あるさんのレビューblog

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カテゴリ: 商品購入レビュー

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買っちった。

今回は、今微妙に盛り上がってる、FiioのFW5の実機レビューを書いていきます。

待望のLDAC対応、ただし条件ありでの環境下
 というわけで、6月の頭あたりからすでに出ていた話ではあるんですけど、Fiioの「UTWS5」と「FW5」の2種類のTWSイヤホン(UTWS5はアダプターだけど)に、ベータ版のファームが登場しました。
今まで、Fiio自体もそこは積極的にLDAC対応を目指してファームを作っていた感じでしたが、LDAC実装に対して、Snapdragon Soundの対応と、TrueWirelessミラーリング技術を使っての実装ということになったとのリリースがありました。まあ、HibyがWH3でLDACに対応させようとした際には、片側のレシーバーにLDACで接続し、それをもう一方に送信するような方式であった可能性が高かったこともあり、汎用性では確かにそっちのほうが上ではあるんですけど、今回のFiioの対応に関しては、その辺を別の技術でカバーしつつ、使用デバイスを限定させるというのがポイントです。
一方で、対応するスマホも、S778G、ないしはS888以降のSnapdragon Sound機に限るということで、非常に条件は厳しいが、それを乗り越えたユーザーは利用が可能になるという仕組みになります。意外とS695あたりが対応してなかったりするのには、ローエンドの宿命かなと思ったりしています。
今回は、特に断りがない限りは、XPERIA 5 IVでの接続にて、LDAC動作(ベストエフォート)をさせたときの動作を前提に考えてください。イコライザーはオフにしています。また、イヤーピースは日本ディックスのCOREIRを使用しています。

2基のBAドライバーと10mmのダイナミックドライバーによる高音質が心地よい
ざっくりとした感想として、AK4332搭載という点、さらに2種類の他ドラを採用していることもあり、個人的には音質は満足行くものであります。構成だけを見ると割とドンシャリサウンドを想像してたんですけど、ほぼまんべんなく音が出ている感じ。諸事情でWF-1000XM4を売ってしまった関係で、これを買ったという話なのですが、ANCがなくなった変わりに、優等生的な音を出すXM4に比べると、音のメリハリはかなり出ています。意外に高音域に刺さりがない、非常に上品な聞かせ方をしています。
カテゴリは若干異なりますが、XBA-300を使っていると感じる「音で疲れることなく、ダラダラと聞き続けることができる」というタイプのイヤホンです。XM4比較になるのは申し訳ないですけど、あれは短時間のANCを利用することで、ある程度の音質をカバーしてたと思うのですが、音の出方は大雑把な感じがしていました。また、短い通勤時間であることを考慮した場合は、ほぼ無双なのだとは思います。その点、FW5は1音ごとに非常に綺麗な音を出し、かつ耳への負担は軽いという、矛盾を感じるようなものになっています。幸い、イヤーピースにによるパッシブノイズキャンセリングでも十分に感じるので、その点は不問かなと思います。
N5005に比べると音の細かさなど、さすがに負けてしまう部分はありますが、UTWS5は案外かさばるのと、ワイヤードとして音を出すほうが、やっぱり合っているところもあるので、お蔵入りとはいいませんけど、こっちはこっちでなにかいいイヤホンないかなって思ったりします。

気になるボタン配置、LDACでも音飛びは最小限
イヤホン両方に、ボタンが2つずつ配置されています。イヤホンを付ける時になんとなく触ってしまうことが多く、あとはボタンの無効化が出来ないのが若干不満です。まあ、それほどなにか問題になることはないです。
注目のLDACですが、山手線に乗って使う分には、車両にによって異なるところはありますけど、それほど音飛びはしません。XM4比較では、さすがにXM4のほうがいいんでしょうけど、個人的にはこの辺はLDACで接続している以上はしょうがないのかなとも思っています。
あとは、10m程度なら全然転送が問題なく続くというのも大きなポイントかなと思っています。
一方で、一旦音声が乱れてしまうと、接続し直さないといけないというのもあり、そこには課題を残しています。安定して接続して聞く場合は、やっぱりaptX Adaptiveになってしまうかなと思ったりします。そういう点で、どっちがいいかというのは、正直悩ましいです。

