経緯は別blogで書くとして、今回はそのMartian A8という、メーカーも謎ならスペックも謎だらけのノートPCをレビューします。
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Core i7-7500Uを搭載して56728円...だと....

 さて、標準のスペックは以下の通り
Core i7-7500U
8GB DDR3L-1600 SO-DIMM
256GB 7mm 2.5インチSSD
Intel 3160AC 無線LAN+Bluetooth(ハーフminiPCIe)
13インチIPS FHD液晶
 6840mAhバッテリー(怪しい)
USB3.0、2.0各1ポート、有線LANコネクタ搭載
英語バックライトキーボード 
OSなし(MS-DOSらしい)
大体1.4キロぐらい?

 ...なんだこれ?
 日本じゃ結構な金額、というかKabyLake搭載ノートPCが少なすぎる現状で、その最高クラスを搭載している時点ですでにアドバンテージですよね。
 OSは別売り。まあ、8.1以降でしかどうせ動かんとは思うけど、少なからず7で動かせるかなと。
(注:現在はリンク先で価格変動しています。)

それ以上に驚くのが、普通のdynabook KIRA用の19V 2.37A、ACアダプターが普通に入っている点。これ問題ないのかよとか思いますけど、動いちゃうから仕方ない...いや電源つけっぱなしだとバッテリーが減るw
というわけで、ACアダプターですら別売り。なんのための新品販売なんだろうかw

で、もう一つ問題。
ドライバー類が一切ないし、メーカーページなどが見つからないので、ACPIのドライバーだけがどうしても埋まらない状態になります。他はどうにでもなるんだけど、こればっかりは難しいです。

なお箱。
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どこの中古品だこれwww


最初からボロボロ、だったら”ベアノート”化で化物スペックノートPCにできる

ぶっちゃけ、ここから本番。
どうせ保証とかないので、いっそめんどくさいから最初からある程度長期間使えるようにしようと思い、最初から中を開けること前提で色々構想を立てました。

とりあえず、無線LANのデュアル11ac化、メモリMAX、SSD交換ぐらいは考えて、到着を待っていました。

...SDカードスロットのアルミが曲がってるんだがwww
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えっと、うん、なんだろ、まあしょうがないよね。アルミ成形が多分へっぽこ過ぎてマトモにはまる筐体が作れないんだと思うんです。
筐体に底面パネルをつけると完全にしなるので、強引にねじで止めるのが正しいんだろうなあ。


とはいえ、ネジを12個外すだけでパーツ交換ができるのは魅力的。
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SO-DIMMスロットは1つ、miniPCIeが1つ、2.5インチスロットが1つ(おそらく7mm)、M.2スロットが1つと、交換できるパーツは多いです。
16GBのSO-DIMMはまだ高いので、とりあえず11acの8260、M.2のSATA、2.5インチHDDは2TBを拡張していくわけですけど、BIOSを眺めていてこんな感じだった
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ので、NVMeのSSDを突っ込むことにしました。

 最初はIntel 600pでいいかなと思って新品を買ってきたんですが、NVMe内部にOptionROMがないとどうもブートディスクにできない感じがあり、プレクスターのPX-M8Pe(G)を購入。

変更後のスペックはこんな感じ

Core i7-7500U
8GB DDR3L-1600 SO-DIMM
256GB M.2 PX-M8Pe(G) M.2 NVMe SSD
2TB ST2000LM015 7mm 2.5インチHDD
Intel Wireless-AC 8260 無線LAN+Bluetooth(ハーフminiPCIe)
13インチIPS FHD液晶
 6840mAhバッテリー(怪しい)
USB3.0、2.0各1ポート、有線LANコネクタ搭載
英語バックライトキーボード 
Windows 10
大体1.4キロぐらい? 

