あるさんのレビューblog

買ったものをレビューするページです。 読み物blogは「日常のblog」よりどうぞ。

カテゴリ: PCのレビュー

今回は、久々にPCです。Lenovo ThinkPad X1 Extreme Gen4のご紹介です。
20220126_233017~2 (1)

グラフィック性能か、ストレージ容量か、二者択一を迫るスペック構成
まずは購入の理由なんだけど、これは単純にもうThinkPad P1 Gen2が2年使って、分割支払いを完済したので、購入しました。今回は無理せず48回で買っています。OSが4年後に変わったとしても、まあ対応可能じゃないかなというのが、その大きな理由です。とはいえ、近年のPCのスペックの鈍化によって、P1 Gen2でも特に不満のないレベルで使えてしまうし、強いて言えば3Dゲームなんだけど、それもP1ではQuadro T1000(=GeForce GTX1650 MAX-Q相当)であり、軽いゲームなら問題ないレベル。特に買い換える必要性はあまりなかったとも言えます。
一応、i7-9750Hは6コア12スレット処理、一方のi7-11800Hは8コア16スレットと物理コア数で上回っていることもあり、これはこれで面白いです。めったにやらないんだけど、エンコードとかでは9750HはU系のCPUに比べると雲泥の差だっただけに、更にコア数が増えたこのPCでは、その辺は期待が持てます。

さて、このPCを買うに当たり、まずグラフィック性能を選ぶか、それともストレージ容量を選ぶかの二者択一を迫られるということになります。どういうことかというと、このPCはヒートシンク形状が3つあり、グラフィックなしのヒートシンク、RTX3050Tiのヒートシンクと、RTX3060以上のグラフィックチップ搭載型からのヒートシンクで形状が異なり、特に後者ではメーカー公称でSSDの2スロット目が使えないということも明記されています。買うのに最初に悩んだのはそこで、別にストレージ1TBで済ませることは可能だと思うけど、P1では1.5TB(システム500GB+データ1TB)搭載していたゆえ、今回も分けたいということもあり、そちらを重要点として捉えました。従って、構成はおそらくこれを購入するユーザーの中では、かなり大人しいスペックではあります。
とは言えど、SO-DIMMが2スロット、M.2が2スロットというP1からの構成をそのまま引き継げるので、最初からほぼメモリやストレージはほぼ上限に近い状態です。

簡単なスペック
CPU:Core i7-11800H
メモリ:8GB PC4-3200→64GB PC4-2666
SSD:256GB→システム1TB+データ1TB(合計2TB)
WQXGA(3840x2400)16インチ液晶/GeForce RTX 3050Ti(4GB/735MHz)
Windows 10 Home→Pro(既存シリアルを転用)
重量 1.8Kg

結局のところ、サーマルスロットリングがどこで掛かるか分からないので、WQXGA構成で、CPUやグラフィックは必要最低限という選択肢をとり、その代わりにメモリとストレージに割り振った形で、高いレベルでバランスの整ったいいPCに仕上げています。
なお、恒例の純正メモリはハイニックス、SSDはキオクシアとなっていました。

メモリはCPUスペック上128GBまで。もっとも、1モジュールで64GBというのは見たことがないので、まだ先の話か、あるいはECC付きしかなさそうです。あとゲーミングPCだったら、メモリクロックを気にする必要もあるんだろうけど、P1の流用なので、こんなところに落ち着きました。(ちなみに2020年の年末あたり、アマゾンで一時期32GBのSO-DIMMはジャスト1万円ぐらいまで落ちたことがあったので、そこで2枚買ってます)パフォーマンス低下はあるんでしょうけど、まあ、その辺は実用レベルで問題ないので、特に変えることもないと思います。SSDに関してはもっと大容量のモデルが徐々に下がる感じでしょうか。2TBが15Kぐらいになると、ようやくまとめられる感じはするんですけどね。

今回より有線LANのオプションがありません。素直にUSBで拡張する形です。ポートは左にTB4兼用のtype-Cが2ポート、右にUSB-Aが2ポート。それだけでも十分拡張性はあります。更にフルサイズのSDカードリーダー、HDMIなどがポートに並びます。
ACアダプターは専用となっていて、基本的には170Wを使用するということになります。個人的には135Wでもそれほど問題にはならないという感じはします。CPUが45W、GPUが45W、システムに45W割り当てても問題はないと思うのですが、多分、ピーク時の電力供給の担保の観点で、170Wが採用されているようです。

ちなみに、グラフィックチップなし、Intel UHDオンリーという、ハイエンドPCにしてはなかなか挑戦的な構成も可能で、そちらは135WのACアダプターを採用しているとのことです。
また、最上位となるi9-11950H+RTX3080を選択すると、230Wという小型のデスクトップPCより消費電力が大きそうなPCが登場します。ノートにする意味も考えちゃいますけどね。


あとは、個人的には懐かしいと感じるキーボード横のスピーカー。うーん、個人的にはP1のほうが好み。一応Dolby Atmosのロゴまで筐体に入っているんですけどね。悪くないけどいいと思えるほどでもないというのが正直な感想です。

重さは前回のP1より若干重い1.8Kgですが、重さはそこまで感じないです。

ファンの音ですけど、これはP1比較で5割増しぐらいうるさいです。TVの音を付けていてうるさいと感じるレベルです。ピーク時はこれが凄まじい音で回ります。まあ、ゲーミングPCと考えると、そこまでの問題ではないんでしょうけど、たしかにThinkPadでこれじゃあ台無しと感じるユーザーは多いかもしれません。
極端にファンが全開になることが少ないので、そこでプラマイゼロにはなると思いますけど、P1では聞いたことのないような轟音、自作PCでもなかなかここまで音が出ることはないだろうなと思います。

GPU
グラフィックはGeForce RTX 3050Ti(Laptop)。GPUクロックを見る限り、45W版だと思うんですけど、もう普通にやってるゲームは全く不自由はないですね。

今回もキーボードには違和感。しかし、進化は見える。
ハイエンドThinkPadらしく、キーボードはやはり重要な点であります。
P1 Gen2と違うなと感じたのは、限りなくX1 Carbonに近い打ち心地であり、いわゆるバチバチと打てるEシリーズやXシリーズと違い、X1 Carbonの低騒音タイプになった感じはします。これは個人的に進歩かなと思います。ただ、明らかにキーストロークが短い感じはする。
ただ、個人的なうち心地をは、2年の慣れもあり、P1のほうが好みかなと思いつつ、仕事ではX1 Carbon(6th)を使っているので、ほぼ変わらない打ち心地になっているかなとは思います。気分が上がってくるのは、意外にX1 Extremeかもしれない。

ThinkPadはその世代によって結構変わってくるので、案外古いほうがいいときのほうが多いと思うんですけど、それでも悪くないと感じてしまうのは、いつの時代であっても、ThinkPadのキーボードへのこだわりからなのかなと思いますね。

