今回は、執筆時には日本未登場となります、FiioのUTWS5をご紹介。

Aliで買ったせいで、箱がやや潰れてました。これで145ドルするんだぜw

というわけで、アダプタ経由でAKG N5005を装着。
第二世代のMMCXアダプタのスタンダードか、さすがの完成度
まず、QCC5141ですが、TWS MirroringやaptX Adaptiveに対応した、第2世代のQCCシリーズです。これにより、24bit/96Hzまでの転送が可能になります。まあ、実際にはローエンドのQCC3040でもそこまで変わらないのでしょうけど、BT5.2まで対応していたり、ANCにも対応できるチップであり、今後、採用例も増えていくか、あるいは一足飛びで次の世代へ行くか、微妙なところではあります。
そこに、旭化成のAK4332を両方に搭載。片方ずつ、モノラルDACを搭載することで、QCC内蔵のDACよりクリアな音が期待できます。さらに、UTWS3で搭載されていたTPA6140A2に比べ、もともとTWS向けに開発されているせいか、消費電力がかなり抑えられたことで、よりTWS化に向いた仕様に変化しました。
すでに完成度の高かったUTWS3が「枯れた技術の最終世代」なら、UTWS5は「これからのスタンダードとしてベンチマークとなる世代」と呼ぶにふさわしい完成度だと思います。
やはり今回も気になる接続性、しかし圧巻の音質
今回は、前回から機材が若干変わっています。
接続元は相変わらずXPERIA 1 II、AKG N5005。
今回は前回のUTWS3がもう手元にないものの、以下のモデルで比べてみました。
相変わらずのダークホースというべきBT-50 Pro。QCC5125を搭載しながら、LDACで接続出来てしまう謎の仕様(もちろん、24bit/48HzのaptX Adaptiveにも対応)により、DSEE Ultimateの仕様を享受できる環境が整っているという点で、後はAK4332がどれぐらいの味付けをしてくれるか、という点にかかっていると思います。ちなみにFiio Controlはまだイコライザー未対応のため、音量以外いじれないのは注意かもしれません。
あとは、参考でWF-1000XM4。今後LDAC接続できるTWSが増えてくるだろうと言うことで、MT2822Sを搭載したモデルとの比較も行いました。(自宅でやってます)
なお、一応言っておくと、LDAC接続は、今でもCSR8645あたりがベストな接続性だと思います。
音は非常にクリアで、多ドラのイヤホンでも十分にスペックを活かし切るだけの性能はありそうな感じです。それでもって、どんなイヤホンでも無理やり引き上げる感じのあったUTWS3に比べると、圧倒的にイヤホンのスペックが高ければ高いほど、いい音になるという感じです。ただ、個人的にはややドンシャリ寄りになるかなと思ってはいます。キャラクターは似せていますけど、特性までは似ていないのが、ざっと聞いた感想です。
さて、好みかどうかという点で、今回はQudelix-5Kに外れてもらったこともあり、細かい音の作りまでを考えると、UTWS5がトップになります。あくまで出力でなら、という条件付きではありますが、好みの音になっていないのが残念なところ、早くイコライザーを付けてください。
次点では、TM2です。やっぱり、力強く、ストレートにイヤホンの性能を出しているという点で、強みがあります。リケーブル済みなので、その点も加味して、この評価かなと思います。
ハイレベルな争いで、BT-50 ProもLDAC接続なら負けていないです。QCCのアンプが強力になったのか、DSEE Ultimateでアップスケーリングした音をちゃんと聞かせるだけの性能を持っています。中華だからと侮りがたしではあるけど、そもそも5,000円以上してるし、当たり前でしょう。
参考までに、ハード側でもDSEE Ultimateに対応しているWF-1000XM4ですけど、LDAC接続だと本当に細かい音が出ていないだけで、十分すぎる音域の広さはあります。粗探しをしたいなら、N5005を使えばいいけど、普段電車の中とかで使う分には、WF-1000XM4のほうが、音楽に没頭しなくて済む感じはあります。いつかSONYの多ドラTWSイヤホンを期待してしまうんですけど、それが出たら完全にSONYのイヤホンチームは解散させられてしまいそうです。
次に接続性、これは意外とBT-50 ProがLDAC接続で一番健闘していると言っていいでしょう。変な音の乱れもないし、距離が離れると接続が切れるのはともかくとして、範囲が一番短いが、接続性が良いという評価です。次はTWS+のTM2、これは本当に途切れないけど、音の乱れがちょいちょいあるので、この評価としました。前回も2位でしたけど、やっぱり時間経過による新製品にはかなわない感じです。そして、最後がUTWS5となります。これはひとえに96Hzにせず、48Hzだったらもしかすると問題ないのかもしれませんが、一応仮想敵はLDACなわけですから、そこのところは負けてほしくなかったかなという感じです。意外と壁を通すと弱いのねaptX Adaptive。
