あるさんのレビューblog

買ったものをレビューするページです。 読み物blogは「日常のblog」よりどうぞ。

カテゴリ: 商品購入レビュー

今回は、Rakutenのオリジナル端末の一つ、Rakuten Handを今更ながら紹介します。
20220328_162907~2

iPhone SEが入手出来ない?ならRakuten Handを買えばいいじゃない
正直、出たときに買おうかなという気にはなっていたんですけど、eSIM専用ということで、単純にその時はこれに2万を出す勇気がなかったのと、Rakuten miniで一度痛い目を見ていることもあって、一度は諦めていた端末です。

2022年の3月頃から、楽天も新規でiPhone SE2を回線契約込で1円で売りはじめました。まあ、完全に乗り遅れる形ではありましたが、今更iPhoneSE2で、eSIMに書き込みされてしまうのもどうかなと思いながらも、ちょっと探してはいました。
ちょうど同じ時期、楽天スーパーセールでRakuten Handを回線契約込で980円というモノが販売されていました。楽天回線は持ってなかったので、迷わず買いました。iPhoneはもういいですよ。

楽天回線は常時1回線何かしら用意しておきたいというところではあるんですが、基本eSIMは不便な感じがします。ただ、今はPixel6も持ってるし、povo2.0みたいに気軽にeSIM交換も出来るので、最悪eSIMはPixel6で使おうと思って、現実にそうしています。Rakuten Handにはpovoが入っていて、まあこれはそんなに外に持ち出すような端末じゃないし、最悪トッピングでどうにでもなるという感じではあります。

かんたんなスペック
Snapdragon720G (2.3GHzx2、1.8GHzx6)
メインメモリー 4GB
ストレージ 64GB
5.1インチ HD+(1520*720)液晶
無線LAN 11ac(866Mbps対応)/Bluetooth5.0
4800万画素(メイン)/200万画素(深度測定レンズ)/1600万画素(フロント)
画面内指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/イヤホンジャック/LDAC、aptX Adaptive、AAC、SBC対応
2630mAhバッテリー
138 x 63 x 9.5 mm 129g
Android 10

4G
1/2/3/4/5/7/18/19/26/28/38/41/42
3G
1/2/4/5/6/19

ソフトバンク系のB8、ドコモのB21がないことを除けば、ほぼ国内のバンドは網羅しており、Rakuten miniとは違うというところが見られます。
惜しいのは、これが防滴止まりで、防水仕様だったら面白かっただろうなあと思います。

20220328_162823~2

背面もシンプルですね。


全体的な操作感など
基本スペックは4GでもミドルエンドのS720Gを搭載しているのと、画面解像度がHD+(1520X720)なのもあって、メモリ4GBしかないとは言えど、サクサクと動きます。
ちなみに、最近の5Gシリーズとの比較で行くと、S480のRedmi Note 10 JEより全然まともで、Libero 5Gシリーズに近いです。これだけサクサク動いて小さいと、往年のコンパクトスマホを思い出させます。Rakuten Hand 5GはS480なので、果たしてどうなのかと疑問ですね。

持ちやすい。とにかく軽い。これで3日ぐらい放置してもまだバッテリーが残ってる。あらゆる点でRakuten miniの悪いところをすべて解決してくれる端末です。

ちなみに、指紋認証センサーですが、非常に認識が悪いです。これはガラスフィルムをつける前から変わらなかったので、諦めて付けていますけど、なんでこんなに認識が悪いのか分からないですね。

ゲームですが、デレステ、プリコネ、ウマ娘、IDOLY PRIDE、ときドルと、このサイトではおなじみのアプリをインストールして、普通に遊べています。ウマ娘やIDOLY PRIDEは高品質設定にすると、フレーム落ちしてるようなガクガクがありますけど、そもそも小さいのと、解像度がHD+なので、そんなに気にしなくてもいい気がしますね。デレステでMV見るだけならこれでも問題ないだろうし、サイドの曲面が気になってたけど、もちろんプレイが普通に出来ます。緊急ログイン用とかにするにはもったいないかもしれない。この辺がS720Gの底力とも言えるでしょう。

