
今回は、なんかひょんな事から入手することになった、LG V20 PRO L-01Jのレビューを書きます。
嫌がらせドコモポイントと端末購入サポート
こういう感じで書くのは久々な気がする。
買った理由は期間限定ドコモポイントがそろそろ切れる感じだったのと、それを使えば端末購入サポートで一括1万以下だったからです。
isai Beatを逃したからじゃないんだからねと言いたいところだけど、それを検討する間もなく即なくなってしまったんで。いやHTCとかもそうなんだけど、auはバラマキできなくなってから本当に台数限定が凄まじく、またも餌食になるのはXPERIAというねwまあ、売れてるからしょうがないよね。
まあ、とはいえ全く同じ機種をドコモでそのまま商品化したというのがもっぱらの話ですが、多分その通りで、超初動型の売り逃げ的な感じはどこからともなく漂ってきます。LGからしたら日本仕様よりグローバルのV20をそのまま出したほうが簡単で済みますしね。(俺もそうしてほしかった)
完全な無駄使いのための1台。でもまあ欲しかったからいいか的な感じで買いました。
スペック
Snapdragon820 2.15GHz+1.6GHz クアッドコア
メインメモリ4GB
32GBストレージ(約10GB程度使用可能)
5.2インチWQHD IPS液晶 /1040x160 有機EL(IPSとも)サブ液晶
無線LAN 11acデュアルバンド対応、Bluetooth4.2
1600万画素+800万画素広角アウトカメラ/800万画素インカメラ
ES9218 HiFi Quad-DAC搭載
指紋認証センサー
USB type-Cポート(QC3.0対応)
nanoSIMスロット・microSDスロット(同一構造)
2900mhA内蔵バッテリー
149 × 72 × 8 mm 145g
PREMIUM 4G対応 3CA最大下り500Mbps
防水、おさいふケータイ、フルセグ対応
防水、おさいふケータイ、フルセグ対応
Android 7.0
まず、本体説明とかをすべてそっちのけでツッコミを入れたいです。

誰だよこのトレイ考えたやつ。
すげえ入れづらい。たまにmicroSDを後ろから押してしまうんよね。
理由は後述しますけど、せめてmicroSDはスロット化してほしかったです。

というわけで、恒例のサイズ感チェックです。
とにかく軽い。145gってこんなに軽いのかとちょっと驚きますね。
その割に液晶もそこまで小さい感じじゃないのがいいかなと。右側と比べるのは酷ですが、左側とは十分タメを張れるレベルですね。さすがau冬のツートップwww
本体は端っこまでフラット。背面が若干丸くなっていて、持ちやすく出来ています。2.5Dガラスよりこちのほうが個人的にはありがたいんだけどなあ。
割にサイズは小さいですが、5.2インチにセカンドスクリーンがあり、常時点灯することでアラートやWiFiなど機能のON/OFF、オーディオプレーヤーなどのミニアプリが利用出来ます。
面白い機能としては、トップ画像のように、署名を表示させたりすることが出来ます。まあ、文字的に自己主張する必要はない気がするけど。
そういえば、シャープのメモリ液晶ってIS03の時にあったけど、アレ今のソフトキーの代わりに配置したりとかしないんですかね。良い技術だと思うんですけどね。

背面はドコモロゴとともに指紋認証センサーです。これは中華スマホに準じた形ですね。電源ボタンも兼ねていますが、基本触れていれば画面操作できるんで、まあそれほど問題ないでしょう。
基本はアルミ製の筐体ですが、やっぱりいつもの問題で下の背面だけプラスチックなんだねw
便利?な専用フリップカバーケース



(注:Qiアダプターを使用しているため、目印にペンギン貼ってます)
専用フリップカバーとは体のいいアイテムで、実際セカンドスクリーンと通知バーあたりが表示されるギミックです。無駄といえばそうなんですけど、とにかくフリップの閉まりが悪いです。なんでこうなるのかわからないですけど、ちょっと純正では考えられないレベルです。
それを見越してなのかはわかりませんけど、センサー用磁石も本体の左側にあるようですね。
まあ、そこは100歩譲って見逃してもいいとは思いますが、一番残念だと思う点は、以下の部分です。

