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カテゴリ: XPERIAのレビュー

今回は、ソニーの5G対応スマホ、XPERIA 1 II (Mark.II) SO-51Aの実機レビューをご紹介。

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ブラッシュアップされた、XPERIA第4世代のフラッグシップモデル
国内リリース10年を迎えたXPERIAを紐解く上で、大きなモデルチェンジはしばしばあったものの、シリーズとして区分けをすると、以下のような感じになります。

  • (Windows Mobile版 XPERIA、2008~2009年)
  • XPERIA初期シリーズ(2010~2012年)
  • XPERIA Zシリーズ(Z~Z5シリーズ、2013~2015年)
  • XPERIA X/XZシリーズ(X Performance~XZ3、2016~2018年)
  • XPERIA 1シリーズ(1以降、2019年~)
名機と呼ばれるモデルはそこそこあるものの、試行錯誤の連続あり、モデル的には退化と進化を繰り返すような感じが多く、その点では他のメーカーに比べて、ユーザーが浮かべるイメージが異なると思います。
実際、頂点はXPERIA Z3ぐらいだと言われていますが、個人的には、ZL、Z4、XZ Premiumが好きです。それは何回も書いていることなので、くどくど説明することはしません。

そして2018年のXPERIAで、本当の底を経験することになります。形状に重さ、そしてカメラやオーディオ周りに至るまで、全てが噛み合わない、アンビエントフローデザインありきのモデルチェンジ。移り変わりの速いスマホ業界で、完全に1年を無駄にするという失態。数少ない次期モデルへの遺産もありつつ、この1年で終了します。

そして規模縮小の上で始まったONE SONYを具体化すべく登場した、XPERIA 1をリリースした2019年を経て、5G初号機のXPERIA 1 IIとなります。
XPERIA 1は執筆時には、まだ国内キャリアの3G契約変更向けに配っていますが、ドコモ向けは初期ロット完売するなど、市場としてはそこそこ好評だった形をさらに推し進めたような形となります。

ドコモ版は、au版に比べて、実に1ヶ月以上も販売開始が遅れるという珍しい展開となりましたが、Photographer Proのリリースを待っての、満を持しての販売開始となりました。(とはいえ、アップデート対応というお粗末な結果ではある)

XPERIA Zシリーズが好きだった人への、5G版XPERIA Zとなるモデル
薄くて、軽くて、ハイエンド。XPERIA Z4が目指した当時のコンセプトでした。実際、XPERIAのハイエンドに、Z4以上の薄さ、軽さのモデルは、Compactモデルを除いて存在していません。あれから5年の間、スマホは年々重量増を繰り返すものの、XZシリーズでも一つの頂点となるXPERIA XZ1の156gを達成。それからアンビエントフローデザインとなり、中でもXPERIA XZ2 Premiumに至っては238gという超重量級、しかしながらXZ2より小型の液晶を搭載するなど、サイズと重さが噛み合わないモデルが多く、これがZ3辺りからのユーザーへのアップグレードパスを閉ざしてしまったことも否めないです。

XPERIA 1は、そこをかなり詰めたのか、デザインもどこかZシリーズ初期を思わせ、重量も178gと、同世代のハイエンドモデルとしては、かなり頑張った重さとなりました。数少ないXZ3での改善点だった有機ELを4K、6.5インチ、そして21:9というアスペクト比にまで大きくしたディスプレイ。SONYはまだマトモなスマホを作れるという狼煙を上げたモデルでした。

しかし、これで終わりじゃなかったのが、今回のXPERIA 1 II。電源ボタン兼指紋認証センサーに戻し、デザインもさらにZシリーズに戻ったかのような板デザイン。XZ1以来となる3.5mmイヤホンジャックの再搭載と、XPERIA好きがこれでもかと願ったようなモデルを、5Gのファーストモデルに用意してくれました。ここまで徹底して原点回帰してくれたSONYに、素直に称賛しかないです。

スペックよりも、ラベンダーっぽいパープルボディが決め手
去年の1も、パープルが出るという話を聞いて、かなり心が揺らいだのですが、ちょっと色が濃すぎたのもあり、さらに言えば、コストパフォーマンス的なモノでnubia Red Magic 3を予定外に買うという事態も起こってしまったので、結果的に機会を逸してしまったわけです。去年は結局1月にXZ2 Premium、5月にXZ2 Compactを買いましたが、両方とも年をまたぐことはなく(というか、そもそも年をまたぐスマホというのが、それほど多くない)、XPERIAロスが割と長かったというのがあります。まして11月には、XPERIA XZ Premiumを売っているため、2020年にはS810のZ4以前のXPERIAしか所持していないまま明けるという、珍しい年またぎとなりました。(なおZ20とRM3の二台持ちだった模様)

明けて2月、何より値段の折り合いを付けて買おうと決心したのは、ラベンダーっぽい、薄いパープルボディが出るということでした。憎きXPERIA Aceでは存在した薄いパープルボディが、ハイエンドでも選択できるところが、大きなポイントです。
遡れば、XPERIA Z3もなんかむやみに海外からパープル取り寄せたし、XPERIA A2には未だに未練があるし、その辺り、初期のVAIOにも通じる感じから来るイメージなのかもしれません。