そして、色々いじっていて驚いたのが、Bluetoothのオーディオコーデックの多さ。LDACやaptX、AACなどは当然として、なんとaptX Adaptive(24bit/48kHz)や、aptX TWS+に対応しているということ。残念ながら内蔵イヤホンジャックはハイレゾ非対応なので、ワイヤードDAPの置き換えには出来ないものの、ワイヤレス中心に利用する場合は意外と面白い存在。惜しむらくは内蔵ストレージ64GBなので、MP3の音源が溜まっている人や、ストリーミング再生がメインの人にはいい選択肢かもしれません。


まとめ、miniを払拭した「ちゃんとしたスマホ」。
Rakuten miniと同じTinno(Wiko)製だったので、心配はあったんですが、実際にサイズの大きな普通のスマホを作らせるぶんには全く問題なかったということで、杞憂に終わりました。

それどころか、チープな感じのスマホをを作らせたら右に出るメーカーはないんじゃないかと思わせるシンプルな外観と、それに見合わぬ立派なミドルエンドモデルとして作ってあるのは立派です。ただ、これも980円だから褒めてる感じがしてしょうがないです。まあ、定価で買っても12,980円だし、オークションなんかを見てると5000円台ぐらいからあるみたいなので、ちょっとしたWiFi端末として使うのにはオススメかもしれません。

個人的には、緊急ログイン端末であり、ストリーミング再生に特化したDAPとして活かせるケースが多い感じはします。なにより、持ち歩きたい。これを持ち歩いて通話端末だと言い張りたい。そんな端末です。ドコモはオンラインでeSIMを扱えるようになると、これはこれで便利なんですけどねえ。


おしまい












今回は、Xiaomiのau向け廉価帯端末の一つ、Redmi Note 10 JEをご紹介。
20220316_182439~2

もう後には引き下がれない、Snapdragon480搭載スマホの実力とは?
Libero 5Gから続く廉価帯5Gスマホレビューの第3弾にして、一番スペックの低いモデルの登場です。
この辺は基本的には4GBメモリ、64GBストレージを搭載していますが、3万円以内を実現するために、Snapdragon480を搭載しているのがポイントです。
おそらくは、Qualcommでは、対Dimensity 700程度を想定しているSoCだと思いますが、GPUはS690より性能が上のAdreno619(S690はAdreno619L)を搭載するも、CPU部はKryo460(S690はKryo560)と下がっており、S750がS690の上位と呼ぶとすると、このS480は上位とも下位とも呼べない、何か別のものとなっています。そこはKryo460ということで、一応区分けはされているということになります。

ただ、多分このAdreno619シリーズを搭載している3つのSoCは、多分クロックの問題など、同じダイを切り出した時点で選別しているんじゃないかと思うので、もしかしたら案外行けるかもという淡い期待と、あとは単純に禁断症状ですね。

かんたんなスペック
Snapdragon480 (2GHzx2、1.8GHzx6)
メインメモリー 4GB
ストレージ 64GB
前面6.5インチ FHD+(2400*1080)液晶/リフレッシュレート90Hz対応
無線LAN 11ac(866Mbps対応)/Bluetooth5.1
4800万画素(メイン)/200万画素(広角レンズ)/200万画素(マクロレンズ)
指紋認証センサー兼電源ボタン、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/イヤホンジャック/LDAC、AAC、SBC対応
nanoSIMスロット x1
microSDスロット x1
4800mAhバッテリー
163x 76 x 9.0 mm 200g
Android 11→12(MIUI13)

5G
NSR:n28/n77/n78
4G
1/3/5/7/12/13/17/18/20/26/28/38/40/41
3G
1/2/4/5/6/8/19

なお、メーカーで思いっきりGPUがMali-G57MC2となっていますが、Qualcomm製SoCでは現在Maliは使われていないため、Adreno619だと思われます。