まとめ、非常に高いレベルで利用可能なTWSイヤホン
大体の人の場合、ANCがついてないことに不満を持つユーザーが多いんじゃないかなと思いますが、それをあまり感じさせない音の良さ。そして使っていて疲れないのは、結構大きいかなと思っています。まあ、音圧レベルがそれほど高くないのでは?とも感じるかもしれませんが、ダラダラと音楽を聞きながら作業することが多い僕には、非常に合うかなと思っています。
LDACの場合、XPERIA 5 IVではDSEE Ultimateが利用可能というところで、ソースが160Kbps程度のMP3でも綺麗に鳴らすことができる。これがどれだけすごいかというところですね。

音質を重視しつつ、ある程度の予算が出せるというのなら、FW5はオススメです。LDACでなくても、aptX Adaptiveにも対応しているため、最近のAndroidスマホでなら案外使える機種は多いと思うので、存在は面白いと思います。ただ、ベータ版が正式版になったところで、転送方式はおそらく変わることはないので、S888やS778Gなどを搭載したスマホを持ってる人が迷っているのであれば、正式版のファームが公開されてからでも遅くはない。あとは、ANCが当たり前の価格帯で、音質に魅力を感じるかどうか、その辺を考慮したほうがいいとは思います。

ある程度の価格帯のハイブリッドドライバー搭載TWSイヤホンとして完成度が高いので、満足できるモデルであるとは思います。本当に惜しいのは、これでANCがついてないことだけど、音質の良さがそれを全て打ち消してくれると思います。


おしまい

やってしまった...。
今回は、まあそうなるよね的なノリで、ZTE Libero 5G IIIの実機レビューを紹介します。

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コストパフォーマンスだけで上り詰める三代目Libero 5G
このBlogで、廉価帯スマホが3代続けて登場するというのが相当珍しいのですが、今回のLibero 5G IIIも例に漏れず、戦略的端末として、ほぼ常時新規契約で0円という状況が続いています。
現在の直接的なライバルとしては、GALAXY A23やarrows We、Redmi Note 10 JE、AQUOS Wish2、そして直近のモデルであるLibero 5G IIも含まれるという状況です。
いずれもS480、もしくはDimensity700。AQUOS Wish2だけがS695ですが、この点で一歩抜き出ているということは、前回のレビューで書いた通りだと思います。
そして今回、やはり一つ頭抜けていると思っている有機ELディスプレイ搭載のLibero 5G IIIとなるわけですけど、これはこれで非常に魅力的に感じる点も多いため、今回購入してみました。

ウソです。7,000円でメルカリで出品されていたので、買いました。値段おかしくね?

かんたんなスペック
(IIとの変更点は赤字)
Dimensity 700 (2.2GHzx2、2.0GHzx6)
メインメモリー 4GB
ストレージ 64GB
前面6.67インチ有機EL FHD+(2400*1080)液晶
無線LAN 11ac(866Mbps対応)/Bluetooth5.1
1600万画素(メイン)/200万画素(広角レンズ)/200万画素(マクロレンズ)
ディスプレイ内指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/LDAC,AAC,SBC対応
nanoSIMスロット x1/eSIM対応
microSDスロット x1
防水防塵/IPX5,IPX7/IP5X
4120mAhバッテリー
168x 78 x 9.1 mm 207g
Android 12/MyOS(ZTEのUI)
TPUケース付属

5G
NR:n3/n28/n77
4G
1/2/3/8/41/42
3G
1/2/4/8

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背面には何もありません。初代からの伝統ですね。
今回は角ばっているため、割と持ちやすいという利点が生まれているものの、有機ELディスプレイの影響もあり、10gほど重くなっています。

そこそこの性能。しかし最大の魅力は有機ELディスプレイ
まず3DMarkの数値(Sling Shot Extreme)
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スコアとしては、昔取ったスコアとほぼ同じか少しいい感じですね。
アイプラで今回初めて見たのがクオリティ中、30fpsという初期設定ですね。ウマは標準版で普通に動作していて、デレステはまずまずですね。とりあえずプレイは可能ですね。
やっぱり60Hzなのが気になるせいか、スクロールに若干引っかかりがある感じがします。
あとは、持ちやすい分、なんか重い感じはあるなと思います。