燃費は劇的改善?意外と持つバッテリー駆動
バッテリーに関しては、液晶明るさ60%、GPU使用なしで5~6時間は平気で持ちます。モバイルワークステーションの類いは、ACありきで作られてる感じがありますけど、そんなことはなく、ちょっとしたワーキングPCとしても使うことは多分出来ると思います。
今回はi5という選択肢がなかったゆえ、i7の一番グレードの低い11800Hを選んでいますけど、UHD Graphics 750なら、普通の使用ならまず負荷なく使っていられるものになっていると思います。ここで結構バッテリー駆動時間が稼げているのかなと思います。


まとめ、カタログスペック上はGT-Rにもちょい乗りスカイラインにもなる幅広い構成
ThinkPad現ラインナップで間違いなくスリムワークステーションの最高峰

サーマルスロットリングのことを考えなければ、i9-11950H+RTX3080+メモリ64GB+2TBSSD+WQXGA液晶なんて構成も組めます。しかし、価格は驚きの67万と、RTX3080搭載モデルとしては異常な価格となります。
現状で一番安いとされる11850H+UHDですら、20万以上します。あまり現実的ではない構成なので、その点では、僕の買った11800H+RTX3050Tiがベーシックモデルとなります。48回で月5000円ぐらいと考えてください。更に結果的には流用出来たものの、メモリ64GBとSSD1TBが2枚を別換算すると、安く仕上げるだけでも、普通に30万近くになります。
1筐体でグラフィックチップが5種類も選べるPCというのは、あまり類を見ないですが、その分、必要なスペックを選ぶことで、GT-Rにもスカイラインにもなる、懐の深さのあるPCであると思います。

ゲーミングノートとして見れば、明らかに高い価格ではあります。MSIとかASUSあたりなら、おそらく10万は安く仕上げることも出来ると思います。(開封しちゃうので保証はどうなるか)

じゃあ、なんでこんな高いPCを買ったの?って話になると、やっぱりThinkPadが好きであるのと、無理をして入手をすることで、得られる経験をP1で知ってしまったこと、快適に使える環境をそのまま移行するには、このPCしか選択肢がなかったことなど、様々な要因があります。
せめて好きなデバイスぐらい好きなモノを使おうぜ的なノリなだけで、そういう意味でこれは向こう4年の主力を担うべきPCかなって思っています。まあ、もっともP1も手元に残す気満々なので、似たようなPCが2台ある状況にはなるのかなとは思います。

最大の問題点は、これを見られる家電量販店が存在しないため、どうしてもWebの情報だけに頼る必要があることです。かつて置いてあったアキバヨドバシのLenovo派遣さんに聞いたところ、Gen1が梅田ヨドバシにあるらしいという情報は1月時点で聞いていますが、Gen4は展示予定すらないとのこと。
P1Gen2を買ったときはまだ実機があったのでなんとなくインスピレーションは掴めたんですけど、今はそれも出来ないということになります。まして筐体を一新したわけなので、どこかで展示してもらえないだろうかと思うばかりです。

特に尖ったところもない、いうなればただ高いだけのThinkPadです。でも、スペックがスペシャルな1台に仕立ててしまっています。きっと、価値に見合うだけの体験が色々出来ると思うし、何より所有欲が半端なく満たされるのは、こういう業界にいるととても嬉しくなります。ぜひ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、注文してみてはいかがでしょうか。(この辺に自重を混ぜておく)





おしまい

今回は、正真正銘のハイエンドタブレットPCである、iPad Pro 2021のご紹介です。

20210621_235638~2


とにかくデカイ。もはやタブレットではなく、PCだ。

Appleは、時々恐ろしいことをするメーカーです。
現役のノートPCで使用されているSoCをそのままタブレットに搭載するという発想は、最近ではSurfaceなんかがあります。ただ、表向きはWindows専用のCPUではなく、汎用のx86プロセッサーであり、ARMアーキテクチャーと基本設計も違えば、用途も違う、というわけで、住み分けが出来ていました。
Appleの究極の目的は、自社内SoCを利用し、同じくiOSやiPadOSなどを統合化し、スマホから27インチiMacまで、まるで同じ操作感を実現しようとするところにあります。いわばその最初のモデルが、M1搭載のMacbook Airや、Macbook Pro、Mac mini、そしてiMacだったわけですけど、これに加わる形で登場したのが、今回のiPad Pro 2021です。

今回のiPad Proで初めてAppleがタブレットのスペックで触れた箇所があります。それがメインメモリです。今までは外部ソフトなどでしか閲覧することが出来なかった部分でしたが、このiPad Proは8GB/16GB(ストレージ1TB以上)という、ちょっとしたPCでも到達できないスペックとなっています。
Windows10を快適に動作させるには16GB以上は欲しいとよくいいますけど、Appleのデバイスは専用OSだからこそ、今まで必要最低限のメインメモリしか搭載してこなかったわけで、そこを明らかにすることで、PCの範囲まで入り込もうという魂胆が見えるのが、このiPad Proです。

Macbook Airを上回る価格帯、クラムシェルタイプであればMacbook Proを買えばいいし、タブレットタイプならiPad Proを買えばいい。今まではAシリーズのSoCを搭載していたことで、それぞれの領域を分けていた、なんちゃってProな時代はもう終わりと言わんばかりです。MacOSとiPad OSの違いは大きいですが、それでも同じ土俵に立たせることにしたAppleの意欲には、ただただ感服します。そして、それが押し売りにも見えるから気に食わない。

20210619_202130~2 (1)
正直、下のバーにだけソフトをぶっこんで足りてしまうという現実もさることながら、ハイエンドスマホを使っている人間からしたら、これをどうやって使うべきなのだろうと、入手してから考える日々です。今回はドコモ版の8GB/256GBを購入。36回で支払いますけど、同じ36回なら別のThinkPadでも買ったほうがよほど良さそうな気がしてならないのですよね。(おそらく、現行のX1 Carbonの即納品ぐらいの価格にはなるはず)

液晶がしっかり暗くなる。これが高級タブレットの証。
ます、液晶の綺麗さに..別に驚きはないです。これはThinkPad P1のAdobe RGB100% 4K液晶を見ていると、色味がほぼ一緒に感じます。フィルムをペーパーライクのアンチグレアにしていることも差し引いても、有機ELやハイエンドIPS液晶と見分けがつかないレベルで、黒を黒く表示出来るというのは、さすがともいうべきです。
スマホもそうなんですけど、もうRGBがきちんと表示出来るのは当たり前であり、AQUOSやGALAXYが目指しているコントラストの異様さに比べれば、変な感じの色味ではないんですよね。そのさじ加減が非常にうまいのだろうと思います。XPERIAに足りないのは、徹底したプロスペックじゃなくて、若干のあそびを生ませるだけの隙なのかもしれないと、プロスペックのiPad Proを持って見て思う。

そしてバックライトを下げていくと、しっかり暗くなるんです。ぼやっと表示されてるなって感じに映るのは、特に夜、寝る前に使うのにいいです。最近のスマホやタブレットの輝度って、落とし切ってもそこそこ明るくて、普通に使える、照らせるレベルなんです。それを考慮すると、「Liquid Retina XDR液晶」という大層な名前の付いた液晶に見劣りはしないかなと思います。


