まあ、今更感が非常に高いですけど。
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今回は、もう生産終了となっている、中国Hibyの唯一となる、2.5mmバランス端子+Android搭載+ESS DAC搭載の、Hiby R6の実機レビューです。

Hiby R3のイライラを解決するところから始まった、R6購入記
まず、根本的な話をすると、「ほしかったからかった」という元も子もない話になってしまうので、それとなく雑記で悩んでいたことを延々と見直し。
Hiby R3はめちゃくちゃ出来のいいオーディオプレーヤーで、バランス接続が出来て、3万そこそこという価格もあり、飛ぶように売れたというのは、入手の難しさから感じました。とはいえ、使ってるとだんだん見えてくる問題点が色々ありました。
簡単に書くと、
  • SONYのアプリによるANC機能が専用機ゆえ使えないこと
  • Bluetooth周りがアップデートするごとに改悪していること
  • Hiby Linkの接続の不安定、Bluetooth接続ごとにON/OFFしなければいけないこと
まあ、1番は完全なお門違いではあるんですが、もともとの発端なので書いておきました。Headphones Connectの恩恵を受ける機種が2つあり、これらを使う場合はスマホで使う必要があったことがまず第一にあります。
そうなると、microSDなどの問題も出てきて、同一のデータをクローンのように入れておく必要があり、R3側のmicroSDが200GBに対して、スマホ側が128GBで、データがあふれてしまっていたことが結構不満だったという話です。管理が非常にめんどい。

2番目と3番目、単純に色々できるようになったのは嬉しいかもしれませんが、基本的なBluetoothの接続などがうまく動かず、BluetoothイヤホンをONにした場合に自動接続が出来ないことが多く、自動接続が出来ない場合は手動接続しなきゃいけないのですが、その場合にHiby LinkをOFFにしないとBluetoothの手動接続が出来ないという、一見不思議な仕様になってしまいました。これはいつからなのかよく分かってないのですが、ある日突然アップデートしたことでこういう感じになったので、最初からじゃないと思うのです。(この辺はR3のレビューも参照)

で、後継モデルというと、R5がシーラス・ロジックのDACということ、そして4.4mmバランス端子ということで、早々に選択肢から外しました。
Hibyで選択するとなると、R6かR6 Proということになるのですが、音の面で、若干味付けが異なっているというのが、結構色々なところで書かれていたので、そこはR3と同時期のモデルのほうが、耳馴染みがいいんじゃないかということ、そして2.5mmバランス端子が決め手となるわけですね。


まあいいんです。子供の頃欲しかったBB戦士やミニ四駆を大人になったら衝動買いするのと大差ないです。R3を買ったあのとき、俺はR6が欲しかったんです。多分それだけなんだと思います。


わがままニーズを満たした、完璧なオーディオプレーヤー
俺得なニーズを満たすR6ですが、なぜ、そんなにいいと思ったのか?という話です。
  • Android、およびGoogle Play導入済みで、ストリーミング再生や他社アプリが使える
  • LDACやaptXはもちろん、Hiby musicを使えばUATやHWAなどもサポートするBluetooth
  • 2.5mmバランス端子、DACにESSのES9028Q2Mを左右1基ずつ搭載
  • SoCにSnapdragon 425を搭載し、QC3.0に対応
いや、じゃあスマホでいいじゃんのレベルなんですよねこれw
2.5mmバランス端子搭載で、AbemaTVだろうがYoutubeだろうがRadikoだろうが、スタンドアロンでバランス出力できちゃうって話です。スタンドアロンというのがポイントなんです。
どうしても1回Bluetooth、もしくはUSBを介することの煩わしさにイライラしちゃうタイプなので、それができるというのは、(意味もなく)非常に気分がいい。
標準でLDACに対応しているので、Headphones ConnectでLDAC接続しつつ、ANC機能も使える。これも気分がいい。(端末のセンサーなどの都合上、アダプティブサウンドコントロールの詳細設定が出来ないのは問題だが。)

そして、なんやかんやで一番気分がいいのは、Hiby Musicを使わず、他社の音楽プレーヤーを利用できるという点です。無論、2.5mm接続ではHiby Musicを使うのがベストな環境なのですが、このアプリの根本的問題として、中華アプリらしく日本語の対応がうまく出来ず、曲の並び順などがめちゃくちゃになっていることと、シャッフル再生がだんだんと規則性を帯びてくることなんです。
言ってることがわけわからないでしょうけど、A~Fの曲があったとして、シャッフルのAから始まる曲順と、Fから始まる曲順が、途中から全く同じ選曲になってくるんです。
ACDFBEの順で曲が流れるとして、Fから始まればFBEACDの順で流れるという感じです。まあ、シャッフル使ってると同じ並びの時があるなあと思いますが、R6では結構な確率でそれを感じてしまうところに問題があります。
そこらへんは一日の長があるSONYやONKYOのプレーヤーのほうが、日本向けカスタマイズが進んでいるので、気分がいい。

