今回はLG G WatchとSmartWatch2の腕時計っぽいものをレビューしてみます。

c2106918.jpg

これは飲み会のネタになるwww

XPERIA ZL2以降に泥沼化している周辺機器購入の最後に当たるアイテムになりそうなネタです。(思えばNCイヤホンだったり、BTオーディオアダプタだったり、ハイレゾイヤホンだったり、特に前2つがいらないな完全にw)

まあ、アレだ。
世の中には電子ペーパーというものが今後どんどん普及する、とか言いながら、液晶と組み込みコンピュータがえらく小型化してしまったせいで、今や壁掛け広告ですらゴリゴリ動く感じです。

当然時計にその波が押し寄せてくるのも分からなくもない。
液晶表示の時計だと思えばみんな分かるでしょw
まあ、ちなみにロレックスやオメガなどの精密機械的時計ではなく、G-SHOCK的なデジタル表示時計の現代版だと考えると納得するかな。

昔はiPhoneを持っていれば、飲み会の席ではヒーローになれた時代がありました。あれから6年、今や誰もがヒーローですよ。むしろガラケーのがヒーローですよ。別に大したことじゃないですが、それでも飲み会の1件目の最初の話題に出せるぐらいには進化した時計、ってことで考えてもらえるといいかなと思います。

似て非なるもの、とはよく言ったものだが。

2015年に入って、SmartWatch3を買わなかった理由はG Watchがあったからというのと、XPERIAとなら完全に接続可能だろうという甘い考えがあったからです。

なぜ2台?と思っている方のために説明。
G WatchはAndroid WearというAndroidと連携することを前提としたOSが組み込んであります。
一方のSmartWatch2はソニー独自のAndroidカスタムOSが入っているらしいです。腕時計型スマホなんてものが世の中には出回っているレベルですから、ありえなくもないとは思います。

そういうわけで、最初から比較するためだけにSmartWatch2(以下SW2)は買っています。

あと単純に常時持っているスマホが2台だから、そこにペアリングする時計も2台必要だったという話です。普段は1台しかつけてないです。(これは後述)
好き好んで買うというルールにのっとると、悪いが中古で探すしかないという結果になるのはよくある話です。素直にMoto360とか買えばいいのにね。

それは腕時計か?それともリモコンか?

カテゴリ的には一緒に思われるこの2台ですけど、使ってみると大きな違いがあります。
まずインターフェース。
Android Wearの場合、独自のUIが用意されているものの、基本的には上下左右に画面をなぞる、あるいはたたくことで操作が可能です。(例として、アラートを閉じる場合は左→右にスワイプとか、画面タップでメニューとか)
一方SW2はAndroidっぽいUIになっている上、操作に「ホーム」「戻る」「メニュー」のボタンが利用できます。(電源ボタンで画面オン、1回タッチでメニューUI表示のような感じ)
正直なところスマホを使っている方からすれば、Android寄りのSW2のほうがなんとなく初見で行けるかな感はあったりします。

時計デザインはいろんな人が作ったりしています。好みに合わせた時計盤に出来るのもデジタルガジェットならでは。
Android Wearでは更に一歩踏み込み、現在地の天気などを同時に待ち受け表示するパネルなどもあります。消費電力は半端ないですが、スマホのウィジェットをそのまま待ち受けするアプリなんかもあるんで、時計と言うよりは、半情報端末的な扱いも出来ます。
SW2も...と書きたいところなのですが、時計パネルで音楽音量の操作は出来るものの、ややクセのある感じ。スライドしてその辺りをタッチするという感じで操作するのですね。なので、リモコンとして使うのには最適だと思います。(スマホウィジェットはメニュー画面に置けるという感じ)待ち受け画面に便利そうなリモコンがあるだけと考えれば、まあそれとなく使えるでしょう。

両方とも基本的にはアラート受信です。スマホのアラートを表示することには定評があります。
これも2012年ごろにG-SHOCKがBTで受信アラートできていたし、なにせSonyもLiveViewというこれ系のガジェットを出していたぐらいです。
LiveViewは持ってたのですが、この当時はXPERIAを使っていなかったことと、死ぬほど電池持ちが悪かったこと、そしてバイブが弱すぎて気づかないことが災いして全く使わなかったです。

