接続性がよくなるとは到底思えないですけど、TWS+が使えるスマホじゃないと本領発揮は出来ないのが、一つネックとなります。そこを許容出来れば、十分に買う価値はあると思います。
おしまい
未だに決定打に欠ける、MMCX接続タイプのTWSアダプタ
2018年の年末に発売されたTRN BT20を発端として、続くFOSTEX TM2を始めとしたMMCX接続タイプのTWSアダプタは、2020年に入って選択肢が増え、iBasso CF01、Shure RMCE-TW1、TRN BT20S/BT20 Proなどが発売されました。これらのモデルで、前者の2つがハイエンドにあたる価格、後者の2つはミドルエンドに近い価格と、ある程度の住み分けが出来ていました。
前者の2つは別にアンプチップを搭載し、高解像度のイヤホンでも十分音を出せるようになっており、それがそのまま価格に乗っているという感じです。まあ、TM2が3万することを考えると、第二世代としては十分に価格が下がったとは言えるものの、2万程度はしてしまうため、買うにはどうしてもためらいました。
一方、TRNのBT20シリーズは、その辺を考慮してチップ内蔵のアンプで出力していますが、こちらは国内入手となると価格が若干上乗せとなり、更に現在はProか、蟹チップのBT20しか入手出来ないのがややネックになっていました。
ただ、FOSTEX TM2と、これら4つのTWSアダプタには決定的な差があります。それがQCC3026とQCC3020の差です。Qualcommの公式発表によると、両者の差はチップサイズの大きさだけと言われており、QCC3026はいわゆる先発品、QCC3020は安定供給品というのが、ある程度広まっている見解だと思われます。
しかし、その間にQCCシリーズはもう1世代ほど進歩し、aptX Adaptive対応が主流となり、TWS向けには、QCC3040がメインストリーム、BTアンプやネックバンドタイプではQCC5124/5125へと移行しています。
枯れた技術の最新モデルは、当時の先進モデルが超えられるのか?
では、QCC3026のTM2持ちで、更にリケーブルまでしてしまっている人間が、UTWS3を買った理由ですけど、単純にセカンドロットの在庫が確保出来てしまったというだけでは動機が弱いので、もっともらしい理由をでっち上げてみます。
正直を言うと、もうすぐQCC3040を搭載したTWSアダプタはほぼ出るだろうし、BTアンプではQudelix-5Kを持っているし、更にネックバンドではないけど、ケーブル型のBGVP M2も持っているため、UTWS3を買う必要はまずないんです。さらに言えば、HiBy R6と有線バランス接続すれば、その辺の出る幕すらないわけで、本当に理由はないんですよ。
強いて、でっち上げ出来る理由は、アンプチップが明言されていて、TIの「TPA6140A2」を使っているという点。枯れたアンプチップですが、もうすでに性能を引き出すだけの年月は経っているのと、そこにほぼ2年経ったQCC3020という枯れたBTチップと組み合わせることで、ド定番なアイテムが出来たんじゃないかと思い、QCC302*世代はこれで終わりにしようと。いわば幕引きを託すだけのモデルとして買ってみたわけです。
ハイレベルな音質ではあるが、接続に難がある気もする
というわけで、構成としては、以下の写真の通り。
もうAKGはN5005もディスコンになっているはずなので、これかK3003がAKGのイヤホンでは最高峰だと思います。毎度言っておりますが、あらゆる音楽ジャンルやソースを聞くという点では、N40のほうが適していると思いますけど、音の解像度などは明らかにこちらのほうが上ですし、何より耳との相性がいいです。
親機は、XPERIA 1 II。LHDCとUATを除く、現行のBluetoothコーデックは搭載しています。
比較対象としては、
- Qudelix-5K(QCC5124)+CE120-2.5e ※LDAC接続
- BGVP M2(QCC5125) ※aptX Adaptive接続
- DR-30(QCC3034) ※aptX HD接続
- FOSTEX TM2+TM2 Meridian(QCC3026) ※aptX TWS+接続
- Fiio UTWS3(QCC3020) ※aptX TWS+接続
また、ソフトウェアによるイコライザはすべてなし、もしくはフラット設定とします。
まず、UTWS3の音の特性としては、まんべんなく出る。N5005の特性となる高音質の抜けもよく、低音域は他のアダプターに比べると、より強調されている感じがあります。また、かなり気になるのは、曲によっては中音域の音がくどい感じに聞こえる点です。イヤホン次第ですけど、この辺ががっちり合えば、唯一無二になるであろう感じはあります。
で、好みで言うとどうなのか、というと、その辺は少し変わってきます。
圧倒的に好みの音になるのは、1のQudelix-5Kです。これはDACにES9218Pをデュアルで搭載しており、もともとの音作りが好みなので当たり前ですね。次点が悩むところで、実はそれぞれに甲乙付けがたいところがあります。ちなみに最下位はDR-30です。これはQCC3034だけで鳴らしているため、単純に出力不足だからという点です。
じゃあ、2と4はというと、なぜかそれを感じないで、それぞれに個性があります。4のTM2はリケーブルしたせいもありますけど、中音域の抜けがよく、音の輪郭もはっきりするというのが特徴です。
TM2は単純に音圧が強く、逆に出口がショボいと、ショボい音にしかならない感じがあります。試しに2DDの中華イヤホンで鳴らすと、その音しか出ないです。これが5のUTWS3と違う点。TM2は出口が強ければ強いほどいい音が出てくるけど、UTWS3では出口のスペックは覆せるレベルではないけど、聞き難いほどにひどくならない音が鳴らせます。
