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カテゴリ: XPERIAのレビュー

今回は、1年落ちでは初めてかもしれない、XPERIA 5 II SO-52Aの実機レビューをご紹介。

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いつか来る「XPERIA 1 II」との、上手な別れ方を考える
さて、本題に入る前に、ごく短い時期を除いて、XPERIA 1 IIとの付き合いもそろそろ長くなってきました。去年の6月から9月までのSO-51A、11月から現在に至るXQ-AT42と、延べ2回の年越しを経験したスマホは、実は主力機器ではありません。あのiPhoneですら12miniを一度売りながら、結局12を買う戻してしまうほどでしたので、それはそれで良いと思うものの、両方とも1度の年越しになっています。(12は気に入っているので、8以来の長期使用にはなりそう)
本来の年であれば、この当たりでRed Magic 6Rがメインのスマホとなり、XPERIA 1 IIはもう手元から消えている状態であると思うのですが、今年はどうしてもそれが出来なかった感じです。かんたんなことで、XPERIA 1 IIが単純に好きなんですよね。S865搭載、メインメモリ12GBというスペシャル仕様に256GBのストレージは、ある意味本気の証拠とも言えます。伊達に高い値段をして買ったわけではないですが、それでもここまで気に入って使い続けているスマホは、ここ数年ではちょっと見つからないです。
ただ、そんなXPERIA 1 IIも、バッテリー残量はピーク時比で約85%と低下しており、デュアルSIMであることもあってか、随分とバッテリー消費が激しいです。おそらくバッテリー交換はするつもりはまずないと思うので、そうなると代替機を準備すべきではないかと考えました。
タイミングもありますが、XPERIA 5 IIを買うことで、XPERIA 1 IIとの上手な別れ方を考え、思考するために買った、という側面もあります。

そうは言っても、結局は物欲だ
結局、物欲には勝てないと言うもの。SIMフリーで99,000円のモデルを、キャリア縛りとはいえ、66,000円で売ってしまうドコモも問題ではあります。1の系統を使ってきた人間として、5の系統を使ってみたいという気持ちは結構前からありましたし、あるいは半年待ってでもSIMフリーモデルを買うべきかなとも考えた時に、比較材料が欲しかったのも決めてでした。24回で66,000円、ポイントでだいたい60,000円です。割と屈辱ではありますが、24回で支払うと決めた以上は仕方ないから払い続けて行こうと思っています。ちなみに、ドコモの端末で月サポなし分割購入は、iPad Pro 12.9ですでにやっているので、抵抗はなし。メイン回線は5Gでありながら、未だにGALAXY A20という状態だったため、ようやく5Gへ本格移行したということになります。(ただし、すべての回線で5GはLinksmateのデータ利用のため、ドコモでのデータ利用はよほどのことがない限りありえない)

かんたんなスペック
Snapdragon 865 2.8GHz(1コア)+2.4GHz(3コア)+1.8GHz(4コア) +X55 modem
(Kyro585 Gold 4コア+Kyro585 Silver 4コア/Adreno 650)
メインメモリー 8GB
ストレージ 128GB(UFS3.0)
前面6.1インチ HDR10対応OLED FHD+液晶(120Hz駆動)
無線LAN WiFi6 (11ax、1200Mbps対応)/Bluetooth5.1
1200万画素/24mm(メイン)/1200万画素/16mm(広角レンズ)/1200万画素/70mm(望遠レンズ)
800万画素インカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー、USB type-C端子
ステレオスピーカー/3.5mmイヤホンジャック
DSEE Ultimate/LDAC、aptX HDコーデック/TWS Plus/aptX Adaptive対応
ダイナミックヴァイブレーション搭載(まだ付けるのw)
nanoSIMスロット x1/microSDカードスロット x1
4000mAhバッテリー
NFC/おサイフケータイ搭載
防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X)
158 x 68 x 8 mm 163g
Android 11(アップグレード済み)

5G、LTEバンド、3G対応は公式によると、
5G n78/79
LTE 1/3/19/21/28/42
3G 2100MHz/800MHz

より、他社バンドへの縛りが強くなっている感じがします。

注目すべきポイントは、ほぼXPERIA 1 IIで網羅出来ていた機能の大部分をそのまま搭載しながら、わずか163gという超軽量に仕上げたことにあります。これにより、完全に握ることが出来るサイズでありながらハイエンドスマホとして仕上がったという、近年では珍しいタイプのスタンダードハイエンドモデルとなっています。ちなみに 5 IIIも出ていますが、5g重いようです。

1にあって、5にないものとしては、4Kディスプレイ、それとQi充電、カメラの3D iToFセンサーです。4Kディスプレイはともかく、Qi充電と3D iToFセンサーは行けたのではないかとも思えますが、そこはウルトラハイエンドと、スタンダードハイエンドの違いとも言えます。困ることはないんですけど、特にQi充電は5 IIIでも搭載はされなかったため、やはりハイエンドの特権なのかなと思います。

一方で、液晶のリフレッシュレートの高速化と、解像度の低減、それに伴うバッテリー耐久時間の延長、軽量化などが大きなポイントで、ゲーミングスマホとして5を選ぶというのは、比較的自然な流れとも言えます。このハンドリングの良さはなんなんだろうと思ってしまいます。

ちなみにサイズ感
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実は、そんなに大きな差があるわけでもないんです。この数ミリ、そして横幅が大きく効いています。1は持つタイプのスマホなら、5は握るタイプのスマホと称しても過言ではないと思います。


ただのダウンサイジングではない、イチから組み上げたであろう1台
さて、XPERIA 1 IIはどちらかと言うとソリッドというか、高性能の塊感では、それまでのXPERIAとは一線を画する感じがありました。XPERIA 1がプロトタイプであれば、XPERIA 1 IIはマスプロタイプ、XPERIA 1 IIIはリミテッドタイプ。もし1 IVがでれば、さらなるリミテッドモデルへの進化となるでしょう。とはいえ、XPERIA PROという別ラインがあり、こっちはまごうことなきプロフェッショナルタイプという扱いへと進化しています。
対して、持って使ってみるとわかるのですが、XPERIA 5 IIは丸みを帯びたボディもあってか、どこかポピュラータイプへの諦めを捨ててない感じがあります。徹底的に棲み分けしている感じもあり、1 IIと同時発表だった10 IIに比べても、丸さが際立つ感じがあります。(10 IIIはまたサイドに丸みを持たせた)