PCのディスプレイでプレイする、プリコネやデレステ
まあ、詳しい人ならできますけど、iPadOSは所詮iOSですから、スマホゲーのインストールは普通に出来てしまうわけです。というわけで、iPhoneで普段からやっているデレステ、プリコネ、あとはブラウザゲーですがenzaのシャニマスを普通にインストールしてプレイします。
デレステのみPC版はなく、プリコネはDMM版、enzaはブラウザゲーのため、ほとんどの環境で動作すると思いますが、デレステはBluestacksのようなエミュレータではなく、ネイティブで動作させています。ARMアーキテクチャーの真骨頂です。多分ウマ娘とかも絶望的に快適なんだろうなあ。
とにかくストレスというストレスがない。もう、ただPCの画面をタッチするだけでプレイできるというのは、非常にストレスレスです。OSの違いもあるんですけど、Androidのタブレットってコンマ数秒のリードタイムがストレスになったり、Windowsだとそれが当たり前のように人生の半分以上を過ごしてきているわけで、そこがほぼゼロになるという世界は、ちょっと異常な気がします。

当然、音もリッチ。普通スピーカーを4つも使ってコンテンツを見るなんてこともしないので、その点は概ね満足ですね。欲を言えばもう少し低音が出て欲しかった。あと、忘れてましたけどイヤホンジャックがないですよね。もちろんあればいいんですけど、この辺は気にしなくてもいい時代なのかな。

DTCP-IPやDRMに対応したソフトも数多く、さらには画面分割などを駆使すれば、マルチタスクで色々つかえるタブレットになりそうです。大きい画面なんだから、そうするべきなんでしょうけどね。


タブレットが約700g、ウルトラハイエンドゆえの苦悩
確かにこれだけのスペックがあればPCもいらないかなと思えるレベル。最近家では生活リズムとかが変わってきた感じもあって、PCを使う時間よりスマホをいじっている時間のほうが長いんじゃないかと思うんですけど、確かにキーボードさえあって、ファイル共有なんかができれば、もう十分にPCでやっていることはこなせてしまうだろうと思うんですよね。
しかし、まあ知ってのとおり、13インチをタブレットと呼ぶのが正しいのか?というのは疑問です。というか、これはタブレットの重さではないです。684g(5G+WiFi)というのは、キーボードを足せば約1キロ。ほぼ、X1 Carbonと同じ重さということになります。また、結構いいケース買ってるので、重さは結構あるんですけど、果たして、これをモバイルするほうがいいのか、それともX1 Carbonを持ち歩くのがいいのか。ちょっと悩む感じありますね。同じtype-Cで45W程度のACアダプターが必要なら、やっぱり20W程度でも充電できちゃうので、モバイルバッテリーで充電出来る分、仕方無しにiPadのほうがいいのかなって感じです。
キーボードはThinkPadワイヤレストラックポイントキーボードがあるので、少なくともモバイル環境でもそれほど活動が制限される感じはないだろうし、むしろ困るのはそのサイズだと思います。

例えば4人ぐらいでわちゃわちゃとアイディアを書き込むCMなんか見ますけど、まさにあれが出来るサイズの液晶なんですよね。当然スタバでドヤれるサイズですけど、無骨すぎるところもある。
毎回気になっているのは、ここでApple Pencil、Crayon、静電式ペンを3つ共存させられるのか?という疑問ですけど、Apple Pencilと静電式ペンの2本は問題なさそうです。Apple PencilとCrayonはどちらかしか認識しないというのがネックで、廉価帯だから適当な筆圧のCrayon、対して線の細いApple Pencilという印象。CrayonユーザーがApple Pencilに移行する時に、書き心地よりも線の細さのほうが問題かなって思います。一応、太さを太くすることで解決は出来ているんですけど、まあ、それが許されるのかどうかという点はありますけどね。
手書きをテキストに出力できるソフトの精度がどれぐらいかによるんですけど、それをクラウド経由でPCとデータ共有できれば、メモ帳やお絵かき図代わりには出来ると思うんですよね。


まとめ、もはや常人が扱いきれない、過ぎたオーパーツ
素直に、とんでもないものを世に出したなというのが第一印象でしたけど、いざ買って使ってみると、タブレットの形をした、ハイエンドPCとしか思えなくなってしまった感じです。どうしてもblogを書くという作業が必要なので、キーボードが必須になるわけですけど、これでOfficeのライセンスを買って、SMBサーバーにアクセス出来ちゃえば、実際もうPCとして使えるレベルにあるんです。普通の用途ならもうクラムシェル型にこだわる必要はまったくないし、そういう意味で、ほぼ同じ価格で売っているPCは、iPad Proに駆逐されても仕方がないだろうと思います。

あまりに無限の可能性がありすぎる。その気になれば4K動画のエンコードなんかもできちゃうわけなんですけど、タブレットにそれだけの性能が必要なのか?大半の人はこれをオーパーツ化してしまうだろうと思うんですよね。僕もそうですけど、性能の10%も使えていれば上等ですよw
いわゆるお手軽なiPadじゃないんです。でもプロユースであるかというと、プロはMacBook Proとかを使うだろうなという感じがします。フェラーリでコンビニに行くようなものですよね。

なので、使う方の使い方を改めていく必要があるのかな。出来ることから変えていくだけでも、僕は十分なのかなとは思うんですけど、いっそWindowsのPCを捨てるぐらいドラスティックなことをしてでも、これ1台でなんとかしてしまうようなことが出来る可能性を秘めているんじゃないかと思います。
少なくとも、よりコンセプトが明確なSurfaceのほうが、日本人には向いている。iPad Proは、既存の考え方を変化出来るような人が買うべき製品です。自分がどっちなのかは、読み手に委ねます。

数年後のスタンダードを作るための環境として、安くない先行投資が出来るのかどうかは、一つポイントになる製品です。単なるタブレットとして使うなら、多分元を取ることは出来ないんじゃないかと思います。

もう一回感想を書いてもいいかなとは思っているんですけど、これをもう1回書くことがあれば、それはきっとWindows PCを駆逐するときです。なので、2回めは多分ないです。



おしまい

DSC_0365

今回は、2019年7月ぐらいからLenovoのオンラインで販売されている、ThinkPad P1 Gen2の実機レビューをご紹介します。

モバイルワークステーションという、奇妙で魅力的なThinkPad
このレビューにたどり着いてる人が大体考えてることは一緒だと思います。
「ちょっとしたゲーミングPCで、ThinkPadだから欲しい」の一点です。

