SONY XPERIA 5 III XQ-BQ42の実機レビューです。
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現時点で、最後の1シリーズのコンパクトモデル
購入した理由に関しては、XPERIA 5シリーズで、1シリーズとほぼ同等のスペックを持ったモデルの最終版。このあとのIVやVは、1シリーズとはカメラの構成が異なっているので、厳密にハイエンドタイプの5はこのIIIまでとなる見込みです。物理SIM2枚も、このモデルまでですね。
あとは、借り物だったので今までレビューしてこなかったんですけど、SB版のXPERIA 5 IIIの返却期限が1年を切っているため、それも見越しての購入です。ゲームが大容量化するにつれて、128GBではゲーム容量に完全に圧迫されることもあります。いずれにしても、SB版残価が68000円に対して、税込み49500円で新品が買えるのも、大きな後押しになったかなとも思います。

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かんたんなスペック
Snapdragon 888 
メインメモリー 8GB
ストレージ 256GB
6.1インチ AMOLED FHD+(2520*1080)液晶/リフレッシュレート最大120Hz
無線LAN 11ax(2404Mbps対応)/Bluetooth5.2
1220万画素(超広角レンズ)/1220万画素(広角レンズ)/1220万画素(望遠レンズ)/800万画素(画面側フロントレンズ)
電源ボタン兼指紋認証センサー、USB type-C端子
NFC搭載(Type-A/B/F)、Felica対応
ステレオスピーカー/LDAC、aptX Adaptive対応/イヤホンジャックあり
nanoSIMスロット x2(DSDV可能)
microSDスロット
防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)
4500mAhバッテリー
157x 68 x 8.2 mm 168g
Android 13

5G
n3,n28,n77,n78,n79
4G
Band1,3,4,5,7,8,12,13,17,18,19,21,26,28,38,39,40,41,42
3G
Band1,5,6,8,19
(バンドに関しては公式より転載しています。)

世代的には、公開時点で2世代前となるものの、S888を搭載、かつAndroidのバージョンも13まで上がっているので、実用ベースではまったく問題ないです。


サイズ感、使用感など

まずゲームですが、以下の動作は確認済みです
(2024/03/24現在・インストールおよび動作確認用垢にて起動まで確認)
アイドルマスターシンデレラガールズ スターライトステージ
アイドルマスターシャイニーカラーズ(enza版/アプリ版)
アイドルマスターシャイニーカラーズ Song for Prism
マギアレコード
プリンセスコネクト Re:Dive
IDOLY PRIDE
ウマ娘 プリティーダービー
ときめきアイドル(オフライン版)

S888なので、余裕はあります。もっとも、この中で一番スペックを要求されるシャニソンに関しては、MVで微妙にカクカクする場面もあります。まあ、やむなし。
現状、XPERIA 1 Vがメインスマホであるため、このスマホでのゲームプレイは、ごく一部にとどまります。それでも、上記のゲームだけで40GB程度の消費はどうなのかと思いますけどね。

動作に関しては、まずもっさりする場面がないです。2世代前でもハイエンド。例えば、Xiaomi 13Tのようなスペック上、同等モデルとされるものと比較しても、見劣りはしないです。加えて、ほぼピュアAndroidのため、仮想メモリなどでごまかしをしない姿勢は評価出来ます。で、Android 13でサポートが止まってしまう可能性が高い。非公式ではあるものの、14へのアップデートも予定されているらしい、ぐらいの話しか聞かないので、果たしてどうなることやら。とりあえず、Android 13でもXPERIA 1 Vとソフトウェア上の使い勝手はほぼ変わらないので、その点では、SBのXPERIA 5 IIIよりはいいとも思えます。

物理SIMが2枚入るラストモデルになっていて、PovoとLinksmateの2枚挿し。Linksmateは常時ゲームをプレイするには、不自由がない程度の回線速度なので、何らかの形でPovoを使う場合にのみ切り替えとしています。ただ、その構成であっても、基本はXPERIA 1 Vに対してのバックアップであり、遠出するようなときに持ち歩くレベルなので、困ることはないです。それでも、SB版XPERIA  5 IIIよりは自由が利くようになってます。キャリア版はこの世代まで、キャリアバンドのみをサポートしていただけなので、SB版でPovoを使うには結構不自由があったんですけど、SIMフリー版はその辺をひっくるめて解決出来るのが大きいですね。