考え方によっては、廉価版のボディにハイエンドのスペックを詰め込んだとも、このボディからは感じさせます。ソニーが考えるミドルレンジはあくまで10シリーズと言っているものの、本来置きたいのは5シリーズのボディに10シリーズのスペックで、1相当の機能を搭載したいと思うんですよね。
ただ、それに機能が追いつかない、そうなると無条件でハイエンドパーツを搭載する方向になり、結果としてSnapdragon 8シリーズを大量購入、1と5に搭載しているという流れなのかと思います。

技術の結集が1シリーズ、その廉価版が10シリーズだとすれば、5シリーズは10シリーズのコンパクトさの中に、極力1シリーズのスペックを詰め込み、足りない部分は1シリーズに負けないパーツで補う。こうして、単なるダウンサイジングではない、別のハイエンドと呼べるモデルをわざわざ毎回作っているのだろうと思います。


使い勝手など
色々書きましたけど、慣れのレベルもありますが、単純に片手操作がしやすいのが大きなポイントで、1 IIで強引に片手操作する場合、届かない範囲や持ち方への工夫などが必要でしたが、それを考える必要がないです。加えて20g程度軽くなっているため、ゲームの耐久戦などではなかなか有効だと思います。軽さで言えば、似たような軽さのMi 11 Lite 5Gを持っていますが、こちらは液晶が大きい分薄いというのがポイントで、思ってたより軽いけど、使い勝手は6.5インチのスマホと大差ない持ち方に終始してしまいます。
ちょっと驚くのは、幅68mmというサイズ、実は歴代ZシリーズやXZシリーズは無論のこと、Compact系が死守していた幅65mmに迫るものがあります。iPhone 13 miniでも64.2mmほどありますから、いわば現代のCompactシリーズとも取れるわけです。片手で操作出来る範囲にすべて収まるというのは、それだけでサイズ感、ひいては使い勝手に直結してきますので、この点でのアドバンテージはやはり大きいものではないかと思います。

強いて言えばGoogleアシスタントボタンかなあ。シャッターと間違えるので、無効にしたいと考えますけど、それが無理かなとは思います。

ゲーム用途に使うことは将来的にはあるかもしれませんが、今のところ
  • アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ
  • ウマ娘プリティーダービー
  • プリンセスコネクト Re:Dive
  • IDOLY PRIDE
  • ときめきアイドル(オフライン版)
以上の動作を確認しています。S865のパワーを活かして、基本的に快適に遊べます。冬ということを差し引いても、非常に熱がこもりにくい感じがあります。1 IIはこの辺に不安があったりしましたけど、その点も5 IIが勝っている部分なのかなと思います。


まとめ:ニッチすぎるサイズはいつまで続くのか?少なくとも1 IIからは十分乗り換え出来る
こうなると、5シリーズの行く末を心配してしまいます。おそらく、次に買うであろうXPERIAは、間違いなく5シリーズになると思います。それだけサイズ感がいいです。

昔からGALAXYシリーズにおいて、ノーマルタイプと少し画面の大きいPlusシリーズを用意していた理由が何となくわかります。GALAXYは同時に発表することで、下半期のnoteシリーズも用意出来たわけですけど、XPERIAはこれを5と1という2台で、特に2021年は同時発表となったことから、今後も同時発表されるケースは十分考えられると思います。
手の全体を使って持つ感じのXPERIA 1 IIに比べ、指が逆サイドに届いてしまうほど細いXPERIA 5 II。スマートフォンの進化を常に一線で感じられる1シリーズに比べると、5シリーズは握れるハイエンドという微妙でニッチな立ち位置となります。iPhoneでいうノーマルとminiというサイズ感に近いですし、6.1インチは案外小さくないサイズではあります。このミスマッチ。いわゆる廉価帯であるスマートフォンのサイズはおおよそ6インチ程度ですが、その層にはベストマッチするハイエンドモデルとなります。最近だとASUSがZenfone8で5.9インチというサイズにしましたし、GALAXY S21もやや大きめではありますが、6.2インチとなかなかに小型です。
いわゆるコンパクトハイエンドという需要は世の中に一定数いて、そのアンサーがiPhone miniにあたると思うのですが、それとは違い、Androidはその画面の大きさをそのままカスタマイズ出来るという点で、多少なりともサイズが大きいほうがいいとは思います。そういった需要をうまく取り込むために、敢えて毎年作り続けているという感じはあります。

あとは、これを言ったらおしまいですけど、50インチぐらいならともかく、6.5インチで4K を搭載するというのは、やっぱりナンセンスな気がします。OSレベルで解像度の問題ではないにせよ、無理くり感があるし、そこはプロフェッショナルモデルだけに搭載する方向でもいいような気がします。ただ、4K液晶を搭載しているというのは、1シリーズの大きなアイデンティティではあるんですよね。そこを考慮すると、やっぱり引けないなとは思います。

理想を言えば5シリーズにも4Kでしょうけど、2K相当でも何ら困ることはないですし、スペックだけで考えれば、当時の他社のハイエンドモデルとほぼ似通ったスペックです。強いて言えば8GBメモリーですけど、これはどのメーカーでもこのクラスでは8GB+2K液晶でグラフィックメモリを確保出来ると考えられるので、特に悪いわけではないと思います。ただ、流石に次のSnapdragon 8 Gen1世代では、もう少しメインメモリを搭載してほしいなあと思う次第ではあります。

まあ、仮に5 IVが出たとして、SIMフリー版は2023年の4月頃でしょう。ちょうどSoCのサイクルで2周遅れになるとは思いますけど、それでもいいのかなとは思っています。
当面はXPERIA 1 IIの控えで、オーディオプレイヤーとゲームがメインとなりそうですが、いざメインを張ることになっても十分戦えるポテンシャルを持っているというのはよくわかりました。今後も構成を変えるようなことがなければ、とりあえずサブの1台として使っていこうかなと思っています。