今までのワークステーション系ThinkPadは、基本Xeon Eシリーズなんかも搭載しているのですが、P40系を除きほぼテンキーありというTシリーズやEシリーズに近いモデルです。上位モデルにはQuadro RTXシリーズという、GeForce RTXシリーズに当たるものを搭載し、代わりに冷却機構がゴツくなり、2.5キロ程度(P53)と、2019年現在において、重いノートPCという部類に入ってしまいます。
ただ、基本はデスクノートという扱い、省スペース化によるものであり、ほぼ固定して使うレベルのPCが中心となっています。まあ、この辺はどこのご家庭でも最後に行き着く先は大画面ノートという感じだろうかなと思います。
20年来のThinkPadユーザー、とりわけPという形式には、やはり特別なモデルという意味合いは強く、2桁ThinkPadシリーズの末尾にpがついたモデルは、DELLのPrecisionとともに、市販されているノートPCでも究極に近いスペックでした。僕はこの印象がとりわけ強い世代です。
かつてはQuadro FX3800を搭載したW701dsなどという大真面目なバカワークステーションノートPCを作っていたLenovoなら、アホみたいなThinkPadを作ってくれると信じていました。しかし、これが2012年を最後に、W700シリーズは一時的に途絶え、その後、世界初のXeon搭載ノートとしてP70が登場。スペックだけを考えれば今のP73がその末裔となるわけです。

しかし持ち運びを考慮すると、案外選択肢は少なくなります。
例えばThinkPad P40系、これはいわゆるThinkPad Tシリーズの上位モデルに当たるものですが、中位クラスのQuadroを搭載しており、GeForceで言うMX250ぐらいのモデルです。これはやがて第10世代Coreシリーズ版も登場するでしょうが、普通のモバイルPCのハイエンド程度ということにはなるかと思います。

そんなヌルいPCはいらない、ThinkPadというノートPC究極のレガシーを受け継ぎ、6コアのCore i7やある程度上位に近いGPUを搭載した、ゲーミングデバイスとして使えるというジレンマを抱えたPCは出ないものか?と。
2018年の6~7月頃、そんな中でThinkPad X1シリーズの更に上位モデルの存在が海外のサイトで噂となり、それがX1 Extreme 2018となるのですが、同時にそれをただQuadroに置き換えただけのP1というモデルも存在することが発覚し、日本ではP1が先に発表されます。
Core i7 Hシリーズ(45w)にGeForce GTX 1050Ti MAX-Q/Quadro P2000、15インチUHDでありながら、テンキーなしのキーボード(後述)。これだけでスペシャル感があるのに、たった1.8キロの重さの中に収めてしまうという暴挙。それまでMSIのGSシリーズ(と、これをベースにしたショップ系PC)一強だった、軽量15インチゲーミングノートの理想的な選択肢として登場しました。
基本的にPCって一括で買うものなんですけど、この時はローンを組んで24回ぐらいで買おうとか延々とblogに書いていました。問題は今どきのPCでありながら、20万強から始まる価格設定です。MSIなら15万でアップグレード用のメモリとSSDも買えるぐらいなのに、ベーシックモデルで24万程度。この付加価値をThinkPadへのお布施として出せるか?という点を、悩みに悩んでいました。

結局、X1 ExtremeもP1もGen1シリーズでは値下げということはなく(瞬間的な値引きはあったにせよ)、2019年7月にはGen2シリーズ、現在の9世代Coreシリーズが発売されるのですが…

どうしてもX1 Extremeが欲しい、からたどり着いたP1
Gen2は、ThinkPadの2世代目でありながら、大幅にパワーアップしたことが印象的でした。9世代のCore i7 Hシリーズに、なんとGeForce GTX 1650 Max-Qを搭載したのです。1世代目は、当時でも随分枯れたGeForce GTX 1050Ti Max-Qを搭載していました。
丁度いい選択肢がなかったといえばそれまでですが、調べてみると2017年の6月頃にMax-Qデザインがリリース。通常版は2017年の1月頃に発表されています。2年近くの間、nVIDIAのノート向けGPUは停滞したままだったのですが、今年になり、RTXシリーズをリリースし、ようやく世代交代をしたということになります。実は、2018年のGen1リリースの時点で、GeForceのモデルチェンジの話は出ていて、これが2019年の早い段階になるはずという予測が立っていました。Gen1を躊躇した理由は、枯れた1050Tiよりは、不具合込で性能向上した2000シリーズを待つほうが懸命ではないか?ということも大きかったわけです。
結果として、2000シリーズの1650 Max-Qを搭載したので、躊躇する理由はなくなりました。

が、やはり問題はその価格です。
上記の通り、今日日15万でこのクラスのゲーミングノートは購入可能なのです。それでも初動から20万そこそこ、交換できるメモリとSSDには最低限の選択肢が可能で、かつUHD液晶を搭載となると、どんなに頑張っても25万をわずかに切るという状態。ここに追加のメモリとSSDとなると、30万近い出費です。まあ、拡張するメモリやSSDはどうとでもなるんですが、本体はどうすることも出来ないので、これをどうにかして安く上げる方法を色々考えたわけです。
ふと、X1 ExtremeとP1のカタログスペックを見てたときに、Quadro T1000という文字を発見しました。Quadroの素性ははっきりとわからないのですが、Lenovoおなじみの同コアBIOS認識による性能制限版ではないかと仮設を立ててみました。性能としては、Quadro T2000>GeForce GTX 1650 Max-Q>Quadro T1000で、GPUコア含め全く同じ構成。ただGPUコアクロックだけをBIOSレベルで調整しているのではないかと思いました。この考え方、昔W500を買って、CPUを入れ替えたことがあったんですけど、その時に搭載されていたのが、本来のMobility-FireGL V5000でなく、RADEON HD 3650だったという経験より考えたものです。
本当は、Quadro T2000はCUDAが1024コア、T1000は768コアと3/4。更にGPUDirect for Videoという機能が削除されているらしいのですが、この点を考慮した場合、やっぱり無駄にT2000であるべきだったなという若干の後悔はあります。他にコアクロックも1650には及ばないなど、若干の無理くり感はあります。

しかし、購入前にベンチマークスコアだけ見てると、Max-Qデザインの3製品に関しては、5%程度の差ぐらいで収まるぐらいのスコア変動だったので、ならばとばかりにT1000で同じ構成をした場合、おおよそ3万円近い差が出たわけで、よし買おうってことになりました。

もちろんそんなに一気にお金を出すわけにも行かず、結局24回の分割で購入、そこにメモリとSSDは総取替ということで、やっぱり最終的には25万そこそこになってしまうのでした。

思った以上に軽い、1.7キロの衝撃
というわけで、今回買ったのは以下の通り
Intel Core i7 9750H(6コア、定格2.6GHz)
メモリ DDR4-2666 8GB→32GB(16GBx2)
SSD 256GB(Intel 660p)→512GB(Silicon Power P34A80)+1TB(Intel 660p)
UHD(4K) 15インチIPS液晶/Quadro T1000
その他、有線LANアダプターなし(ありで+5,400円)
Windows 10 Home→Pro(既存IDの流用)

なんか購入直後から大規模変更をしたPCなんですが、ここ1年周期ぐらいで2世代遅れぐらいのThinkPadを中古なりジャンクなりで買って、普通に治して使っていた感じなので、新品のPCというのは、多分SONYが出したVAIO Fit 15A(i7-4500U/3Kタッチパネル液晶)まで遡る感じです。
(ちなみに中華のA8やJumper X1も新品だったけど、前者はほぼ自作状態、後者は使わず売却というw)