つまり、こういう使い方でも、TM2以上にいい音が聞こえるというのがポイントです。
そういう意味で、ハマれば強いのは両方とも同じなのですが、守備範囲が広いのがUTWS3、活かせる環境を整えると他を圧倒できるのがTM2という感じですかね。ゆえ、TM2がファーストチョイスから外れる人が多いのも、なんとなく理由付け出来る気がします。
最後に2のM2がこの2つとタメを張れるのは、どこまでもフラットで、上から下までまんべんなく平均的に鳴らせる点です。TM2やUTWS3を使った後だと物足りない感じは否めないのですが、一方で長時間聞いていても、聴き疲れしないというのが大きな特徴です。N5005はもともと音の出方が、上から下まで食傷気味になるぐらいに緻密な音を出すイヤホンですが、TM2もUTW3もそこに味付けをするので、長時間聞いていると疲れる感じがあります。良くも悪くも、BTアダプタ以上のことをしないし、QCC5125の性能以上のことをしない。音圧感があって、聴き疲れしないという矛盾が、なぜか出来てしまっている。そこに強みがあります。この辺は、もしかするとaptX AdaptiveコーデックのビットレートとaptX TWS+のビットレートの差で、TWS+のほうが1基当たりの情報量が多いゆえなのかもしれない。
では、接続性はどうか?というと、不思議と2のM2がまず途切れない。途切れないという凄さですよね。通勤時間がピークからやや外れているとはいえ、山手線でもM2で途切れる場面には未だに会ってないです。
次が4のTM2。これは最新ファーム(Ver.3.2)適用後に、劇的とは行かないまでも、途切れにくくなりました。発売当初の悲惨な接続性からすると、TWS+とファーム改良の結果が着実に出ています。
1のQudelix-5KはLDACだからしょうがないというのもありますけど、意外に音が途切れる場面があります。周りの干渉にも弱い感じはありますね。送受信場所さえ固定出来れば問題ないですけど、そういう場面は長距離移動しかないですよね。
それほど変わらないのが4のUTWS3。TM2とほぼ同じ構成、アンテナの向きとかサイズとかの違いなのか分からないですけど、QCC3020を使っていて、ノウハウもそれなりに持ってるFiioなので、ファームアップで対応出来るんじゃないかと思います。
3のDR-30は、何がダメなんでしょうね。ちゃんとしたメーカーじゃないということを差し引いても、aptX HDがLDACと真っ向勝負して廃れたのは、この辺りに問題があったと思うんですよね。結果としてTWS+やaptX Adaptive、Snapdragon Audioへ還元されたと考えれば、存在意義は十分あったとは思います。
何度も言ってますけど、TM2のケースがもう少し小さいなら実用的かなと思うんで、そういう点では、UTWS3は許容範囲ではあります。そういう意味では、過去モデルよりはずっとマシにはなったけど、現状は発展途上であるということですね。
専用アプリによるボリュームコントロールだけでも価値はあるか
一方で、それならばイコライザで好みの音に合わせればいいじゃない、という話も当然出ます。
現状、Fiio Controlというアプリで、このUTWS3でまともに使える機能は、実はこのボリュームコントロールとマイク音量コントロール、左右バランスの調整だけです。ボリュームコントロールが26段階あり、スマホの音量コントロールはだいたい10段階なので、よほど特殊なイヤホンを使わない限りは、ほぼ理想の音量に出来るんじゃないかと思います。
イコライザは使えるけど、プリセットのものしか使えないという状況です。BTアンプなんかはカスタム出来るのかな。まあ、FOSTEXが2年近く掛かったわけですから、ここは気長に待つのがいいのかな。
あとは、スマホ側やプレイヤーアプリのサウンドエフェクトをいじるという手もあります。例えばXPERIA 1 IIにはDolby Atmosが付いていて、Bluetoothでも適用出来ます。ただ、こういうのが製品の個性を殺してしまう行為なので、ジレンマに陥りますね。好みを取るか、個性を取るか。
まとめ、現時点で購入出来る、コストパフォーマンスのバランスに即した製品
というわけで、まだファームの改善も必要ですし、アプリもUTWS3で使うには不十分という状況ではありますが、1万そこそこでこれが買えてしまうというのは、ちょっと異常かなとも思います。ある意味枯れたチップを使ったからこそ出せた製品なのかな。現時点で、QCC3020搭載なのはやっぱり気になるポイントではあります。どうしても、そこが気になってしまうんですよね。
今のTWSイヤホンのトレンドは、ANCやaptX Adaptive、Qi内蔵ケースなど、また独自の流れになっています。あくまで手軽で、そこそこというのが悪いとは思わないですけど、中華TWSイヤホンのように複数のハイブリッドドライバーを搭載したモデルも出ているわけで、多少の稼働時間を捨てて、音質側に振り切った高級モデルが出るのも時間の問題ではあると思います。ただ、その時間がどれぐらいかは、やっぱり読めないところがあります。その間を埋める時間として、MMCX接続(2pin接続版も発売されたけど)で、気に入ったイヤホンを持っていて、それをTWSイヤホン化したい、というニッチな要求には、十分応えてくれる製品です。
SBCとかAACで接続性がよくなるとは到底思えないですけど、TWS+が使えるスマホじゃないと本領発揮は出来ないのが、一つネックとなります。そこを許容出来れば、十分に買う価値はあると思います。
おしまい