本体56728円
SSD 13800円
HDD 11580円
LANカード 3600円
ACアダプター 3000円
Windows 10は8.1ライセンスの流用

合計 88708円

うーん、SSDの容量にはまだ余地があるものの、SSDに本体の数倍お金を突っ込める勇気はないので、しばらくストレージ容量がブレイクスルーしない限り、これ以上のスペックは望めないだろうかなあ。
値段的にはどうかなあ、mi Notebook Air 13とかは同等の価格で、GeForce940MXを搭載してて、OSがインストールされているのが強いです。
そのまま使う分にも全く問題ないとは思うんだけど、ストレージを強化する分にはこちらのほうが向いてます。
コスト安にするなら128GBのSSDってのもあるんだけど、それにしたって50ドルと違いはないので、256GBモデルのほうがいいでしょうね。

...いや、とはいえ、数年使うと勝手に思い込んでこの装備は自分でもどうかと思う。


ちなみにOS入れてCrystalDiskMark入れてSSDベンチしてみたら以下のような感じ。

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CrystalDiskMark 5.2.0 x64 (C) 2007-2016 hiyohiyo
                           Crystal Dew World : http://crystalmark.info/
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* MB/s = 1,000,000 bytes/s [SATA/600 = 600,000,000 bytes/s]
* KB = 1000 bytes, KiB = 1024 bytes

   Sequential Read (Q= 32,T= 1) :  2128.334 MB/s
  Sequential Write (Q= 32,T= 1) :   813.876 MB/s
  Random Read 4KiB (Q= 32,T= 1) :   622.559 MB/s [151991.9 IOPS]
 Random Write 4KiB (Q= 32,T= 1) :   431.881 MB/s [105439.7 IOPS]
         Sequential Read (T= 1) :  1658.810 MB/s
        Sequential Write (T= 1) :   788.717 MB/s
   Random Read 4KiB (Q= 1,T= 1) :    42.295 MB/s [ 10325.9 IOPS]
  Random Write 4KiB (Q= 1,T= 1) :   149.070 MB/s [ 36394.0 IOPS]

  Test : 1024 MiB [C: 16.2% (38.5/237.9 GiB)] (x5)  [Interval=5 sec]
  Date : 2016/12/17 23:52:39
    OS : Windows 10  [10.0 Build 10586] (x64)
  
速すぎじゃね。今のNVMeって規格こんなに速いのね。


Windows10にまつわるアレコレをクリアしよう 

さて、厄介だったのがOSに関するアレコレ。
Windows10になって、改悪とは言わないまでも、ライセンス関係が面倒になって、特に7以降のシリアルをWindows10にアップデートした時に、そのシリアルがPC構成が著しく変化した際に無効になるという訳の分からない仕様になっています。どうもAnniversary  Update以降、Microsoftアカウントを使いOSにログインするようにしていると、基本的にこれを回避できるようになっているらしいんですが、何日経ってもPCが出てこないという問題があったとさ。

どうしてこうなったのかというと、最初SATAのM.2を暫定的につけてSSDの到着を待っていたんですが、そのときにWindows10がライセンス認証をしちゃったせいで、そのあとNVMeのSSDを取り付けたら、構成が違うということになってしまい、調べたらそんな感じだったということだったみたいです。

つまりノートPCでも、mSATAを取り付けたりとか、CPUをアップグレードしたりすると、もしかすると駄目ってことになる場合があるということらしいです。(サポートに聞いてわかったこと)
少なくとも、SATAからNVMeへのストレージ接続の違いは、PC構成の著しい変更となるらしいので、そこのところは気をつけようと。

で、結局この場合どうなるかというと、Microsoftのサポートセンターに電話して、正規ライセンスのシリアルが無効にする代わりに、Windows10のライセンスのシリアルを再発行するという荒業になるそうです。
強制Windows10のシリアルになり、例えば手持ちの8.1では、8.1で使おうとしてもそのシリアルは通らないようになります。最後の手段というか、Win7あたりのユーザーはこれ相当ためらうと思いますね。