ぶっちゃけ、過剰です。けど、2年後もハイエンド仕様にする場合、不自由なくしようと無駄に考えています。
メモリは正直32GBもいらないのですが、前に使ってたThinkPad Yoga 370は16GB1枚だったので、2枚入るなら2枚買ってしまえという判断。その半月後ぐらいに32GB1モジュールが1枚2万程度で出回ってきたので、さらに拡張するかちょっと悩むところ。同じく512GBのSSDと、空いたスロットに当初収まるべきだった1TBのSSD(Transcend E110S)がチップ両面実装タイプで、片面実装タイプしか入らないということもあって、素直にIntel 660pをデータ用に再購入しました。これもシステム用とは別に、2TBなり4TBなりの片面実装タイプM.2が普及帯になったら、交換はしたいです。
メインのP34A80は、スピードも4Xの最大値に近く、発熱が非常に小さいので、かなり満足です。一方、データ用とはいえ、Intel 660pはたまに熱暴走を起こし、PCがフリーズする現象があります。個体差もあるとは思いますが、それにしても660pがこんなに不安定なのかと疑問。600pは凄まじく安定していたぞw
余談ですけど、今回Lenovo純正パーツの中で、SSDはIntel 660pの256GBが付いていました。出荷タイミングなどの問題もありますが、モバイルワークステーションを冠しているモデルに、QLCのSSDをメインストレージに実装しちゃうのは、あまり褒められたものではないですね。
004
(参考にP34A80のベンチ結果、書き込み速度おかしいw)

有線LANコネクターですが、前にもどっかで書きましたけど、ThinkPad X1 Carbonなどと同じ、専用ピンによるコネクタです。X1 Carbon Gen3用に買ったコネクターで問題なく動作したので、これはこれで別にいいです。ちなみ今でも3300円でした。なせ標準メニューで入っていて、外すと5000円引かれるのかわからない。これに関しては、今後Thunderbolt3などで、10GbpsのLANコネクタなどが普通に出回り、家庭内で10Gbpsとか使えるようになれば、それもまたいいかな。あと無線LANはIntel WiFi6 AX200が標準。11ac Wave2を一足飛びした感じです。APがないので当面は11ac 866Mbps止まりですね。(とはいえ、Wave2対応の9260 HT160のYoga370もあるんだが)

パーツ交換前提で買った場合、非常に気をつけないといけないのが、パーツそのものの厚みです。ヒートシンク付きは基本NG、SSDに関しては片面実装タイプのみ対応です。(2敗)
メモリもDDR4-2666クラスならヒートシンクはいらないでしょうが、案外大容量メモリってゲーミングタイプのほうが安いんだよね。この辺下調べなしに買ったのが良くなかった。


なんかこのサイズで、これだけ軽くて、中身が詰まってると、FF3の学者の本みたくブンブン振り回したくなります。おそらく8ヒットぐらいはできるはずw
膝上でだいたい使ってるのですが、そこそこ熱くなります。そこそこFANもうるさいですが、最低限のCPU/GPUのおかげか、ファン全開でもTVつけてればそれほど気にならないレベル。どちらかというと、タイピングの音のほうが響いちゃう人なので、そのへんは感じ方にもよります。正直、ピーク時を保てるのであれば、このFANは必要として考えるべきじゃないかと思います。
あと、i7-9850Hではサーマルスロットリンクが起きるような情報もありましたが、i7-9750Hでそうなることは実質的にほぼない感じです。BIOS更新でそうなったのか、それともほんの少しのクロックで上限に達してしまうのかはわからないところですね。

DSC_0358

ちょっと見えにくいですが、天板はカーボン柄が入っており、スペシャル感を出しています。
UHD(4K)液晶は、Adobe RGBカバー率100%のIPS液晶となっています。HDR10にも対応してるらしいです。写真ではそんなに変わらないように見えるとは思います。10年近く前に買ったVAIO ZのFHD Adobe RGBカバー率96%液晶にも驚きましたが、ハッキリ言ってこれを使ってしまうと、普通のIPS液晶では満足できなくなるぐらい、発色がいいです。めちゃくちゃいいです。出来ればこれでUHD BDとかを鑑賞するのがいいんでしょうけど、ドライブ1台で1万はちょっと躊躇する。
今はかなり数が少ないと思いますが、OLEDのタッチパネルUHD液晶も選択可能です。据え置きで使う、あるいは特にタッチパネル用途が多くないのであれば、IPS液晶で十分満足が行くと思います。
それとともに、底面のスピーカーの音もいい。ちょっと低音方向が強いですが、これもThinkPadとしては、破格の扱いだと思います。左右両サイドの傾斜にすっぽりハマるように大型スピーカーを配置できたことで、地味に効果がある。過去、ここまでThinkPadでスピーカーがいいと思ったのは、X2*シリーズのウルトラベースについてるもの以来かなって気がします。
そうはいったものの、HPだのDELLだののマルティメディアPCなどに比べれば、いいとは言い難いでしょう。ThinkPadの中ではいいですよってだけなのも注記しておきます。

全身をピーチスキン加工されたカーボンボディは、さすがに手の脂が乗ってくる年齢になってきた今では、ちょっと汚れが目立ちますけど、道具としての味がしっかり付いてくるという点で、案外いいのかもしれません。ただ、個人的には、パームレストなどよく汚れが付きやすいところは、Xシリーズのような、単なる黒塗りのプラボディやカーボンボディのほうが、道具として扱いやすいと思っています。
合わせて思ったのは、ボディ全体を使っているであろう排熱機構。全体的に熱くなる傾向があり、特にバッテリー稼働時でのパームレスト付近と、排熱口付近では、それほど大差ないレベルの熱さになっています。これを嫌う人もいるとは思いますが、そこでピーチスキン加工が生きてくるのかなと。


QuadroT1000って結構イケてるGPUなのでは?
Quadro T1000の実装されているモノは以下の通り。
シェーダーはなぜか896、コアクロックも750MHzとなります。Turing世代、TU117コアを使用しているため、ピーク時のはさらにクロックが上がります。

しかし、CUDAが896コア、TMUsが56と、本来のカタログスペックとは違い、若干性能が高い感じがあり、標準である1650シリーズとあまり差がみられないようです。ドライバーの最適化の差はあれど、1650 Max-Q程度と考えてもそれほど問題ないスペックじゃないかなと。
003
ちなみに大したゲームはやっていませんが、普通にA列車で行こう9はゴリゴリ動きます。
4Kで動作させるにはパワー不足は否めないですが、FHDぐらいに落としてあげれば、標準品質でも安定して60fpsぐらいにはなります。
安くなったらSAO:FBでも買ってやってみようかなって感じです。(NEWガンブレとは?w)


