
小さいことが、正義となるのか?
今回は、楽天モバイルのMNO向けに先行リリースされている、Rakuten mini C330と、必ず通るであろうeSIMを使った楽天モバイルの回線に関して、実機レビューしたいと思います。
かんたんなスペック
Snapdragon 439 1.95GHz x4+1.45GHz x4
メインメモリー 3GB
ストレージ 32GB
3.6インチ HD(1280*720)TFT液晶
無線LAN 11ac(433Mbps対応)/Bluetooth5.0
1600万画素(リア)カメラ
USB type-C端子
モノラルスピーカー/aptX、SBC対応(イヤホン端子なし)
1250mAhバッテリー
防水IPX2、防塵IP5X
Felica(おサイフケータイ)/NFC対応
106.2 x 53.4 x 8.6(最厚部) mm 79g
Android 9.0/独自UI搭載
LTEバンドは、1,3,18,19,21,26,28,41に対応。eSIM書き込み型。
チップセットの上限となる下り150Mbps/上り75Mbpsとなる。楽天モバイルのみVoLTE対応。
価格:21,800円(税込、現在のところ料金1回目に合算の模様)
MNOなのにセカンドスマホ的な立ち位置を具体化したような、小さいスマホ
小さいw
このサイズが小型というけど、昔って本当にこのサイズだったのかなあって疑問に思ってしまいます。
液晶サイズが3.6インチのHD、これってiPhone4以前のサイズで、そういえば今風に形は整ってますけど、見た目もiPhone4っぽいです。
違いとしてはホームボタンがない程度なんですけど、この液晶の中にAndroidのソフトウェアボタンが入るので、現実はiPhone4より小さな液晶という錯覚を起こす感じなのでしょう。
結構チープ、というとアレなのですが、正直なところ、これはしっかりとスマホとして使おうとする筐体ではないです。本音を言えば、これを2万で売るのはやっぱりどうかと思う。
楽天MNOの他のラインナップを見る限り、OPPO A5 2020やAQUOS Sense3などがラインナップされていますが、スマホとしての完成度、精密機器として見ても、だいぶ劣って見えます。
でも、ちょっと落ち着いて見てみると、楽天MNOの立ち位置に、このスマホを据える意味合いがあるのだと思います。
一つはeSIM対応であること。契約即使用をオンライン上で手軽に行えるようにする。いちいち物理SIMで差し替えをぜすとも、複数のキャリアを切り替えて使えるというのは、MNO的な立ち位置では出てこないと思います。
もう一点は、最初からメインで使うスマホという発想を捨てていること。メインで使うスマホの定義が広範囲すぎるのですが、今や個人間のやり取りでは電話番号が重要視されるようなことはなく、もっぱらSNSでのやり取りが中心です。
スペックも控えめ、通信速度もそれなり、テザリングをホーム画面上にワンタッチで出来るという点も、基本的にセカンド端末として不自由ないレベルではあります。
一方で、現在の日本でも、電話番号はフォーマルな部分で必要となるので、通話にはVoLTEなどが対応していることが好ましいです。
Rakuten miniはそのような社内通話端末、法人向けとしても考えられていることもあって、個人所有のスマホとは別のものとして考えた結果、身に付けられるぐらい小型にしちゃえってことなのかな。
これが楽天のMNOの今の立ち位置そのもの、まず他のキャリアに比べて、入り込めるセカンドスマホ需要となるスキマをMNOで埋め、順次MVNOの回線をMNOにしていくような流れを作りたいんじゃないかなと思います。
多分、本運用後しばらくすれば、このRakuten miniは多分端っこに追いやられるんじゃないかと思うんですけど、最初のつかみでこれを売って、そのまま使ってくれる回線品質なら、物理SIM化してメインで使う層も一定はいるでしょう。
サクサク動く、サブスマホとしての性能はほぼ及第点だけど...