かんたんなスペック
Snapdragon 865 2.8GHz(1コア)+2.4GHz(3コア)+1.8GHz(4コア) +X55 modem
(Kyro585 Gold 4コア+Kyro585 Silver 4コア/Adreno 650)
メインメモリー 8GB
ストレージ 128GB(UFS3.0)
前面6.5インチ 4K HDR10対応OLED液晶
無線LAN WiFi6 (11ax、1200Mbps対応)/Bluetooth5.1
1200万画素/24mm(メイン)/1200万画素/16mm(広角レンズ)/1200万画素/70mm(望遠レンズ)
800万画素インカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー、USB type-C端子
ステレオスピーカー/3.5mmイヤホンジャック
DSEE Ultimate/LDAC、aptX HDコーデック/TWS Plus/aptX Adaptive対応
ダイナミックヴァイブレーション搭載(まだ付けるのw)
nanoSIMスロット x1/microSDカードスロット x1
4000mAhバッテリー/Qiによるワイヤレス充電対応(最大11W)
NFC/おサイフケータイ搭載
フルセグチューナー内蔵
防水(IPX5/IPX8)/防塵(IP6X)
166 x 72 x 7.9 mm 181g
Android 10.0

5G、LTEバンド、3G対応は公式(SIMロック解除後の海外バンド含む)によると、
5G n77/78/79
LTE 1/3/4/5/7/12/13/17/19/21/28/38/39/40/41/42
3G 2100MHz/850MHz

4GでもCAにより、下り最大1.7Gbpsという驚異的な速度が出るようです。確かに、常時3CA程度は電波を拾っているので、北区あたりでは、平均して実測20Mbpsぐらいで通信出来ています。

公式に5G/4G専用端末となっており、ドコモの3Gに接続が出来ない模様。
既存ドコモの4Gプラン、MVNO(Linksmate 4G)、およびRakuten UN-LIMIT 4G(SIMロック解除後)でも使用可能でした。(Rakutenに関しては、Band3オンリーなので、かなり制約はある)
ドコモのSIMに関しては、水色SIM以降なら認識は問題ないようです。

個人的には、4Gの通話端末としてどこまで行けるかというのを試す感じです。


余談、5Gエリアに関して
いつだか書いた覚えがありますけど、主要駅でもごく一部の場所でしか、5Gの普及はしておらず、結局のところ、5Gの恩恵を受けられるのは、ごく短時間ということになります。買って3日経ちますけど、4G以外の表示は出ないです。
今回はヨドバシカメラマルチメディア上野店という、都会の穴場的なヨドバシで契約したのですが、ヨドバシカメラの店内で5Gアンテナが置かれるのは、ドコモショップ機能のある店舗が優先になるらしく、開通テストも4Gオンリーという感じになっています。半ば、売っているほうも5Gスマホというよりは、端末指名買いなら売りますという、かなり不思議な状況になっているとのこと。新製品、ハイエンドなのに積極的に推せないというのは、LTE初期にはなかった気がします。FOMAの最初もそんな感じで、エリアがすごく狭かった記憶があって、やっぱり売る方は難しかったです。


レスポンスが向上、意外とデカイストレージ規格の進化
いつものベンチマークスコアは画像の通り。
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CPUのスコアが大幅向上しています。3D性能も驚くほどスコアアップしています。
スコア以上に感じたのは、とにかくレスポンスがいいことです。今までのメインスマホであるnubia Z20はUFS2.1で、これでも不満になることはないレベルでしたが、UFS3.0搭載となったXPERIA 1 IIでは、残像低減の効果もあったりするでしょうけど、応答速度がとにかく速いし、アプリ起動も速いです。どこにこれだけ速度を上げられる要素があったのかと驚くほどですね。

nubia Z20でもVoLTEでの通話は出来ていましたが、1 IIは驚くほどキレイな音声通話が出来ますね。固定回線にかけてもキレイに聞こえます。なんかよく覚えてないですけど、これってXZ2 Compactでもそうだったんだろうかな。


ゲーム。
(2020/06/21現在・インストールおよび動作確認用垢にて起動まで確認)
ラブライブ スクールアイドルフェスティバル
バンドリ ガールズバンドパーティ
アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ
アイドルマスターシャイニーカラーズ(enza版)
刀使ノ巫女 刻みし一閃の灯火
マギアレコード
きららファンタジア
ポケモンGO
ドラゴンクエストウォーク
ラブプラス EVERY
プリンセスコネクト Re:Dive
スーパーロボット大戦DD
ミニ四駆 超速グランプリ
この素晴らしい世界に祝福を! ファンタスティックデイズ

魔法科高校の劣等生 LOST ZERO(6.0 ローカル版)
ときめきアイドル(2.0 ローカル版)

毎度言いますけど、ときドルはローカル、スペック向上になった今こそ3D表示が超絶キレイに見られるという、ハード側の進化が一方的に体感できる面白さがあります。

21:9のアスペクト比が多少なりとも黒枠となって現れるゲームもありますが、個人的にはほぼ許容範囲です。無線LANもWiFi6に対応しましたが、それとともに、type-C経由で有線LAN接続にも対応しているようです。
筐体がギリギリまでフラットな特性が生きて、さらに残像低減効果により、デレステやガルパでの譜面速度調整も全曲ほぼ同じで問題なく遊べる感じです。(余談だけど、nubia Z20はこの辺がRM3のリフレッシュレート90Hzに比べて劣っていたので、AQUOS Rを買って遊んでたわけだけど)