違和感を感じるキーボードのタイピング感覚
15インチには珍しい、テンキーなしのキーボード。これはテンキー付きノートPCが嫌いで、14インチ以下のノートPCを選んでいた僕の中で大きなこだわりがあり、そこに則った形です。(ちなみに選択肢は非常に少ない)この筐体でUシリーズのモデルがあれば、もしかするとそれだけで解決しそうな気もしないですが、まあ、スペック的に納得はしないですよね。

前述したとおり、ThinkPadはノートPC最大のレガシーであると思うのですが、一度だけアイデンティティを捨てて、他のノートPCへの歩み寄りをしたことがありました。世間一般で評判の悪かった、Haswell世代、Coreシリーズ4世代目のモデルです。
トラックポイントはあるけど、物理ボタンを実装せず、タッチパッドの該当箇所でその用途を果たすというものでした。時代の流れを考えれば仕方ないとも思えたのですが、この構成はこの一世代のみとなり、以後のThinkPadで採用されることはありませんでした。特にWシリーズではW540の次にあたるモデルにW550とは別の、W541という物理トラックポイントボタン搭載モデルが出たぐらい、重要な購買要素だったのだと思われます。

実は忘れがちですが、その1世代前の時代、6列のアイソレーションキーボードへの変更があり、この時代も賛否が出たモデルですが、他社がほぼ6列化してた時代、7列キーボードへのこだわりはそれほどなく、個人的にはそこまで目くじらを立てるようなことはありませんでした。
ただ、キーボードの作り、いわゆる叩き心地は、ある意味X201世代ぐらいをピークに、徐々に違和感なく悪くなってる気がしてならないのですね。
もちろん、Lenovoがキーボードを重要視し、そこにファンがたくさんいるのは当然として、じゃあ、他のメーカーのキーボードはダメか?というと、全体的にレベルが上がってきてるのではないかと思うんですよね。だから今は本当に叩き心地が悪いノートPCのキーボードって、2in1でやむなくギミックを搭載してるようなタブレット分離型のものぐらいじゃないかと思うんですよね。(この辺、いろいろなPCを使っている弊害なのかもしれない)

で、よくよく思い出してみたのですが、個人的感覚として、X1 Carbon(使っていた2014/2015/2016)はベストではなくベターな感じ、X250やYoga370はベストに近い感じ。この微妙な差が、なかなか払拭出来ないんですよね。
この点、P1はX1 Carbonのキーボードを流用していると言われていますが、これはこれでいいけど、Yoga370では「打ち込んでる」感が自分で感じられるけど、P1では「打つのに余計な力が入る」感を感じてしまうんです。この違和感の正体こそ、X1シリーズとX200シリーズの大きな違いだと思っています。X201s時代にあった、「打ってて気持ちがアガる」感覚に近いのは、Yoga370なんです。
P1だけに限ってみると、X1 Carbonとは違う打ち心地。多分、キーボードを押す力を受け止めるだけの剛性が、X1 Carbonでは足りなく感じてしまっていたんじゃないかと。薄型軽量モデルだからこその微妙な感じ方が違和感になってて、それがP1ぐらいのサイズになると解消できそうというのは、ハッキリ言って個人の好みとしか言いようがないのかもしれないですね。

ただ、この理論で行くと、Eシリーズなんかの据え置き前提モデルでは、より「打ち込んでる」感が出るんじゃないかと思います。普及モデルほど打ち心地がいい理論というのもおかしいけど、この辺は好みによりますね。

電源供給が追いつかない、135WのACアダプターしかダメ
付属は135WのACアダプター。ワークステーションなので、135Wなのは仕方ないとは思いますが、なんとなく90W程度でも問題なく行けるんじゃないかって気がしないでもないです。
...まあ、半分正解で半分ハズレで、いわゆるオフィス用途だけを考えた場合、というよりQuadro T1000に仕事をさせるかどうかで、90Wでは足りない状況が出てしまうということなんですね。かんたんな方法として、BIOSでIntel UHD 630を切って、Quadroオンリーで動かしてみた場合、90Wは充電が出来ず、本当に電源供給だけを行っているようです。ゲームなんか始めようものならば、バッテリーから電力供給を始めてしまうので、結果的にガス欠しちゃって終わりです。当然ながら45Wは認識するものの供給量が追いつかないレベル、65WでならQuadroをしなければ電源供給できると言った程度です。
これがわかったあと、結局純正の135Wを2個買い足して、実家と出張先で使う用として使っています。
あと、当然といえば当然なんですけど、Thunderbolt3での電源供給は、65Wでも出来ないようです。カタログなどを見ると、純正パワーバンクで充電可能ということは書いてあるんですが、多分無理だと思います。

燃費...カタログスペックはどういう基準なんだろう?
カタログスペック上、最大10時間程度は持つと考えられていますが、実用的な液晶の明るさ(約60%程度)、上記スペックでは、ほぼ3~4時間程度です。もともと前提が持ち運び考慮ってレベルなので、やむなしと言ったところなのかなって気がするものの、実働時間との差が大きすぎるので、もう少しなんとかならんのか?というのはあります。
多分液晶などは消費電力は大差ないと思うので、そうなるとi5-9400Hが最大16時間、i7-9750Hで最大10時間という謎消費電力。コア数が2つ違うとして、TB込でも6時間も差が出てくるとは思えないんですよね。
あとはSSDが2枚入ってるからなのか、SSDのスペックがもっと省電力なモデルなのか、案外色々な条件が必要なんだろうかなって気がしますね。


まとめ:現代のスカイライン400RがPCになったら、おそらくこうなる
Lenovoが本気で軽さと性能を追求した、現代版ThinkPadの集大成

言うに及ばず、まず10万で4コアの実用的なPCが買えるご時世、ましてやゲーミングギアでもない、モバイルワークステーションがP1なら、X1 Xtremeはよく出来た高いだけのコンシューマーPCという扱いを受けてしまいます。これと言った特徴がないけど過剰なスペックのPCは、時代に合ってないないと思われてもしょうがないんでしょうね。
ちょうど同じ頃、日産が新スカイラインを発表したのですが、スカイラインとは奥の深い車で、下のクラスはちょっと高い大衆車、片や400Rのようにニスモチューンみたいなものまで販売されるんです。会社がごたついて元気がないとは思えない。日産は走りの楽しみを伝える上で、振り幅の大きい「スカイライン」でクーペやライトスポーツの世界を席巻したいって思惑もあるでしょうね。

なんども言うけど、ThinkPadはノートPC業界では究極のレガシーとして今も進化しつつ、こうあるべきと伝えていく。シンボルともアイコンとも思えるこれですが、それを脈々と受け継ぎ、守りながら新機能を搭載していくあたり、常に発展途上と言ったところでしょうかね。
余談ですけど、個人的にThinkPadへの苦言をするなら、種類が多すぎるのは問題じゃないかと思います。例えば14インチだけでも、dGPUを搭載したT400シリーズ(Intel/AMD)と、薄型軽量モデルX1 Carbon、そこにX1派生モデル、E14とE490、さらにLシリーズもありますね。自分に適したモデルを選べるとはいえ、上から下までの差がほぼない状況で、ここから違いを読み取って、適したモデルを選べというのは少々酷な話じゃないかと思いますけどね。それぐらい今のThinkPadは煩雑。LenovoシリーズやThinkBookみたいにもっとラインナップを絞って、X1 Carbon、T400、E400ぐらいでいいと思います。

