今回は、2021年10月に発売されたとは思えない高性能スマホ、MOTOROLAのedge 20の実機レビューを紹介します。

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それは過去からやってきた、現行ミドルエンドのすごいスマホ
今回は、おなじみ2年に1回の超特価。IIJmioのMNPセールにて、14,800円の24回というみみっちい買い方をしました。まあ、不動回線が1本あると考えれば、それほど高くはないです。一緒に契約したSIMをどうするかという点はありますが、この辺は甘んじて使ってもいいかなと思います。

で、多分、今回の読者様の感想は「なんでそんな古いスマホをレビューすんの?」と思います。それはその通りだと思います。なんなら、2年前にXiaomiのmi 11 Lite 5Gをレビューしてるわけで、特にそのあたりとは変わっていないんじゃないかと思うかもしれません。

一言で言ってしまうと、製品の出来がXiaomiとは段違いであると思えますね。早速、その辺をレビューしていきます。

かんたんなスペック
Snapdragon778G (2.4GHzx1、2.2GHzx3、1.9GHzx4)
メインメモリー 6GB
ストレージ 126GB
前面6.7インチ AMOLED FHD+(2400*1080)液晶/リフレッシュレート144Hz対応
無線LAN 11ax(2402Mbps対応)/Bluetooth5.2
10800万画素(メイン)/160万画素(広角/マクロレンズ)/800万画素(望遠レンズ 3倍ズーム可能)
電源ボタン兼用指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載、Felica/おサイフケータイ対応(ただしNFC決済との排他)
モノラルスピーカー/LDAC、aptX Adaptive、AAC、SBC対応
nanoSIMスロット x2(DSDV、5G+4Gでの送受信対応)
4000mAhバッテリー
163x 76 x 6.99 mm 163g
Android12(公式にはAndroid13までのアップデート予定あり)

5G
NR:n1/n3/n5/n7/n8/n28/n38/n41/n77/n78/n66
4G
1/2/3/4/5/7/8/12/18/19/20/26/28/32/34/38/39/40/41/42/43/66
3G
1/2/4/5/8

mi 11 Lite 5Gとはほぼ間違い探しのような感じですが、カメラや液晶のスペックが上がったと考えれば納得かなと思います。
地味に11ax、しかも2402Mbpsに対応しているというのは、ちょっとした驚きです。

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専用ケースに入って出荷されています。万が一の事故にも安心?

今までのスマホになかった、大画面、薄型軽量、ミドルレンジの三拍子
とりあえずベンチは3DMarkだけでいいでしょう。ゲームやりたいでしょ?
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S780Gと比べて、約1割減といったところ。
これが単純にAdreno642とAdreno642Lの違い、5nmプロセスと6nmプロセスの違いということになると思います。まあ、S780Gの採用が1機種であったのに比べて、S778Gはそこそこの採用数があったことを考えると、ほぼ同一のSoCと考えるのが妥当とも言えます。

ただ、スペックでもディメンションでもなく、この機種が素晴らしいというところは、素のAndroidに近いものが入った、薄型かつ大型ディスプレイを搭載した、ミドルレンジモデルであるということと、S778Gを搭載したことで、ピークパフォーマンスの維持がどういうわけか可能になっている。つまり、発熱が少ないということです。試しにデレステ(3Dリッチ AUTO)→プリコネ→ウマ娘(通常版影付き)→アイプラ(中60fps)と連続でプレイしても、最後のアイプラで3D処理がやや辛くなる(ただし他よりも3D負荷は高い)だけ。発熱は、全然変わらないレベルで、元々発熱し辛いのと、背面が特に飾りなどもない、カメラモジュール以外がフラットタイプなので、ここで上手く逃していると思われます。手放した今となってはもうどうしようもないですけど、S780Gの当時のイメージや、MIUIなどの問題点などをブラッシュアップしていくと、たどり着く先は、edge 20に近い何かになるんじゃないかと思います。ただ、mi 11 Lite 5Gもサイズ感などを考慮すると、決して悪くなかったモデルだったので、この辺は好みなのかなと思ったりします。

ちなみに通常使用においては、まず問題ない動作ですし、S695との対比でどうなのよと言われると、ぶっちゃけほぼ変わらないと思います。ただ、お金をかけてデコレーションされたS695がどんなに高いピークパフォーマンス性能を叩き出したとしても、S778Gとはランクが違う。その点は予め知っておいていいと思います。moto g52jと最後まで悩んだのは、microSDスロットの有無と、SoCの違いでしたが、こっちを選んで正解だったと思ってます。microSDスロットさえあれば、おそらくXPERIA 5 IVを置き換えてた可能性が高いですね。

あと、ビルドクオリティはさすがのモトローラだなと思わせる出来。箱を空けると、ケースに入った本体が出てきたのも、ポイントが高いです。薄いと、なんかポキっと行きそうな気もしますけど、edge 20にはそれを感じさせないようなものがあります。個人的に、Libero 5Gの理想型を作ったら、edge 20になりそうなぐらい。モトローラがすごいのか、ZTEがすごいのか。でも、ここ数年で本当にこの2つのメーカーはビルドクオリティが上がってきてると思いますね。

まとめ
スタンダードAndroid搭載でこの快適さは、案外想像できないかも

というわけで、edge 20は、現在でもほぼ一線で戦える快適性能です。6.7インチと画面も大きく、163gとかなり軽量です。今もアマゾンで36800円(執筆時)で販売されていますが、少なくとも性能云々で言えば、S865以下、S855と同等というレベルです。ということは、残念ながらS695、Dimensity 700では敵わない次元であり、ゲームをプレイするなら、S765Gよりこっちを選ぶべきかなと思います。ただ、S765Gは採用例も多く、種類も多いため、悩ましいところではあります。
この機種に関して言えば、microSDスロットがないこと、イヤホンジャックがないことなど、薄型スマホにありがちな弱点が結構あります。microSDスロットさえあれば、本気でXPERIA 5 IVから切り替えようか迷ったレベルでした。それぐらいに、この機種には価値があります。多くの人はわからないけど、ハマる人には、確実にハマる。そういうスマホです。
S778Gの搭載例だとNothing Phone(1)や、POCO X5 Pro 5Gなどのようで、そもそもS778G搭載スマホが少ないという現実があります。今、まさにスマホを買い替えないといけないとか、切羽詰まるようなところまで来ている方には、edge 20はかなり有力な選択肢になると思います。
ただ、今後登場するかわからないですが、Snapdragon 7+ Gen2が搭載されたミドルエンドモデルが登場し、前評判通りの性能を発揮する場合、S8Gen1並のパフォーマンスと、S695並みの省電力性ということで、正直恐ろしいところがあります。これが同価格帯...まあ、5万そこそこで出たら、サイズはどうあれ、そっちを買うのが正解になっちゃうのかなと思います。

この悩み、日本独特のモノですよね。少なくとも他の国では、ミドルエンドモデルは豊富で、日本では枯渇しているので、Nothing Phone(1)やedge 20、他社製まで行くとPixelシリーズぐらいしか選択肢がない状況に陥っているということなんですよね。こればっかりは、メーカーも責められないし、バラマキ端末ばかり作らせるキャリアの問題も大きいし、そのバラマキ端末の価格に上限を決めた総務省の責任も重いと思います。日本じゃiPhoneがただで手に入ってしまうんだろうって笑って海外旅行客に持っていかれないような施策を考えろよって思いますけどね。

ひとまず、edge 20は本当にいいスマホです。条件に合致する人は、今からでも入手してみてはいかがでしょうか。



おしまい