そして、サイズ感。こればっかりは、1より5のほうが好みではあるんですけど、1の情報量が若干過剰、5だとやや不足という感じが否めないです。液晶比率が21:9という点は、メリットでもあり、デメリットでもある。ゆえ、買ったあとに、Libero 5G IIIを買い直そうか迷うところです。(19.5:9の6.67インチは非常に快適だった。)それでも、6.1インチあるため、使うに不便はないはずです。
加えて、168gとハイエンドモデルとしては比較的軽いこともあるので、通話での負担がかなり軽い点もいい感じがします。もっとも、通話だけに関して言えば、確実にガラケーのほうが楽なので、ヘビーな通話をする人は、別途ガラケーを用意したほうがいいと思います。
XPERIA 5 IIIはボディが、かつてのCompact系に迫る横幅のため、ホールド感がいいことがポイントです。ホールド感がいいけど、ちょっと危ない感じがする。XPERIA 5 IVで通話したときにしっかり握れるのが重要だと思ってましたけど、こっちは丸みがあって、それがいいと思えるか、それともかくばったほうがいいのか。こればっかりは好みですね。


まとめ、新品なら満足感は高いが...Android OSのアップデートはどこまで行けるか

XPERIA 1シリーズがハイエンドの塊であり、SONYの技術の結晶ならば、XPERIA 5シリーズはどこかハイエンドだけどカジュアルさを捨ててないところが、良さであり悪さという感じでした。ただ、IIIまでは筐体が異なるだけで、ハイエンドをそのまま凝縮した感じだったわけで、そこを実用ベースに舵を切り、IVやVのような、スペックはハイエンドだけど、やや犠牲にするものが増えていくモデルへと変わっていっています。噂レベルでは、5の後継モデルはないかもと言われていますが、本当のところ、このモデルをなくすと、著しくスペックが落ちる10シリーズの強化、まあ、当初は1と10しかラインナップになかったし、日本市場にはACEシリーズも投入しているので、それも出来るとは思います。10 IVを使ってから5 IVに切り替えた人間としては、10 IVのサイズで5 IVの性能だったらとも思ったこともあり、いずれ5シリーズはネタ切れになるだろうとも思っています。現に5 Vはコストダウンを狙ったが、SoCやカメラに対してのこだわりがあったため、コスト高になってしまった悪い例だと思います。

で、そんなことを色々書いていますけど、性能としては十分であることは変わりないので、その点を考慮すると、5 IVや5 Vなんかも価格が下がりきったあとに購入するというのはありです。5 IVはちょっとどうかなとは思いますけど、5 Vは開き直れば、検討してもいい気はします。
じゃあ、今回買った5 IIIはどうなの?というと、正直なところ賞味期限はギリギリですが、コンパクトハイエンドの生き残りで、物理SIMが2枚入るところに、検討する余地はあると思います。あとは、49500円という価格のインパクトが強かったですね。5 IIの時も最終的に6万ぐらいしてましたから、5 IIIの新品が49500円は、異様なほど破格です。その値段だから購入するという理由付けで、満足出来る性能はあります。S695、S778Gだから、5万はちょっと手を出しにくいという人にはオススメ出来ます。ゲームプレイが多いけど、5万しか予算がないし、回線をMNPしたくないとか、よほど条件を絞ってるひとなら、まず満足出来るかな。
あとは、Androidのアップデートが13までなのか?という点。13だから悪いわけでもなく、14になって変わったか?と言われると、そういうことはないのですが、スペック上可能なアップデートが途中で打ち切られるのは、あまりいいことではないと思っています。ただ、SONYが5 IIIを捨て値に近い価格で売っているということは、そういうことでしょ?って考えるのが妥当です。自分としては問題ないが、いざ人に進められるかというのは、ちょっと考えるところです。とはいえ、適切じゃないかもしれないですけど、Androidのアップデートが云々なんて騒ぐようなギーグ層と違って、個々のメーカーについているファンは、そこを気にするような人は少ないのかなとも。

ちなみに、中古市場でもまだ4万弱ぐらいでの取引がされているようで、ショップによっては、新品SIMフリー版より高い値段で売られているところもあります。個人的にキャリア版を安価で買う場合、5 IV以降のモデルじゃないとeSIMに対応せず、SIM1スロットでどうにかなる人向けです。あと、どうしても5 IIIは各キャリアバンドのみサポートというのが、一つ問題になるかなとも思います。買うなとはいいませんが、買うならSIMフリー版を探して、入手が出来ないなら別の端末を検討したほうがいいです。高負荷かからない程度のハイエンドを使いたいなら、5 IVのほうが実用ベースで使えます。

正直なところ、思い入れが強くない限り、ハイエンドとはいえ2世代前のスマホを新品で買って喜ぶというのは、僕も貴重な経験したなって思います。良くも悪くも、これがロマンの塊感ですね。



おしまい