今回は、実に半年かかった、HibyのR5 Gen2をレビューします。
R6からの買い替え、スペック的には問題ないが...
単純に運良く買えてしまったというのが大きな理由ですけど、それでは元も子もないので。
これまでHiby R6を使ってたんですけど、音の好みで選んで、かつ当時はLDACなどのBluetoothコーデックにも対応していたのが買った決め手だったんですね。
で、今回もNew R6を買おうかと思ったりしたんですけど、価格が限りなく10万に近いのと、4.4mmバランス端子なのがどうも気が引けてしまった原因です。スペック的にはSnapdragon 660を搭載し、動作も多分快適になるんだろうと思うのですが、そこはそことして割り切ることにしました。
一方でR5 Gen2はメリット・デメリットがはっきりとしています。
良い点としては、
一方で悪い点は、
主に制御側、根幹を成すAndroidやSoCが2018年発売のR6と大差なく、この辺は妥協点として上げる点です。ストレージに関してはR6は32GBありましたから、アプリが埋まることもなかったですけど、16GBとなるとストリーミングのアプリを一通り入れたら多分パンクです。幸い、まだ僕はローカル保存でDAP使う派なので、この点は不問となります。
あとは、近い将来危うくなりそうなAndroid 8,1ですかね。ハードの制約などもあって、もしかするとこれ以上のアップデートは望めないので、その点は結構怖いですね。
ナンバリング的には落ちるが、Hibyらしい出口特性が生きる音質
これまで使っていたR6に比べると、ナンバリング的には下位モデルとなっていますが、音質は4年の年月を経て、非常にクリアな音になっています。イヤホンの特性にも関連するんですが、キレイで完全に澄んだ高音域、ドンシャリイヤホンであれば元気よくビートを刻むし、少なくとも手持ちのどんなイヤホンでも、イヤホンの特性を最大限活かせるだけのスペックがあります。
基本的には、ゲイン調整とアンプのON/OFF、ボリュームの上げ下げでスイートスポット(使い方が違うけど意味合い的にはそう表現)を探していくような感じになります。
そして、A級アンプモードにすることで、言い方が悪いですけど、暴力的な音を叩き出すような感じになります。低価格帯のイヤホンではちょっと持て余すような感じですが、AKG N40ぐらいのクラスからなかなか元気のいい音へ変化、N5005やXBA-300、Stealth Sonics U9などではより違いがわかり、イヤホンそれぞれの個性がより際立つ感じです。HibyのDAPは素直にイヤホンの個性が生きる感じです。ドライバーサイズが大きいMDR-1Aなどヘッドホンなどではその恩恵をフルに受けられるかなとは思います。MDR-1Aで4.4mmバランス接続して聞くと、「MDR-1Aって恐ろしく音圧が出るんだな」と感じるほどです。
で、これを使ってしまうと最後。普通のDACモードで聞くと、迫力不足は否めないものの、ESS特有のうまいこと誤魔化しキレイに音を出すモードに変わります。DACの内蔵アンプは省電力モードとして割り切れるならいいですけど...、DAPである必要がないんですよね。これならスマホに外付けDACでも十分だと思えてきます。そういうわけで、結局はA級アンプモードだけで使ってる状態です。
UATに目をつぶればBluetoothでも十分使える
そして、AndroidベースのDAPではおなじみ、Bluetooth機能もLDAC、aptX HDに加え、UATやUAT TWSなどが利用可能です。UATに関しては対応機器が少なく、UAT TWSに関しては2種類しか出てないため、自分で試すしかないよね的なw
というわけで、Hiby WH3でUAT接続。1.2Mbpsではほぼ使えないです。WiFiアクセスで音が途切れることもしばしば。900kbpsでギリギリ胸ポケに入れて使えるかなあと。(余談だけどWH3はギミックも面白くて、いい音出るんです)消費電力の多さには注意が必要です。
WF-1000XM4のLDAC接続では、990Kbpsでも多少途切れるけどそこそこ安定。660Kbpsでは余裕です。こちらはバッテリーも減らない感じですね。
個人的には、普段はWF-1000XM4で接続、自宅でケーブル接続で楽しむという使い分けも実用的に出来るレベルになったかなと思います。R6はあくまで接続可能というだけで、実用ベースで考えた場合にかなり厳しかったことを考えると、R5 Gen2はBluetoothで相当工夫したんだなと思います。