絶対的な性能では初代Libero 5Gにはまだ勝ててない感じですね。まあ、Dimensity 800U以上が必要になるとは思いますが、無駄なソフトが入っていないので、Dimensity 700でも十分サクサク動作する感じです。あとは、有機ELのディスプレイが非常にキレイです。これだけでも価値があるかなと思ったりします。YoutubeやAbema、Prime Videoなど動画サービスなどで利用するには、十分かなと思います。お風呂などで使う分にはまったく問題ないでしょう。
有機ELディスプレイをどう利用するか、という課題をなんとか活かせる場面があれば、普段使いではなく、2台めとして使うのがいいかなと思います。
この点、1台めでもなんとか頑張ろうかなと思うAQUOS Wish2と違う点ですね。もっとも、僕的な使い勝手はデュアルSIMが使えるこっちのほうがいいとは思いますけどね。

まとめ、これ以上改良する点はSoCぐらい、完成度が非常に高い
すでにIIに実装されていた指紋認証センサーがIIIではディスプレイ内蔵となり、有機ELディスプレイになったことで、この形でSnapdragon版を作ってくれないかなと思うぐらい、とにかく筐体の出来が良くなりました。IIIはかなり好みですね。
使い方としては、格安SIMで2台め需要があってもいいんじゃないかなと思いますが、入手価格が異様な値段ですよね。7~8000円ぐらいで買えるスマホとしては、まず性能がありえないということ。これがちょっと恐ろしいですね。
少なくとも、IIとIIIが同じ値段だったら、IIIでしょうし、初代とIIIだと、ゲームをやるなら初代、動画を見るならIII。IIは残念ながら安ければ買おうってところでしょうか。

メルカリなりヤフオクなりで購入出来るなら、選択肢としては悪くないと思います。1万で買えるスマホがこれだけスタンダードになっちゃうと、後発が下手なものを出せないかな(特にXiaomi)




おしまい

今回は、久々に廉価帯スマホということで、AQUOS Wish2 SH-51Cの実機レビューをご紹介します。

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S480からS695へパワーアップした、スケールメリットの犠牲
まず、このAQUOS Wishシリーズの概略に関して説明。
ベースとなるのが、2022年1月発売のAQUOS Wish。これはS480を搭載した廉価モデルということで、いわゆるサブブランドや楽天モバイル、更にはMVNO向けSIMフリーモデルも登場しているという、なかなか広範囲での販売がされています。
しかし、突如として第2弾が2022年の6月に発表され、なんとSoCがS695を搭載という、廉価モデルなのにミドルエンドSoCを搭載してしまった、わけがわからないAQUOS Wish2が爆誕。
初代Wishの販売終了の理由として、S480の入手が困難になってしまったことや、同じくAQUOS Senseシリーズで搭載していたS695を大量導入し、そちらを搭載してしまったほうが、スケールメリットを得やすいという状況となり、こちらはドコモ、au、ワイモバイル、UQでの販売がされました。
これを書いている現在でも、S695に変わる新たなS6シリーズが登場しないことなどを考慮すると、スペックだけならミドルエンド相当に近いモデルではあります。なお、カメラが今どき珍しいシングルのため、いささか歪なスペック構成になってしまっているところが否めないです。

今回購入したドコモ版はシングルSIMのため、非常に安価(8,000円)で販売されていますが、他社モデルではeSIMを搭載しており、デュアルSIM構成が可能となっています。この点で、プレミアム価格になりやすいところが特徴です。SoCだけならXPERIA 10 VやReno 7Aなどに引けを取らないモデルとしては、破格ではないかと思います。

なお、後継モデルとなるAQUOS Wish3に関しては、SoCがMediaTek Dimensity 700となるため、実質的にはS480よりはマシだけど、絶対的なパフォーマンスで劣るという感じなることが予想されるため、サブスマホや予備スマホとして買っておくというのも悪くないと思います。

かんたんなスペック
Snapdragon 695 (2.2GHzx2、1.8GHzx6)
メインメモリー 4GB
ストレージ 64GB(UFS2.1)
5.7インチ HD+(1520*720)有機EL液晶
無線LAN 11ac(433Mbps対応)/Bluetooth5.1
アウトカメラ1300万画素、インカメラ800万画素
指紋認証センサー、Googleアシスタントボタン、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/イヤホンジャック/LDAC,aptX Adaptive(24bit/96kHz対応)
nanoSIMスロット x1
microSDスロット x1(最大1TB)
防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
3730mAhバッテリー/PD急速充電(15W)
147 x 71 x 8.9mm 163g
Android 12→13