20220316_182336~2

Xiaomiっぽい背面。Xiaomiのいいところは、保護フィルムとケースが付属されている点ですね。まあ、保護フィルムは新しいガラスを買ったほうがいいです。


全体的な操作感など
これまで使ってきたLibero 5Gシリーズは腐ってもミドルエンドクラスのSoCなんですが、今回はローエンドSoC。過去取り扱ったレビューでも数点しかないであろう、ローエンドクラスのスマホです。とはいえ、さっきから書いているように、限りなくミドルエンドに近いローエンドですから、きっとそれほど違和感のない操作性だろうと思っておりました。

...考えが甘かったですね。初動はそうでもないのですが、例えば単純にChromeでWeb記事を見るにしろ、Chrome起動までワンクッション、記事を読み込むまでワンクッションと、驚くほど遅い。リフレッシュレートが90Hzゆえ、そこが顕著に分かってしまうんですよね。過去にAQUOS Sense2をレビューしたことがありましたが、あの時のS450に匹敵するほど、何かが引っかかる感じの動作です。個人的に安かろう悪かろうなAndroidの見本かなと思います。例えばキャリアで代替え機を出してもらうとしても、これは到底我慢できるシロモノではないと思いました。

ゲーム、検証のためデレステとウマ娘、IDOLY PRIDE、それと俺的ベンチマークでおなじみときドルをインストールしました。
デレステは、まあ多くを求めなければ普通にプレイできるギリギリのラインです。2Dでスコアを出しに行くには丁度いいのかもしれません。(一応3DMVはアップしてみたけど、頑張ってるほう)
ウマ娘はしばしばプレイ続行が不能になるフリーズや強制シャットダウンなどが非常に多く、更に一番の問題として、ガチャの画面に飛べないという特大エラーまであります。これは素直に諦めろということでしょうけど、それにしちゃお粗末な感じです。
IDOLY PRIDEも、まあできるけど低画質30fpsです。これでライブがコマ送りになったり、ガクガクしたりです。実はこの中のゲームで、IDOLY PRIDEが一番3Dが重いゲームであるため、分からなくはないんですが、ちょっとプレイはしたくないですね。

そしてときドル。3DMVでガクつくのはもう目に見えてましたけど、やっぱり厳しいです。

えーと、なんですかね。Libero 5GシリーズはたしかにミドルエンドのSoCだけあって、その辺は強いんですけど、一般的な動作もここまで散漫、更にゲームはまともに遊べない、けど、価格は似たようなオークションで1万程度(今回は新品8,800円購入)と、なんか損をした気分になってしまいますね。


まとめ、納得の安さ。Androidのイメージを悪くするであろう、ストレスの溜まる1台
えーと、ワイモバイルってすげえなって思いましたね。ドコモもGALAXY A22は多分快適なスマホだと思う。そういう観点で、Android12にアップデートしたからこうなりました、とは考えにくいんですよね。MIUIが多少問題とはいえど、そこに大きな問題があるとは思えません。ゆえ、素のAndroidが入ったS480スマホを試してみたいという気もあるんですが、単なる徒労にしかならないと思うので、割愛させていただきます。
auって割とこのS480搭載スマホを低価格帯で展開しているのですが、はっきり言って、昔の遅かったAndroidのイメージそのままの端末に、2022年に出会うとは思いませんでした。そりゃ、イオシスで投げ売りされて当然としか言いようがない。おサイフケータイがまともに働くか心配なぐらいです。あらゆる動作に待ち時間がある。このストレスを持ってしまうと、窓から投げたくなります。

AQUOS Wishやarrows Weなんかも変わらんだろうなあと思うのと、唯一まともそうなOPPO A54 5Gですら、結構怪しいかなと思います。これらを全部ラインナップしてるとか、真っ当な製品開発部門があったら、普通は採用しないです。S480は思ったより駄目過ぎますね。

俺はこの端末がLibero 5Gシリーズと同じ値段だと考えると、正直なところ、ランクが違いすぎるかなと思います。同じ8,000円台の端末なのに、ここまで性能面で違うモデルがあるのかと驚愕します。

なんだろなあ、なんなら2年前にレビューしたmoto g8だってこんなにヒドイ感じじゃなかったし、Redmi Note 9(国内未発売)も全くもっさり感はなかったんですよね。なんなら、他国で発売されてるRedmi Note 10 5Gですら、これより快適だと思うんです。なぜ日本市場向けに、こんなナメられたモデルが販売されてしまったのか。これだからXiaomiはイマイチ信用出来ないんだよなあ。