しかしながら、21:9、6.5インチであるゆえ、横持ちの場合、とにかく手で左右をどうやって詰めようかというので、ちょっと思うところはあります。なかなか最適なハンドリングが見つからないです。

カメラは専門外なので、ここでは省略しますけど、XZ2 Premium唯一のいい点だったツインカメラより目で見てるぐらいの色相にはなります。ThinkPad P1の天面をズームして、しっかり細かいキズが見えたりして、使い方荒いのかなとガッカリするぐらいに高精細には写ります。

オーディオ
間違いなく、XPERIA最高と呼べる、オーディオデバイス対応です。3.5mmのイヤホンジャックに加え、aptX系の拡張機能も実装、さらにステレオスピーカーの配置もよく、これに加えて21:9のディスプレイで見る、シネマサイズのシン・ゴジラの良さ。映画はDolby AtmosをONにすると、没入感が高くなりますね。
今回は、さらにDSEEがXPERIA向けに進化したDSEE Ultimateを搭載しており、AI解析により、MP3を始めとする圧縮音源をアップスケーリングするという、一見するとDSEE HXと何が違うのかわからない機能があります。Bluetoothやストリーミング再生にも対応とのこと。確かに低ビットレートのMP3なんかがそれなりに映える音になるので、一応効果はあるようです。

で、肝心の音の傾向としては、SONYっぽい音と表現する他ない、ウォークマンのAシリーズ相当ぐらいの音は出ています。良く言えばキラキラ、悪く言えば派手な感じです。Hiby R6は音量を上げると、いわゆる音圧みたいなものも多少変わってくるのですが、こっちはそういう感じではなく、どこまでも音の強さみたいなものは変わってこないです。ただ、普通に聞くレベルの音量で、そこまでパワフルにする必要もないでしょうし、そういう点ではXPERIA向けに最適化された仕様なのだと思います。

そして、ようやくTM2のメイン機能の一つである、TWS Plusが使えるようになりました。
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こんな感じで接続されているようです。
この機能が地味に効果絶大で、山手線の車内はもちろん、土日の秋葉原ですらほぼ音が切れないというスゴさ。これまでは単なるMMCX用のアダプターという大義名分で使ってましたが、AKG N5005と合わせて、これからは晴れて接続性の良い、長時間利用出来るTWSとしてもうひとがんばりしてもらおうと思います。

バッテリーの持ちに関して
個人的には、ゲームをやることもあって、とにかく24時間持てば大丈夫だと考えているものの、割と長持ちする印象。これなら普通に使うぶんには2日ぐらいは行けるんじゃないかと。それでも実容量で5000mAhあったRM3なんかに比べると、余裕の2日ではないとは思います。
XZ2シリーズのように、Qi充電をして、サーマルスロットリングが起こることもありません。

その他、ちょっと気になる点として、SIMやmicroSDがしっかり収まらないことがあったりします。トレイにしっかりはまらないけど、まあ認識はしているので、今はいいです。


まとめ、XPERIAはまだ死んでないと再確認した偉大な一台となるはず
細かいことはさておき、XPERIA久々のヒットモデルであることは間違いないと思います。こういうモデルが欲しいというものを、完全にに具現化したと言っても過言ではないです。シンプルに、必要な機能をすべて詰め込めたという点で、SONYのXPERIAはまだ死んでないと再確認出来ました。
XPERIAが好きなら無条件で買っていいし、Zシリーズから抜け出せなかった人にも、ようやく2020年版のXPERIA Zとして、1 IIを受け入れることが出来ると思います。

強いてメインメモリとストレージ容量、ないしはDual SIMなどが欲しいというのはありますけど、メインメモリは8GB、ストレージに関しては128GBと標準的な水準であり、そこまで目くじらを立てるほどではありません。キャリア版ということもあり、Dual SIMは一部地域のモデルに限定されていますが、どうも海外版でもドコモのVoLTEは行けるっぽい感じらしいのが、唯一心残りではあります。

今回は5G世代の初期ということもあり、比較的安く購入出来て、通信もテスト済みのドコモ版を購入しましたが、今後は海外版Dual SIMモデルでもいいのかなと思ったりします。10万そこそこ、と聞くと案外高い感じもしますけど、これだけあからさまにレスポンスが良ければ、スマホに対するストレスもほぼ感じないようになるので、精神衛生上の観点では、安い買い物とも思います。
とはいえ、これだけ決定打となるモデルを出してしまった以上、5 IIの出来も気になるところですし、何より今後しばらくはこれ以上のXPERIAが出るとは思えないのですよね。それはそれでいいのですが、この路線をブレずに継続出来るかどうかという点が、今後のXPERIAの大きな課題となるのではと思います。


とりあえず、今はこの名機を所持しているということに満足して、キレイにレビューを締めたいと思います。




おしまい

今回は、超問題モデルとも考えられるXPERIA XZ2 Premiumのau版、SOV38のレビューです。

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かんたんなスペック
Snapdragon 845 2.8GHz x4+1.8GHz x4
メインメモリー 6GB
ストレージ 64GB
5.7(5.8)インチ 4K液晶/2.5Dガラス
フロントステレオスピーカー/ダイナミックヴァイブレーションシステム
無線LAN 11ac(867Mbps対応)/Bluetooth5.0
1920+1200万画素(リア)/1300万画素(フロント)カメラ
指紋認証センサー、USB type-C端子、防水/防塵対応
nanoSIMスロット x1/microSDスロット(microSDXC 400GB対応) x1
3400mAhバッテリー
158 x 80 x 11.9(最厚部) mm 236g
Android 8.0→9.0