5G
n28/n77/n78/n79
4G
1/2/3/5/8/12/17/18/19/39
3G
1/2/5/8

なお、オーディオに関しては以下の画像も参照
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S695搭載の恩恵を思いっきり受けてる感じです。サイズを考えるとストリーミングも出来て、microSDによるオーディオプレーヤーとしての使い方も十分可能かなと思います。


S695搭載は伊達じゃない。堂々たるベンチマーク結果
※ドコモ系、及び不要なアプリを削除、ホーム画面をAQUOS Home、バッテリー駆動時のスコアです。初期出荷状態ではここまでスコアは出ません。
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3DMarkはSling Shot Extremeで以前記事にしたことがあったので、参考程度に出しておきました。
まあ、ありきたりなS695スマホのスコアが出る感じです。とはいえ、よくもS480ベースの筐体にS695を積めたなと、ちょっと褒めてあげたくなりますね。

使用感など
液晶の問題、HD+だからなのか、60Hzのスマホをいじることが少ないからか、ちょっとわからないのですが、気持ちスクロールがガクガクする感じがします。FHD+のLibero 5G(S690)では起こらない現象なので、スペックではなく何か違うところでの問題なのかなと思ったりしています。
個人的にサイズ感はいいのですが、ボタンの配置が、これ素人が考えたの?というような感じで、上からボリュームボタン、Googleアシスタント、電源ボタン、指紋認証センサーという配列になっています。手持ちとして、やや下部を持つのがホームポジションなのかなと思います。反面、小さいとは言えど、ボリュームボタン、Googleアシスタントボタンと電源ボタンが等間隔に空いていることが影響してか、Googleアシスタントを起動してしまうことが結構あります。電源ボタンの形が多少変わっているので、その点で差別出来ていると感じるのですが、やっぱり配置が不自然な気がします。なぜ、敢えて指紋認証センサーを下に下げてまでこの位置に付けたかったのかが謎です。まあ、XPERIAでも通った道なので、そこら辺はうまく誤魔化せばいいのにと思いますね。
あと、USB PDに対応して、ワットチェッカーで最大15Wまでの急速充電は確認したのですが、その時の排熱が間に合ってないところに不安を感じます。充電で発熱した自機の熱でサーマルリミッターが発動して、パフォーマンス低下や充電速度低下などが普通に起こる。おそらく、このスマホを使ってなんとなく不満に感じてる人の大半は、そういう使い方をしているんじゃないかと。
ボディが再生プラスチックを利用しているため、確かにメタルボディと比較すると排熱しずらい環境なのかなと言うのが一つ。あと、XPERIA 5 IVの時にも書いたような気がしますけど、スマホの基盤の配列上、どうしてもカメラ横にSoCやメモリ、ストレージが密集する関係で、熱が滞留しやすく、そこに対して背面全体で冷やす機構などが特にないことが問題なのかな。ゲームをプレイしててサーマルリミッターがかかるのは仕方ないにしても、正直充電に対する排熱に関しては、不満が残ります。
若干手を加えたと言えど、おそらくはWishとWish2で大きな冷却機構の変化はなかったんじゃないかと思うんですよね。外観もまったく変わらなかったわけですしね。スケールメリットの弊害と書きましたけど、シャープの想定では、このスマホは本来S695ではなく、S480相当にデチューンされたS695として動作するものと考えているのであれば、パフォーマンスの低下はある程度説明が付くんですけどね。

まあ、あとバッテリー持ちはさすがにシャープだなと思える感じですね。地味にHD+の液晶を使っているので、バッテリー容量が若干少なくとも問題ないように工夫されてるのが立派だなと思ったりします。急速充電問題があって、それ以上にならないところがつくづく惜しいですね。


事情がわかった人が、確信犯的に買うべきスマホ。最初の1台にはオススメしずらい。
まとめとして、割とピーキーな感じは否めないです。要はこういうモノとして理解した人じゃないと、これを買っても得したと思えないのですよね。ハナからS695スマホが欲しいなら、XPERIA 10 IVとかReno 7Aを買ったほうが、よほど頑張ってくれると思います。
価格もずば抜けて安いのはドコモ版が中心となるので、予備のスマホとかに1台ぐらい持っていても、悪くない選択肢かなとは思います。正直、定価でも高いと感じることはないと思いたいですね。