おしまい

今回はまたしても、ZTEがワイモバイル向けに製作している、Libero 5G IIの実機レビューをします。

20220302_012813~2

異常なコストパフォーマンスの第二弾。
今回のLibero 5G IIは2021/12の発売、価格は21,960円です。
前のLibero 5Gは最初3万円台から始まっていましたが、今回は最初から1円でばらまくのを前提に考えられている感じがします。いわば戦略的機種の1台であります。
直接のライバルとしては、ドコモのGALAXY A22 5Gだと思われますが、A22が5.8インチであるのに対して、Libero 5G IIは6.67インチと液晶サイズが大きく、その分重量は168gのA22に対して、200gとなかなか重量級です。まあ、見た目を見る限り、こんなに液晶がでかいとさすがに重くなるなと思う感じはあります。6.67インチ液晶というモデルは、実は手持ちでもRedMagic 6Rしかなく、そのためか、異様に筐体が大きく見える感じがします。

初代Libero 5Gと同じZTE製。SoCはSnapdragon690から、Dimensity 700へ変更されています。そのため、価格も抑えたままで、後継のモデルとして製作された形となります。ここは悩むところで、日本市場では圧倒的に有利なSnapdragon 690を搭載したLibero 5Gか、少しでも安く販売するためにDimensity 700を搭載したLibero 5G IIかで、結構分かれるところじゃないかと思います。


かんたんなスペック
Dimensity 700 (2.2GHzx2、2.0GHzx6)
メインメモリー 4GB
ストレージ 64GB
前面6.5インチ FHD+(2400*1080)液晶
無線LAN 11ac(866Mbps対応)/Bluetooth5.1
1600万画素(メイン)/800万画素(広角レンズ)/200万画素(マクロレンズ)
電源兼指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/LDAC,AAC,SBC対応
nanoSIMスロット x1/eSIM対応
microSDスロット x1
3900mAhバッテリー
169x 78 x 8.8 mm 200g
Android 11/MyOS(ZTEのUI)

5G
NR:n3/n28/n77
4G
1/2/3/8/41/42
3G
1/2/4/8

バンド構成で、LTE B28がありません。そのため、基本的にはSB系のSIMで使うことが必須とも取れます。自宅のau回線の場合、B41+B3のCAなどで強引に拾ったりすることが多いようです。

20220302_012851~2

個人的にはメーカーロゴもない、スッキリとした外観は好みですね。


全体的な使用感など
UIなどは特に問題ないです。Webを見るなど、ライトな使い方であれば、まず困ることはないと思います。電源ボタン兼指紋認証センサーも非常に認識力が高く、正直XPERIAより上とも思えます。

ゲームに関してですが、最適化されていないデレステを除き、プリコネやウマ娘、IDOLY PRIDEなどが普通にプレイできます。ウマ娘は、3D軽量にすることでもっと快適に動作させることが出来るぐらいのスペックですが、3D標準でも十分動いてしまいます。ロード時間などを考慮するともう1ランク上が欲しいところですが、そうなるとやっぱり端末価格も上がってしまうため、やむなしではあります。
IDOLY PRIDEは遊べるとは言え、3Dを低ランクに設定して、まあ遊べるかなと言う程度です。処理が追いつかずに落ちるときがあるので、要注意です。

気になる点としては、たまに再起動して、そのまま起動出来ない時がある点。電源を強制OFFしてもう一度電源を入れれば普通に動作するので、それほど支障はありませんが、今後修正されないと、ちょっと怖いかなと思います。対処が分かる人はいいですけど、その点はマイナスかな。

毎度の苦情で申し訳ないですが、外観がシンプルな分、重さが際立つ感じがします。片手じゃ使うのが結構辛い感じがします。まあ、これで困ることはないですが、液晶サイズとのトレードオフと考えるしかないかなと思っています。