参考までに、WF-1000XM4も壁を通すと弱いです。BT-50 Proが問題ない壁で、音飛びなどが起こります。この辺は小型故の問題がありそうな気がしますけど、まあ、実用レベルでは困ることはないと思います。
待望のLDAC対応(2023/07/17追記)
ついに、LDAC対応しました。Snapdragon Sound対応のスマホで、最大990Kbpsまで使うことが出来ます。うーん、色々考えることがあるんですけど、aptX Adaptiveとの大きな違いは、ベストエフォートにしたときに、突然音質が変わるaptX Adaptiveに比べて、それを感じさせないけど音は途切れる頻度が高くなるLDACといったところです。有線並とまでは行かないまでも、やっぱり上下の音域ではなんとなく切れている感じがするaptX AdaptiveよりLDACのほうが、音はいいのかなと思ったりします。(DSEE Ultimate込)
あと、FW5でもそうでしたけど、一度音飛びすると、接続し直さないと、延々と音飛びが続く現象、それと、これも前からなような気がするけど、片方のレシーバーのバッテリーが充電されない不具合みたいなもの(どうもペアリングカットされた時点で電源が入ったままになっている感じ)
まとめ、マニアックに満足できる一品。
技適は取ってあるみたいですが、シールが付いていないため、日本では違法電波と扱われます。申請してテスト用途で使うということになりますが、そのへんはこの際無視です。
リケーブルで音の変化を探っていくのが面白い人には、マストアイテムと言っても過言ではないと思います。リケーブル+BTアダプターのほうが当然いい音になるでしょうけど、そこはTWS化できるメリットを十分に享受でき、しかもAKMのDAC入りという点を考慮しても、BTアダプターとも競合できるだけのスペックはあるんじゃないかとは思います。(ただBTアダプタも基本はDACを左右デュアルにしちゃってる感じあるんで、DACの味付け次第にはなると思います)
個人的にはUTWS3を捨てて買うだけの価値はあったなと思います。傾向が似ているだけで、実際の中身は相当違いますから、これはこれで別の流れにある最新モデルと解釈するべきでしょう。もし、使っているスマホがaptX Adaptiveに対応していて、家に眠ってる多ドラのMMCX/2pinイヤホンがある方は、久々にそのパフォーマンスを受けてみるのもいいかもしれません。
おしまい

Aliで買ったせいで、箱がやや潰れてました。これで145ドルするんだぜw

というわけで、アダプタ経由でAKG N5005を装着。
第二世代のMMCXアダプタのスタンダードか、さすがの完成度
まず、QCC5141ですが、TWS MirroringやaptX Adaptiveに対応した、第2世代のQCCシリーズです。これにより、24bit/96Hzまでの転送が可能になります。まあ、実際にはローエンドのQCC3040でもそこまで変わらないのでしょうけど、BT5.2まで対応していたり、ANCにも対応できるチップであり、今後、採用例も増えていくか、あるいは一足飛びで次の世代へ行くか、微妙なところではあります。
そこに、旭化成のAK4332を両方に搭載。片方ずつ、モノラルDACを搭載することで、QCC内蔵のDACよりクリアな音が期待できます。さらに、UTWS3で搭載されていたTPA6140A2に比べ、もともとTWS向けに開発されているせいか、消費電力がかなり抑えられたことで、よりTWS化に向いた仕様に変化しました。
すでに完成度の高かったUTWS3が「枯れた技術の最終世代」なら、UTWS5は「これからのスタンダードとしてベンチマークとなる世代」と呼ぶにふさわしい完成度だと思います。
やはり今回も気になる接続性、しかし圧巻の音質
今回は、前回から機材が若干変わっています。
接続元は相変わらずXPERIA 1 II、AKG N5005。
今回は前回のUTWS3がもう手元にないものの、以下のモデルで比べてみました。
- UTWS5(QCC5141) aptX Adaptive接続
- BT-50 Pro(QCC5125) LDAC接続
- WF-1000XM4(MT2822S) LDAC接続
- TM2(QCC3026) aptX TWS+接続
相変わらずのダークホースというべきBT-50 Pro。QCC5125を搭載しながら、LDACで接続出来てしまう謎の仕様(もちろん、24bit/48HzのaptX Adaptiveにも対応)により、DSEE Ultimateの仕様を享受できる環境が整っているという点で、後はAK4332がどれぐらいの味付けをしてくれるか、という点にかかっていると思います。ちなみにFiio Controlはまだイコライザー未対応のため、音量以外いじれないのは注意かもしれません。
あとは、参考でWF-1000XM4。今後LDAC接続できるTWSが増えてくるだろうと言うことで、MT2822Sを搭載したモデルとの比較も行いました。(自宅でやってます)
なお、一応言っておくと、LDAC接続は、今でもCSR8645あたりがベストな接続性だと思います。