お、おぅ。
カバーで隠れる音量ボタンのあたりに+と-が印字されてるんです。
もともと筐体左側にボタンがあるんだから、こんなのカバーの設計段階でわかっていたことなんですよねえ。 いや、本家V20でも同様のオプションがあり、しかも全く同じフリップカバー配置。このあたりは考慮されてないというのもちょっと驚きです。
ただ、グローバル版じゃない弊害がこの辺にあって、ケースを率先して出すようなメーカーがとにかく国内にはなく、サードパーティ製のような既成ケースでは対応出来ないという問題もあり、さらにメーカーがじゃんじゃん台数を出すわけでもないので、いいとこTPUと保護フィルムぐらいなんですよね。この前Wikoのフリップカバーで同時発売しないことを嘆いたけど、これも同様の問題で、とりあえずオプションとして発売されただけまだマシなんだろうなあと思うことでなんとか心の平穏を保っています。
ちなみにQiアダプターを使ってなければ、TPUでもいいかなとは思うんですけどね。
動作など
まずベンチ



なお、今回より俺レギュレーションが変わり、3DMarkがSling Shot Extremeに変わりました。
参考までに、Android6.0.1のLeTV MAXが1964だそうです。
ベンチじゃあんまり意味ないと思いますので、
デレステでも一応やってる範囲では遅延らしいこともなく、MV(BEYOND THE STARLIGHT)の60fps紙吹雪専用衣装5人でもコマ落ちは見られないので、まず表示面では問題ないとは思います。気がかりなのは、やけにリズムのタイミング調整で、一桁台になることと、スピーカー(おおよそ10以内)とイヤホン接続時(大体18~21程度)にだいぶばらつきがある点です。
Quad-DACをON/OFFしても変わらないということは特に関係ないっぽいのですが、タイミング値が10近く違うと致命的な場面が多くなりそうな気がします。
通常時のLG Homeに動作が散漫に陥るときがあります。レスポンスが悪く、次のタイミングに画面表示が切り替わらないとか、どうもUIそのものがチューニング不足という感じがあります。不可解というか、最初に本体に入っているUIは7.0準拠の動作で、かつiOSのような不思議UIなのですが、アドインで6.0時代のドックにアプリボタン表示に戻せる感じで、それが悪さをしてる気がします。初期化すればいいんだろうけど、意外と現状まで持っていくのがめんどくさいのと、海外のV20の開封動画でも同様のUIが表示されていて、みんな途中から6.0準拠のアドインが入ってる感じなので、おそらく初期UIがなんかしら不評なんだと思いたい。
おなじみGoogle Nowランチャーに変更しちゃったので、もうどうでもいいです。
液晶がIPSの割にかなり薄味。LGってisai FLまで使ってた限りでは、コントラストが凄まじいイメージがあったんですけど、バックライトが明るすぎるのかなあ。全体的に薄い感じがしちゃってる。XPERIAでいうとZ3ぐらいの良い意味で万人向けに味付けしてるのかな。
バッテリー持ちがあんまりよくない。サブディスプレイの問題なのかよくわからないですね。
ギリギリ2日ぐらい持つ感じなので、そこのところはそんなに問題ないかなとは思いますが、この辺はXPERIA XZと大差ありません。
あとLGの再起動病ですが、今のところは発生してませんね。
この辺はドコモとauのソフト品質の違いだと思います。ドコモはソフトウェア品質管理が異様に厳しくなってるので、普通に見逃すとは思えないということもあります。
音に関する問題点、非常に良い点
まず、前述の通り、microSDへのアクセスの悪さを批判した理由は、以下の通りです。

初期状態で32GBというのはまあよくあることなんですけど、10GBぐらいしか使用できないというのはちょっと聞いたことがない気がする。
これが何を意味しているかというと、必然的にハイレゾ音源を100曲ぐらい持っていると、外部ストレージに依存するということになるということなんですね。まあ、今まではそれでもNW-ZX100があったんで良かったんですけど、諸事情あって売ってしまい、結果として128GBストレージにあった大半の曲をスマホでも聞けるようにするためにはどうしたら良いかと思い、200GBのmicroSDを購入しました。いや128GBでも良かったんだけど、+3000円で80GB増えるならそれもいいかなと思って買いました。
microSDで拡張できるんだから許してください的な感じなんでしょうけど、これだけ塞がれてるなら最初から64GB搭載してワンパッケージとして完成度を上げてほしかったかなあ。
んで、そこまでストレージ容量を気にするということは、オーディオプレーヤーとして完成度が異様に高いということです。