メインで使うときにはやっぱりデュアルSIMのほうがいいんだけどなあ。




おしまい



今回は、ソニーの5G対応スマホ、XPERIA 1 II (Mark.II) XQ-AT42の実機レビューをご紹介。
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メーカーがハイエンドを販売する時代に、選ばれるスマホであるために
さて、お前は6月にXPERIA 1 II(SO-51A)のレビューをしてるじゃないかと突っ込んでもらえそうな気がしたので、簡単に経緯をお伝えしておこうと思います。
まず、そもそものSO-51Aは、8月末に売却しています。回線も当然解約しています。理由は5千円近いランニングコストの削減、それとこのSIMフリー版を買うための資金確保の意味合いもあります。
未使用品ならともかく、使用品で10万を超える時期があったなら、同型機でも即売却即予約というのがいいかなという理由は3点。これは、今後メーカーが直接ハイエンド機を売るための、ある意味ヒントとも言える話です。
1つはSIMフリー、かつデュアルSIMモデルであること。強いて言えばmicroSDカードも使えると良かったのですが、そこは1枚のSIMと排他式となっています。
2つ目はこれに伴うストレージの強化。キャリア版の2倍である256GBを搭載しています。ちょっとしたノートPCレベルのストレージ容量です。これでmicroSDの容量を補うことも出来るし、ゲーム用としてSIM1枚での運用であれば、さらにmicroSDで容量拡張出来るのは魅力的です。
3つ目。これがある意味最大のセールスポイントとなるのですが、XPERIAとしては最上位となるメモリ12GBです。現実問題として8GBでも全然足りるのですが、S855時代では12GB、S865では最大16GBもの容量のメインメモリを搭載出来るようになっており、日本国内のメーカーとしてはSHARPがAQUOS R5Gで12GBメモリを達成しています。同時期にGALAXY S20も登場していますが、こっちは当たり前のように12GBメモリ。したがって、当初XPERIA 1 IIが登場したときにメモリ8GBというのは、実用ベースでは問題ないけど、スペック厨としてはなんか負けた気がしたという感じがありました。
しかし、日本国内でありながら、キャリア版と筐体のサイズも変わらず、結果としていらないフルセグチューナーをなくして、その分をメモリ容量とストレージの増加に割り振ったモデルを、ソニー自らが販売するというのは、ある種の革命と言っても過言ではないと思います。
SHARPや富士通はあくまでMVNOに卸すということで、おおっぴらに自社で販売することはしません。SamsungはMNOとのパイプが大きく、今はauと蜜月にあるようです。OPPOやXiaomiなどの日本では後発に当たるメーカーはそれなりにSIMフリーモデルを販売していますが、ハイエンドモデルとなると、両手で足りてしまうぐらいしか種類はないと思われます。
そんな中、AppleがSIMフリーモデルを家電量販店で販売するようになり、徐々にではありますが、ハイエンドモデルもメーカーから直接購入することが可能になってきた中での、アップグレード版XPERIA 1 IIの登場は、毎回のようにスペックダウンされた日本国内向けXPERIAにがっかりしていた、長年のXPERIAユーザーが描いていた一つの夢とも言えると思います。

同時発表されたXPERIA 1や5と違い、1 IIのみフロストブラックという特別色が用意され、通常のブラックはキャリア版のみとなっています。このフロストブラックに人気が集中した結果、通常色であるホワイトとパープルはそこそこ入手しやすい状態となりました。今回も例によってパープルです。
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ドコモ版と比べても変なロゴはなく、いわゆる海外版モデル準拠となったわけですね。


かんたんなスペック
(赤字が変更点です)
Snapdragon 865 2.8GHz(1コア)+2.4GHz(3コア)+1.8GHz(4コア) +X55 modem
(Kyro585 Gold 4コア+Kyro585 Silver 4コア/Adreno 650)
メインメモリー 12GB
ストレージ 256GB(UFS3.0)
前面6.5インチ 4K HDR10対応OLED液晶
無線LAN WiFi6 (11ax、1200Mbps対応)/Bluetooth5.1
1200万画素/24mm(メイン)/1200万画素/16mm(広角レンズ)/1200万画素/70mm(望遠レンズ)
800万画素インカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー、USB type-C端子
ステレオスピーカー/3.5mmイヤホンジャック
DSEE Ultimate/LDAC、aptX HDコーデック/TWS Plus/aptX Adaptive対応
ダイナミックヴァイブレーション搭載
nanoSIMスロット x2/microSDカードスロット x1
4000mAhバッテリー/Qiによるワイヤレス充電対応(最大11W)
NFC/おサイフケータイ搭載
防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X)
166 x 72 x 7.9 mm 181g
Android 10.0

5G、LTEバンド、3G、GSM対応は公式によると、
5G n77/78/79
LTE 1/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19/21/26/28/38/39/40/41/42
3G 1/5/6/8/19
GSM(2G) 850MHz/900MHz/1800MHz/1900MHz

ドコモのVoLTE通話などといったDSDVにも対応。唯一Rakutenの5Gのみ非対応のようです。
さらにモバイルネットワーク設定をされているSIMカードが5G対応の場合は、通信が5Gでできて、4G通話+5G通信が可能という、日本国内では特殊なモデルとなっています。一昔前は3G通話+4G通信で喜んでいたのに、時代は進んでいますね。
もちろん、4G通話+4G通信というのも可能なので、使い勝手はすこぶるいいですね。
ちなみに、契約によっては(と言っても大半の回線契約では)3G通話+3G通信という状況も出来るようになっています。おそらく、日本国内でSIMカードを差せば、大抵は電波を拾う仕様ですね。


体感は変わらずとも、スコアの上がったベンチ結果
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まあ、チューニングなのか、メモリ12GBが効果を発揮しているのか、ちょっとよくわからないですけど、ベンチマーク結果はすべてSO-51Aを上回っています。
結局、体感はS855+UFS3.0だったAQUOS Zero2と大差ないです。ただ、儚さというか、脆さというか、そういう危うさみたいなものは一切感じられないです。質実剛健な作りは、いいときのソニーの物作りだと感じます。
液晶の映りが、AQUOS系に比べて落ち着いた色味になっています。GALAXY系もそうだけど、高コントラストの有機ELは、使っている分には気にならないものの、鮮やかすぎるキライはあります。
唯一、SO-51Aで気になっていた改善点と思われるSIMトレイに関しては、しっかり閉じるようになっています。これの理由がよくわからなかったまま売ってしまったんですけど、microSDカードを入れるとなんとなく浮いているような感じになるのかな?といったところです。


ゲームに関して
(2020/11/05現在・インストールおよび動作確認用垢にて起動まで確認)
ラブライブ スクールアイドルフェスティバル
バンドリ ガールズバンドパーティ
アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ
アイドルマスターシャイニーカラーズ(enza版/アプリ版)
刀使ノ巫女 刻みし一閃の灯火
マギアレコード
きららファンタジア
ポケモンGO
ドラゴンクエストウォーク
プリンセスコネクト Re:Dive
スーパーロボット大戦DD
ミニ四駆 超速グランプリ
この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ
D4DJ Groovy Mix

魔法科高校の劣等生 LOST ZERO(6.0 ローカル版)
ときめきアイドル(2.0 ローカル版)
ラブプラス EVERY(ローカル版)