aptX系は、S425による制約を受けすぎた形です。aptX Adaptiveや近い将来来るLE audioを使えるようにするためには現行の廉価帯SoCを使うことになると思いますが、コスト的に合わないところはあります。この点はやむなしと思うしかないです。(ちなみに主流のS665でようやくTWS+に対応)
本格的なAndroid搭載DAPが登場する以前、ONKYOやPioneerなどが発売していたS800搭載のDAPなんかはかなり先見の明があったとも言えます。もっとも、今のS8 Gen1などの世代を贅沢に使ったDAPを作ったら、オーディオ部もそれ相応にスペックアップするでしょうから、7桁円が見えてきそうですね。
非常にバランスが良く、DAPビギナーや持ち運びユーザーにはうってつけの1台
おおよ弱点はBluetoothのコーデック周り。Androidの動作も結構重いです。Android 8.1の時代でもS425は貧弱とも思えましたが、DAPならその辺は不問とするのが正しいのかな。
それを補って余りあるだけの音の迫力、オーディオ端子の充実、そしてBluetoothの接続改善など、十分納得出来るだけの凄みはあります。いや、DSEEみたいにCPU演算で音域拡張というのも悪くないですけど、R5 Gen2はソースに対して、ダイレクトにパワーを与える感じですね。色々聞いてて思ったのが、128Kbpsで保存しているような初期のMP3ファイルでも、ぼやけることがなく力強く音が出る。これがどれだけ凄いことなのかと改めて理解させられました。
R6シリーズとの好みでES9038Q2Mを選ぶか、若干廉価版であるES9219Cを選ぶかという点はありますが、それ以上にA級アンプの搭載が大きいです。とはいえ、R6 2023は同じくA級アンプ搭載となるため、それを待ってからでもいいとは思います。
現在は66,000円と手を出しにくい価格ではあります。2018年頃では、R6が普通に購入出来た価格ですが、実際のところR5 Gen2はR6の2.5mmバランス接続を延命させるという点では、いいグレードアップパスじゃないかと思います。
半年も時間がかかってすみませんでした。それだけ時間掛けないと真っ当に評価出来なかったです。
おしまい
R6からの買い替え、スペック的には問題ないが...
単純に運良く買えてしまったというのが大きな理由ですけど、それでは元も子もないので。
これまでHiby R6を使ってたんですけど、音の好みで選んで、かつ当時はLDACなどのBluetoothコーデックにも対応していたのが買った決め手だったんですね。
で、今回もNew R6を買おうかと思ったりしたんですけど、価格が限りなく10万に近いのと、4.4mmバランス端子なのがどうも気が引けてしまった原因です。スペック的にはSnapdragon 660を搭載し、動作も多分快適になるんだろうと思うのですが、そこはそことして割り切ることにしました。
一方でR5 Gen2はメリット・デメリットがはっきりとしています。
良い点としては、
- 3.5mm端子に加えて、2.5mm端子、4.4mm端子もあること
- ES9219Cをデュアル搭載、更にA級アンプチップ搭載であること
一方で悪い点は、
- SoCがSnapdragon 425であること
- Android 8.1であること
- 内蔵メモリが2GBしかないこと
- 内部ストレージが16GBしかないこと
- aptX Adaptiveに非対応であること
主に制御側、根幹を成すAndroidやSoCが2018年発売のR6と大差なく、この辺は妥協点として上げる点です。ストレージに関してはR6は32GBありましたから、アプリが埋まることもなかったですけど、16GBとなるとストリーミングのアプリを一通り入れたら多分パンクです。幸い、まだ僕はローカル保存でDAP使う派なので、この点は不問となります。
あとは、近い将来危うくなりそうなAndroid 8,1ですかね。ハードの制約などもあって、もしかするとこれ以上のアップデートは望めないので、その点は結構怖いですね。
ナンバリング的には落ちるが、Hibyらしい出口特性が生きる音質
これまで使っていたR6に比べると、ナンバリング的には下位モデルとなっていますが、音質は4年の年月を経て、非常にクリアな音になっています。イヤホンの特性にも関連するんですが、キレイで完全に澄んだ高音域、ドンシャリイヤホンであれば元気よくビートを刻むし、少なくとも手持ちのどんなイヤホンでも、イヤホンの特性を最大限活かせるだけのスペックがあります。
基本的には、ゲイン調整とアンプのON/OFF、ボリュームの上げ下げでスイートスポット(使い方が違うけど意味合い的にはそう表現)を探していくような感じになります。