Snapdragon 439はIoT系のスマートスピーカーなどでも使われるようなSoCです。
過去にはSnapdragon 450搭載のAQUOS Sense2を割とブーブー言いましたけど、この439は更に下に位置づくはずなのですが、結構サクサク動きます。
解像度はHDサイズであることや、その割に3GBものメインメモリを搭載していることなどがいいんでしょう。また、この独特なUIも動作に貢献してる感じです。
画像は3Dリッチなんですけど、エフェクトも分かる範囲できっちりかかるし、HDでしか動作しないという点がやはりデカイのか、コマ落ちもなく60fps動いちゃう感じです。
MVではそこまで違いないですけど、いざプレイすると、タッチ範囲の狭さというか、2個隣り合う譜面や長押しがうまく反応しないことがあります。
最初はタッチパネルの同時押しが2点タッチなのかなと思ったのですが、5点タッチまでは対応しているので、2方向のスライド譜面も問題ないはずなんですが、うまく反応してくれないです。
参考までに5点タッチの図。
言うに及ばず、画面が小さいということは、解像度以上に目には悪いです。
バッテリーは待受でだいたい2日ぐらい、テザリングでほぼ半日ぐらいでしょうか。テザリングし続けると発熱も結構あるので、常時テザリングも厳しいのかも。
小型軽量というのも売りの一つだと思うけど、テザリング起動で1日ぐらい持つようなバッテリー容量は欲しかった。
ドラクエウォークをやっていて気づいたんですけど、この機種はGPSをつかみにくいらしく、位置が300mぐらいずつずれている感じです。WiFiを接続すると、WiFiの位置情報なども加味して補正がかかるのですが、それにしてもGPSを使うゲームには不向きです。こうなると、いい加減本当にどうやってどのように利用するべきモノなのかわからなくなってくるアイテムではあります。
ドラクエウォークをやっていて気づいたんですけど、この機種はGPSをつかみにくいらしく、位置が300mぐらいずつずれている感じです。WiFiを接続すると、WiFiの位置情報なども加味して補正がかかるのですが、それにしてもGPSを使うゲームには不向きです。こうなると、いい加減本当にどうやってどのように利用するべきモノなのかわからなくなってくるアイテムではあります。
思ったより時間がかからない、けどオンライン申し込みをやってるだけのキャリアショップとは?
さて、eSIMモデルということもあり、オンライン申し込みでは出来ないということもあって、今回は池袋東口店で契約をしてきました。
2/1、15時ぐらいだったのですが、前日の時点で来店予約が取れず、予約状況を見るに、なんか土日どころか平日も結構埋まってて、最短で2/6あたりだったので、一か八か予約なしで来店してみることにしました。(あんまり好ましくない)
窓口は10ぐらいあったと思いますが、スタッフがかなり多く、10分待たずして案内されました。今はほぼ新規契約オンリーということで、そこまで待ち時間はないのでしょう。
基本はWebページからの登録で、楽天IDに住所やクレカ情報が登録されていれば、それを流用する形で契約となります。契約住所と楽天IDの住所が違う場合は、予備書類が必要です。
サクサクっとプランを選び、端末のIMEIを入力、eSIM用のページからQRコードを本体に読ませ、動作を確認して完了です。
おおよそ30分あれば手続きはおしまい。プランやオプションもWebページを見ながら選択していく感じなので、視覚的に分かるのがデカイです。
ただ、ほとんどの作業がWebページでやるので、果たしてこれをショップでやる必要があるのか?という気がします。
まあ、今回はイレギュラーなものなので、注意事項などの確認もあるんでしょうけど、ほぼWebページのみで完結しちゃうという点では、MVNOと大差ないです。
すでにソフトバンクが行っていますが、物理SIMもオンライン上の手続きのみで開通させて、端末に入れるだけで動作確認が出来ちゃう感じになってるんですよね。
今はSIM発行云々の料金の関係で少なくなっていますが、MVNOのパッケージにはSIMが入っていて、SIM番号を入れるだけで開通するようなMVNOもあるので、特に問題はないはずなんですよね。
当の楽天モバイルMVNOがそれをやっていないのは気になりますが、MNO化によるeSIM手続きと、その簡易化は、後発キャリアとしては大きな武器になると思います。
プランはお試し用の100GBプラン、2020年3月までは使い切っても追加で1GBずつパケット追加が出来ます。(出来ましたとも書いておくかな。)