LTEバンド対応は公式によると、
1/2/3/11/12/17/18/26/28/41/42
(WiMAX2+対応のため、B41も対応するものと推測)


SONYが最新技術を結集して作った「2018年、究極のプロトタイプ」
毎年恒例のMWC2018にて、XPERIA XZ2シリーズの発表。アンビエントフローデザインを採用したこのモデル。反応は芳しくなく、ここまで評判の悪いXPERIAは2年前のXシリーズ、それでも総批判のでることはなかったんじゃないかなとも思うんですよね。

ただ、同じ轍を踏むような感じで、オムニバランスデザインを廃していこうとしたXPERIA Xシリーズの最初のような空気もあったのですが、決定的な問題として、
  • 前代未聞とも言えるフラッグシップモデルの厚さ10mm超え
  • 音を重視していたXPERIAシリーズでは考えられないイヤホンジャックの廃止
  • サイズの割に重い(XZ2で198g)
  • それまでのXPERIAっぽくない、丸くてボテッとしたボディ
と、製作者側の自己満足と理想、それと引き換えに犠牲を強いたユーザビリティ、これが大きな批判を浴びることになります。

一方、この展示会でSONYはデュアルカメラセンサーも発表しています。「Fusion image signal processor」という技術だったのですが、いつものようにこれをプレミアムモデルに搭載するという流れはありました。
しかし、XPERIA XZ Premiumに搭載された4K液晶は16:9、そのときに登場したXZ2シリーズはFHD+、18:9となり、形が様変わりしてしまいました。
非常にジレンマともなる話ではあるのですが、4Kを優先するためにはやむなく16:9の液晶パネルを利用せざるを得ないわけで、アンビエントフローながら16:9という本末転倒な形状のスマホになります。

このあと、5GのテストヘッドにはXPERIA XZ Premiumをベースとしたものを使っているらしいことを考えると、アンビエントフローは、2018年モデルにしか使われない可能性が高いのでしょう。

かくして、アンビエントフローをベースに、4K液晶、デュアルカメラセンサー、Qi、大容量バッテリーと条件を加えていった結果、2018年初頭では究極のプロトタイプとして完成。カメラ周りのソフトウェアを除けば、おそらくブラッシュアップもそれほどされないまま、XPERIA XZ2 Premiumは発表され、量産化されたのではないかと思います。もしかしたらサイズの割に、もっと重くなっていた可能性もあったのではないかと思うと、恐ろしいと感じます。


5.7インチ液晶搭載なのに...236gの衝撃
さて、先のHuawei honor 8X maxの重さは212gです。液晶サイズは7.12インチで、ファブレットというよりはタブレットサイズとも言えるサイズです。
翻って、XZ2 Premium。4Kというアドバンテージはあるものの、アスペクト比は16:9、5.7インチと、先行して発表されたXZ2の5.7インチ、18:9 FHD+液晶に比べて、特に驚くようなものではありません。
しかしながら、驚くべきはXZ2の198g、カメラモジュールと大容量バッテリーを搭載したXZ2 Premiumに至っては236g。大画面、重量増の時代であっても、236gというのは、おおよそ200mlの缶コーヒー1本程度であり、サイズは違えど、常にポケットに缶コーヒーといったような感じです。
それでも、サイズが大きいなどといったメリットはあればいいんですけど、普通のスマホサイズの液晶と変わらない5.7インチと、あまりにもメリットがないのが問題です。


歪なデザインは側面、背面にも。
まず、側面の写真をご覧いただきましょう。
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左(上部)から、音量+/-、電源、シャッターの各ボタンです。
気になる点は、電源ボタンの小ささです。今までは指紋認証センサー付きだったこともあり、電源ボタンが大きく、それがXPERIAのアイデンティティとも言えるものだったのですが、このデザインになったことで、他のボタンと大差ないサイズになってしまいました。

さらなる問題は背面にもあります。
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一見、デザイン的には問題ないような気もしますが、よく見ると分かる通り、電源ボタンと指紋認証センサーがほぼ同じ高さにあります。おおよそ背面のど真ん中にあります。これもZenfoneなどのように、上部側に寄っていれば問題なかったのでしょうけど。
おそらくプロダクトデザインとして全体像の配置が考えられ、筐体が一番分厚くなるであろう中心に近い場所にツインカメラを配置、XZ2とのデザインの兼ね合いでフラッシュライトは上部に位置し、一方で表面積を必要とするQiレシーバーを下部に搭載。すると、必然的に中心部分にしか指紋認証センサーを配置することができなくなっていることになります。
シリーズとしての統一感を図る目的もあってこうなっているのは重々承知の上で、理想の使い方をしてもらうための形になりすぎてしまっている感じがあります。