25万のPCだからといって、スゴイ点はまずないです。ThinkPadでこれを作ったことがスゴイ点なので、そこにお金を惜しみなく費やせる人はいい選択肢だと思います。
よくMacBook Proを使ってたような方がX1 Extremeを買ってますけど、これはAppleのプロダクトじゃないんです。Apple好きならAppleにこだわって欲しいし、そういう方はThinkPadの良し悪しを、MacBookとの比較でしかわからない。少なくとも、同じ土俵に立つことが出来ないのに、立たせたがるAppleユーザーには、良し悪しはわからないはず。
本当にThinkPadが好きじゃないと、この金額のモノはダメな点も含めて、買って納得行かない。それぐらいの次元のモデルです。ゲームやるなら素直に25万のゲーミングノートでも買ったほうが環境的にいい。オフィス用途であれば、X1 CarbonにWWAN入れて連れ回すのもいい。E15やらE595なんかは据え置きで気分良くキーボードを叩ける環境にあってほしい。ラインナップを絞れと言いつつ、適材適所に置けるラインナップの広さも、またThinkPadだから出来てることなんでしょうね。

そして、P1は本職の画像処理や映像処理などを出先で行う必要がある方がメインターゲットだと思います。でも、僕の中では「打倒MBP」と高らかに叫びたいぐらいのモデルだと思います。OSが違えど、ソフトウェア環境が違えど、開発者はそこを無意識に考えて作っているはず。変化がわかりにくくても、ThinkPadという看板を背負う以上、下手なものは作れない、総じてハイレベル、粗探ししても、キーボードぐらいで、そのキーボードですら、普通に考えたらメンタルな部分なのでしょう。その他が全く身に余るレベルであり、非常に高い技術を使った、ハイエンドPCのお手本かつ、フラッグシップのThinkPadはこうあるべきと道を示したモデルでしょうね。ただ、今後これがラインナップに残るようなモデルかというと、ちょっと危ないだろうなって思います。

長年のThinkPadユーザーならわかってくれる、20年の移り変わりの中でThinkPadを使い続けて、やっぱりこうあるべきというのをしっかり維持できているからこそのレベル、出来だと思います。
最大の難点は、そもそも実物を見ることが出来ないことですかね。とにかく未だに山手線より外でこのPCを触れる店に入ったことがない。多分ヨドバシやビックの旗艦店にひっそりおいてあるぐらいなんじゃないかと思います。






おしまい

経緯は別blogで書くとして、今回はそのMartian A8という、メーカーも謎ならスペックも謎だらけのノートPCをレビューします。
DSC_0457


Core i7-7500Uを搭載して56728円...だと....

 さて、標準のスペックは以下の通り
Core i7-7500U
8GB DDR3L-1600 SO-DIMM
256GB 7mm 2.5インチSSD
Intel 3160AC 無線LAN+Bluetooth(ハーフminiPCIe)
13インチIPS FHD液晶
 6840mAhバッテリー(怪しい)
USB3.0、2.0各1ポート、有線LANコネクタ搭載
英語バックライトキーボード 
OSなし(MS-DOSらしい)
大体1.4キロぐらい?

 ...なんだこれ?
 日本じゃ結構な金額、というかKabyLake搭載ノートPCが少なすぎる現状で、その最高クラスを搭載している時点ですでにアドバンテージですよね。
 OSは別売り。まあ、8.1以降でしかどうせ動かんとは思うけど、少なからず7で動かせるかなと。
(注:現在はリンク先で価格変動しています。)

それ以上に驚くのが、普通のdynabook KIRA用の19V 2.37A、ACアダプターが普通に入っている点。これ問題ないのかよとか思いますけど、動いちゃうから仕方ない...いや電源つけっぱなしだとバッテリーが減るw
というわけで、ACアダプターですら別売り。なんのための新品販売なんだろうかw

で、もう一つ問題。
ドライバー類が一切ないし、メーカーページなどが見つからないので、ACPIのドライバーだけがどうしても埋まらない状態になります。他はどうにでもなるんだけど、こればっかりは難しいです。

なお箱。
DSC_0455

どこの中古品だこれwww


最初からボロボロ、だったら”ベアノート”化で化物スペックノートPCにできる

ぶっちゃけ、ここから本番。
どうせ保証とかないので、いっそめんどくさいから最初からある程度長期間使えるようにしようと思い、最初から中を開けること前提で色々構想を立てました。

とりあえず、無線LANのデュアル11ac化、メモリMAX、SSD交換ぐらいは考えて、到着を待っていました。

...SDカードスロットのアルミが曲がってるんだがwww
DSC_0492


えっと、うん、なんだろ、まあしょうがないよね。アルミ成形が多分へっぽこ過ぎてマトモにはまる筐体が作れないんだと思うんです。
筐体に底面パネルをつけると完全にしなるので、強引にねじで止めるのが正しいんだろうなあ。


とはいえ、ネジを12個外すだけでパーツ交換ができるのは魅力的。
DSC_0460

SO-DIMMスロットは1つ、miniPCIeが1つ、2.5インチスロットが1つ(おそらく7mm)、M.2スロットが1つと、交換できるパーツは多いです。
16GBのSO-DIMMはまだ高いので、とりあえず11acの8260、M.2のSATA、2.5インチHDDは2TBを拡張していくわけですけど、BIOSを眺めていてこんな感じだった
DSC_0464
ので、NVMeのSSDを突っ込むことにしました。

 最初はIntel 600pでいいかなと思って新品を買ってきたんですが、NVMe内部にOptionROMがないとどうもブートディスクにできない感じがあり、プレクスターのPX-M8Pe(G)を購入。

変更後のスペックはこんな感じ

Core i7-7500U
8GB DDR3L-1600 SO-DIMM
256GB M.2 PX-M8Pe(G) M.2 NVMe SSD
2TB ST2000LM015 7mm 2.5インチHDD
Intel Wireless-AC 8260 無線LAN+Bluetooth(ハーフminiPCIe)
13インチIPS FHD液晶
 6840mAhバッテリー(怪しい)
USB3.0、2.0各1ポート、有線LANコネクタ搭載
英語バックライトキーボード 
Windows 10
大体1.4キロぐらい? 