まとめ、コストパフォーマンスよし、普及帯モデルとしての完成度は高い
ZTEらしい、非常に堅実な作り。やっぱり今回も重さと、Libero 5Gにはなかったシステムの不安定さなど、ちょいちょい不満はありますが、価格を考えれば、弱点らしい弱点がないです。
今回はメルカリで、たまたま8,500円で出ていたので、購入しました。ただ、回線契約で1円にしておくモデルではない感じがします。いわゆる戦略的機種ではあるにしろ、これだけ安くてそこそこの性能があれば、大半のユーザーは満足しちゃうんじゃないかと思うんですよね。
直接のライバルが、前モデルのLibero 5Gで、しかもそれは完全な好みであるため、非常に悩ましいところではあります。ベンチマークスコアで判断するわけじゃないですが、完全に互角なんですよね。そのうえで、敢えて比較をするならば、
  • Snapdragon690とDimensity700の違い
  • 6.5インチ液晶と6.67インチ液晶の違い
  • カラーリング
このぐらいでしょうかね。同じメーカーが作っている以上、違いが出にくいので、その点で悩むことにはなりそうです。
  • ゲームを多少プレイするということであれば、Libero 5G
  • Webサービス中心に利用するということであれば、Libero 5G II
というような感じにはなります。昨今のモデルで、デレステが対応していない機種が登場しちゃったというのが驚きだったのですが、やはりDimensity系はそこが一番不安視されるため、そこを気にしないならLibero 5G IIなのかなと思います。

なお完全に余談ですけど、Pixel6をレンタルしている身としては、Pixel6より断然こっちのほうが使いやすいというオチがあります。それぐらいスタンダードなスマホなので、幅広い層に受け入れられていいんじゃないかなあって思ったりします。

もちろん、Libero 5Gのときにも書きましたが、iPhone SE 2020など小さな液晶サイズのスマホをメインとして使っている方には、これを1台足して、LINEMOあたりでゲームやWeb閲覧用途として使って欲しいかなと思ったりします。Androidの魅力の一つに、画面の大きさがあったりしますので、それに1万程度のお金を突っ込むことができれば、より快適にスマホ生活が送れると思います。




おしまい

今回は、久々にPCです。Lenovo ThinkPad X1 Extreme Gen4のご紹介です。
20220126_233017~2 (1)

グラフィック性能か、ストレージ容量か、二者択一を迫るスペック構成
まずは購入の理由なんだけど、これは単純にもうThinkPad P1 Gen2が2年使って、分割支払いを完済したので、購入しました。今回は無理せず48回で買っています。OSが4年後に変わったとしても、まあ対応可能じゃないかなというのが、その大きな理由です。とはいえ、近年のPCのスペックの鈍化によって、P1 Gen2でも特に不満のないレベルで使えてしまうし、強いて言えば3Dゲームなんだけど、それもP1ではQuadro T1000(=GeForce GTX1650 MAX-Q相当)であり、軽いゲームなら問題ないレベル。特に買い換える必要性はあまりなかったとも言えます。
一応、i7-9750Hは6コア12スレット処理、一方のi7-11800Hは8コア16スレットと物理コア数で上回っていることもあり、これはこれで面白いです。めったにやらないんだけど、エンコードとかでは9750HはU系のCPUに比べると雲泥の差だっただけに、更にコア数が増えたこのPCでは、その辺は期待が持てます。

さて、このPCを買うに当たり、まずグラフィック性能を選ぶか、それともストレージ容量を選ぶかの二者択一を迫られるということになります。どういうことかというと、このPCはヒートシンク形状が3つあり、グラフィックなしのヒートシンク、RTX3050Tiのヒートシンクと、RTX3060以上のグラフィックチップ搭載型からのヒートシンクで形状が異なり、特に後者ではメーカー公称でSSDの2スロット目が使えないということも明記されています。買うのに最初に悩んだのはそこで、別にストレージ1TBで済ませることは可能だと思うけど、P1では1.5TB(システム500GB+データ1TB)搭載していたゆえ、今回も分けたいということもあり、そちらを重要点として捉えました。従って、構成はおそらくこれを購入するユーザーの中では、かなり大人しいスペックではあります。
とは言えど、SO-DIMMが2スロット、M.2が2スロットというP1からの構成をそのまま引き継げるので、最初からほぼメモリやストレージはほぼ上限に近い状態です。

