今回は、初日から一括9,800円というとんでもないセール価格となっている、XPERIA 10 IVをご紹介します。

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割と理想的なS695搭載スマホ...かも
個人的にS695搭載スマホには興味があり、なんか買おうという話で、ネット上に出ているUQのReno 7 Aの一括1円がいいかなあと思っていました。ただ、そこへMNPできるSIMがない(楽天回線は解約済み)ので、このまま行くと買うことなく、あるいはデチューンされているというAQUOS Wish2なんかを考えていました。
そこに来て、XPERIA 10 IVの発売日。フラッとヨドバシに寄ってみたところ、SB版に一括9,800円の文字が出ていました。なんか罠があるだろうと思って聞いてみたところ、プランを無制限で契約することが条件ということで、最悪翌月にプランを変更しても問題ない(あくまでSBのプランのみの模様)とのこと。近年ワイモバイルも含めて、SB系のSIMは長いこと契約してなかったこともあり、一気に契約までしてしまおうか迷いました。とは言え、UQ回線ぐらいしかMNPできるものがないため、一旦家に帰って、翌日契約してしまおうと決心。SB版はラベンダーがないのが残念でしたが、一発で分かるようにミントカラーで契約。月月割のクーポンも持っていたので、維持費もドコモのメイン回線と大差ないレベルに収まる感じです。UQ+500円ぐらいでしょうかね。
かくして、S695を搭載しながら、「こんな高いミドルエンドモデル買えるかよ」だったXPERIA 10 IVが皮肉にも今年の新品XPERIA1号となってしまったというわけです。うーん。世の中はうまくできている。


かんたんなスペック
Snapdragon 695 (2.2GHzx2、1.8GHzx6)
メインメモリー 6GB
ストレージ 128GB
前面6.0インチ FHD+(2520*1080)有機EL液晶
無線LAN 11ac(866Mbps対応)/Bluetooth5.1
800万画素(超広角)/1200万画素(広角)/800万画素(望遠)カメラ
電源兼指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応
モノラルスピーカー/イヤホンジャック(ハイレゾ対応)/LDAC,aptX Adaptive(24bit/96kHz対応)
nanoSIMスロット x1/eSIM対応(DSDS対応)
microSDスロット x1
防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
5000mAhバッテリー
153 x 67 x 8.3 mm 161g
Android 12

5G
n3/n28/n77/n78
4G
1/3/8/18/19/41/42
3G
1/4/8

DSDSではあるものの、通話中に別の回線での通信はできない。通話は基本的にVoLTE対応となるため、その影響によるものです。したがって、条件的にはDSDVなんですが、ちょっと怪しい感じなので、注意が必要です。
ドコモ、au、SBすべてでVoLTE通話可能。エリア内では5G接続(転用バンド含む)もされています。
注意点がもう一つ。これはMVNOによると思うのですが、eSIMインストールができないキャリアなどが一部存在しています。(2022/08/02現在、Linksmate、IIJmioで設定可能)
あと、auはいつものおまじないでLTE Onlyにしないとパケット通信ができないことがありました。(povo、IIJのAタイプ)

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SB版の背面ロゴは本当にスッキリしてていいです。

サイズ感など
まずは、ほぼ同じ大きさのXPERIA 5 IIとのサイズ感。
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これは、ちょっとだけXPERIA 5 IIのほうが大きく(液晶サイズが0.1インチ大きい)、重さも163gと若干重い感じです。バッテリーは5 IIの4000mAhから10 IVでは5000mAhとなり、161gと軽量化もされています。
そこまで使い勝手に大きな違いはないものの、5シリーズに比べて廉価版であるため、Googleアシスタントボタンとシャッターボタンがないので、その点でこちらが好みという方もいるはず。

今でこそXPERIA ACEシリーズというODM系の最廉価版がありますが、10のコンセプトとしては、スタンダードタイプでありながら、内部パーツがギリギリミドルエンドという感じ。他社ではエコノミータイプに属するようなモデルが連想されます。初代はたしかS630、IIがS665、IIIがS690です。
特にIIIなんかはS765G搭載スマホが価格上のライバル機種であり、OLED液晶や凝ったオーディオ性能、そして3つのカメラを搭載しながら、S690というギリギリ成り立つようなSoCで制御するという一風変わったスタイルでした。はっきり言って、売れたという話は聞いたことがない感じがします。

