今回は、超問題モデルとも考えられるXPERIA XZ2 Premiumのau版、SOV38のレビューです。

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かんたんなスペック
Snapdragon 845 2.8GHz x4+1.8GHz x4
メインメモリー 6GB
ストレージ 64GB
5.7(5.8)インチ 4K液晶/2.5Dガラス
フロントステレオスピーカー/ダイナミックヴァイブレーションシステム
無線LAN 11ac(867Mbps対応)/Bluetooth5.0
1920+1200万画素(リア)/1300万画素(フロント)カメラ
指紋認証センサー、USB type-C端子、防水/防塵対応
nanoSIMスロット x1/microSDスロット(microSDXC 400GB対応) x1
3400mAhバッテリー
158 x 80 x 11.9(最厚部) mm 236g
Android 8.0→9.0

LTEバンド対応は公式によると、
1/2/3/11/12/17/18/26/28/41/42
(WiMAX2+対応のため、B41も対応するものと推測)


SONYが最新技術を結集して作った「2018年、究極のプロトタイプ」
毎年恒例のMWC2018にて、XPERIA XZ2シリーズの発表。アンビエントフローデザインを採用したこのモデル。反応は芳しくなく、ここまで評判の悪いXPERIAは2年前のXシリーズ、それでも総批判のでることはなかったんじゃないかなとも思うんですよね。

ただ、同じ轍を踏むような感じで、オムニバランスデザインを廃していこうとしたXPERIA Xシリーズの最初のような空気もあったのですが、決定的な問題として、
  • 前代未聞とも言えるフラッグシップモデルの厚さ10mm超え
  • 音を重視していたXPERIAシリーズでは考えられないイヤホンジャックの廃止
  • サイズの割に重い(XZ2で198g)
  • それまでのXPERIAっぽくない、丸くてボテッとしたボディ
と、製作者側の自己満足と理想、それと引き換えに犠牲を強いたユーザビリティ、これが大きな批判を浴びることになります。

一方、この展示会でSONYはデュアルカメラセンサーも発表しています。「Fusion image signal processor」という技術だったのですが、いつものようにこれをプレミアムモデルに搭載するという流れはありました。
しかし、XPERIA XZ Premiumに搭載された4K液晶は16:9、そのときに登場したXZ2シリーズはFHD+、18:9となり、形が様変わりしてしまいました。
非常にジレンマともなる話ではあるのですが、4Kを優先するためにはやむなく16:9の液晶パネルを利用せざるを得ないわけで、アンビエントフローながら16:9という本末転倒な形状のスマホになります。

このあと、5GのテストヘッドにはXPERIA XZ Premiumをベースとしたものを使っているらしいことを考えると、アンビエントフローは、2018年モデルにしか使われない可能性が高いのでしょう。

かくして、アンビエントフローをベースに、4K液晶、デュアルカメラセンサー、Qi、大容量バッテリーと条件を加えていった結果、2018年初頭では究極のプロトタイプとして完成。カメラ周りのソフトウェアを除けば、おそらくブラッシュアップもそれほどされないまま、XPERIA XZ2 Premiumは発表され、量産化されたのではないかと思います。もしかしたらサイズの割に、もっと重くなっていた可能性もあったのではないかと思うと、恐ろしいと感じます。


5.7インチ液晶搭載なのに...236gの衝撃
さて、先のHuawei honor 8X maxの重さは212gです。液晶サイズは7.12インチで、ファブレットというよりはタブレットサイズとも言えるサイズです。
翻って、XZ2 Premium。4Kというアドバンテージはあるものの、アスペクト比は16:9、5.7インチと、先行して発表されたXZ2の5.7インチ、18:9 FHD+液晶に比べて、特に驚くようなものではありません。
しかしながら、驚くべきはXZ2の198g、カメラモジュールと大容量バッテリーを搭載したXZ2 Premiumに至っては236g。大画面、重量増の時代であっても、236gというのは、おおよそ200mlの缶コーヒー1本程度であり、サイズは違えど、常にポケットに缶コーヒーといったような感じです。
それでも、サイズが大きいなどといったメリットはあればいいんですけど、普通のスマホサイズの液晶と変わらない5.7インチと、あまりにもメリットがないのが問題です。


歪なデザインは側面、背面にも。
まず、側面の写真をご覧いただきましょう。
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左(上部)から、音量+/-、電源、シャッターの各ボタンです。
気になる点は、電源ボタンの小ささです。今までは指紋認証センサー付きだったこともあり、電源ボタンが大きく、それがXPERIAのアイデンティティとも言えるものだったのですが、このデザインになったことで、他のボタンと大差ないサイズになってしまいました。