肝心の使い心地...あれ?普通に使えてるぞw

紆余曲折を経てついにOS入りになったA8。
筐体はパームレスト含め総アルミ。左側奥よりACジャック、USB2.0、イヤホンジャック、右側奥よりLANコネクタ、USB3.0、HDMI、SDカードスロット。USB2つというのは厳しいかもしれませんが、HDMIやLANコネクタがあるので、その辺は最近のノートPCっぽいなあと。

見た目は一つ前のMacBook Airっぽいですが、基本最近の中華ノートPCはこのスタイルが主流なんでしょうね。どこのやつでもこんな感じですね。
タッチパッドがあまりにダメすぎる。スクロールとかもできなくはないんだけど、液晶と本体の角度によっては全く操作不能になってしまったりする時点でもうダメな気がする。久々にマウス使ってるよ。

キーボードはCore2Duo時代のMBAからキーボード軸を外したような不思議なうち心地。うち心地が悪いわけでもないんだけど、なんか打ってる感がない感じ。こういうの好きな人は俺とお友達にはなれません。ただ、コストを考えるとやむなしではあると思いますね。

液晶はFHD、IPSらしいです。(CHIMEI INNOLUX N133HSE-EA1
ノングレアタイプ、特にこれと言った特徴はないですが、安いThinkPadなどに比べるとこちらのほうがきれいですね。普通なら解像度の低いグレアパネルとかを搭載してそうですが、この辺はハイエンドなんでしょうね。

そして、Windowsの起動が速い。高速スタートアップしてる場合、ほぼ起動時間が5秒以内と、Android2世代ぐらいのスマホのスリープからの起動より明らかに速い。なんであんなに遅かったんだろうなw
NVMe接続ってどうせベンチスコアだけの自己満で終わるんでしょ?とか思ってたけど、こんだけ速いと確かにこだわっただけあったかなあと思ったりしますね。

バッテリーはだいたい4時間ぐらい持ちます。
まあ、特殊環境での4時間(2ストレージ、NVMe+HDD)ってのはあんまり参考にならないですかね。


スマホ以上に実用的な高級おもちゃ

 なんだろねえ、ネタを実用的に仕上げてしまうとネタにならないのですが、分解したときに、7mmとはいえ2.5インチのストレージが搭載できるだけで、ネタじゃなくなってしまったのが今回の敗因です。
いや、言い訳すると敗因ではないんですよ。普通に使える超ハイエンドノートPCができてしまったわけですし。でもCube i9もそうだったんだけど、中華PCのクオリティが本当に上がっていて、それにただただ驚くわけですよね。まあ、一方でまだまだアルミ成形などの精度は低いので、そこはどうなの?って話ではあります。おそらく数ヶ月ごとに中を開けてつなぎ目のホコリを取らないと多分まともに使えないと思うレベルです。AcerとかASUSでもそんなショボい精度で作ってないし、その辺が台湾のPCメーカーと中国の新興メーカーの大きな差なんでしょうね。
 
毎度毎度リスクの大きなものしか買ってないことを承知の上で、改造ベースなら安いよねというレベルかなあと思います。パーツ交換が容易なことと、サイズ感が非常にいいというぐらいしかメリットが見えないし、もとよりThinkPadとかVAIOとかをそう使っていたから、ためらいなくパーツ交換をやってしまえる割り切りがない限りそんなに買っても意味ないです。
まあ、どうなんだろうなあ、Core i7、8GBメモリ、256GBのSSD、13.3インチFHD液晶を搭載して送料込で7万ぐらい?と考えれば安いとは思うんですけど、OSないからもう15Kぐらい上乗せでお金かかるとすると、リスクありすぎじゃない。素直にThinkPad X260でも買ったほうがいいに決まってるw


俺的にはまともに使えちゃってるので敗戦ですが、 故障しない限りは改造して無難に3年ぐらいは使えちゃうPC買っちゃったかなってのが感想。Cube i9よりはスタンダードなノートPCなので、長生きはするだろうなあ。




おしまい