とりあえず、ゲームをインストールする前に、ゲームエンハンサーの設定をしておいたほうがいいというのがよくわかりました。
AQUOS Zero2最大の泣き所であったデレステの譜面抜けは、XPERIA 1 IIではほぼありません。ほぼと言っておいたのは、貼っているガラスのせいなのか、本体の液晶の問題なのかが、ガラスを剥がしたくない一心で試してないという点です。
慣れた曲で、安定してフルコン出来るという点で、ようやくRed Magic 3レベルの環境が整ったという感じです。これでリフレッシュレートが60Hzなのがやっぱり惜しいかなとも思いますけど、そういう人はXPERIA 5 IIを買いましょうってことなのかもしれないですね。
大抵のtype-C接続の有線LANアダプターも認識しますが、HSパワーコントロールと一緒に使う場合は、分岐アダプターなどが必要となります。PC向けならPD対応も豊富だけど、スマホ向け、ましてやゲーミングとなれば、本来はL字か背面接着型がいいので、なかなか選択肢は増えないですね。

まあ、バッテリーの心配をしなくていいというのはデカイ。24時間、ある程度ゲームをやろうがとりあえず1日に50%程度しか消費しないのは、十分なバッテリー持ちだと思います。

気になる点:アンテナがMAXまで立たないこと
まあ、これはAQUOS Zero2でもmoto g8でもそうだったんだけど、ドコモ最適化ではなく、SIMフリーの宿命なのか、アンテナが4本立っている場面を多く見ないです。とは言え、自宅ではCAでB1+B3+B19という組み合わせで使えたりします。
びっくりすることに、今この記事を書いている場所、なんとBand28が整備されているらしく、B28+B1+B19というCAが使えているようです。(北海道)
まあ、大きな影響はないとは思いますけど、バンド切り替えなどにもたつきはあるのかもしれないですね。SB/ワイモバイルはほぼグローバルバンドなので問題なさそうですけど、auとRakutenに関してはバンドサポートされていても、ちょっと怪しいところではあります。

まとめ、現状、最高のXPERIA。しかしゲーム用途なら、5 IIも魅力。
まず、10万で売って13万で買った端末の感想は、満点です。後にも先にも、このスペックのスマホで戦えるというのはデカイです。それとともに、通常使用時のレスポンスの良さは、プラシーボレベルでAQUOS Zero2より早いと感じます。3万強のAQUOS Zero2、6万するRed Magic 5Sでも十分なのかもしれませんが、サイズと重量のバランスもよく、側面の指紋認証センサーは、画面内指紋センサーより反応がいいので、その点だけでも、AQUOS Zero2よりはnubia Z20だったのかなとも思えたりはしています。余談ですけど、nubiaのナンバリングシリーズは果たして今年出るんだろうか。

一方で、そのあとに出たXPERIA 5 IIは、解像度こそ平凡な有機EL液晶ながら、リフレッシュレート120Hzに対応したモデルで、現在ではキャリアでしか買えませんが今後ラインナップに加わるかもしれません。その時が、ソニー直販としてのなにか特別な仕様に出来るのかどうかという感じになりますね。それこそ、XPERIA 1 II相当のスペックに出来れば、小型のハイエンドモデルとしてものすごく人気が出そうな気がします。多分そんなスペックのものが出てしまえば、きっと買ってしまう。

しかし、ギリギリ片手で使えるハンドリングの良さ、慣れればデカイ液晶に、そこにデュアルSIMとメインメモリ増量に価値を見いだせるなら、SIMフリー版XPERIA 1 IIは大きな選択肢になると思います。
あくまでゲーム性能を第一とするならば、XPERIA 5 IIも有力な選択肢となってくれるはずです。



もう、キャリアから端末買うのは、本当に少なくなりそうだ。



おしまい

今回は、ソニーの5G対応スマホ、XPERIA 1 II (Mark.II) SO-51Aの実機レビューをご紹介。

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ブラッシュアップされた、XPERIA第4世代のフラッグシップモデル
国内リリース10年を迎えたXPERIAを紐解く上で、大きなモデルチェンジはしばしばあったものの、シリーズとして区分けをすると、以下のような感じになります。

  • (Windows Mobile版 XPERIA、2008~2009年)
  • XPERIA初期シリーズ(2010~2012年)
  • XPERIA Zシリーズ(Z~Z5シリーズ、2013~2015年)
  • XPERIA X/XZシリーズ(X Performance~XZ3、2016~2018年)
  • XPERIA 1シリーズ(1以降、2019年~)
名機と呼ばれるモデルはそこそこあるものの、試行錯誤の連続あり、モデル的には退化と進化を繰り返すような感じが多く、その点では他のメーカーに比べて、ユーザーが浮かべるイメージが異なると思います。
実際、頂点はXPERIA Z3ぐらいだと言われていますが、個人的には、ZL、Z4、XZ Premiumが好きです。それは何回も書いていることなので、くどくど説明することはしません。

そして2018年のXPERIAで、本当の底を経験することになります。形状に重さ、そしてカメラやオーディオ周りに至るまで、全てが噛み合わない、アンビエントフローデザインありきのモデルチェンジ。移り変わりの速いスマホ業界で、完全に1年を無駄にするという失態。数少ない次期モデルへの遺産もありつつ、この1年で終了します。

そして規模縮小の上で始まったONE SONYを具体化すべく登場した、XPERIA 1をリリースした2019年を経て、5G初号機のXPERIA 1 IIとなります。
XPERIA 1は執筆時には、まだ国内キャリアの3G契約変更向けに配っていますが、ドコモ向けは初期ロット完売するなど、市場としてはそこそこ好評だった形をさらに推し進めたような形となります。

ドコモ版は、au版に比べて、実に1ヶ月以上も販売開始が遅れるという珍しい展開となりましたが、Photographer Proのリリースを待っての、満を持しての販売開始となりました。(とはいえ、アップデート対応というお粗末な結果ではある)

XPERIA Zシリーズが好きだった人への、5G版XPERIA Zとなるモデル
薄くて、軽くて、ハイエンド。XPERIA Z4が目指した当時のコンセプトでした。実際、XPERIAのハイエンドに、Z4以上の薄さ、軽さのモデルは、Compactモデルを除いて存在していません。あれから5年の間、スマホは年々重量増を繰り返すものの、XZシリーズでも一つの頂点となるXPERIA XZ1の156gを達成。それからアンビエントフローデザインとなり、中でもXPERIA XZ2 Premiumに至っては238gという超重量級、しかしながらXZ2より小型の液晶を搭載するなど、サイズと重さが噛み合わないモデルが多く、これがZ3辺りからのユーザーへのアップグレードパスを閉ざしてしまったことも否めないです。