例えば、持ちやすく、使い勝手の問題を克服したいのであれば、もっと左右の狭額縁化をしつつ、多少の厚みを担保に持ち、フレームで筐体を支えるなどの工夫を今までのXPERIA Zシリーズでは行ってきたと思います。
アンビエントフローデザイン最大の問題点は、上下左右に曲線を作り、下部の手のひらに意図的に載せようとする、計算された形にあるのだと思います。スマホとしては理想の形ではあるのですが、こうすることで、前述した通り、重さがずしりと来るわけです。XZ2 Compactなどはそれがちゃんとコンセプトどおりに収まるようになっていますし、メインストリームのXZ3で一応完成を見たわけですが、それでも200gまでの許容サイズとして計算されていたのではないかと思います。
XPERIA XZ Premiumが優秀だったのは、分厚さを側面の形状でカバーし、それほど厚みを感じず、かつ全体的に重さが分散されていたことだったわけです。
さらにこのデザインによる弊害として、Qiを搭載しながら、安定して充電器に置けないという問題も生じます。Qi充電器にある滑り止めのゴムとの接点があまりに小さいこともあり、曲面ガラスがいい感じに無用の長物となっているわけですよね。これは、純正Qi充電器を見る限りは、立て掛け式を想定していたようなので、サードパーティ製の平らな充電器はハナから考えになかったのでしょう。

本当にモックアップを作って、これぐらいガチガチが想定されてて、それが手に負担がかかるという点を予め許容出来ていたのか?という問題に、首をかしげるような人間がいなかったのだろうかと疑問を持ちます。そのような製品に対する甘さから考察すると、ハナからXZ2 Premiumは存在しなかったものの、XZ2の時点でツインカメラを搭載することがスペース的に出来なかった経緯などがあったのではないかと思われます。Premiumというちぐはぐなハイエンドが登場したと考えることもできるわけです。

あまりに無理がありすぎる、究極のプロトタイプたるゆえんも大体説明はついたでしょうかね。


...しかし、さすがのPremium、と思える安定
とはいえ、おおよそ問題らしい問題もないのは事実で、この辺にSONYの見えないここまでの実績が積み重なっているといえます。XPERIA XZ Premiumに見えた、質実剛健さはあります。
購入時には、もうすでにAndroid 9.0へのアップデートもされており、実ははじめての9.0だったんですけど、問題らしい問題が本当にないんですよね。
幸い、タッチ切れやゴーストタッチなどはないので、そういう点では当たりの個体ではあります。
まあ、ある程度枯れているハードですから、その点はSONYでも問題ないわけです。4Kとはいえ、液晶も16:9ですし、カメラ周りさえなんとかなれば、あとはこれと言って特筆すべきスペックもないという、没個性の塊みたいな仕様です。ゲームも18:9に進んでいるゲームなどでは、逆に端が切れるという、1年前には考えられない問題も出てきていますが、それを除けば、まず不自由なく快適に使えています。
ゲームに関しては、デレステを始め、ガルパやきらファンなど、ほぼ何をやるにも、不足ということはないと思います。特にやってほしいかなと思うのは、オフラインゲーになってしまったときドル。デレステの3Dリッチ並に常時動くようなリッチコンテンツだったんですが、S835でもややカクつきがあったところが、S845ではヌルヌル動くという恐ろしさです。音ゲーとしてそれなりに遊べるので、暇な人は試してみるといいかもしれません。

強いて言えば、バイブレーションがあまり強くないことがネックですかね。別にこれで電話をしないので問題ではないんですが、アプリの通知なども気づかないことが多く、その点は気になります。
それなのに、ダイナミックヴァイブレーションが搭載されてるあたりに、なんか違う感があります。

普段はあんまり書きませんけど、写真が結構キレイに撮れます。もう何台もツインカメラ搭載モデルを使ってますけど、トップクラスの性能だと思います。感度を上げても簡単に色が潰れないのは、大きなメリットです。カラー+モノクロという構成で役割分担をさせているのは、個人的にはかなり好感を持ちます。

ハンドリングも想像よりは悪くないです。悪くないだけで、再三書きますが、正直これをどうこうして常時使おうとすることができるなら、ぶっちゃけタブレットでも持ってたほうがずっと気分がいいです。
なにせ、見た目以上に重いのが非常に不満。そしてこれをハンドリングでカバーできると考えていたこと自体、普通の感覚ではありえないと思います。無駄にこの辺、意識高い感じが嫌われるんだよ。


どうしても実害はあるだろう、イヤホンジャック廃止の問題
オーディオ...これどうにかならなかったのかなあと思います。
何しろこれだけ筐体がでかいのにイヤホンジャックを付けられないはずがないと思うんですよね。この辺は、他社製を意識して安易なイヤホンジャック削除に走ってしまった感もあります。フルセグを見せるための専用イヤホンアダプターがついていますけど、別に他社製のアダプターを付けても特に見られないということもないですしね。仮にもAV機能が自慢の端末なのだから、なくすならLDACのイヤホンを付けるなりで、Bluetoothを積極的に押すなどが欲しかったです。昔海外でやったように、せめてSBH24でもいいから付属にすれば、多少は良かったんじゃないかなと思います。
こういうことが出来ないあたり、未だに縦割りの組織形態が見え隠れするところもありますね。