イヤホンやヘッドホンをつなげると効果があるQuad DACです。4層でノイズカットしてやろうというめちゃくちゃパワープレイな感じのイメージ図があるんですが、どうもそんな感じではないんですよね。

前々からQuadBeatで売っていたLGなのですが、どうもこのエフェクトをONにして、有線イヤホンを接続すると、DACがONになるような気がする。
理由はそう思うだけなので証拠はないんですが、DACの味付けとエフェクトがたまたま同じ感じなのかなあとも考えられるので、 曖昧なままにしておきます。

これがハイレゾ音源をQuad DACオンで再生した時の表示。エフェクトは無効になります。
なお、毎度毎度テストのハイレゾ音源にはTHANATOSと宇多田ヒカルのSingleCollection、L'Arc~en~Cielのthe Fourth Avenue Cafeを使っています。ラルクのハイレゾという点ではおそらくハイレゾネイティブで作られてるWings Flapあたりを追加すべきなんでしょうけど、メリハリが効きすぎてる感があって、どうなのかなあとちょっと悩みます。あとは、ハイレゾオンリーなんで、mp3との聞き分けが出来ないって問題もあります。
肝心の音ですが、まずエレコムのEHP-CH2000では完全にイヤホン側が負けて、どうも高音部が曇ったようなボヤボヤとした音になってしまいます。XPERIA XZでも全然問題なかったので、それだけオーディオプレーヤーとしての性能がいいんだろうと思います。
XBA-300でようやくスッキリとした感じの音が出てくるんですが、ストレートに耳の中に音を突っ込まれる感じで、やや鋭い印象を受けます。CH2000で表現出来てないのかどうか知りませんが、どうもカタログスペックでは測れない音圧感的なものがガンガン来ます。
じゃあ、ということでMDR-100ABNを有線接続。NCはオンにしています。
ハイレゾの表現としてしばしば出てくる、音が震えるという感覚が一番合っていて、ヘッドホンの特性もありますが、「ボン」という音が「ドン」で出たり、高音部の「カタカタ」が「タカタカ」と軽快になったりと、意外にNW-ZX100にも負けない感じはあります。意外にも、解像度が明快になっているのはこっちのような感じです。mp3とかm4aとかだと128Kbpsぐらいのビットレート低い曲は完全にあら探し状態になってて、なんか悲しいです。思い出補正でどうにかw
良く言えばフィルターを通してもストレートに出す、悪く言えば音源をそのままDACに通しただけです。ハマるかハマらないかは個々の耳で判断してくださいというか。XBA-300で2~3時間ぐらいダラダラと聞くような用途ではだんだん疲れてくるので、中休みなどが必要なんだと思います。
うーん、MDR-1Aとか、完全にピュアオーディオ系の出力ヘッドホンなどがあればもう少し特性がつかめるとは思うんですけどね。
ちなみに標準でUSB DACにも対応していて、Shanling H3はぶっ刺してMIDI機器として認識させれば、標準プレイヤーでも利用可能です。ただ世代がわざわざ古いES9018K2Mを搭載してるDACを使う必要性がなく、まず出番はないだろうと思います。(好みは大いに分かれるでしょうけど)
aptX HDに関しては、対応している機器が少なすぎる(LDACだって似たようなもんだけど)ので、言及は避けたいと思いますが、aptX対応機器で聞く限りでもまずまずです。
オーディオプレーヤーとしても十分戦えることを考えると、対応機器が増えてくるまで、有線接続で延々と聞くのがいいだろうと思います。
比較対象になるかどうか、nubia Z11にもAK4376が搭載されているんですが、全体的にガッツリ感は少ない感じで、音圧感はないんですよね。本当にお上品にたしなむ程度にまとめてる感じなので、この辺はZTEとLGのアプローチの違いという感じですかね。残念ながらどっちもXPERIA XZには完勝しちゃってます。XPERIA XZ+Shanling H3でいい勝負ですけど、ソフトの面でソニーはそこをカバーできてるし、本体のスピーカーもステレオなので、三者三様ですかね。
余談ですが、スピーカーもそこそこいい音しますけど、ステレオじゃないのが惜しいです。
まとめ、不当評価される周回遅れの鉄板感、オーディオプレーヤーとしてw
