まあ、なんつうか中だるみの時期ですよね。
どっちにしろ買うスマホなんてXPERIA XZで決まっちゃってるわけで、そこまで何を買っても、ただ端末がおもちゃになるだけで、そこそこ放置しといてもいいわけですよね。
今回は、話題にすら上がることもほとんどなかったHTC Butterfly3 HTV31のレビューです。
巷の格安スマホより安くて高性能なのに...
中古とはいえ、S810搭載スマホが15Kあまりで買えるというのは、なかなか信じられない事実ではあります。基本的に爆熱とはいえ、性能面ではS617やZenfone3などに搭載されるであろうS625、さらにHuaweiのkirin950シリーズやMediaTekのHelio X20などと数値上は同等ですが、グラフィック性能がこれらSoCの中ではずば抜けています。実際のところ、S810搭載機は熱による問題やパフォーマンス面で厳しいとの指摘がありましたが、それでも追随できるSoCがSamsungのExynos7240しかなく、そういった意味では2015年のスマホを代表するSoCであると、俺は考えています。
んで、ここまでXPERIAを4機種、LG G Flex2、LeTV MAXと使ってきましたが、使っていて何かしっくり来ると言うのがS810なんですよね。これはXPERIA XPを使っている今でも思うんですけど、Android5世代で無用の長物だったハイパフォーマンスが、リッチコンテンツのさらなる急激な飛躍でようやく真価を発揮し始めたのかなとも思っています。
あとは端末自体のバランスの良さです。大体この時代のスマホって何らかの形でS810と3GBメモリー、eMMC5.0接続のストレージで32GBぐらいの容量。まあ登場時点でも枯れているが、設計に排熱が追いつかないレベルで、急遽Qualcommが制御ソフトを見直し、結果ハイエンドと呼べるレベルの端末に仕上がったという話です。
というわけで、御託はこのくらいにして、ざっとスペック。
Snapdragon 810 2GHz+1.5GHzオクタコア
メモリ 3GB
内蔵ストレージ 32GB
5.2インチWQHD液晶
無線LAN 11acデュアルバンド対応、Bluetooth4.1
2020万画素アウトカメラ/1300万画素インカメラ
フロントステレオスピーカー
microUSBポート
nanoSIMスロット/microSDカード
2700mhA内蔵バッテリー
151 × 73 × 10.1 mm 162g
FD-LTE B1/3/18/26/28、TD-LTE B41
まあ、なんというか、バンド的な問題はさておき、非常にバランスの取れた、かつハイエンドな仕上がり。
今回は合法SIMフリーですので、ドコモでもワイモバでも使えます。それしか回線がないからしょうがないね。
毎度毎度思いますけど、今年の春までこんな高性能機がタダでばらまかれ、結果として安く入手できることを考えると、キャリアのバラ巻きに批判は出来ないです。ただ、端末を高く買うという習慣はいかんせんなんともし難い問題としてのしかかるわけですよね。でも確か最初の定価もiPhone7の32GBぐらいだったような記憶が...。
気になる発熱ともっさり感とバッテリー消費。
肝心のベンチ結果なのですが、最新のファームでは熱暴走対策でAntutu、GeekBench、3DMarkのすべてで全部強制再起動させられる屈辱です。そこまでしなくていい気がするんですけどね。原因としては、A57コアとA53コアの切替を行うまではいいんですけど、その両方が延々フルクロックで動くので、結局熱暴走しちゃうって感じです。
まあ3DMarkやAntutuの3Dテストで落ちるのはしょうがないとして、GeekBenchで落ちるというのは、どうかしてるとしか思えないですね。
ツインカメラの下とリングフラッシュのちょうど交点あたりが猛烈に熱くなっていることがあるんですが、まあそんなもんでしょ。
しかし、こうなんというか、何日経ってももっさり感が消えず、動作がワンテンポ遅れてるとか、そんな感じにさせられますね。スクロールもなんか詰まったり、ロック解除もなかなかしなかったり、気になる点が結構多いかなという印象です。
あとauのアプリかなあ。本当に多すぎて、しかも強制カット出来ないものも多数あるのが結構問題。auのアプリがスマホに及ぼす悪影響とかをそろそろ誰か書いてくれないものですかね。便利でしょって何でもかんでも入れるから、そりゃ動作にも影響が出るわけだ。
ゲームなんかはほぼ問題なく、デレステの最近の凝ったMVを流したりする分には全く問題ないです。強いて言えば、なんとなく押しっぱなしが途切れる感じがよくあるんだけど、富士通系ほどではないです。
しかし、どうしてこうなったのかわかりませんが、バッテリー消費が異様に早い。デレステの追い込みとかには発熱共々向かない気がする。色々設定してたり、いじってみてた感じでは、だいたい1日ギリギリもつ程度で、これはXPERIA XPより持たないぞって感じがする。
というかどうもS810搭載機の自動輝度調整センサーって使わないほうがバッテリー持ちがいい気がするんだよね。今回はさらにサウンド周りのDOLBY AUDIOが強制されるので、音を出すと更に消費電力が増えるというなんかチグハグ感があります。
パフォーマンスを最大限活かそうとすれば熱暴走で落ちるし、じゃあミニマムで活かそうとしてもその辺がカット出来ないのはちょっとばっかし問題かなとは思います。
ちなみに、センサーをカットして単に持ち歩くぐらいのことで、ギリギリ2日なんですよね。少なくとも頻繁にWeb見たり、ゲームやろうとすればほぼ直角にバッテリーが減っていきますので、そこんところは覚悟しておいてもいいと思います。
残念評価でも十分遊ぶ価値あり、ただおすすめはしない。
なんだろね。HTCのスマホって全体的には申し分ない性能だし、それほど問題ないかなと思っていつも買うんですけど、いざ使ってみると大体致命的な箇所が1箇所ぐらい見つかるんですよね。まあ、新品で7万叩いてこれなら酷評に終始したいですけど、SIMロック解除されて16K、解除料を考えれば13Kですから、あとはAndroid6.0が早いところ来れば、化ける可能性は相当ありますね。
1万円ぐらいなら即買い、15Kぐらいだと妥協案として選択肢に入る程度かなとは思いますが、少なくともSIMフリー化されているなら、MVNOで使えるのが最大の利点ですので、その場合に限ってはZenfoneやらFreetel買うよりよほどいい選択肢にはなると思います。
ぶっちゃけ、S810、2000万画素のカメラを搭載した機種としては破格です。ベンチとかを回す用事がなければ全然使えますので、個人的には遊ぶ価値はあるかなとは思います。ただ積極的にこれを押す理由が乏しいのも事実なので、その辺に価値を見いだせるかどうか。いいところ2台めの遊び程度に考えるのが妥当かなと思います。
ということで、この回、おしまい。