そこんところこの2台は優秀です。
本体と同期が取れているので、メールがくればきちんとブルブルしてくれます。メールもそのまま読めてしまいます。電話がかかってくればブルブルします。この気付くぐらいのバイブが重要です。
違いは、Android Wearはスマホに来たアラートは全て受信する(無論任意でアラートブロック出来る)ことです。またAndroidアプリの中に連携出来るようなプラグインを組んでおけば、Android Wear上で情報表示することが出来ます。ゲームの回復アラートなんかをマメにチェックする方には向いています。
SW2はプラグイン方式を取っているため、例えばGmail用のプラグイン、Twitter用のプラグインと言った感じで、スマホ上にそのプラグインをインストールした上で、連携を取らせる感じです。こっちは必要なものだけ使う方向きですね。


そして、「何が出来るか?」である、アプリの部分です。
さほど重要視しませんが、これはガジェット止まりのAndroid Wearと、スマホ寄りのSW2で大きく異なります。
例えばメールを見ること、Android Wearは単純にGmailが来たとして、そのメールだけを表示します。SW2はボタンを駆使して履歴が見られるようにしてあります。
まあ、電卓だとかそういうものだったり、オーディオプレーヤーのリモコンだったりとか、そういう単純な階層のアプリはどっちでも使えますが、アプリとして完結出来そうなものはSW2のほうが現時点では多い感じです。

大きな違いはもう1点、音声認識の有無です。Android Wearには必須です。と言っても、主にちょっとしたワードを組み合わせて、その動作をスマホが行うというものです。
例えば「OK,Google」という機能。スマホで検索して、その内容をちょい出ししてくる機能で、スマホに話しかけると検索結果が出てくるCMのアレを、腕時計に向かってやる必要があります。これ便利なのか?


まあ、絶対そういう状況に陥ることはないと思いますけど、酔った後輩の女の子を電車に乗せるか、それともホテルにチェックインするか、とかの場合には役に立ちそう。

「北与野までの終電」→時間が過ぎてる
「北与野までのタクシー代」→凄まじい金額
「近くのホテル」→ラブホが出てくる

っていう感じね。無論ここでラブホに泊まったら企画モノですので、ちゃんとした社会人はカード使ってもビジネスホテルを2部屋取るか、予め女の子にメールでも打って、俺はマンガ喫茶に泊まるとかにしてください。酔ったふりなら別ですけどね。(甲斐性ねえわ)

いやあ、有効な活用方法が思いつかねえもんですな。
「メールする」に特定のアドレスと内容を予め入れておいて半ストーカー行為とか、そういうことしか思い浮かばないもんね。
あるいは、「目標をセンターに入れて、スイッチ」でデモ版サキエルをバンバン打つとか、そういう使い方ですよね。

OK,Google用の物理ボタンがあると便利かもね。
もしくは、OK,Googleって起動ワードを自由に編集できれば厨二病にはウケると思うんです。「ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアが命じる!!」とかね。

冗談はさておいて、
まんべんなくアラートを拾うのは結構ですが、それはあくまでスマホの補助であって、スマホを見れば済んでしまうところなんですね。
なので、完全なアラート受信機だけとか作ればいいんですよねえ。この中にスナドラS400とか入れてる理由が、まだ全然発揮されてないんじゃないかと。例えば内部ストレージに音楽転送して、BTレシーバーで音楽聞けても、そんなもんスマホ本体と接続して聞けばいいことですし、日本市場においては、今出来る事では訴求力が低すぎて話にならないのは確かだと思います。

「リモコン」じゃなくて「腕時計」なんですよね。ベルト外せばいいんですけど、画面をタップしたりスワイプしたりでやれることを腕時計の盤上でやるということに難易度の高さはあるかもしれません。手で時計の画面いじってるなんて怪しい人だと思われます。スマホいじってて通報される日本じゃあ、ヘタすれば被害妄想だけで盗撮扱い(注:カメラは搭載されていない)とか受けそうだもんね。