そして、A級アンプモードにすることで、言い方が悪いですけど、暴力的な音を叩き出すような感じになります。低価格帯のイヤホンではちょっと持て余すような感じですが、AKG N40ぐらいのクラスからなかなか元気のいい音へ変化、N5005やXBA-300、Stealth Sonics U9などではより違いがわかり、イヤホンそれぞれの個性がより際立つ感じです。HibyのDAPは素直にイヤホンの個性が生きる感じです。ドライバーサイズが大きいMDR-1Aなどヘッドホンなどではその恩恵をフルに受けられるかなとは思います。MDR-1Aで4.4mmバランス接続して聞くと、「MDR-1Aって恐ろしく音圧が出るんだな」と感じるほどです。
で、これを使ってしまうと最後。普通のDACモードで聞くと、迫力不足は否めないものの、ESS特有のうまいこと誤魔化しキレイに音を出すモードに変わります。DACの内蔵アンプは省電力モードとして割り切れるならいいですけど...、DAPである必要がないんですよね。これならスマホに外付けDACでも十分だと思えてきます。そういうわけで、結局はA級アンプモードだけで使ってる状態です。
UATに目をつぶればBluetoothでも十分使える
そして、AndroidベースのDAPではおなじみ、Bluetooth機能もLDAC、aptX HDに加え、UATやUAT TWSなどが利用可能です。UATに関しては対応機器が少なく、UAT TWSに関しては2種類しか出てないため、自分で試すしかないよね的なw
というわけで、Hiby WH3でUAT接続。1.2Mbpsではほぼ使えないです。WiFiアクセスで音が途切れることもしばしば。900kbpsでギリギリ胸ポケに入れて使えるかなあと。(余談だけどWH3はギミックも面白くて、いい音出るんです)消費電力の多さには注意が必要です。
WF-1000XM4のLDAC接続では、990Kbpsでも多少途切れるけどそこそこ安定。660Kbpsでは余裕です。こちらはバッテリーも減らない感じですね。
個人的には、普段はWF-1000XM4で接続、自宅でケーブル接続で楽しむという使い分けも実用的に出来るレベルになったかなと思います。R6はあくまで接続可能というだけで、実用ベースで考えた場合にかなり厳しかったことを考えると、R5 Gen2はBluetoothで相当工夫したんだなと思います。
aptX系は、S425による制約を受けすぎた形です。aptX Adaptiveや近い将来来るLE audioを使えるようにするためには現行の廉価帯SoCを使うことになると思いますが、コスト的に合わないところはあります。この点はやむなしと思うしかないです。(ちなみに主流のS665でようやくTWS+に対応)
本格的なAndroid搭載DAPが登場する以前、ONKYOやPioneerなどが発売していたS800搭載のDAPなんかはかなり先見の明があったとも言えます。もっとも、今のS8 Gen1などの世代を贅沢に使ったDAPを作ったら、オーディオ部もそれ相応にスペックアップするでしょうから、7桁円が見えてきそうですね。
非常にバランスが良く、DAPビギナーや持ち運びユーザーにはうってつけの1台
おおよ弱点はBluetoothのコーデック周り。Androidの動作も結構重いです。Android 8.1の時代でもS425は貧弱とも思えましたが、DAPならその辺は不問とするのが正しいのかな。
それを補って余りあるだけの音の迫力、オーディオ端子の充実、そしてBluetoothの接続改善など、十分納得出来るだけの凄みはあります。いや、DSEEみたいにCPU演算で音域拡張というのも悪くないですけど、R5 Gen2はソースに対して、ダイレクトにパワーを与える感じですね。色々聞いてて思ったのが、128Kbpsで保存しているような初期のMP3ファイルでも、ぼやけることがなく力強く音が出る。これがどれだけ凄いことなのかと改めて理解させられました。
R6シリーズとの好みでES9038Q2Mを選ぶか、若干廉価版であるES9219Cを選ぶかという点はありますが、それ以上にA級アンプの搭載が大きいです。とはいえ、R6 2023は同じくA級アンプ搭載となるため、それを待ってからでもいいとは思います。
現在は66,000円と手を出しにくい価格ではあります。2018年頃では、R6が普通に購入出来た価格ですが、実際のところR5 Gen2はR6の2.5mmバランス接続を延命させるという点では、いいグレードアップパスじゃないかと思います。
半年も時間がかかってすみませんでした。それだけ時間掛けないと真っ当に評価出来なかったです。
おしまい