auが続いて申し訳ないです。IS11PT MIRACHをレビューします。

・購入の経緯
acroを長期レンタルで出す必要があり、auのSIMフリー端末が手元にないとちょっと困るので、購入。
ヤフオクで6750円。ちなみに、前モデルともいうべきIS06はより高い値段で取引されており、このことからも、非常に中途半端な存在。
IS06に比べて、俺が一生使わない可能性が高いらくらくホン系の端末ということで、おもしろ半分の購入です。

・スペック
もう書くのも飽きた。MSM8255の1GHzに、512MBメモリ。データ領域はおそらく500MBない程度とタイトなやりくりを強いられるモデルです。
こういうローエンドの機種は、決まってmicroSDの容量がしょぼいのですが、例外に漏れず2GBしかありません。
よって、メーカーやキャリアが、すでにユーザーがヘビーに使うという想定をしていないと考えられます。
まあ、もっとも前のユーザーがえらく欠品していることもあり、基本microSDはないんですけどね。

・体感速度
基本的には遅くないレベルです。まあ、人によってはイラっとするレベル。初期状態のARROWS Zはこれぐらいです。
Xperia2011シリーズと同等スペックですので、あるいはソニエリHomeで同等の使い勝手になるかもしれません。
ふつうに使うぶんには全く支障のないレベルです。かなり標準のレベルですので、使い方によってはパワー不足を感じると思います。

・液晶の表示、動画再生機能など
ふつうのTFT液晶。800x480の3.7インチWVGA液晶。サイズと解像度を考慮すれば、必要十分です。
さすがにスマホなので、といいたいところですが、輝度を下げると非常に視野角が狭くなるなどといった問題点があります。
動画に関しては、別段試してないです。たぶんacroぐらいか、acroよりさらに劣るレベルじゃないかと。

・タッチパネルの感度、操作性
うん、これは非常に良いです。
指には適度に追いつくし、しっかり動き、しっかり止まるといったスタンダードな動作がやりやすいです、
元々そんなに期待していない部分だけど、それ自体がVX580wなんかとはケタ違いにいいです。さすがにスマホ。
初めてイジる人には、これぐらいの指針がないと、iPhoneとかのありがたみや驚きは非常に薄いと思います。
まあ、だけどそもそもイジる機会は限られてるしね。難しいよね。

・オリジナルUIの使い勝手
auが将来来るであろう全スマホ時代に先駆けて作り出したかんたんUIですが、正直スマホのメニューはこれくらいでいい気がする。
というのは、docomoのpallet UIが余りにダメな感じで、中途半端にiPhoneを意識した感じだからだと思います。
例えば、電話とかは、「電話をかける」とか、Eメール(キャリアメール)は「メールを送る」とか、そういうのが視覚的にわかるようになっているのがいいです。
速度は二の次、わかりやすさを考えれば、このぐらい簡単じゃないと、全スマホ時代にはなれないだろうと思いますね。
ちなみに遅くないし、メニューも1画面のみと非常にシンプル。使い勝手だけ考えればこれでも問題ないレベルだと思います。

・筐体の特徴(ボタンやスピーカーなど)
最大の特徴。まず物理ボタンに「home」「back」「menu」なんていう表示のあるボタンがあります。アイコン表示に慣れていることもあって、ぱっと見で困る時があります。わからない人にはこれのほうがいいんじゃないか。
上部には電源ボタンのみ。ストラップ穴があります。左側にはmicroUSB、右側にはボリューム。背面にはカメラとスピーカー、赤外線ポート。
イヤホンジャックが存在しません。microUSB変換アダプタを使う模様。
そして防水防塵加工がされており、電池蓋などもロックがかけられるようになっています。某薄型スリムのパッキンのみとは違い、見た目と実用で安心感があります。
下手にカバーに入れることなく、ガシガシ使うのが本来の使い方なのでしょう。

・電池の持ち
案外、というか結構持つレベルですね。1320mAhの容量でも、液晶が小型なのがポイントかもしれません。
今回はテスト以外では、通信なしで待ち受けのみですけど、ほかの待ち受けのみにしているEVO3Dの約3倍近い大容量バッテリー(公称3500mAh)とあんまり大差ないあたりにすごさを感じます。
このあたりはらくらくホン系らしいなと思いますね。

・その他
重量は123g(公称)。思ったより軽いです。iPhoneと同サイズでiPhoneより軽い。さらに小型のIS05よりも軽い。ふつうの携帯として携帯出来るので、先ほど紹介したとおり、カバーなどに入れず、ガシガシ使うべきなのだろうと思う。
デザインがiPhone3Gっぽいのが気になります。高級感を表す一方で、銀縁とかはキズが付くとみすぼらしいので、その点はメーカーが留意すべきかなと思っています。
総じてシンプル。物足りなさがある人もいるでしょうけど、この程度なら我慢出来るでしょう。

・総評(点数とその理由)
「全スマホ時代への試金石」
素直にAndroidを使って作ったスマホですね。パンティックの評価が割と高いのはそういう理由かもしれないですね。
まあ、正直物足りなさは割とあるし、非常に無難な作り方なんですね。例えば、これがGALAXY Sの時代に出たIS06の代わりとして発売されたなら、その時代の目新しさを求めるシニアユーザーなどにも受けたかもしれません。が、かんたんUIが世に出てしまったあとで、この無難さは商品自体の素材がわかるユーザーにしか受け入れられません。auへの批判が止まりませんが、こういう細かい戦略のミスによって、EVO3DとかPhotonのような世界市場で定評のあるモデルを投げ売りする一方で、ARROWS Zのような欠陥モデルが人気なのです。

そういう意味では、完全にauによって殺されたモデルといっても過言ではないと思いますが、幸いサンクスチェンジ(というか、このサンクスチェンジという響きが、auのユーザーに対する小馬鹿にしてる感を煽っているとしかいいようがないのですが)交換機種として登場することになりました。
今後、この機種を手にするユーザーも少しはいると思いますが、Androidのスマホとして使うことは非常に厳しいと思います。
もっと後にならないと、この端末の評価は出ないと思いますが、戦略上投入されてしまっている姿勢が見られてしまったところに-30点。あとは無難なスマホということで-10点。ARROWS Zと同じ60点ぐらいかなと思います。

ちなみに、勘違いしないようにいっておきますが、ARROWS Zは買ってはいけないモデル。IS11PTは買っても実用にはなんら問題ないレベルです。電話だけでOKなら非常にオススメです。まあそんなスマホユーザーはそうそういないでしょうけど。