まとめ、高機能・高スペックをすべてマイナスにするデザインとボディ
SONY没落を自ら証明してしまった一台だと思いますね。正直、今回auの機種変更で21,600円だったんですけど、使ったあとで、それを後悔してしまうだけの要素がこのスマホにはあります。
確かに性能面では申し分なく、メインメモリを6GBにしたこと、ツインカメラを搭載したことなど、SONYとしては目新しさを感じさせるものはあったんです。皮肉なことに、4K液晶が16:9だったこともプラスに働いている感じはあります。これだけ取ってみれば、フラッグシップにふさわしい出来だったと思います。
しかしながら、どうやっても弁護できないこのデザイン、各端子の位置、そして238gという重さが、良い要素をすべて台無しにしているということが発売前からわからなかったところに、製作陣の盲目的な理想論をいやほど感じます。デザインを優先してしまったゆえ、それぞれに考えられた跡があるわけでなく、ただ並べて、搭載してみただけという作り。売れなくて当然。これが売れたら真面目におかしい。

これは他のメーカーにも言えることですが、高性能、高機能化、大容量バッテリー化が進むにつれて、筐体サイズを盾にして重さを軽視した流れになっているのも事実なんです。
とはいえ、200gまでがスマートフォンとしての範疇だと思います。それ以上はファブレットなりタブレットなりの領域だと思います。ゆえ、AQUOS Zeroの流れや、XPERIAのCompactシリーズは、そのへんのアンチテーゼとして、まだまだ必要だと思います。
仮にXPERIA 1のデザインで238gだったとしたら、やはり非難はしたでしょう。それぐらい重さに重きを置くことは、今後の通信デバイスは重要だと、もっと考えて欲しいですね。


そしてXPERIA 1/10のデザインを見せられたあとで、それを2年ぐらい前に気づけないあたり、もうどうにもならなかったんだろうなあと思うほかありません。
個人的な範疇ですが、XZ→XZ Premium→XZ1の流れは、それほど悪いものでもなかった気がします。あくまでZシリーズという偉大な先代があったから、相対的な評価の低さがあるだけで、個人的にはXZを3回、XZ Premiumを2回も買っているあたり、このデザインは好きです。
XPERIA 1も必ず買おうと思いました。なんなら、メインのブログでも書いたとおり、XPERIA 10 Plusも買ってしまおうかと思うぐらい、悪くない出来だと思っています。

廉価帯のXAシリーズは割とまっとうな感じのデザインだっただけに、この1年を無駄にしてしまったツケが、XPERIA 1やその先の後継モデルに影響しないといいのですが、もう遅かったでしょうね。



というわけで、auなり、ドコモなりからスペシャルクーポンが来たとしても、たとえ機種変更で0円になったとしても、XPERIA XZ2 Premiumはもらうべきではないということを改めて書いておきます。
断言してもいい。必ず後悔しかしません。





おしまい

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サプライズな1台の登場です。

今回は、XPERIA XZs SO-03Jの実機レビューです。


かんたんなスペック
Snapdragon 820 2.2+1.6GHz クアッドコア
メモリ 4GB LPDDR4
内蔵ストレージ 32GB eMMC
5.2インチFHD液晶
無線LAN 11acデュアルバンド対応、Bluetooth4.2
1900万画素アウトカメラ/1300万画素インカメラ
電源ボタン兼指紋認証センサー
USB type-Cポート
nanoSIMスロット/microSDカード
2900mAh内蔵バッテリー
146 × 72 × 8.1 mm 161g
Android7.1→8.0
(赤字はXPERIA XZからの変更点)

概ねXPERIA XZと大差ないですが、XZから半年後に出たこともあって、XZ PremiumやXZ1と同じIMX400を搭載したことが非常に大きいです。
その他、ようやくメインメモリが4GBとなったことで、その1年前のモデルであるGALAXY S7 Edgeや半年前モデルだったLG V20 Proなどとも並ぶ形になりました。

MWC2017で発表されたこともあり、当時はS835搭載モデルでなかったことが非難の的だったこともありました。


ベンチマークテスト
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S820らしいスコア。今でも十分戦えますが、同時期にS835搭載機種が出ていたことを考えると、最初の時点で見劣りしますね。
ちなみにAndroid8.0にアップデートした状態で行っています。


使用感など
現状、Android8.0ではS820搭載スマホでも快適に利用できるレベルではあるので、大きく困るようなことはないはずです。もともとXPERIA XZは完成度が高く、それをブラッシュアップした感じなので、特に不満になることは少ないのだと思います。

個人的にメモリ容量の増量が一番うれしい点です。3GBだとたまにゲームのログインを連続ですると、起動できないアプリなんかも出てくる場合があるのですが、実メモリ4GBと、Dozeのおかげか、タスクキルを意識しなくても済むようになりました。(あんまりいい使い方とも言えないですけど)

バッテリー持ちは以下の通り
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ガクンと減ったところでベンチマークをかけています。3つで10%か。
S820とS835の大きな違いは、高負荷時のバッテリー持ちだと思っています。単純にコアが倍あることもあって、処理能力を落とさずにコアカットなんかも出来たりしてるのではないかと思います。
バッテリー持ちという点では、XZでも若干の不満はあっただけに、変わらないというか、全く同じ性能と言っても間違いないのかなと思います。

勘違いしている人もいると思うので、念の為書いておくと、Android8.0のアップデートでbluetoothのオーディオコーデックは増えないため、aptX HDには非対応となっています。
この点はLDACでいいじゃんという感じもありますけど、出来ればX Performanceぐらいからは対応してほしいと思ってしまいますね。