音は非常にクリアで、多ドラのイヤホンでも十分にスペックを活かし切るだけの性能はありそうな感じです。それでもって、どんなイヤホンでも無理やり引き上げる感じのあったUTWS3に比べると、圧倒的にイヤホンのスペックが高ければ高いほど、いい音になるという感じです。ただ、個人的にはややドンシャリ寄りになるかなと思ってはいます。キャラクターは似せていますけど、特性までは似ていないのが、ざっと聞いた感想です。
さて、好みかどうかという点で、今回はQudelix-5Kに外れてもらったこともあり、細かい音の作りまでを考えると、UTWS5がトップになります。あくまで出力でなら、という条件付きではありますが、好みの音になっていないのが残念なところ、早くイコライザーを付けてください。
次点では、TM2です。やっぱり、力強く、ストレートにイヤホンの性能を出しているという点で、強みがあります。リケーブル済みなので、その点も加味して、この評価かなと思います。
ハイレベルな争いで、BT-50 ProもLDAC接続なら負けていないです。QCCのアンプが強力になったのか、DSEE Ultimateでアップスケーリングした音をちゃんと聞かせるだけの性能を持っています。中華だからと侮りがたしではあるけど、そもそも5,000円以上してるし、当たり前でしょう。
参考までに、ハード側でもDSEE Ultimateに対応しているWF-1000XM4ですけど、LDAC接続だと本当に細かい音が出ていないだけで、十分すぎる音域の広さはあります。粗探しをしたいなら、N5005を使えばいいけど、普段電車の中とかで使う分には、WF-1000XM4のほうが、音楽に没頭しなくて済む感じはあります。いつかSONYの多ドラTWSイヤホンを期待してしまうんですけど、それが出たら完全にSONYのイヤホンチームは解散させられてしまいそうです。
次に接続性、これは意外とBT-50 ProがLDAC接続で一番健闘していると言っていいでしょう。変な音の乱れもないし、距離が離れると接続が切れるのはともかくとして、範囲が一番短いが、接続性が良いという評価です。次はTWS+のTM2、これは本当に途切れないけど、音の乱れがちょいちょいあるので、この評価としました。前回も2位でしたけど、やっぱり時間経過による新製品にはかなわない感じです。そして、最後がUTWS5となります。これはひとえに96Hzにせず、48Hzだったらもしかすると問題ないのかもしれませんが、一応仮想敵はLDACなわけですから、そこのところは負けてほしくなかったかなという感じです。意外と壁を通すと弱いのねaptX Adaptive。
参考までに、WF-1000XM4も壁を通すと弱いです。BT-50 Proが問題ない壁で、音飛びなどが起こります。この辺は小型故の問題がありそうな気がしますけど、まあ、実用レベルでは困ることはないと思います。
待望のLDAC対応(2023/07/17追記)
ついに、LDAC対応しました。Snapdragon Sound対応のスマホで、最大990Kbpsまで使うことが出来ます。うーん、色々考えることがあるんですけど、aptX Adaptiveとの大きな違いは、ベストエフォートにしたときに、突然音質が変わるaptX Adaptiveに比べて、それを感じさせないけど音は途切れる頻度が高くなるLDACといったところです。有線並とまでは行かないまでも、やっぱり上下の音域ではなんとなく切れている感じがするaptX AdaptiveよりLDACのほうが、音はいいのかなと思ったりします。(DSEE Ultimate込)
あと、FW5でもそうでしたけど、一度音飛びすると、接続し直さないと、延々と音飛びが続く現象、それと、これも前からなような気がするけど、片方のレシーバーのバッテリーが充電されない不具合みたいなもの(どうもペアリングカットされた時点で電源が入ったままになっている感じ)
まとめ、マニアックに満足できる一品。
技適は取ってあるみたいですが、シールが付いていないため、日本では違法電波と扱われます。申請してテスト用途で使うということになりますが、そのへんはこの際無視です。
リケーブルで音の変化を探っていくのが面白い人には、マストアイテムと言っても過言ではないと思います。リケーブル+BTアダプターのほうが当然いい音になるでしょうけど、そこはTWS化できるメリットを十分に享受でき、しかもAKMのDAC入りという点を考慮しても、BTアダプターとも競合できるだけのスペックはあるんじゃないかとは思います。(ただBTアダプタも基本はDACを左右デュアルにしちゃってる感じあるんで、DACの味付け次第にはなると思います)
個人的にはUTWS3を捨てて買うだけの価値はあったなと思います。傾向が似ているだけで、実際の中身は相当違いますから、これはこれで別の流れにある最新モデルと解釈するべきでしょう。もし、使っているスマホがaptX Adaptiveに対応していて、家に眠ってる多ドラのMMCX/2pinイヤホンがある方は、久々にそのパフォーマンスを受けてみるのもいいかもしれません。
おしまい