本体56728円
SSD 13800円
HDD 11580円
LANカード 3600円
ACアダプター 3000円
Windows 10は8.1ライセンスの流用

合計 88708円

うーん、SSDの容量にはまだ余地があるものの、SSDに本体の数倍お金を突っ込める勇気はないので、しばらくストレージ容量がブレイクスルーしない限り、これ以上のスペックは望めないだろうかなあ。
値段的にはどうかなあ、mi Notebook Air 13とかは同等の価格で、GeForce940MXを搭載してて、OSがインストールされているのが強いです。
そのまま使う分にも全く問題ないとは思うんだけど、ストレージを強化する分にはこちらのほうが向いてます。
コスト安にするなら128GBのSSDってのもあるんだけど、それにしたって50ドルと違いはないので、256GBモデルのほうがいいでしょうね。

...いや、とはいえ、数年使うと勝手に思い込んでこの装備は自分でもどうかと思う。


ちなみにOS入れてCrystalDiskMark入れてSSDベンチしてみたら以下のような感じ。

-----------------------------------------------------------------------
CrystalDiskMark 5.2.0 x64 (C) 2007-2016 hiyohiyo
                           Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
-----------------------------------------------------------------------
* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes

   Sequential Read (Q= 32,T= 1) :  2128.334 MB/s
  Sequential Write (Q= 32,T= 1) :   813.876 MB/s
  Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) :   622.559 MB/s [151991.9 IOPS]
 Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) :   431.881 MB/s [105439.7 IOPS]
         Sequential Read (T= 1) :  1658.810 MB/s
        Sequential Write (T= 1) :   788.717 MB/s
   Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) :    42.295 MB/s [ 10325.9 IOPS]
  Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) :   149.070 MB/s [ 36394.0 IOPS]

  Test : 1024 MiB [C: 16.2% (38.5/237.9 GiB)] (x5)  [Interval=5 sec]
  Date : 2016/12/17 23:52:39
    OS : Windows 10  [10.0 Build 10586] (x64)
  
速すぎじゃね。今のNVMeって規格こんなに速いのね。


Windows10にまつわるアレコレをクリアしよう 

さて、厄介だったのがOSに関するアレコレ。
Windows10になって、改悪とは言わないまでも、ライセンス関係が面倒になって、特に7以降のシリアルをWindows10にアップデートした時に、そのシリアルがPC構成が著しく変化した際に無効になるという訳の分からない仕様になっています。どうもAnniversary  Update以降、Microsoftアカウントを使いOSにログインするようにしていると、基本的にこれを回避できるようになっているらしいんですが、何日経ってもPCが出てこないという問題があったとさ。

どうしてこうなったのかというと、最初SATAのM.2を暫定的につけてSSDの到着を待っていたんですが、そのときにWindows10がライセンス認証をしちゃったせいで、そのあとNVMeのSSDを取り付けたら、構成が違うということになってしまい、調べたらそんな感じだったということだったみたいです。

つまりノートPCでも、mSATAを取り付けたりとか、CPUをアップグレードしたりすると、もしかすると駄目ってことになる場合があるということらしいです。(サポートに聞いてわかったこと)
少なくとも、SATAからNVMeへのストレージ接続の違いは、PC構成の著しい変更となるらしいので、そこのところは気をつけようと。

で、結局この場合どうなるかというと、Microsoftのサポートセンターに電話して、正規ライセンスのシリアルが無効にする代わりに、Windows10のライセンスのシリアルを再発行するという荒業になるそうです。
強制Windows10のシリアルになり、例えば手持ちの8.1では、8.1で使おうとしてもそのシリアルは通らないようになります。最後の手段というか、Win7あたりのユーザーはこれ相当ためらうと思いますね。


肝心の使い心地...あれ?普通に使えてるぞw

紆余曲折を経てついにOS入りになったA8。
筐体はパームレスト含め総アルミ。左側奥よりACジャック、USB2.0、イヤホンジャック、右側奥よりLANコネクタ、USB3.0、HDMI、SDカードスロット。USB2つというのは厳しいかもしれませんが、HDMIやLANコネクタがあるので、その辺は最近のノートPCっぽいなあと。

見た目は一つ前のMacBook Airっぽいですが、基本最近の中華ノートPCはこのスタイルが主流なんでしょうね。どこのやつでもこんな感じですね。
タッチパッドがあまりにダメすぎる。スクロールとかもできなくはないんだけど、液晶と本体の角度によっては全く操作不能になってしまったりする時点でもうダメな気がする。久々にマウス使ってるよ。

キーボードはCore2Duo時代のMBAからキーボード軸を外したような不思議なうち心地。うち心地が悪いわけでもないんだけど、なんか打ってる感がない感じ。こういうの好きな人は俺とお友達にはなれません。ただ、コストを考えるとやむなしではあると思いますね。

液晶はFHD、IPSらしいです。(CHIMEI INNOLUX N133HSE-EA1
ノングレアタイプ、特にこれと言った特徴はないですが、安いThinkPadなどに比べるとこちらのほうがきれいですね。普通なら解像度の低いグレアパネルとかを搭載してそうですが、この辺はハイエンドなんでしょうね。

そして、Windowsの起動が速い。高速スタートアップしてる場合、ほぼ起動時間が5秒以内と、Android2世代ぐらいのスマホのスリープからの起動より明らかに速い。なんであんなに遅かったんだろうなw
NVMe接続ってどうせベンチスコアだけの自己満で終わるんでしょ?とか思ってたけど、こんだけ速いと確かにこだわっただけあったかなあと思ったりしますね。

バッテリーはだいたい4時間ぐらい持ちます。
まあ、特殊環境での4時間(2ストレージ、NVMe+HDD)ってのはあんまり参考にならないですかね。


スマホ以上に実用的な高級おもちゃ

 なんだろねえ、ネタを実用的に仕上げてしまうとネタにならないのですが、分解したときに、7mmとはいえ2.5インチのストレージが搭載できるだけで、ネタじゃなくなってしまったのが今回の敗因です。
いや、言い訳すると敗因ではないんですよ。普通に使える超ハイエンドノートPCができてしまったわけですし。でもCube i9もそうだったんだけど、中華PCのクオリティが本当に上がっていて、それにただただ驚くわけですよね。まあ、一方でまだまだアルミ成形などの精度は低いので、そこはどうなの?って話ではあります。おそらく数ヶ月ごとに中を開けてつなぎ目のホコリを取らないと多分まともに使えないと思うレベルです。AcerとかASUSでもそんなショボい精度で作ってないし、その辺が台湾のPCメーカーと中国の新興メーカーの大きな差なんでしょうね。
 
毎度毎度リスクの大きなものしか買ってないことを承知の上で、改造ベースなら安いよねというレベルかなあと思います。パーツ交換が容易なことと、サイズ感が非常にいいというぐらいしかメリットが見えないし、もとよりThinkPadとかVAIOとかをそう使っていたから、ためらいなくパーツ交換をやってしまえる割り切りがない限りそんなに買っても意味ないです。
まあ、どうなんだろうなあ、Core i7、8GBメモリ、256GBのSSD、13.3インチFHD液晶を搭載して送料込で7万ぐらい?と考えれば安いとは思うんですけど、OSないからもう15Kぐらい上乗せでお金かかるとすると、リスクありすぎじゃない。素直にThinkPad X260でも買ったほうがいいに決まってるw


俺的にはまともに使えちゃってるので敗戦ですが、 故障しない限りは改造して無難に3年ぐらいは使えちゃうPC買っちゃったかなってのが感想。Cube i9よりはスタンダードなノートPCなので、長生きはするだろうなあ。




おしまい 

↑このページのトップヘ