さらなる問題は背面にもあります。
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一見、デザイン的には問題ないような気もしますが、よく見ると分かる通り、電源ボタンと指紋認証センサーがほぼ同じ高さにあります。おおよそ背面のど真ん中にあります。これもZenfoneなどのように、上部側に寄っていれば問題なかったのでしょうけど。
おそらくプロダクトデザインとして全体像の配置が考えられ、筐体が一番分厚くなるであろう中心に近い場所にツインカメラを配置、XZ2とのデザインの兼ね合いでフラッシュライトは上部に位置し、一方で表面積を必要とするQiレシーバーを下部に搭載。すると、必然的に中心部分にしか指紋認証センサーを配置することができなくなっていることになります。
シリーズとしての統一感を図る目的もあってこうなっているのは重々承知の上で、理想の使い方をしてもらうための形になりすぎてしまっている感じがあります。

例えば、持ちやすく、使い勝手の問題を克服したいのであれば、もっと左右の狭額縁化をしつつ、多少の厚みを担保に持ち、フレームで筐体を支えるなどの工夫を今までのXPERIA Zシリーズでは行ってきたと思います。
アンビエントフローデザイン最大の問題点は、上下左右に曲線を作り、下部の手のひらに意図的に載せようとする、計算された形にあるのだと思います。スマホとしては理想の形ではあるのですが、こうすることで、前述した通り、重さがずしりと来るわけです。XZ2 Compactなどはそれがちゃんとコンセプトどおりに収まるようになっていますし、メインストリームのXZ3で一応完成を見たわけですが、それでも200gまでの許容サイズとして計算されていたのではないかと思います。
XPERIA XZ Premiumが優秀だったのは、分厚さを側面の形状でカバーし、それほど厚みを感じず、かつ全体的に重さが分散されていたことだったわけです。
さらにこのデザインによる弊害として、Qiを搭載しながら、安定して充電器に置けないという問題も生じます。Qi充電器にある滑り止めのゴムとの接点があまりに小さいこともあり、曲面ガラスがいい感じに無用の長物となっているわけですよね。これは、純正Qi充電器を見る限りは、立て掛け式を想定していたようなので、サードパーティ製の平らな充電器はハナから考えになかったのでしょう。

本当にモックアップを作って、これぐらいガチガチが想定されてて、それが手に負担がかかるという点を予め許容出来ていたのか?という問題に、首をかしげるような人間がいなかったのだろうかと疑問を持ちます。そのような製品に対する甘さから考察すると、ハナからXZ2 Premiumは存在しなかったものの、XZ2の時点でツインカメラを搭載することがスペース的に出来なかった経緯などがあったのではないかと思われます。Premiumというちぐはぐなハイエンドが登場したと考えることもできるわけです。

あまりに無理がありすぎる、究極のプロトタイプたるゆえんも大体説明はついたでしょうかね。


...しかし、さすがのPremium、と思える安定
とはいえ、おおよそ問題らしい問題もないのは事実で、この辺にSONYの見えないここまでの実績が積み重なっているといえます。XPERIA XZ Premiumに見えた、質実剛健さはあります。
購入時には、もうすでにAndroid 9.0へのアップデートもされており、実ははじめての9.0だったんですけど、問題らしい問題が本当にないんですよね。
幸い、タッチ切れやゴーストタッチなどはないので、そういう点では当たりの個体ではあります。
まあ、ある程度枯れているハードですから、その点はSONYでも問題ないわけです。4Kとはいえ、液晶も16:9ですし、カメラ周りさえなんとかなれば、あとはこれと言って特筆すべきスペックもないという、没個性の塊みたいな仕様です。ゲームも18:9に進んでいるゲームなどでは、逆に端が切れるという、1年前には考えられない問題も出てきていますが、それを除けば、まず不自由なく快適に使えています。
ゲームに関しては、デレステを始め、ガルパやきらファンなど、ほぼ何をやるにも、不足ということはないと思います。特にやってほしいかなと思うのは、オフラインゲーになってしまったときドル。デレステの3Dリッチ並に常時動くようなリッチコンテンツだったんですが、S835でもややカクつきがあったところが、S845ではヌルヌル動くという恐ろしさです。音ゲーとしてそれなりに遊べるので、暇な人は試してみるといいかもしれません。

強いて言えば、バイブレーションがあまり強くないことがネックですかね。別にこれで電話をしないので問題ではないんですが、アプリの通知なども気づかないことが多く、その点は気になります。
それなのに、ダイナミックヴァイブレーションが搭載されてるあたりに、なんか違う感があります。