XPERIA 1は、そこをかなり詰めたのか、デザインもどこかZシリーズ初期を思わせ、重量も178gと、同世代のハイエンドモデルとしては、かなり頑張った重さとなりました。数少ないXZ3での改善点だった有機ELを4K、6.5インチ、そして21:9というアスペクト比にまで大きくしたディスプレイ。SONYはまだマトモなスマホを作れるという狼煙を上げたモデルでした。

しかし、これで終わりじゃなかったのが、今回のXPERIA 1 II。電源ボタン兼指紋認証センサーに戻し、デザインもさらにZシリーズに戻ったかのような板デザイン。XZ1以来となる3.5mmイヤホンジャックの再搭載と、XPERIA好きがこれでもかと願ったようなモデルを、5Gのファーストモデルに用意してくれました。ここまで徹底して原点回帰してくれたSONYに、素直に称賛しかないです。

スペックよりも、ラベンダーっぽいパープルボディが決め手
去年の1も、パープルが出るという話を聞いて、かなり心が揺らいだのですが、ちょっと色が濃すぎたのもあり、さらに言えば、コストパフォーマンス的なモノでnubia Red Magic 3を予定外に買うという事態も起こってしまったので、結果的に機会を逸してしまったわけです。去年は結局1月にXZ2 Premium、5月にXZ2 Compactを買いましたが、両方とも年をまたぐことはなく(というか、そもそも年をまたぐスマホというのが、それほど多くない)、XPERIAロスが割と長かったというのがあります。まして11月には、XPERIA XZ Premiumを売っているため、2020年にはS810のZ4以前のXPERIAしか所持していないまま明けるという、珍しい年またぎとなりました。(なおZ20とRM3の二台持ちだった模様)

明けて2月、何より値段の折り合いを付けて買おうと決心したのは、ラベンダーっぽい、薄いパープルボディが出るということでした。憎きXPERIA Aceでは存在した薄いパープルボディが、ハイエンドでも選択できるところが、大きなポイントです。
遡れば、XPERIA Z3もなんかむやみに海外からパープル取り寄せたし、XPERIA A2には未だに未練があるし、その辺り、初期のVAIOにも通じる感じから来るイメージなのかもしれません。

かんたんなスペック
Snapdragon 865 2.8GHz(1コア)+2.4GHz(3コア)+1.8GHz(4コア) +X55 modem
(Kyro585 Gold 4コア+Kyro585 Silver 4コア/Adreno 650)
メインメモリー 8GB
ストレージ 128GB(UFS3.0)
前面6.5インチ 4K HDR10対応OLED液晶
無線LAN WiFi6 (11ax、1200Mbps対応)/Bluetooth5.1
1200万画素/24mm(メイン)/1200万画素/16mm(広角レンズ)/1200万画素/70mm(望遠レンズ)
800万画素インカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー、USB type-C端子
ステレオスピーカー/3.5mmイヤホンジャック
DSEE Ultimate/LDAC、aptX HDコーデック/TWS Plus/aptX Adaptive対応
ダイナミックヴァイブレーション搭載(まだ付けるのw)
nanoSIMスロット x1/microSDカードスロット x1
4000mAhバッテリー/Qiによるワイヤレス充電対応(最大11W)
NFC/おサイフケータイ搭載
フルセグチューナー内蔵
防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X)
166 x 72 x 7.9 mm 181g
Android 10.0

5G、LTEバンド、3G対応は公式(SIMロック解除後の海外バンド含む)によると、
5G n77/78/79
LTE 1/3/4/5/7/12/13/17/19/21/28/38/39/40/41/42
3G 2100MHz/850MHz

4GでもCAにより、下り最大1.7Gbpsという驚異的な速度が出るようです。確かに、常時3CA程度は電波を拾っているので、北区あたりでは、平均して実測20Mbpsぐらいで通信出来ています。

公式に5G/4G専用端末となっており、ドコモの3Gに接続が出来ない模様。
既存ドコモの4Gプラン、MVNO(Linksmate 4G)、およびRakuten UN-LIMIT 4G(SIMロック解除後)でも使用可能でした。(Rakutenに関しては、Band3オンリーなので、かなり制約はある)
ドコモのSIMに関しては、水色SIM以降なら認識は問題ないようです。

個人的には、4Gの通話端末としてどこまで行けるかというのを試す感じです。


余談、5Gエリアに関して
いつだか書いた覚えがありますけど、主要駅でもごく一部の場所でしか、5Gの普及はしておらず、結局のところ、5Gの恩恵を受けられるのは、ごく短時間ということになります。買って3日経ちますけど、4G以外の表示は出ないです。
今回はヨドバシカメラマルチメディア上野店という、都会の穴場的なヨドバシで契約したのですが、ヨドバシカメラの店内で5Gアンテナが置かれるのは、ドコモショップ機能のある店舗が優先になるらしく、開通テストも4Gオンリーという感じになっています。半ば、売っているほうも5Gスマホというよりは、端末指名買いなら売りますという、かなり不思議な状況になっているとのこと。新製品、ハイエンドなのに積極的に推せないというのは、LTE初期にはなかった気がします。FOMAの最初もそんな感じで、エリアがすごく狭かった記憶があって、やっぱり売る方は難しかったです。


レスポンスが向上、意外とデカイストレージ規格の進化
いつものベンチマークスコアは画像の通り。
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CPUのスコアが大幅向上しています。3D性能も驚くほどスコアアップしています。
スコア以上に感じたのは、とにかくレスポンスがいいことです。今までのメインスマホであるnubia Z20はUFS2.1で、これでも不満になることはないレベルでしたが、UFS3.0搭載となったXPERIA 1 IIでは、残像低減の効果もあったりするでしょうけど、応答速度がとにかく速いし、アプリ起動も速いです。どこにこれだけ速度を上げられる要素があったのかと驚くほどですね。

nubia Z20でもVoLTEでの通話は出来ていましたが、1 IIは驚くほどキレイな音声通話が出来ますね。固定回線にかけてもキレイに聞こえます。なんかよく覚えてないですけど、これってXZ2 Compactでもそうだったんだろうかな。


ゲーム。
(2020/06/21現在・インストールおよび動作確認用垢にて起動まで確認)
ラブライブ スクールアイドルフェスティバル
バンドリ ガールズバンドパーティ
アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ
アイドルマスターシャイニーカラーズ(enza版)
刀使ノ巫女 刻みし一閃の灯火
マギアレコード
きららファンタジア
ポケモンGO
ドラゴンクエストウォーク
ラブプラス EVERY
プリンセスコネクト Re:Dive
スーパーロボット大戦DD
ミニ四駆 超速グランプリ
この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ

魔法科高校の劣等生 LOST ZERO(6.0 ローカル版)
ときめきアイドル(2.0 ローカル版)

毎度言いますけど、ときドルはローカル、スペック向上になった今こそ3D表示が超絶キレイに見られるという、ハード側の進化が一方的に体感できる面白さがあります。

21:9のアスペクト比が多少なりとも黒枠となって現れるゲームもありますが、個人的にはほぼ許容範囲です。無線LANもWiFi6に対応しましたが、それとともに、type-C経由で有線LAN接続にも対応しているようです。
筐体がギリギリまでフラットな特性が生きて、さらに残像低減効果により、デレステやガルパでの譜面速度調整も全曲ほぼ同じで問題なく遊べる感じです。(余談だけど、nubia Z20はこの辺がRM3のリフレッシュレート90Hzに比べて劣っていたので、AQUOS Rを買って遊んでたわけだけど)

しかしながら、21:9、6.5インチであるゆえ、横持ちの場合、とにかく手で左右をどうやって詰めようかというので、ちょっと思うところはあります。なかなか最適なハンドリングが見つからないです。

カメラは専門外なので、ここでは省略しますけど、XZ2 Premium唯一のいい点だったツインカメラより目で見てるぐらいの色相にはなります。ThinkPad P1の天面をズームして、しっかり細かいキズが見えたりして、使い方荒いのかなとガッカリするぐらいに高精細には写ります。

オーディオ
間違いなく、XPERIA最高と呼べる、オーディオデバイス対応です。3.5mmのイヤホンジャックに加え、aptX系の拡張機能も実装、さらにステレオスピーカーの配置もよく、これに加えて21:9のディスプレイで見る、シネマサイズのシン・ゴジラの良さ。映画はDolby AtmosをONにすると、没入感が高くなりますね。
今回は、さらにDSEEがXPERIA向けに進化したDSEE Ultimateを搭載しており、AI解析により、MP3を始めとする圧縮音源をアップスケーリングするという、一見するとDSEE HXと何が違うのかわからない機能があります。Bluetoothやストリーミング再生にも対応とのこと。確かに低ビットレートのMP3なんかがそれなりに映える音になるので、一応効果はあるようです。

で、肝心の音の傾向としては、SONYっぽい音と表現する他ない、ウォークマンのAシリーズ相当ぐらいの音は出ています。良く言えばキラキラ、悪く言えば派手な感じです。Hiby R6は音量を上げると、いわゆる音圧みたいなものも多少変わってくるのですが、こっちはそういう感じではなく、どこまでも音の強さみたいなものは変わってこないです。ただ、普通に聞くレベルの音量で、そこまでパワフルにする必要もないでしょうし、そういう点ではXPERIA向けに最適化された仕様なのだと思います。

そして、ようやくTM2のメイン機能の一つである、TWS Plusが使えるようになりました。
Screenshot (2020_06_22 23_43_43)

Screenshot_20200622-234848

こんな感じで接続されているようです。
この機能が地味に効果絶大で、山手線の車内はもちろん、土日の秋葉原ですらほぼ音が切れないというスゴさ。これまでは単なるMMCX用のアダプターという大義名分で使ってましたが、AKG N5005と合わせて、これからは晴れて接続性の良い、長時間利用出来るTWSとしてもうひとがんばりしてもらおうと思います。

バッテリーの持ちに関して
個人的には、ゲームをやることもあって、とにかく24時間持てば大丈夫だと考えているものの、割と長持ちする印象。これなら普通に使うぶんには2日ぐらいは行けるんじゃないかと。それでも実容量で5000mAhあったRM3なんかに比べると、余裕の2日ではないとは思います。
XZ2シリーズのように、Qi充電をして、サーマルスロットリングが起こることもありません。

その他、ちょっと気になる点として、SIMやmicroSDがしっかり収まらないことがあったりします。トレイにしっかりはまらないけど、まあ認識はしているので、今はいいです。


まとめ、XPERIAはまだ死んでないと再確認した偉大な一台となるはず
細かいことはさておき、XPERIA久々のヒットモデルであることは間違いないと思います。こういうモデルが欲しいというものを、完全にに具現化したと言っても過言ではないです。シンプルに、必要な機能をすべて詰め込めたという点で、SONYのXPERIAはまだ死んでないと再確認出来ました。
XPERIAが好きなら無条件で買っていいし、Zシリーズから抜け出せなかった人にも、ようやく2020年版のXPERIA Zとして、1 IIを受け入れることが出来ると思います。

強いてメインメモリとストレージ容量、ないしはDual SIMなどが欲しいというのはありますけど、メインメモリは8GB、ストレージに関しては128GBと標準的な水準であり、そこまで目くじらを立てるほどではありません。キャリア版ということもあり、Dual SIMは一部地域のモデルに限定されていますが、どうも海外版でもドコモのVoLTEは行けるっぽい感じらしいのが、唯一心残りではあります。

今回は5G世代の初期ということもあり、比較的安く購入出来て、通信もテスト済みのドコモ版を購入しましたが、今後は海外版Dual SIMモデルでもいいのかなと思ったりします。10万そこそこ、と聞くと案外高い感じもしますけど、これだけあからさまにレスポンスが良ければ、スマホに対するストレスもほぼ感じないようになるので、精神衛生上の観点では、安い買い物とも思います。
とはいえ、これだけ決定打となるモデルを出してしまった以上、5 IIの出来も気になるところですし、何より今後しばらくはこれ以上のXPERIAが出るとは思えないのですよね。それはそれでいいのですが、この路線をブレずに継続出来るかどうかという点が、今後のXPERIAの大きな課題となるのではと思います。


とりあえず、今はこの名機を所持しているということに満足して、キレイにレビューを締めたいと思います。




おしまい

今回は、超問題モデルとも考えられるXPERIA XZ2 Premiumのau版、SOV38のレビューです。

IMG_20190212_172105~01


かんたんなスペック
Snapdragon 845 2.8GHz x4+1.8GHz x4
メインメモリー 6GB
ストレージ 64GB
5.7(5.8)インチ 4K液晶/2.5Dガラス
フロントステレオスピーカー/ダイナミックヴァイブレーションシステム
無線LAN 11ac(867Mbps対応)/Bluetooth5.0
1920+1200万画素(リア)/1300万画素(フロント)カメラ
指紋認証センサー、USB type-C端子、防水/防塵対応
nanoSIMスロット x1/microSDスロット(microSDXC 400GB対応) x1
3400mAhバッテリー
158 x 80 x 11.9(最厚部) mm 236g
Android 8.0→9.0