まとめ、手頃な機種変更先だけど、今だと最初から周回遅れ

毎度考える通り、XPERIA XZがこのスペックで出たらどんなに良かっただろうか、とも言えるし、S835搭載モデルだったらもっと良かっただろう、とも言える。このどっちつかずな感じが、XPERIA XZsという迷機を生んでしまったのだろうと。
ただ良い方に捉えるなら、IT Mediaの開発者インタビューから読み解くと、全てはIMX400搭載スマホを早く市場に出すための苦肉の策だったという見方が強く、ハイエンドだったXPERIA XZ Premiumがドコモ専用であったため、棲み分けをきちんと考えた結果、こうした形になったのかもしれないですね。(結果、3キャリアとも今の惨状が生まれてしまったわけだが)

非常に手堅くまとまっているのですが、他社がS835搭載機、それどころか身内でXPERIA XZ Premiumが出た状況で、これをポンと出されても、やっぱり買う人はいないと思うんですよね。
早々に端末購入サポートに入っていましたが、現在はドコモの機種変更で20736円。おそらくこのままこの値段で固定されてしまうのではないかと思われます。
非常に悩ましいのは、この値段だともう少し頑張ればdocomo Withの機種が買えてしまい、次の機種変更まで月々サポートが1500円付く事を考えると、ちょっと検討レベルですよね。
さらに同じ価格でAQUOS R(S835)が買えてしまうとなると、もはや本当にXPERIA好きの人しか買う意味がない感じです。性能はもちろん、バッテリー持ちもよく、評判はいいです。確かに、XZsにS835が搭載されていたら、評価は一変していたでしょうけどね。

今回はポイント消化の意味もあり、あとテスト環境にS820のモデルもないこと、回線の兼ね合いから、新規で10368円で買いましたけど、そういう指名買いでもない限りは、非常に中途半端な時期のモデルではあります。機種変更で1万ぐらいまで下がったなら迷わず買っていいと思いますが、無理して買うほどのものでもない、という感じで収めておくかな。


まあ、余談なんですけど、XPERIA XZを2台買っているので、今回同じ形のXPERIAは3台目となり、Z4やZ3 Compact/A4と並んでかなり気に入っている形です。あわよくばカラーリングもXZに合わせてもらえると良かったかなあと思います。





おしまい

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続いてレビューの2本め、XPERIA XZ1 Compactの実機レビューです。

かんたんなスペック
Snapdragon 835 2.45GHz x4+1.9GHz x4
メインメモリー 4GB(LPDDR4)
ストレージ 32GB(UFS)
4.6インチ HD液晶/2.5Dガラス
無線LAN 11ac(867Mbps対応)/Bluetooth5.0
1900万画素(リア、IMX400)/800万画素(フロント)カメラ
指紋認証センサー付き電源ボタン
USB type-C端子
nanoSIMスロット x1/microSDスロット x1
2700mAhバッテリー
129 x 65 x 9.3 mm 143g
Android 8.0

ちなみにドコモのCA(Premium 4G)は644Mbpsまで、Band42も対応しています。


渇望されたハイエンドコンパクトスマホ
Androidシリーズでコンパクトモデル、かつハイエンドモデルというのは、かつてはXPERIAとAQUOSがありました。往年のXPERIA Z1 CompactとAQUOS mini 303SH(S800世代)、Z3 CompactとSHV31(S801世代)とといったモデルがありました。
その流れを忠実に引き継いだXPERIA Z5 CompactはS810を搭載し、無茶をしたのに対して、AQUOS miniはS808を搭載。このあたりからハイエンドコンパクトモデルの図式が崩れてしまい、続くX Compact(S650)とAQUOS Compact(S617)はミドルエンドSoCになり、S820世代ではコンパクトモデルはないままでした。(かろうじて、ZUK Z2あたりが5インチ、152g。Xiaomi mi5が5.15インチ、129gと軽量ではありました)
まあ、それでもミドルエンドのスペックが上がっていて、S650やS625であれば、ヘビー級のゲームをやらない限りはほぼ問題ないレベルまで来ているので、見方を変えればバッテリー節約などになり、コンパクトモデル特有のバッテリー容量問題がクリア出来るというメリットもありました。

XPERIA X CompactはXPERIA Xのスペックをコンパクトモデルにしたモデルです。が、日本ではそもそもX Performanceしかないこともあり、やはりパワーユーザーはXPERIA X Compactでは満足できず、Z5 Compactでは排熱処理とバッテリー効率の悪さが目立つこともあり、やはりZ3 Compact以来の「実レベルでフルスペック使えるハイエンドモデル」への渇望はあったものと思います。
インプレスのインタビューにもありましたが、市場が望んだこと以外に、S835を搭載することで省電力かつハイエンドスペックに出来、しかもXZ Premium、XZ1、XZ1 Compactにすべて搭載することで、全体的な調達コストを抑えられたというメリットまで生まれたわけですね。

こうして、最新かつハイエンドのSoCを搭載したコンパクトモデルとして、XZ1 Compactは登場することになりました。

ベンチマークスコア
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ファームバージョンは47.1.B.9.2でやっています。