普段はあんまり書きませんけど、写真が結構キレイに撮れます。もう何台もツインカメラ搭載モデルを使ってますけど、トップクラスの性能だと思います。感度を上げても簡単に色が潰れないのは、大きなメリットです。カラー+モノクロという構成で役割分担をさせているのは、個人的にはかなり好感を持ちます。

ハンドリングも想像よりは悪くないです。悪くないだけで、再三書きますが、正直これをどうこうして常時使おうとすることができるなら、ぶっちゃけタブレットでも持ってたほうがずっと気分がいいです。
なにせ、見た目以上に重いのが非常に不満。そしてこれをハンドリングでカバーできると考えていたこと自体、普通の感覚ではありえないと思います。無駄にこの辺、意識高い感じが嫌われるんだよ。


どうしても実害はあるだろう、イヤホンジャック廃止の問題
オーディオ...これどうにかならなかったのかなあと思います。
何しろこれだけ筐体がでかいのにイヤホンジャックを付けられないはずがないと思うんですよね。この辺は、他社製を意識して安易なイヤホンジャック削除に走ってしまった感もあります。フルセグを見せるための専用イヤホンアダプターがついていますけど、別に他社製のアダプターを付けても特に見られないということもないですしね。仮にもAV機能が自慢の端末なのだから、なくすならLDACのイヤホンを付けるなりで、Bluetoothを積極的に押すなどが欲しかったです。昔海外でやったように、せめてSBH24でもいいから付属にすれば、多少は良かったんじゃないかなと思います。
こういうことが出来ないあたり、未だに縦割りの組織形態が見え隠れするところもありますね。


まとめ、高機能・高スペックをすべてマイナスにするデザインとボディ
SONY没落を自ら証明してしまった一台だと思いますね。正直、今回auの機種変更で21,600円だったんですけど、使ったあとで、それを後悔してしまうだけの要素がこのスマホにはあります。
確かに性能面では申し分なく、メインメモリを6GBにしたこと、ツインカメラを搭載したことなど、SONYとしては目新しさを感じさせるものはあったんです。皮肉なことに、4K液晶が16:9だったこともプラスに働いている感じはあります。これだけ取ってみれば、フラッグシップにふさわしい出来だったと思います。
しかしながら、どうやっても弁護できないこのデザイン、各端子の位置、そして238gという重さが、良い要素をすべて台無しにしているということが発売前からわからなかったところに、製作陣の盲目的な理想論をいやほど感じます。デザインを優先してしまったゆえ、それぞれに考えられた跡があるわけでなく、ただ並べて、搭載してみただけという作り。売れなくて当然。これが売れたら真面目におかしい。

これは他のメーカーにも言えることですが、高性能、高機能化、大容量バッテリー化が進むにつれて、筐体サイズを盾にして重さを軽視した流れになっているのも事実なんです。
とはいえ、200gまでがスマートフォンとしての範疇だと思います。それ以上はファブレットなりタブレットなりの領域だと思います。ゆえ、AQUOS Zeroの流れや、XPERIAのCompactシリーズは、そのへんのアンチテーゼとして、まだまだ必要だと思います。
仮にXPERIA 1のデザインで238gだったとしたら、やはり非難はしたでしょう。それぐらい重さに重きを置くことは、今後の通信デバイスは重要だと、もっと考えて欲しいですね。


そしてXPERIA 1/10のデザインを見せられたあとで、それを2年ぐらい前に気づけないあたり、もうどうにもならなかったんだろうなあと思うほかありません。
個人的な範疇ですが、XZ→XZ Premium→XZ1の流れは、それほど悪いものでもなかった気がします。あくまでZシリーズという偉大な先代があったから、相対的な評価の低さがあるだけで、個人的にはXZを3回、XZ Premiumを2回も買っているあたり、このデザインは好きです。
XPERIA 1も必ず買おうと思いました。なんなら、メインのブログでも書いたとおり、XPERIA 10 Plusも買ってしまおうかと思うぐらい、悪くない出来だと思っています。

廉価帯のXAシリーズは割とまっとうな感じのデザインだっただけに、この1年を無駄にしてしまったツケが、XPERIA 1やその先の後継モデルに影響しないといいのですが、もう遅かったでしょうね。



というわけで、auなり、ドコモなりからスペシャルクーポンが来たとしても、たとえ機種変更で0円になったとしても、XPERIA XZ2 Premiumはもらうべきではないということを改めて書いておきます。
断言してもいい。必ず後悔しかしません。





おしまい