というわけで、最初から端末購入サポートってだけで、もうすでにお察しモードなんだろうけど、このドコモ側の評価はどこから来たんでしょうかね。安く変えるのは歓迎ですが、一方でLGに対する舐めプが見える感じなのは、どうしても違和感を感じますね。
正直なところ、12ヶ月縛るためのエサとして考えた場合、大間のマグロの大トロレベルにガジェット好きは食いつく価格なんですが、それでも満額で28,512円なんですよね。(注、メイン回線がシェアパックの場合です)ここに15,552円の一括払いで44,064円なんです。諸経費なしでこの価値しかない、それにしては、LGがauのisai Beatを早々に生産終了させ、わざわざロゴまで入れさせた意味がわからない、経営的判断なんだろうか。LGがそこまでするメリットがどうしても見えにくいです。
一応84,888円という価格もあるし、普及帯のモデルとも考えにくいしねえ。2台め需要なんだろうかなあ。確かに狙い所としては悪くないです。でもフルパッケージモデルを2台めに買おうと普通は思えないだろうし、iPhoneと2台持ちとかが想定されたのかな。
スマホとしては、isai Beatを諸事情で買い逃した人で、かつドコモで回線を持ってる人がラッキーパンチで買えるボーナス商品として見るのが正しいかな。迷わず増設していいレベル。S801世代とか、S810世代のスマホの人や、iPhone6sとか持ってて、2台目プラスやシェアパックで組んで、メイン回線で使うというのもいいですね。
特筆すべきこともないのですが、まんべんなくまとめてきた点は大きいかなと思います。欲を言えば海外のV20をそのまま投入して欲しかったです。没個性化というか、5.2~5.5インチがメインストリームになって以降の日本国内キャリアのつまらなさと堅実さは表裏一体で、品質は上がるけどどれ買っても変わりません的な世界になってるんで、セカンドスクリーンだけで個性は出せてるかなとは思うんですけどね。どうせなら5.7インチをラインナップに加えて、フルプライスで売るだけの度量の広さは見たかった。
はい、ここまでスマホの評価。
オーディオプレーヤーとしての評価を考えてみると、正直なところ、これだけ軽量でDAPとして充実しているものはないんじゃないかと思いますね。余談ですけど、GRANBEATそろそろ出ますけど、逆にスマホの機能いるのかな。アプローチが違うからそうなるってのは分かるんですけど145gで限りなくDAPに近い表現力を持つスマホが出た状態で、DAPに限りなく近いスマホはマニアックというより、意地みたいな感じに思っちゃいます。富士通とのお付き合いご苦労様ですというかw
(ちなみに、GRANBEATでデレステという超絶バカ企画はどっかでやってみたい)
1年半程度の差があるものの、NW-ZX100に近い感じのスマホが登場して、それが回線維持込みで5万以下というのは驚異的。もちろん細かいところに粗さはあるし、そもそも通信デバイスがある時点でノイズ載っちゃうからDAPが存在してるというのも事実なんですが、その辺に目くじらを立てる方はどうぞDAPを買ったほうが満足度は高いです。ある意味Quad DACと強力なSoCというパワープレイで表現力が出せると、今までそう思ってた自分でも考え方を改める必要が出てきますね。
欠点はストレージの少なさです。256GBのmicroSDで拡張できるとは言え、オーディオを売りにしてる機器...あ、16GBのウォークマンありましたねw
iPhoneで満足できないけど、高いオーディオプレーヤーにメリットを感じない方にはオススメできるかな。もちろん出口にもお金を掛ける必要がありますけど、2万ぐらいのハイレゾ対応ヘッドホンでも十分に恩恵は受けられると思います。まあ、案外そこまで求める層もかなり少ないでしょうけど、環境が揃ってるなら、24bit/192kbpsのハイレゾ音源までは100%で再生できる能力は確実にあります。
迷ってる方がいらっしゃれば、迷わず増設していいです。正直XPERIA XZより使い方が鮮明に浮かぶから、自ずと使い方が絞られます。12ヶ月以内に買い替えとかを検討しなければ、いいと思いますよ。
しかし、我ながら冬モデル2台も買う時は、両方とも短命な時多いんだけど、諸事情の結末として、1台が受話器、もう1台がオーディオプレーヤーという用途になって、スマホとしての役割が完全にもう1台なのはどうなんだろうか。いや別にいいのかな。
おしまい