実用レベルで困ることはないです。通常の使い方であれば、まず遅いということはないと思います。一方で、3Dゲームなどではパワー不足は否めないです。もともとそういう人の選択肢には入りづらいと思いますが、一応釘は刺しておきましょう。
いや、真面目に不満という不満はないんですよね。今年に入ってからの廉価版シリーズの中でもメモリやストレージに余裕があり、ある程度ゲームができるだけですでにいいと思います。なんだろ、歯切れが悪いんですよね。XPERIA 5 IIのほうが快適さは上ですけど、しっくり来るのが10 IVなんですよね。まあ、なので、SONYが今後出すのか知りませんけど、XPERIA 5 IVが出るなら、この10 IVの路線でS8Gen1を搭載しているとかいう頭悪いスペックで登場して欲しいです。冷えなそうw

その他、特筆すべき点としては、バッテリーの持ちの良さが圧倒的にいいというところですね。個人的に普通の使い方でもうまく使えば72時間程度は持つ気がします。5 IIが1日で50%消費するところを、10 IVは30%ぐらいで抑えてるので、理屈としては合ってると思う。その分の性能低下はあるものの、待受の電話と電子決済用の端末として使う分にはハイパフォーマンスは必要ないので、そのあたりを予め許容できれば、チョイスとしては悪くないです。これがS695での利点なんだろうなあ。
あと、これは個人的な問題かもしれませんが、5 IIに比べてカクカクしたボディと、0.3mm増の厚みもあって、なんとなく5 IIより重く感じます。重いというより、ガッチリとした感じで、いわゆる脆さみたいなものが10 IVにはない感じです。XPERIAのハイエンドはどこか脆さみたいなものを感じるところがあるんですが、10 IVに関してはそれは一切感じないです。雑に扱っても大丈夫そう。

オーディオ周りが結構充実してて、DSEE Ultimateが使えます。BletoothもaptX Adaptiveも24bit/96kHzまで対応しているので、オーディオのベース機としてはいいかもしれません。困ったことにUSBからの電力供給がどうも安定しないので、USB DACやヘッドホンアンプがうまく働かないです。XPERIA 5 IIだと起こらないので、多分固有の問題じゃないかと思います。バッテリー内蔵のヘッドホンアンプで試したいんですけど、手持ちだと現在ないので、どこかで追加テストできればいいかな。
ちなみに、内蔵イヤホンジャックですけど、出力範囲の広いイヤホンほどがっかりするような音で、悪くはないが、常用でこれはキツイというのがあります。イヤホンによっては、適当な2000円ぐらいの蟹チップのUSB DACを使ったほうが、いい音がします。これも比較でXPERIA 5 IIより劣ってしまう部分であります。
あと、そういう音源を持ってる人のほうが少ないと思いますけど、AIFFやFLAC、WAVなどのハイレゾの高ビットレート音源は、再生が出来ないものもあります。惜しいポイントかな。


まとめ:1円ならもらえ、9,800円なら儲け物、19,800円で適正ぐらいのスマホ性能
定価では絶対に買わない。買わせるためにはミドルエンド級SoCを搭載すべき
結論だけ言ってしまうと、Libero 5G IIとほぼ同じ値段で入手できてしまったので、割と満足はしています。正直10シリーズはもっと動作散漫だったりするんだろうなと思いましたけど、そこんところはやっぱりS690シリーズですから、基本的な動作は抑えてあります。
ただ、これを19,800円で買うか?となればちょっと悩みます。悩んで買うと思います。
そして定価だった場合は即刻見放すレベルです。S695はいいSoCなのかもしれませんが、先程も書いたように、他のパーツのスペックに対して、著しく劣っているのがSoCなんですよね。これが単純にS765Gとか、S778Gに変わるだけで、6万しても多少は検討したいなあと思う出来になると思うんです。搭載されているパーツの割にもったいない感があるんですよね。
もちろん、161gで5000mAhとRM7P並のバッテリー容量は魅力的ですけど、他のパーツも含め、きれいに着飾っても、所詮は他社の同SoCモデルと比較されてしまい、この+2万の価値をどこで見出すべきなのかという話になります。これだと、Reno 7 Aには勝てないだろうなあって思いますね。

XPERIAが好きで、そこそこお金を出してもいいやと思う方は、今回はチャンスですので、必ず抑えといてもいいと思います。

間違っても定価を48回とかで買うものじゃないです。そこのところは肝に命じておいてください。多分快適に使えるのは1年が関の山だと思います。




おしまい