ドコモ版の評価がずば抜けて悪い理由は、単純にdocomo Live UXだったり、アプリがてんこ盛りで入っていて、それがバックグラウンドで処理しきれていないところに問題点があるのと、シングルSIMで有ること。後者に関して大した問題じゃないと思うんですけど、他社モデルは一応他のキャリアのプラチナバンドを網羅してるので、違うキャリアのSIMを同居させられることにメリットがあるんですよね。その辺で大きく利便性が変わってくるんじゃないかと思うんです。
アプリはもう仕方がないですが、ドコモのUIに関しては開いた口が塞がらないレベルで処理が重いです。これはUIの設計思想が昔からハイエンドをターゲットにしてるからであって、GALAXY A53なんかのミドルエンドモデルですら、One UIに変えないと遅くて使い物にならないレベル。これをどうやったらローエンドモデルで快適に動作させられるのかを考えていない人が作ってるUIなんですよね。自分のところのサービスを最大限利用してもらいたいという気持ちが分からないわけでもないけど、それを決めるのは利用者であって、キャリア謹製のUIではないということ。それによって端末メーカーの評価も下がってしまうことを良く考えて実装してほしいと思ったりします。まあ、絶対にやめないよね。

ということで、8,000円の価値はあるけど、そこにたどり着ける自信がある人向けということで締めておきたいと思います。間違っても最初の1台で使わせてはいけません。



おしまい



今回は、実に半年かかった、HibyのR5 Gen2をレビューします。

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R6からの買い替え、スペック的には問題ないが...
単純に運良く買えてしまったというのが大きな理由ですけど、それでは元も子もないので。
これまでHiby R6を使ってたんですけど、音の好みで選んで、かつ当時はLDACなどのBluetoothコーデックにも対応していたのが買った決め手だったんですね。
で、今回もNew R6を買おうかと思ったりしたんですけど、価格が限りなく10万に近いのと、4.4mmバランス端子なのがどうも気が引けてしまった原因です。スペック的にはSnapdragon 660を搭載し、動作も多分快適になるんだろうと思うのですが、そこはそことして割り切ることにしました。

一方でR5 Gen2はメリット・デメリットがはっきりとしています。
良い点としては、
  • 3.5mm端子に加えて、2.5mm端子、4.4mm端子もあること
  • ES9219Cをデュアル搭載、更にA級アンプチップ搭載であること
主に音にかかわる部分、Android搭載のDAPとしては破格だと思われます。
一方で悪い点は、

  • SoCがSnapdragon 425であること
  • Android 8.1であること
  • 内蔵メモリが2GBしかないこと
  • 内部ストレージが16GBしかないこと
  • aptX Adaptiveに非対応であること

主に制御側、根幹を成すAndroidやSoCが2018年発売のR6と大差なく、この辺は妥協点として上げる点です。ストレージに関してはR6は32GBありましたから、アプリが埋まることもなかったですけど、16GBとなるとストリーミングのアプリを一通り入れたら多分パンクです。幸い、まだ僕はローカル保存でDAP使う派なので、この点は不問となります。
あとは、近い将来危うくなりそうなAndroid 8,1ですかね。ハードの制約などもあって、もしかするとこれ以上のアップデートは望めないので、その点は結構怖いですね。

