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続いてレビューの2本め、XPERIA XZ1 Compactの実機レビューです。

かんたんなスペック
Snapdragon 835 2.45GHz x4+1.9GHz x4
メインメモリー 4GB(LPDDR4)
ストレージ 32GB(UFS)
4.6インチ HD液晶/2.5Dガラス
無線LAN 11ac(867Mbps対応)/Bluetooth5.0
1900万画素(リア、IMX400)/800万画素(フロント)カメラ
指紋認証センサー付き電源ボタン
USB type-C端子
nanoSIMスロット x1/microSDスロット x1
2700mAhバッテリー
129 x 65 x 9.3 mm 143g
Android 8.0

ちなみにドコモのCA(Premium 4G)は644Mbpsまで、Band42も対応しています。


渇望されたハイエンドコンパクトスマホ
Androidシリーズでコンパクトモデル、かつハイエンドモデルというのは、かつてはXPERIAとAQUOSがありました。往年のXPERIA Z1 CompactとAQUOS mini 303SH(S800世代)、Z3 CompactとSHV31(S801世代)とといったモデルがありました。
その流れを忠実に引き継いだXPERIA Z5 CompactはS810を搭載し、無茶をしたのに対して、AQUOS miniはS808を搭載。このあたりからハイエンドコンパクトモデルの図式が崩れてしまい、続くX Compact(S650)とAQUOS Compact(S617)はミドルエンドSoCになり、S820世代ではコンパクトモデルはないままでした。(かろうじて、ZUK Z2あたりが5インチ、152g。Xiaomi mi5が5.15インチ、129gと軽量ではありました)
まあ、それでもミドルエンドのスペックが上がっていて、S650やS625であれば、ヘビー級のゲームをやらない限りはほぼ問題ないレベルまで来ているので、見方を変えればバッテリー節約などになり、コンパクトモデル特有のバッテリー容量問題がクリア出来るというメリットもありました。

XPERIA X CompactはXPERIA Xのスペックをコンパクトモデルにしたモデルです。が、日本ではそもそもX Performanceしかないこともあり、やはりパワーユーザーはXPERIA X Compactでは満足できず、Z5 Compactでは排熱処理とバッテリー効率の悪さが目立つこともあり、やはりZ3 Compact以来の「実レベルでフルスペック使えるハイエンドモデル」への渇望はあったものと思います。
インプレスのインタビューにもありましたが、市場が望んだこと以外に、S835を搭載することで省電力かつハイエンドスペックに出来、しかもXZ Premium、XZ1、XZ1 Compactにすべて搭載することで、全体的な調達コストを抑えられたというメリットまで生まれたわけですね。

こうして、最新かつハイエンドのSoCを搭載したコンパクトモデルとして、XZ1 Compactは登場することになりました。

ベンチマークスコア
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ファームバージョンは47.1.B.9.2でやっています。


使用感など

まずサイズ感、競合するiPhone8と比べてみましょう。

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サイズとしてはiPhone8より小さく、代わりに厚い感じです。
サイズ上はXPERIA Z3 compactが更に太くなっているはずなのですが、Z3 Compactとほぼ大差ない、持ちやすさではこっちのほうが上かもしれないですね。
いつも例えで出しますけど、つまむか、握るか、持つか、という感じでいうと、握るという感じが一番しっくり来ます。Simplyだと本体の幅が短くて、どうしてもつまむ感じになり、iPhone8だと薄いせいか、持つ感じがしっくり来るんですね。

俺の手調べでいうと、
  • XPERIA XZ1 Compact W65 x D9.3 mm、143gは握る
  • iPhone 8 W67.3 x 7.3 mm、148gは持つ
  • Simply W50 x D13.8 mm、118gはつまむ
という感じ。異論は認める。
こうやって書いていると思うのだけど、案外XPERIA XZ2 Compactのモックを握ったら、実はそんなに違和感がないんじゃないかと思ってしまうんですよね。