簡単なスペック
CPU:Core i7-11800H
メモリ:8GB PC4-3200→64GB PC4-2666
SSD:256GB→システム1TB+データ1TB(合計2TB)
WQXGA(3840x2400)16インチ液晶/GeForce RTX 3050Ti(4GB/735MHz)
Windows 10 Home→Pro(既存シリアルを転用)
重量 1.8Kg

結局のところ、サーマルスロットリングがどこで掛かるか分からないので、WQXGA構成で、CPUやグラフィックは必要最低限という選択肢をとり、その代わりにメモリとストレージに割り振った形で、高いレベルでバランスの整ったいいPCに仕上げています。
なお、恒例の純正メモリはハイニックス、SSDはキオクシアとなっていました。

メモリはCPUスペック上128GBまで。もっとも、1モジュールで64GBというのは見たことがないので、まだ先の話か、あるいはECC付きしかなさそうです。あとゲーミングPCだったら、メモリクロックを気にする必要もあるんだろうけど、P1の流用なので、こんなところに落ち着きました。(ちなみに2020年の年末あたり、アマゾンで一時期32GBのSO-DIMMはジャスト1万円ぐらいまで落ちたことがあったので、そこで2枚買ってます)パフォーマンス低下はあるんでしょうけど、まあ、その辺は実用レベルで問題ないので、特に変えることもないと思います。SSDに関してはもっと大容量のモデルが徐々に下がる感じでしょうか。2TBが15Kぐらいになると、ようやくまとめられる感じはするんですけどね。

今回より有線LANのオプションがありません。素直にUSBで拡張する形です。ポートは左にTB4兼用のtype-Cが2ポート、右にUSB-Aが2ポート。それだけでも十分拡張性はあります。更にフルサイズのSDカードリーダー、HDMIなどがポートに並びます。
ACアダプターは専用となっていて、基本的には170Wを使用するということになります。個人的には135Wでもそれほど問題にはならないという感じはします。CPUが45W、GPUが45W、システムに45W割り当てても問題はないと思うのですが、多分、ピーク時の電力供給の担保の観点で、170Wが採用されているようです。

ちなみに、グラフィックチップなし、Intel UHDオンリーという、ハイエンドPCにしてはなかなか挑戦的な構成も可能で、そちらは135WのACアダプターを採用しているとのことです。
また、最上位となるi9-11950H+RTX3080を選択すると、230Wという小型のデスクトップPCより消費電力が大きそうなPCが登場します。ノートにする意味も考えちゃいますけどね。


あとは、個人的には懐かしいと感じるキーボード横のスピーカー。うーん、個人的にはP1のほうが好み。一応Dolby Atmosのロゴまで筐体に入っているんですけどね。悪くないけどいいと思えるほどでもないというのが正直な感想です。

重さは前回のP1より若干重い1.8Kgですが、重さはそこまで感じないです。

ファンの音ですけど、これはP1比較で5割増しぐらいうるさいです。TVの音を付けていてうるさいと感じるレベルです。ピーク時はこれが凄まじい音で回ります。まあ、ゲーミングPCと考えると、そこまでの問題ではないんでしょうけど、たしかにThinkPadでこれじゃあ台無しと感じるユーザーは多いかもしれません。
極端にファンが全開になることが少ないので、そこでプラマイゼロにはなると思いますけど、P1では聞いたことのないような轟音、自作PCでもなかなかここまで音が出ることはないだろうなと思います。

GPU
グラフィックはGeForce RTX 3050Ti(Laptop)。GPUクロックを見る限り、45W版だと思うんですけど、もう普通にやってるゲームは全く不自由はないですね。

今回もキーボードには違和感。しかし、進化は見える。
ハイエンドThinkPadらしく、キーボードはやはり重要な点であります。
P1 Gen2と違うなと感じたのは、限りなくX1 Carbonに近い打ち心地であり、いわゆるバチバチと打てるEシリーズやXシリーズと違い、X1 Carbonの低騒音タイプになった感じはします。これは個人的に進歩かなと思います。ただ、明らかにキーストロークが短い感じはする。
ただ、個人的なうち心地をは、2年の慣れもあり、P1のほうが好みかなと思いつつ、仕事ではX1 Carbon(6th)を使っているので、ほぼ変わらない打ち心地になっているかなとは思います。気分が上がってくるのは、意外にX1 Extremeかもしれない。