ナンバリング的には落ちるが、Hibyらしい出口特性が生きる音質
これまで使っていたR6に比べると、ナンバリング的には下位モデルとなっていますが、音質は4年の年月を経て、非常にクリアな音になっています。イヤホンの特性にも関連するんですが、キレイで完全に澄んだ高音域、ドンシャリイヤホンであれば元気よくビートを刻むし、少なくとも手持ちのどんなイヤホンでも、イヤホンの特性を最大限活かせるだけのスペックがあります。
基本的には、ゲイン調整とアンプのON/OFF、ボリュームの上げ下げでスイートスポット(使い方が違うけど意味合い的にはそう表現)を探していくような感じになります。
そして、A級アンプモードにすることで、言い方が悪いですけど、暴力的な音を叩き出すような感じになります。低価格帯のイヤホンではちょっと持て余すような感じですが、AKG N40ぐらいのクラスからなかなか元気のいい音へ変化、N5005やXBA-300、Stealth Sonics U9などではより違いがわかり、イヤホンそれぞれの個性がより際立つ感じです。HibyのDAPは素直にイヤホンの個性が生きる感じです。ドライバーサイズが大きいMDR-1Aなどヘッドホンなどではその恩恵をフルに受けられるかなとは思います。MDR-1Aで4.4mmバランス接続して聞くと、「MDR-1Aって恐ろしく音圧が出るんだな」と感じるほどです。
で、これを使ってしまうと最後。普通のDACモードで聞くと、迫力不足は否めないものの、ESS特有のうまいこと誤魔化しキレイに音を出すモードに変わります。DACの内蔵アンプは省電力モードとして割り切れるならいいですけど...、DAPである必要がないんですよね。これならスマホに外付けDACでも十分だと思えてきます。そういうわけで、結局はA級アンプモードだけで使ってる状態です。


UATに目をつぶればBluetoothでも十分使える
そして、AndroidベースのDAPではおなじみ、Bluetooth機能もLDAC、aptX HDに加え、UATやUAT TWSなどが利用可能です。UATに関しては対応機器が少なく、UAT TWSに関しては2種類しか出てないため、自分で試すしかないよね的なw
というわけで、Hiby WH3でUAT接続。1.2Mbpsではほぼ使えないです。WiFiアクセスで音が途切れることもしばしば。900kbpsでギリギリ胸ポケに入れて使えるかなあと。(余談だけどWH3はギミックも面白くて、いい音出るんです)消費電力の多さには注意が必要です。
WF-1000XM4のLDAC接続では、990Kbpsでも多少途切れるけどそこそこ安定。660Kbpsでは余裕です。こちらはバッテリーも減らない感じですね。
個人的には、普段はWF-1000XM4で接続、自宅でケーブル接続で楽しむという使い分けも実用的に出来るレベルになったかなと思います。R6はあくまで接続可能というだけで、実用ベースで考えた場合にかなり厳しかったことを考えると、R5 Gen2はBluetoothで相当工夫したんだなと思います。
aptX系は、S425による制約を受けすぎた形です。aptX Adaptiveや近い将来来るLE audioを使えるようにするためには現行の廉価帯SoCを使うことになると思いますが、コスト的に合わないところはあります。この点はやむなしと思うしかないです。(ちなみに主流のS665でようやくTWS+に対応)
本格的なAndroid搭載DAPが登場する以前、ONKYOやPioneerなどが発売していたS800搭載のDAPなんかはかなり先見の明があったとも言えます。もっとも、今のS8 Gen1などの世代を贅沢に使ったDAPを作ったら、オーディオ部もそれ相応にスペックアップするでしょうから、7桁円が見えてきそうですね。


非常にバランスが良く、DAPビギナーや持ち運びユーザーにはうってつけの1台
おおよ弱点はBluetoothのコーデック周り。Androidの動作も結構重いです。Android 8.1の時代でもS425は貧弱とも思えましたが、DAPならその辺は不問とするのが正しいのかな。
それを補って余りあるだけの音の迫力、オーディオ端子の充実、そしてBluetoothの接続改善など、十分納得出来るだけの凄みはあります。いや、DSEEみたいにCPU演算で音域拡張というのも悪くないですけど、R5 Gen2はソースに対して、ダイレクトにパワーを与える感じですね。色々聞いてて思ったのが、128Kbpsで保存しているような初期のMP3ファイルでも、ぼやけることがなく力強く音が出る。これがどれだけ凄いことなのかと改めて理解させられました。

R6シリーズとの好みでES9038Q2Mを選ぶか、若干廉価版であるES9219Cを選ぶかという点はありますが、それ以上にA級アンプの搭載が大きいです。とはいえ、R6 2023は同じくA級アンプ搭載となるため、それを待ってからでもいいとは思います。
現在は66,000円と手を出しにくい価格ではあります。2018年頃では、R6が普通に購入出来た価格ですが、実際のところR5 Gen2はR6の2.5mmバランス接続を延命させるという点では、いいグレードアップパスじゃないかと思います。


半年も時間がかかってすみませんでした。それだけ時間掛けないと真っ当に評価出来なかったです。



おしまい

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