バンド3オンリーの楽天回線も、ユーザーが全くいない感じもあり、生活圏である北区、文京区、荒川区では全く問題なし。なんなら帰りの池袋あたりでも、遅いと感じません。
自宅のあたりでこのぐらい。CAなしのキャリアでこの速度は十分だと思う。
まあ、個人的にものすごく期待値が低いところから始まっているのに加え、最大150Mbpsすら活かせないようなネットワーク網なのではないかと思うところはある。でも実測20Mbpsもあれば、AbemaTVも通信節約モードで見る必要はないよねと。
まあ、個人的にものすごく期待値が低いところから始まっているのに加え、最大150Mbpsすら活かせないようなネットワーク網なのではないかと思うところはある。でも実測20Mbpsもあれば、AbemaTVも通信節約モードで見る必要はないよねと。
本サービス開始後にどれぐらい速度維持出来るかと、サービス提供(大容量低価格)が出来るかで、今後の評価はとてつもなく左右されると思います。
---2020/03/03追記---
---2020/03/03追記---
色々試してみましたけど、自宅でも割と接続が出来なくなる時間があったり、特定ゲームの接続などで通信出来なくなるなどの問題がありますね。
具体的に、というと果たしてですが、まず普通に移動中に使う分には、それほど問題はないです。これが例えば側道に一本入ると、一気に速度が落ちる感じです。江戸川区でそんな感じです。まあ、北区も大差ないレベルなのでしょうけど、山手線の中と外では環境が大きく異なっているのではないかと思います。
その他、auローミングのエリアでは、au VoLTEの特性そのまま、異様に遅かったり、圏外になってみたりと、相変わらずまともに使える場所が限られる感じです。なんだろう、これはau批判になりそうだけど、思ったよりローミングしてないのではなく、ローミングしても自社ネットワークが弱いから結果的にそう見えるとも言えるんじゃないですかね。
通話、どうもワンテンポ遅れて聞こえるときがあるのと、これは単純にRakuten miniだからなんでしょうけど、小さいのでマイク感度を上げているので、雑音まで入ってしまうという難点はあります。通話品質という面では悪くないのですが、他社の3Gと大差ない気がしてしょうがないです。
3キャリアはともにVoLTEの相互接続をしていますけど、楽天に関してはその辺が出来ていないため、VoLTEの相互接続、あるいは楽天回線同士でVoLTEとなった場合に、多少は改善が見られるのかどうかというのは気になる点です。
まとめ、すべてがまだ様子見ムード。Rakuten miniが本領発揮されるにはもう少し時間が必要か
まず楽天のMNO、地上でなら十分使えると思います。まだ最大で25000ユーザーしかいないというところがありますけど、仮にMVNOから完全移行しちゃうと、今のままでは厳しくなるかなという感じはあります。どこまで基地局の仮想化で対応出来るのだろうか。
今後、秋葉原とか、弱いと言われている地下街などに行ってみようと思います。
無料トライアル、終了後に楽天ポイントでほぼ全額戻ってくるとはいえ、Rakuen miniが2万する端末か、というと、全くその価値はないです。基本性能は抑えていても、これはあまりにチープすぎる。
いい意味で使い勝手が悪くないことが悩ましいところなのですが、全体的な安物感というか、偽物感というか、そういうものが払拭出来ていない印象があります。保証サービスもあるんだけど、どんなに破損しても年3回まで6,000円で修理出来るというような、結構謎なサービスなので、言わずもがな。
とりあえず、サービス開始後の値段相応とはなると思いますが、トライアル中は最低限これで頑張ろうというレベルではあります。逆にそこにしか活かす価値がないし、本サービス後に解約する場合、どうしようという感じですよね。
回線云々は抜きにして、eSIM専用機という点では悪くない選択肢なんだけど、eSIM端末は日本じゃまだ早すぎる感じです。
せめてワンナンバーサービスとかでも使えるようにすれば、それはそれとして需要があるんだろうけど、あえて楽天オリジナルとしているので、わざわざ他社の子機使用にはしないだろうなあ。
例えば、IIJではなく、突然ドコモがeSIMにも対応しますとか言い始めれば、また大きく変わってくるんだろうけど、現状ではまだROM機の域なのかなと。
ただ、もう一回念押し。これは2万出して買う端末じゃない。eSIM専用端末に魅力を感じなければ、サービスインしても買ってはいけない。
おしまい