まあ、なので、Googleでもメーカーでもいいですけど、アプリを主導して何か提案してあげないと、本当にただのアラート時計になってしまうと思います。
auがG Watch Rを独占で取り扱う理由とかそういうことだったのかなとか思ったら、単なる代理店でしたというのは正直がっかりした。一番そういう主導をするのが上手いキャリアなのにね。

結構不満に思うこと、今回2台目を買おうと思った理由のひとつは、一対ではなく複数スマホとの連携が不可能であるということと、いちいち初期化して、それをまた元のスマホに戻した時に、うまく連携出来ないでスマホ側だけにとどまるアプリが出てきてしまったりしたからというのがあります。
そうなったら単純にスマホからアプリを削除してもう一回入れればいいんだけど、例えばウォークマンみたいにアプリはXPERIAしか入っていなくて、削除出来ないようなアプリの再連携はどう取ればいいのか?ということまで想定されてない感じがするんですよね。
SW2は初期化してもソニー純正だけあってそれはないんだけど、Android Wearでは本当に何かの拍子に関連付けが復活して、操作するアプリを選ぶことが出来るという、「時間が勝手に解決してくれる」方式なのです。
3回ぐらいZ3とZ3cの間で初期化→再ペアリング(Z3→Z3c→Z3)を行いましたが、1発で連携できてれば3回もやらずに済んでるんですよね。

基本一対としてスマホとスマートウォッチを連携させる必要があるのですが、これをGoogleのアカウント情報に紐付けして、Googleアカウントが同じならスマホを変えても初期化しなくて済むとか、そういう仕組みは作れないものかと思います。


腕時計は腕時計でいい。スマートウォッチはもっとスマートになれるか?


というわけで、現状をまとめると、どうしてもアラート機能とリモコン機能しかありません。
Google Nowとの連携ならAndroid Wear系を買えばいいですし、リモコンなどを重視するならSW2でも悪く無いです。
とりあえず欲しければ買ってもいいと思います。ただ僕は先発のSW2に未来が見いだせる気がします。
正直な所、音声認識とボタンのどっちが操作性に優れてるかとかそういう点に重視を置く場合、やはりSW2はほぼAndroidなのでアプリなんかが作りやすいのではないかと思います。

というかね、Googleがアメリカの会社なので仕方ないとは思いますが、
Google glassでもなんでも「音声認識」ありきで動かせるというのは、日本には馴染まないと思うんです。
前述の「OK,Google」の物理ボタンは、なにもスマートウォッチだけの話ではなく、NEXUSなんかのスマホとかにもつけたらいいんじゃね?って気がするんです。コレがあるかないかで使う気が割と上がったりすると思うんですよね。

あと、例えば同期しないにしても、バイタルチェックとかGPSとかのロガーを独自にAndroid Wear内に必ず実装するような仕様にしていくなりして、スマホと連携しなくても独立して展開できるアプリなんかをプリインアプリにするとか、(Google Fitはまさにそれ)そのロガーをチェックするための補助アプリをスマホで表示出来るとか、そうならない限りは延々アラート機能にオマケの付加情報が見られるだけのビュアーになってしまいます。
あるいは、もう完全に売る方でセットにしてしまって、相互に足りない機能を補うとかね。別に常時一対として運用する前提でスマホ側にGPSをつけないとか、もっと言えばスマートウォッチ側に回線を内蔵して、受話器だけBTで接続したり、テザリング出来たりとか、そのぐらいしないと前面に押し出せるほどにはならないと思います。
(余談だけど、Android搭載腕時計ではそういうこと出来たりするんだろうかw)

腕時計と違い、陳腐化するアイテムなので、今後もそれほど作られないまま終わりそうな気もします。
この先プロジェクションマッピング技術などを使った擬似3D腕時計とか、Google glassだったりのウェアラブルデバイスなどがどんどん作られると思いますが、これはギーグ層にしか受けないものだったりするのかなあ。

マンガやアニメに出てくるようなああいう腕時計をスマホの代わりに使えるようになるのが理想なのかもしれません。
プロジェクター実装で、プロジェクションマッピングでテレビ電話出来るあの腕時計になりうるのかどうか、案外簡単にできるけど、プライバシーだのなんだのウルサイ日本では、望まれるようなものじゃないのかもしれませんね。


おしまい