LTEバンド対応は公式によると、
1/2/3/11/12/17/18/26/28/41/42
(WiMAX2+対応のため、B41も対応するものと推測)


SONYが最新技術を結集して作った「2018年、究極のプロトタイプ」
毎年恒例のMWC2018にて、XPERIA XZ2シリーズの発表。アンビエントフローデザインを採用したこのモデル。反応は芳しくなく、ここまで評判の悪いXPERIAは2年前のXシリーズ、それでも総批判のでることはなかったんじゃないかなとも思うんですよね。

ただ、同じ轍を踏むような感じで、オムニバランスデザインを廃していこうとしたXPERIA Xシリーズの最初のような空気もあったのですが、決定的な問題として、
  • 前代未聞とも言えるフラッグシップモデルの厚さ10mm超え
  • 音を重視していたXPERIAシリーズでは考えられないイヤホンジャックの廃止
  • サイズの割に重い(XZ2で198g)
  • それまでのXPERIAっぽくない、丸くてボテッとしたボディ
と、製作者側の自己満足と理想、それと引き換えに犠牲を強いたユーザビリティ、これが大きな批判を浴びることになります。

一方、この展示会でSONYはデュアルカメラセンサーも発表しています。「Fusion image signal processor」という技術だったのですが、いつものようにこれをプレミアムモデルに搭載するという流れはありました。
しかし、XPERIA XZ Premiumに搭載された4K液晶は16:9、そのときに登場したXZ2シリーズはFHD+、18:9となり、形が様変わりしてしまいました。
非常にジレンマともなる話ではあるのですが、4Kを優先するためにはやむなく16:9の液晶パネルを利用せざるを得ないわけで、アンビエントフローながら16:9という本末転倒な形状のスマホになります。

このあと、5GのテストヘッドにはXPERIA XZ Premiumをベースとしたものを使っているらしいことを考えると、アンビエントフローは、2018年モデルにしか使われない可能性が高いのでしょう。

かくして、アンビエントフローをベースに、4K液晶、デュアルカメラセンサー、Qi、大容量バッテリーと条件を加えていった結果、2018年初頭では究極のプロトタイプとして完成。カメラ周りのソフトウェアを除けば、おそらくブラッシュアップもそれほどされないまま、XPERIA XZ2 Premiumは発表され、量産化されたのではないかと思います。もしかしたらサイズの割に、もっと重くなっていた可能性もあったのではないかと思うと、恐ろしいと感じます。


5.7インチ液晶搭載なのに...236gの衝撃
さて、先のHuawei honor 8X maxの重さは212gです。液晶サイズは7.12インチで、ファブレットというよりはタブレットサイズとも言えるサイズです。
翻って、XZ2 Premium。4Kというアドバンテージはあるものの、アスペクト比は16:9、5.7インチと、先行して発表されたXZ2の5.7インチ、18:9 FHD+液晶に比べて、特に驚くようなものではありません。
しかしながら、驚くべきはXZ2の198g、カメラモジュールと大容量バッテリーを搭載したXZ2 Premiumに至っては236g。大画面、重量増の時代であっても、236gというのは、おおよそ200mlの缶コーヒー1本程度であり、サイズは違えど、常にポケットに缶コーヒーといったような感じです。
それでも、サイズが大きいなどといったメリットはあればいいんですけど、普通のスマホサイズの液晶と変わらない5.7インチと、あまりにもメリットがないのが問題です。


歪なデザインは側面、背面にも。
まず、側面の写真をご覧いただきましょう。
DSC_0082
左(上部)から、音量+/-、電源、シャッターの各ボタンです。
気になる点は、電源ボタンの小ささです。今までは指紋認証センサー付きだったこともあり、電源ボタンが大きく、それがXPERIAのアイデンティティとも言えるものだったのですが、このデザインになったことで、他のボタンと大差ないサイズになってしまいました。

さらなる問題は背面にもあります。
DSC_0079
一見、デザイン的には問題ないような気もしますが、よく見ると分かる通り、電源ボタンと指紋認証センサーがほぼ同じ高さにあります。おおよそ背面のど真ん中にあります。これもZenfoneなどのように、上部側に寄っていれば問題なかったのでしょうけど。
おそらくプロダクトデザインとして全体像の配置が考えられ、筐体が一番分厚くなるであろう中心に近い場所にツインカメラを配置、XZ2とのデザインの兼ね合いでフラッシュライトは上部に位置し、一方で表面積を必要とするQiレシーバーを下部に搭載。すると、必然的に中心部分にしか指紋認証センサーを配置することができなくなっていることになります。
シリーズとしての統一感を図る目的もあってこうなっているのは重々承知の上で、理想の使い方をしてもらうための形になりすぎてしまっている感じがあります。

例えば、持ちやすく、使い勝手の問題を克服したいのであれば、もっと左右の狭額縁化をしつつ、多少の厚みを担保に持ち、フレームで筐体を支えるなどの工夫を今までのXPERIA Zシリーズでは行ってきたと思います。
アンビエントフローデザイン最大の問題点は、上下左右に曲線を作り、下部の手のひらに意図的に載せようとする、計算された形にあるのだと思います。スマホとしては理想の形ではあるのですが、こうすることで、前述した通り、重さがずしりと来るわけです。XZ2 Compactなどはそれがちゃんとコンセプトどおりに収まるようになっていますし、メインストリームのXZ3で一応完成を見たわけですが、それでも200gまでの許容サイズとして計算されていたのではないかと思います。
XPERIA XZ Premiumが優秀だったのは、分厚さを側面の形状でカバーし、それほど厚みを感じず、かつ全体的に重さが分散されていたことだったわけです。
さらにこのデザインによる弊害として、Qiを搭載しながら、安定して充電器に置けないという問題も生じます。Qi充電器にある滑り止めのゴムとの接点があまりに小さいこともあり、曲面ガラスがいい感じに無用の長物となっているわけですよね。これは、純正Qi充電器を見る限りは、立て掛け式を想定していたようなので、サードパーティ製の平らな充電器はハナから考えになかったのでしょう。