ThinkPadはその世代によって結構変わってくるので、案外古いほうがいいときのほうが多いと思うんですけど、それでも悪くないと感じてしまうのは、いつの時代であっても、ThinkPadのキーボードへのこだわりからなのかなと思いますね。

燃費は劇的改善?意外と持つバッテリー駆動
バッテリーに関しては、液晶明るさ60%、GPU使用なしで5~6時間は平気で持ちます。モバイルワークステーションの類いは、ACありきで作られてる感じがありますけど、そんなことはなく、ちょっとしたワーキングPCとしても使うことは多分出来ると思います。
今回はi5という選択肢がなかったゆえ、i7の一番グレードの低い11800Hを選んでいますけど、UHD Graphics 750なら、普通の使用ならまず負荷なく使っていられるものになっていると思います。ここで結構バッテリー駆動時間が稼げているのかなと思います。


まとめ、カタログスペック上はGT-Rにもちょい乗りスカイラインにもなる幅広い構成
ThinkPad現ラインナップで間違いなくスリムワークステーションの最高峰

サーマルスロットリングのことを考えなければ、i9-11950H+RTX3080+メモリ64GB+2TBSSD+WQXGA液晶なんて構成も組めます。しかし、価格は驚きの67万と、RTX3080搭載モデルとしては異常な価格となります。
現状で一番安いとされる11850H+UHDですら、20万以上します。あまり現実的ではない構成なので、その点では、僕の買った11800H+RTX3050Tiがベーシックモデルとなります。48回で月5000円ぐらいと考えてください。更に結果的には流用出来たものの、メモリ64GBとSSD1TBが2枚を別換算すると、安く仕上げるだけでも、普通に30万近くになります。
1筐体でグラフィックチップが5種類も選べるPCというのは、あまり類を見ないですが、その分、必要なスペックを選ぶことで、GT-Rにもスカイラインにもなる、懐の深さのあるPCであると思います。

ゲーミングノートとして見れば、明らかに高い価格ではあります。MSIとかASUSあたりなら、おそらく10万は安く仕上げることも出来ると思います。(開封しちゃうので保証はどうなるか)

じゃあ、なんでこんな高いPCを買ったの?って話になると、やっぱりThinkPadが好きであるのと、無理をして入手をすることで、得られる経験をP1で知ってしまったこと、快適に使える環境をそのまま移行するには、このPCしか選択肢がなかったことなど、様々な要因があります。
せめて好きなデバイスぐらい好きなモノを使おうぜ的なノリなだけで、そういう意味でこれは向こう4年の主力を担うべきPCかなって思っています。まあ、もっともP1も手元に残す気満々なので、似たようなPCが2台ある状況にはなるのかなとは思います。

最大の問題点は、これを見られる家電量販店が存在しないため、どうしてもWebの情報だけに頼る必要があることです。かつて置いてあったアキバヨドバシのLenovo派遣さんに聞いたところ、Gen1が梅田ヨドバシにあるらしいという情報は1月時点で聞いていますが、Gen4は展示予定すらないとのこと。
P1Gen2を買ったときはまだ実機があったのでなんとなくインスピレーションは掴めたんですけど、今はそれも出来ないということになります。まして筐体を一新したわけなので、どこかで展示してもらえないだろうかと思うばかりです。

特に尖ったところもない、いうなればただ高いだけのThinkPadです。でも、スペックがスペシャルな1台に仕立ててしまっています。きっと、価値に見合うだけの体験が色々出来ると思うし、何より所有欲が半端なく満たされるのは、こういう業界にいるととても嬉しくなります。ぜひ、清水の舞台から飛び降りる覚悟で、注文してみてはいかがでしょうか。(この辺に自重を混ぜておく)





おしまい

↑このページのトップヘ