動作は非常に軽快、というかS835も6台目ですからそれほど変わらないかな。
HD液晶という思い切った選択をしたこと、それとこの厚さが、どうも上手い具合に排熱してる気がします。
実際、手元にある一番厚いスマホがnubia Z17Sなんですけど、これも8.5mm。XPERIA XZ Premiumが7.9mm。両方ともほんのりではありますが熱くなります。しかし、XZ1 Compactでは、おおよそ1mm程度の厚さ増が、熱の発散に効果があったんじゃないかと思います。グラスファイバー製の筐体のおかげもあるとは思いますが、それにしても背面に熱があまりたまらないのは好印象ですね。

そして、バッテリー持ちが非常にいいです。
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こんな感じ。
3月24日の12時ごろに充電器を外してから、普段使いのスマホとしては十分すぎるバッテリー持ちだと思います。
S835のスマホってなんとなく燃費が悪いイメージが俺の中では強かったのですが、この辺は面目躍如といった感じ。これでスペックが下がって、燃費が悪くなるのはどうも想像が出来ないですね。

ゲームは16:9の液晶なのでそれほど制約を受ける場面もないです。高解像度モードなどがあるゲームでは、そのスペックを使い切れない感じにはなると思いますけど、しばらくはパフォーマンスで見劣りすることはないと思います。
4.6インチだとHDでもFHDでも大差はほぼないですし、なによりiPhone8に至るまで、ナンバリングモデルがほぼHDだし、それでRatinaディスプレイなんでしょうから、確かに消費電力量を考えるとHDが妥当なんだろうと。

オーディオ周りでaptX HDとLDACの両方に対応しているというのは面白いです。ウォークマンと大きく違うのはS-Master HXがないことなのですが、スマホであればbluetoothの高品位コーデックだけでそれほど問題ないのかもしれない。ちょっとこだわっている人はウォークマンAシリーズ以上を買ってほしいという姿勢なのかもしれないですね。
XZ2でイヤホンジャックが外付けになるわけですけど、AppleのようにAACオンリーにせず、しっかり下地を作った上でイヤホンジャックを廃止しているので、その点ではまだましかなと。
イヤホンジャックがあるという安心感は確かにあるんですけど、ここんところほとんどWF-1000XとMDR-1000Xばかり使ってるんで、確かに必要性は薄いかなとも思っちゃいますね。

気になる点としては、アラームが純正以外だとうまく働かないこと(dozeモードのせい?)、それとXPERIAインテリジェンスエンジンを更新すると、液晶の色味が変に変わったり、アプリの切り替えでチラつくことが頻繁に起きること、これが不満ですかね。


まとめ、16:9最終世代にしてCompactシリーズ最高傑作に限りなく近いと言える1台
ということで、もうXPERIA XZ2 Compactが海外では発売されているわけですけど、例年のコンパクトモデルはIFAで発表されるのがパターン化されている中で、デザインを変えたMWC2018で出してきたことに大きな意味合いがあるわけです。次世代の旗手にコンパクトモデルをちゃんと入れたあたり、まだこのサイズを諦めていないという表れかなと思います。
しかしながらS845搭載ではあるものの、フェイクとも言える液晶サイズ、イヤホンジャックの廃止、コンパクトモデルながら163gという重さ。再三ですが、コンパクトモデルとしてはネガティブな感じしかしないカタログスペックではあります。

その点、XPERIA XZ1 Compactはこれまでのシリーズの最終世代。パフォーマンスはもちろん、バッテリー持ちというスマホで重要な一点が大きく改善し、Z3 Compact以上になったのは大きな進歩です。今後さらに出来の良いコンパクトモデルは出ると思いますが、その時に買い換える前の1台として、俺は強く推したいです。
Z1fはもちろん、Z3 CompactやZ5 Compactからの買い替えには、満足度は高いですし、バッテリー持ちはiPhone8並ですし、iPhoneからの買い替えにも向いているかなと思います。
いや、もっと評価されるべきモデルだと思いますね。買って、使ってみて初めて分かる良さではあります。(まあ、MNP一括0円で買ってるわけだから、単純に期待以上だった可能性もあるけど)

XPERIA XZ2シリーズが出た今だからこそ、熟考してXZ1シリーズを買う選択肢は大いにありだと思います。その中でも、XZ1 Compactは間違いなく買って損なしの1台です。




おしまい