本当にモックアップを作って、これぐらいガチガチが想定されてて、それが手に負担がかかるという点を予め許容出来ていたのか?という問題に、首をかしげるような人間がいなかったのだろうかと疑問を持ちます。そのような製品に対する甘さから考察すると、ハナからXZ2 Premiumは存在しなかったものの、XZ2の時点でツインカメラを搭載することがスペース的に出来なかった経緯などがあったのではないかと思われます。Premiumというちぐはぐなハイエンドが登場したと考えることもできるわけです。

あまりに無理がありすぎる、究極のプロトタイプたるゆえんも大体説明はついたでしょうかね。


...しかし、さすがのPremium、と思える安定
とはいえ、おおよそ問題らしい問題もないのは事実で、この辺にSONYの見えないここまでの実績が積み重なっているといえます。XPERIA XZ Premiumに見えた、質実剛健さはあります。
購入時には、もうすでにAndroid 9.0へのアップデートもされており、実ははじめての9.0だったんですけど、問題らしい問題が本当にないんですよね。
幸い、タッチ切れやゴーストタッチなどはないので、そういう点では当たりの個体ではあります。
まあ、ある程度枯れているハードですから、その点はSONYでも問題ないわけです。4Kとはいえ、液晶も16:9ですし、カメラ周りさえなんとかなれば、あとはこれと言って特筆すべきスペックもないという、没個性の塊みたいな仕様です。ゲームも18:9に進んでいるゲームなどでは、逆に端が切れるという、1年前には考えられない問題も出てきていますが、それを除けば、まず不自由なく快適に使えています。
ゲームに関しては、デレステを始め、ガルパやきらファンなど、ほぼ何をやるにも、不足ということはないと思います。特にやってほしいかなと思うのは、オフラインゲーになってしまったときドル。デレステの3Dリッチ並に常時動くようなリッチコンテンツだったんですが、S835でもややカクつきがあったところが、S845ではヌルヌル動くという恐ろしさです。音ゲーとしてそれなりに遊べるので、暇な人は試してみるといいかもしれません。

強いて言えば、バイブレーションがあまり強くないことがネックですかね。別にこれで電話をしないので問題ではないんですが、アプリの通知なども気づかないことが多く、その点は気になります。
それなのに、ダイナミックヴァイブレーションが搭載されてるあたりに、なんか違う感があります。

普段はあんまり書きませんけど、写真が結構キレイに撮れます。もう何台もツインカメラ搭載モデルを使ってますけど、トップクラスの性能だと思います。感度を上げても簡単に色が潰れないのは、大きなメリットです。カラー+モノクロという構成で役割分担をさせているのは、個人的にはかなり好感を持ちます。

ハンドリングも想像よりは悪くないです。悪くないだけで、再三書きますが、正直これをどうこうして常時使おうとすることができるなら、ぶっちゃけタブレットでも持ってたほうがずっと気分がいいです。
なにせ、見た目以上に重いのが非常に不満。そしてこれをハンドリングでカバーできると考えていたこと自体、普通の感覚ではありえないと思います。無駄にこの辺、意識高い感じが嫌われるんだよ。


どうしても実害はあるだろう、イヤホンジャック廃止の問題
オーディオ...これどうにかならなかったのかなあと思います。
何しろこれだけ筐体がでかいのにイヤホンジャックを付けられないはずがないと思うんですよね。この辺は、他社製を意識して安易なイヤホンジャック削除に走ってしまった感もあります。フルセグを見せるための専用イヤホンアダプターがついていますけど、別に他社製のアダプターを付けても特に見られないということもないですしね。仮にもAV機能が自慢の端末なのだから、なくすならLDACのイヤホンを付けるなりで、Bluetoothを積極的に押すなどが欲しかったです。昔海外でやったように、せめてSBH24でもいいから付属にすれば、多少は良かったんじゃないかなと思います。
こういうことが出来ないあたり、未だに縦割りの組織形態が見え隠れするところもありますね。


まとめ、高機能・高スペックをすべてマイナスにするデザインとボディ
SONY没落を自ら証明してしまった一台だと思いますね。正直、今回auの機種変更で21,600円だったんですけど、使ったあとで、それを後悔してしまうだけの要素がこのスマホにはあります。
確かに性能面では申し分なく、メインメモリを6GBにしたこと、ツインカメラを搭載したことなど、SONYとしては目新しさを感じさせるものはあったんです。皮肉なことに、4K液晶が16:9だったこともプラスに働いている感じはあります。これだけ取ってみれば、フラッグシップにふさわしい出来だったと思います。
しかしながら、どうやっても弁護できないこのデザイン、各端子の位置、そして238gという重さが、良い要素をすべて台無しにしているということが発売前からわからなかったところに、製作陣の盲目的な理想論をいやほど感じます。デザインを優先してしまったゆえ、それぞれに考えられた跡があるわけでなく、ただ並べて、搭載してみただけという作り。売れなくて当然。これが売れたら真面目におかしい。

これは他のメーカーにも言えることですが、高性能、高機能化、大容量バッテリー化が進むにつれて、筐体サイズを盾にして重さを軽視した流れになっているのも事実なんです。
とはいえ、200gまでがスマートフォンとしての範疇だと思います。それ以上はファブレットなりタブレットなりの領域だと思います。ゆえ、AQUOS Zeroの流れや、XPERIAのCompactシリーズは、そのへんのアンチテーゼとして、まだまだ必要だと思います。
仮にXPERIA 1のデザインで238gだったとしたら、やはり非難はしたでしょう。それぐらい重さに重きを置くことは、今後の通信デバイスは重要だと、もっと考えて欲しいですね。


そしてXPERIA 1/10のデザインを見せられたあとで、それを2年ぐらい前に気づけないあたり、もうどうにもならなかったんだろうなあと思うほかありません。
個人的な範疇ですが、XZ→XZ Premium→XZ1の流れは、それほど悪いものでもなかった気がします。あくまでZシリーズという偉大な先代があったから、相対的な評価の低さがあるだけで、個人的にはXZを3回、XZ Premiumを2回も買っているあたり、このデザインは好きです。
XPERIA 1も必ず買おうと思いました。なんなら、メインのブログでも書いたとおり、XPERIA 10 Plusも買ってしまおうかと思うぐらい、悪くない出来だと思っています。

廉価帯のXAシリーズは割とまっとうな感じのデザインだっただけに、この1年を無駄にしてしまったツケが、XPERIA 1やその先の後継モデルに影響しないといいのですが、もう遅かったでしょうね。



というわけで、auなり、ドコモなりからスペシャルクーポンが来たとしても、たとえ機種変更で0円になったとしても、XPERIA XZ2 Premiumはもらうべきではないということを改めて書いておきます。
断言してもいい。必ず後悔しかしません。





おしまい

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