使用感など

まずサイズ感、競合するiPhone8と比べてみましょう。

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サイズとしてはiPhone8より小さく、代わりに厚い感じです。
サイズ上はXPERIA Z3 compactが更に太くなっているはずなのですが、Z3 Compactとほぼ大差ない、持ちやすさではこっちのほうが上かもしれないですね。
いつも例えで出しますけど、つまむか、握るか、持つか、という感じでいうと、握るという感じが一番しっくり来ます。Simplyだと本体の幅が短くて、どうしてもつまむ感じになり、iPhone8だと薄いせいか、持つ感じがしっくり来るんですね。

俺の手調べでいうと、
  • XPERIA XZ1 Compact W65 x D9.3 mm、143gは握る
  • iPhone 8 W67.3 x 7.3 mm、148gは持つ
  • Simply W50 x D13.8 mm、118gはつまむ
という感じ。異論は認める。
こうやって書いていると思うのだけど、案外XPERIA XZ2 Compactのモックを握ったら、実はそんなに違和感がないんじゃないかと思ってしまうんですよね。

動作は非常に軽快、というかS835も6台目ですからそれほど変わらないかな。
HD液晶という思い切った選択をしたこと、それとこの厚さが、どうも上手い具合に排熱してる気がします。
実際、手元にある一番厚いスマホがnubia Z17Sなんですけど、これも8.5mm。XPERIA XZ Premiumが7.9mm。両方ともほんのりではありますが熱くなります。しかし、XZ1 Compactでは、おおよそ1mm程度の厚さ増が、熱の発散に効果があったんじゃないかと思います。グラスファイバー製の筐体のおかげもあるとは思いますが、それにしても背面に熱があまりたまらないのは好印象ですね。

そして、バッテリー持ちが非常にいいです。
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こんな感じ。
3月24日の12時ごろに充電器を外してから、普段使いのスマホとしては十分すぎるバッテリー持ちだと思います。
S835のスマホってなんとなく燃費が悪いイメージが俺の中では強かったのですが、この辺は面目躍如といった感じ。これでスペックが下がって、燃費が悪くなるのはどうも想像が出来ないですね。

ゲームは16:9の液晶なのでそれほど制約を受ける場面もないです。高解像度モードなどがあるゲームでは、そのスペックを使い切れない感じにはなると思いますけど、しばらくはパフォーマンスで見劣りすることはないと思います。
4.6インチだとHDでもFHDでも大差はほぼないですし、なによりiPhone8に至るまで、ナンバリングモデルがほぼHDだし、それでRatinaディスプレイなんでしょうから、確かに消費電力量を考えるとHDが妥当なんだろうと。

オーディオ周りでaptX HDとLDACの両方に対応しているというのは面白いです。ウォークマンと大きく違うのはS-Master HXがないことなのですが、スマホであればbluetoothの高品位コーデックだけでそれほど問題ないのかもしれない。ちょっとこだわっている人はウォークマンAシリーズ以上を買ってほしいという姿勢なのかもしれないですね。
XZ2でイヤホンジャックが外付けになるわけですけど、AppleのようにAACオンリーにせず、しっかり下地を作った上でイヤホンジャックを廃止しているので、その点ではまだましかなと。
イヤホンジャックがあるという安心感は確かにあるんですけど、ここんところほとんどWF-1000XとMDR-1000Xばかり使ってるんで、確かに必要性は薄いかなとも思っちゃいますね。

気になる点としては、アラームが純正以外だとうまく働かないこと(dozeモードのせい?)、それとXPERIAインテリジェンスエンジンを更新すると、液晶の色味が変に変わったり、アプリの切り替えでチラつくことが頻繁に起きること、これが不満ですかね。


まとめ、16:9最終世代にしてCompactシリーズ最高傑作に限りなく近いと言える1台
ということで、もうXPERIA XZ2 Compactが海外では発売されているわけですけど、例年のコンパクトモデルはIFAで発表されるのがパターン化されている中で、デザインを変えたMWC2018で出してきたことに大きな意味合いがあるわけです。次世代の旗手にコンパクトモデルをちゃんと入れたあたり、まだこのサイズを諦めていないという表れかなと思います。
しかしながらS845搭載ではあるものの、フェイクとも言える液晶サイズ、イヤホンジャックの廃止、コンパクトモデルながら163gという重さ。再三ですが、コンパクトモデルとしてはネガティブな感じしかしないカタログスペックではあります。

その点、XPERIA XZ1 Compactはこれまでのシリーズの最終世代。パフォーマンスはもちろん、バッテリー持ちというスマホで重要な一点が大きく改善し、Z3 Compact以上になったのは大きな進歩です。今後さらに出来の良いコンパクトモデルは出ると思いますが、その時に買い換える前の1台として、俺は強く推したいです。
Z1fはもちろん、Z3 CompactやZ5 Compactからの買い替えには、満足度は高いですし、バッテリー持ちはiPhone8並ですし、iPhoneからの買い替えにも向いているかなと思います。
いや、もっと評価されるべきモデルだと思いますね。買って、使ってみて初めて分かる良さではあります。(まあ、MNP一括0円で買ってるわけだから、単純に期待以上だった可能性もあるけど)

XPERIA XZ2シリーズが出た今だからこそ、熟考してXZ1シリーズを買う選択肢は大いにありだと思います。その中でも、XZ1 Compactは間違いなく買って損なしの1台です。




おしまい

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