Androidが入っていることで生まれる利点は他にもあり、ほとんどのUSB DACを接続して使うことができるのが大きいです。
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Hiby R6にiBasso DC01を接続している図です。
ある意味、言っていることとやっていることが全く違うのですが、こういうことも普通にできるうえ、最近はヘッドホンアンプなども専用のアプリがリリースされているため、専用機以上に好みを反映しやすいです。たまにAK4493の出る音が聞きたくなるときに、これだけで済んでしまうのは気分がいい。

そして、何より使い慣れたAndroidで、普通の端末として扱えるという点も、中途半端と言われる反面、使い勝手で大きなメリットなのかなと思います。

要注意点として、WiFiのAPに対して、凄まじい相性があることが気になります。総じてNECのルーターは駄目だし、11acでの接続もバッファロー以外のメーカーではなんとなく出来ない感じがあり、これをどう見るかという点があります。もっとも、2.4GHz帯の11nでもストリーミング再生レベルでは問題ないと思いますので、素直にそれを使うほうがいいでしょう。
それに関連して、BluetoothとWiFiの同時接続で、猛烈に動作が不安定になるという問題点もあります。LDACだけの問題なのかなと思ってたんですけど、aptXでもAACでもSBCでも起こるのが解せない。ましてQualcommのSoC使っててこうなる理由がよくわからないです。
LDACに限ってはさらに音質重視の990Kbpsが全く使い物にならないレベルで、660Kbpsでは安定します。この辺はSONY製品じゃないのでしょうがないのかな。

バッテリーはハッキリ言ってものすごく持ちが悪い。性能面で問題ないのに、おそらくメディアプレーヤーとして使えない最大の問題点はこれなんだと思います。バランス端子側だけで、音楽を聞いてると4~5時間でアウトです。まあ、スプリントレース向きですね。
ならば充電しながらという方法もあるにはあるんですが、有線ならともかく、Bluetoothではしょっちゅう切れるようになるため、モバイルバッテリー併用での運用も結構厳しいんじゃないかなと思います。

どうでもいいですけど、3.5mmイヤホンジャックはヘッドホンで使うことを推奨したいです。プラシーボレベルではあるんですが、2.5mmバランス端子で出るイヤホンの音に対して、3.5mm側は力で押し出している感じがあり、結果としてイヤホンでは力不足を感じるのかなと思います。
R3で3.5mmがスカスカという話を書いたと思うんですけど、もしかすると単純にでっかい出口で出してなかったからという可能性もさもありなん。


まとめ:あえて今、R6を買う必要性はあるのか?
ずらずらと俺的メリットを書いておきましたけど、ぶっちゃけ2.5mmバランス端子か、4.4mmバランス端子にするのか、という点でR6 ProとR6を天秤に掛けるというのが本当はいいんだと思いますが、R6 Proはアンプ部のチップが違うため、味付けが微妙に違う感じです。
それならそれでAK4493搭載、2.5mm&4.4mm出力可能なFiio M11あたりを買ってしまうというのもいいんでしょうけど、そこはHibyのR5を押しておこうかなw
旭化成もシーラス・ロジックも音の傾向は同じ方向なので、いわゆるキレイ系に鳴らす音が好きなら、1年の年月分、そっちのほうがDAPとして完成度は高いです。ましてAndroidじゃなくてもいいなら、iBasso DX160なんかも、このレンジのコスト面では有利ですね
さらに言えば、上位のHiby R8なんかも出ます。これは普通にS625搭載のスマホ、通話まで出来れば、今風のGRANBEATと考えられるので、面白いのかなと思います。値段が10万ぐらいしそう。

結局のところ、メリットで上げた点以上のセールスポイントがないです。
多分、使えば使うほどアラが見えるとは思いますし、Hiby R3からのアップグレードとしての選択だったので、利便性を考えればそこまで悪くはないです。
5万そこそこで今はミドルエンドのDAPもラインナップが増えてきていますので、今他の人にすすめるという点で見た場合、本当にあえてR6をすすめるのは、ちょっと気が引けるかな。
ESSのDACを搭載して、2.5mmバランス端子があって、BluetoothでLDAC接続までサポートして、素のAndroidが入っているDAPが欲しいのであれば、ピンポイントで刺さるんじゃないかなと思います。




おしまい